蒼天のキズナ   作:劉翼

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対カツラその2、引き続きバクーダ戦からスタートの第60話です!


第60話:燃えよ闘志!熱風のグレンジム!

 いよいよグレンジムジムリーダーカツラとのジム戦に臨んだツバキ。

 ルーレットによってフィールドの状況が変化する中、バクーダとのバトルでファンファンを失い、2体目のシェルルもいまだバクーダを破れずにいた。

 

 

 

「さぁさぁ、ワシのバクーダはまだ健在だぞツバキくん! こいつのタフネスを破るにはまだまだ踏み込みが足りん!」

 

「(うぅ、本当に頑丈……“ころがる”、“じしん”、“ふいうち”、“たきのぼり”と当ててるのに……)」

 

 確かにバクーダの特性《ハードロック》は、本来苦手とするタイプのダメージを軽減する強力な物ではあるが、カツラのバクーダの頑強さはもはやその域を超えており、相当鍛えられているであろう事が窺える。

 とはいえ、決してピンピンしてるわけではなく、もう一押しといったところではあるが。

 

「(もう少し……もう少しなのに、そのあと少しが……!)」

 

 数の上で不利な現状、シェルルのダメージを極力抑えながらバクーダを倒し、2体目を引き出す必要があるが、カツラにもバクーダにもこちらの手の内を半分は見せてしまっている。

 やみくもに“ふいうち”を使っても、先ほどと同等の成果が出せるとは思えない。

 

「(あとカツラさんが見ていないのは、“アクアジェット”と“いわなだれ”……この組み合わせでなんとか意表を突ければ……)」

 

「バクーダ、“ストーンエッジ”だ!」

 

「っ!」

 

 思考を巡らせるツバキの意識をカツラの指示が引き戻し、地面から次々に突き出す鋭い岩の柱がシェルルへと迫る。

 シェルルのパワーならば正面から粉砕も可能だろうが、大きな隙をさらす事になる。

 かといって回避は通常状態のシェルルの速度では難しい……と、なれば。

 

「“アクアジェット”!」

 

 そう、この技でよけるしか道は無いのだ。

 もしかするとカツラは、こうして追い込んでこちらの技を確認しようとしているのかもしれない。

 仮にそうだと理解しても、なお動かざるをえない状況へ持ち込む辺りは、さすが亀の甲より年の功か。

 

「っ! 岩に沿って飛んで!」

 

 ツバキの指示を受けたシェルルは水流で全身を覆うと一気に加速し、迫る岩の端ギリギリをすり抜けて正面からバクーダへ向かっていく。

 

「むぅっ……!」

 

 この動きはカツラにも想定外だった。

 これまで数多のトレーナーと戦った経験則から、左右どちらかへ大きく飛び出して距離を取るか、岩を破壊して凌ぐかするであろうと考えていたからだ。

 だが、元より追撃のために“だいもんじ”の準備はできている。

 

「“だいもんじ”発射!」

 

「シェルル、“ストーンエッジ”を壊して投げつけて!」

 

「っ!?」

 

 “アクアジェット”でバクーダへ迫りながら、シェルルは左腕の爪で“ストーンエッジ”の岩を砕くと、大きな破片を拾い上げてバクーダ目掛けて投げつけた。

 大きく広がる前の“だいもんじ”の炎を押し返しながら、巨大な岩の破片がバクーダの顔面に激突して砕けた。

 そして……。

 

「“たきのぼり”っ!」

 

 砕け散った破片の向こう側から、全身を覆っていた“アクアジェット”の水流を両腕に集中させたシェルルが襲いかかり、力を込めた右腕でバクーダの顎を打ち上げた。

 たまらずバクーダは前脚が浮かび上がり、そのままぐらりと後ろに倒れ、動かなくなってしまった。

 

「…………バクーダ、戦闘不能! グソクムシャの勝ち!」

 

「……! やった! 頑張ったね、シェルル!」

 

 ツバキが戻ってきたシェルルとハイタッチする一方、カツラは笑みを浮かべながらバクーダをボールへ戻す。

 

「バクーダ、ご苦労。休んでいてくれ」

 

 バクーダのボールをしまったカツラは、2番手となるポケモンを繰り出すべく新たなボールを手にする。

 

「(使える物はなんでも使う……まさにポケモンバトルの真髄だ。恐らくツバキくんは、無意識にそれを理解し、学習し、実践しているのだろう。……ふっ、将来は良いトレーナーになるな)」

 

 カツラの思っている通り、ツバキの戦術は思考の末に構築された理屈と、本能や無意識下の直感的理解力が融合した形となっており、それが彼女の柔軟な発想力を生み出している。

 そこに度重なる努力による地力向上と、ポケモン達との強い結び付きが加わる事で、本人が考えているよりも大きな力を発揮する事が可能となっているのである。

 

「……さすがだ、ツバキくん! だが、まだ1体倒しただけ……油断はしておるまいな?」

 

「もちろんです!」

 

 バクーダとのバトルが熾烈だったために忘れそうになるが、まだようやく1体目撃破でイーブン……シェルルの手の内をほぼ見せ、わずかながらダメージも負っている事を思えば、むしろ不利な状況とも言える。

 しかし、だからと臆するつもりはツバキにはまったく無い。

 ポケモン達を信じ、そして彼らから向けられる信頼に応えるだけだ。

 

「シェルル、まだ行ける?」

 

 ツバキの問いかけに、シェルルは爪を突き合わせて咆哮する形で答える。

 

「うん……! ここからが正念場、一緒に頑張ろう!」

 

「ふふふ……良い信頼関係を築いているようだな。だが、それならワシらとて引けは取らん! 行くぞエンブオー!」

 

 カツラの投げたボールから飛び出したポケモンは、地鳴りと土煙を上げながらフィールドに着地し、シェルルを視界に捉えると髭のような顎の炎を激しく燃やし始めた。

 おおひぶたポケモンの『エンブオー』である。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 見るからに重量感に溢れ、2足歩行なのでバクーダよりも機動力に優れているだろう。

 

「手強そうだけど……わたし達は負けません! 負けられません!」

 

「カッカッカ! 良かろう! では……シャコバくん!」

 

「はっ! ルーレット……回転!」

 

 三度回転を始めるルーレット。

 ここまでは雨、虹とツバキに有利な状況を作ってくれたが、次ははたして……。

 ツバキがドキドキしながらルーレットの針を見守る中、そのスピードが落ちて……。

 

「次のアイコンは霧! フィールドに“ミストフィールド”が展開されます!」

 

「ミスト……フィールド……?」

 

 ツバキが首を傾げると、カツラが人差し指を立てて解説してくれた。

 

「うむ、ミストフィールドが場に展開していると、地面にいるポケモンは状態異常にならん上、ドラゴンタイプの技で受けるダメージが減るのだ! ……なぁシャコバくん、さっきからワシに不利なフィールドが続いとるんだが……君、何かしとらんかね?」

 

「そう言われましても、確率の神様を恨んでくださいとしか。それに、あらゆる状況に対応できるのが優れたトレーナーでしょう?」

 

「それはそうなんだが……まぁ良いか」

 

 開いた壁の中から現れたヒヤリングポケモン『タブンネ』が、耳をぴくぴく震わせ、シャコバの指示を待つ。

 

「よし、タブンネ、“ミストフィールド”を頼む!」

 

 頷いたタブンネが地面に手を当てると、そこからバトルフィールド全体に広がるように紫色の薄モヤが立ち込めた。

 なるほど、このモヤがポケモンの体表面に付着し、状態異常を防いでくれるのだろう。

 

「フィールド展開完了! では、エンブオー対グソクムシャ。バトル……開始っ!」

 

「“ビルドアップ”!」

 

「“アクアジェット”!」

 

 エンブオーが力こぶを作り、全身に力を込めようとした矢先、水流と共に突っ込んできたシェルルの体当たりを受けてしまう。

 だが、どっしりとしたエンブオーの身体はその衝撃を持ちこたえ、逆にシェルルを押し返すほどのパワーを発揮した。

 

「シェ、シェルルが力負けするなんて……! くっ……今度は“たきのぼり”!」

 

 エンブオーのパワーで弾き飛ばされたシェルルだが、体勢を整えて着地するや、即座に姿勢を低くして地面を蹴り、右腕へと水分を集めながら走る。

 

「“アームハンマー”で迎え撃て!」

 

 エンブオーの両腕に一層力が込められ、筋肉で肥大化する。

 大きく振りかぶったエンブオーの腕と、突き出したシェルルの腕が激突し、互いに一歩も引かぬ力勝負へと発展する。

 パワーで言えば本来はどちらも同等だが、“ビルドアップ”によって全身の筋力を増幅した今のエンブオーにはやや分が悪い。

 しかも、エンブオーは上から、シェルルは下からの攻撃を行ったため、相手は重量に任せた力押しが可能ときている。

 

「うぅっ……!」

 

「ふふふ、力比べこそはエンブオーの真骨頂! グソクムシャもなかなかのようだが、状況が悪かったな!」

 

 だが、この状況は決して覆せないわけではない。

 上から力任せに押してくるのなら、即座にその場を離れれば相手は勝手に地面に倒れ込んでくれる。

 

「(でも、カツラさんがそんな事を予想してないなんてあり得ない……むしろそれを待ってるかもしれない……!)」

 

 なにしろ相手は各地方のジムリーダーの中でも最古参の部類に入るベテラントレーナー……自分の持つポケモンの長所も短所も知り尽くし、エンブオーの重量が時に仇となる事も当然把握しているはずだ。

 ならば、その状況に陥った場合のリカバリー手段も用意していて然るべきであろう。

 

「(……だとしても、このままじゃ完全に押し負ける……! 読まれてたとしてもやるしか……!)……シェルル、“アクアジェット”で離れて!」

 

 シェルルは瞬時にエンブオーの眼前から消え、横向きに飛んでいく。

 

「地面へ“だいもんじ”!」

 

 バランスを崩したエンブオーだったが、強烈な炎の噴射で身体を支え、すぐさま逃げたシェルルへと向き直った。

 

「そのまま発射だ!」

 

 身体の前で燃え続けていた炎が勢いを増し、形を変えながらシェルルを追う。

 バクーダの時のように盾にできる物も無い。

 

「くっ……! “たきのぼり”で腕に水を!」

 

 甲冑のような装甲を持つ両腕に大量の水分を纏わせ、身体を覆うように構えたそれは、シャコバのマグカルゴとのバトルで見せた水の盾だ。

 だが、エンブオーの炎は見ているだけで恐怖に身震いするほどの勢いであり、これで防ぎきれる保証は無い……無いが、現状で取れる最善の策である事もまた確かなのだ。

 やがて炎はシェルルに真っ向から衝突し、水の蒸発音と水蒸気が瞬く間にフィールド中に溢れる。

 

「お願い……耐えてシェルル……!」

 

 もうもうとフィールドを覆った水蒸気の中に、炎の輝きだけがうっすらと見える状態となり、それも徐々に弱まってくる。

 視界は少しずつ回復し、フィールドの状態もだいぶわかるようになり、その中に……シェルルは立っていた。

 水蒸気が晴れ、盾として構えていた両腕を開いたシェルルは、息絶え絶えになりながらもエンブオーを睨みつける。

 

「シェルル!」

 

「耐えたか……!」

 

 ツバキの歓喜と、カツラの驚愕が重なる。

 シェルルは振り向くと、ツバキを急かすように鳴き声を上げた。

 

「っ、そ、そうだった! “いわなだれ”!」

 

 シェルルが“だいもんじ”を耐えた事に喜んでいたツバキは、うっかり指示を出すのが遅れてしまった。

 ともあれシェルルは地面に爪を突き立て、多数の岩塊をフィールド上空に浮遊させると、次々にエンブオーへ落下させていく。

 鈍重なエンブオーならば、広範囲に降り注ぐ岩の雨をかわす事はできないはず、という算段だ。

 だが。

 

「“ふいうち”だエンブオー!」

 

「えっ……!?」

 

 瞬間、エンブオーの姿が霞み、シェルルの下腹部に拳がめり込む。

 それと同時に、さっきまでエンブオーの立っていた場所に岩が落ちて土煙を上げた。

 シェルルがよろめきながら後退したかと思うと、ツバキのベルトに着いたモンスターボールが反応し、放たれた回収用光線がシェルルの姿を取り込んだ。

 

「っ! ……そっか、《ききかいひ》……うん、ここまで頑張ってくれたもんね、しばらく休んでて」

 

 グソクムシャの特性《ききかいひ》。

 自身が大きなダメージを負った時に生存本能が働いて一時退却し、味方と入れ替わる特性だ。

 

「……ポポくん、お願い」

 

 頷いたポポがフィールドへ降り立つ。

 

「(あれだけ攻撃してようやく《ききかいひ》が発動するのか……呆れるほど堅牢なポケモンだ……そして、ツバキくんのラストはポポくんか……)」

 

 シェルルの堅さに閉口しつつも、知らない仲ではないポポが出てきた事もあってカツラもテンションが上がってきた。

 怪我をしたポッポの頃から知っている相手なので、ツバキ同様にその成長を楽しみにしていたのだ。

 

「パパの時と同じように……カツラさんもわたしが超えたい、超えなきゃと思ってた壁……! 今、ポケモン達……そしてポポくんと一緒に超えて見せます!」

 

「ワシもツバキくんだけでなく、ポポくんがどれだけ強くなったかも知りたかった! どこからでも来なさい!」

 

「では、戦闘不能ではないため、ルーレットの目はこのまま、ミストフィールドで続行となります! エンブオー対ピジョット。バトル……開始っ!」

 

「“でんこうせっか”!」

 

「“ふいうち”!」

 

 バトル開始の合図と共に、互いのポケモンが残像を残して消える。

 高速で動き回る2体は、人間の動体視力を超えた超スピードの世界で幾度も激突し、その衝撃と音だけが周囲の者達へと伝わる。

 元よりスピードに優れるポポは加速によってさらなるスピードを得るも、エンブオーの重い身体に大ダメージを与えるにはパワーが不足。

 対するエンブオーは“ふいうち”のスピードに重量を乗せた破壊力が武器だが、空を飛び回り、反応速度も優秀なポポには致命傷になるような攻撃はいなされてしまう。

 つまり、周囲に響き渡る音からは想像もつかないが、実際の両者のダメージはあまり大きくないのである。

 しばらくすると双方共にトレーナーの前へと舞い戻り、再び睨み合いに戻る。

 

「“だいもんじ”!」

 

「“たつまき”!」

 

 エンブオーの放った炎を、進化によってさらに筋力のアップしたポポの“たつまき”が飲み込み、空中消滅させる。

 これもまた双方にダメージは無く、なかなか有効打が見つからない……いや、正確にはカツラには見つからないのだ。

 元よりほのおタイプにかくとうタイプを併せ持つエンブオーは、タイプ面ではポポに不利であり、スピード型とヘビーファイター型という点でも相性が悪い。

 一方ツバキは……。

 

「(たぶん、“ブレイブバード”なら大きいダメージが狙える。あれはパワーもスピードもポポくんの技ではピカイチだもん。でも……)」

 

 “ブレイブバード”は相手に与えたダメージが大きいほど自分にも反動が返ってくる技であり、まだカツラに詳細不明の1体が残っているこの状況では、極力ポポの体力を削りたくはないのだ。

 が、このまま小競り合いを続けても消耗する事には変わり無く、経験の差からカツラが何か起死回生の手を出してくるかもしれない。

 

「(……できるだけ反動を抑えるためにも、他の技で少しでも削らないと…………そうだ!)ポポくん、“すなかけ”!」

 

 ポポの大きな翼が大量の砂を巻き上げ、フィールドを覆った。

 

「(むっ、目眩ましか。……たしかポポくんの特性は“するどいめ”だったな……この砂に紛れて“でんこうせっか”……いや、“ブレイブバード”を仕掛けてくるか……?)」

 

 カツラはツバキが旅に出る時、新型ポケモン図鑑の機能説明のためにポポの個体情報を確認し、“ブレイブバード”を覚えていた事を知っている。

 砂で視界を遮り、意識の向いていない死角から強烈な一撃を当てて仕留めるつもりとカツラは踏んだ。

 

「ポポくん、“たつまき”!」

 

「なぬっ!? 自分で撒いた砂を自分で巻き上げると言うのか!?」

 

 ツバキの指示は、カツラの予想を外してきた。

 ポポの羽ばたきで風が3つの巨大な渦を作り出し、“すなかけ”によって蔓延した砂を巻き上げていく。

 

「こ……これは……!?」

 

 3つの“たつまき”がエンブオーの周囲を回転し、巻き込んだ砂利や小石、そして“ストーンエッジ”や“いわなだれ”の破片がエンブオーに断続的なダメージを与え続ける。

 

「まぁまぁまぁ……これってもしかして……」

 

「ええ……恐らくはシャコバおじさんとのバトルで見た“ほのおのうず”から着想を得たのでしょう。ピジョットにまで進化したポポだからこそできる、“すなかけ”と“たつまき”の併せ技……さしずめ“さじんのうず”……!」

 

 どんなに小さいダメージでも、ダメージには違いない。ならば、その小さいダメージを高速で蓄積させてしまえば良い。

 全身余すところ無く秒単位でダメージを与えるこの合体技により、エンブオーの体力は瞬く間に奪われていく。

 

「脱出だエンブオー!」

 

 だが、ピジョン時代よりも勢いを増した“たつまき”は強力な砂と風の檻となり、エンブオーの重量級の身体を以てしても突破が叶わない。

 今、この檻を解錠できるのは……。

 

「ポポくん! “ブレイブバード”!!」

 

 技を使ったポポだけだ。

 空気を裂いて巨大なオーラが全身を覆い、空高く舞い上がると一気に急降下する。

 主に道を譲る臣下のごとく、ポポの接近に合わせて“たつまき”が割れてエンブオーへの道を開いた。

 

「“だいもんじ”だ!」

 

 負けじと顎の炎を燃え上がらせ、『大』の字状の業火が放たれる。

 しかし、ポポの纏う鳥型のオーラは、そんな炎をものともせずに打ち消して一層猛々しさを増していく。

 

 一閃。

 

 ポポは地面に爪を食い込ませ、広げた翼をブレーキにしながらエンブオーの背後へ着地した。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 一拍遅れて“たつまき”が勢いよく霧散し、同時にエンブオーが呻き声を上げてその場に倒れ込んだ。

 

「…………はっ……! エ、エンブオー戦闘不能! ピジョットの勝ち!」

 

 娘とそのパートナーの成長を第三者目線で改めて目の当たりにして感動したシャコバが、慌てて宣言する。

 ポポはツバキの周りを旋回し、彼女の伸ばした右腕に掴まる。

 

「やったねポポくん! 進化してますます強さと格好良さに磨きがかかってるよ!」

 

 左手で頬を撫でると、ポポも嬉しそうに目を細めている。

 

「よくやってくれた、エンブオー……休んでいてくれ。……本当に強くなったな2人とも……」

 

 エンブオーを戻したカツラは、最後のボールを握りしめてツバキとポポを見つめ、2人も見つめ返す。

 

「だが……炎とは消える間際にこそ激しく燃える物! この最後の1体、倒せるか!!」

 

「倒せますっ! わたし達なら!!」

 

 決着がどんな形になるにせよ、いよいよグレンジム戦は最終盤へと突入し、ツバキとカツラ両者の闘志は最高潮にまで燃え上がっていた。

 

 

 

つづく




今回も駄文雑文落書きにお付き合いいただきありがとうございました!

※砂塵の大竜巻ではありません。エンドサイクならぬエンド砂塵やめて。

気が付けば連載開始から4ヵ月も経ってたんですねぇ、早いもんです。
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