スカーレットのメガルカリオと三凶星ルプスのドサイドンが繰り広げるバトルは、策謀渦巻く激闘の末スカーレット達の勝利に終わった。
だが、そのバトル自体がルプスによる時間稼ぎだった。
彼の合図と共に姿を現したのは、伝説のポケモン……サンダー、ファイヤー、フリーザーの遺伝子を組み合わせた合成クローンポケモン、サ・ファイ・ザー。
イソラとスカーレットは、さらに下の階層がある事を知ると、そこにいるであろう三鳥を救出すべくツバキを向かわせ、自分達は眼前の怪物と対峙する……。
「そちらへ侵入者が1名向かった。狙いは三鳥だ。捕らえろ」
「はっ!」
部下への通信を終えたルプスが嘲るような笑みを浮かべる。
「ふっ……最下層は様々な研究データを有する最重要エリア……そこを守る連中は、アクイラらには劣るが優秀な部類に入る。君達のどちらかが行けばともかく、あのような少女ではな」
恐らくはルプス自身が訓練を行った部隊なのだろう。その自信はかなりの物だ。
だが、イソラ達はツバキの事をよくわかっているが故、逆にその慢心に安堵すらした。
「ふんっ……それを聞いて安心した。貴様は過小評価している。あの子の才能と底力……そしてポケモンへの愛情をな。貴様らのようなポケモンを虐げる連中相手のあの子は強い……貴様らの負けだ」
「ん」
胸を張ってツバキの勝利を確信するイソラに、スカーレットも追従する。
「ふむ……ずいぶんと信頼しているものだ。まぁ、仮にあの少女が三鳥を奪取したとしても、ここを抑えていれば外には出られん。そして君達はこのサ・ファイ・ザーが片を付けよう」
ルプスの声に応じ、鼓膜を震わせる3つの鳴き声が木霊する。
「やってみろ! “ハイドロポンプ”! “だいもんじ”! “かげぬい”!」
「“ドラゴンダイブ”。“ラスターカノン”。“めざめるパワー”」
高圧水流、『大』の字型の業火、禍々しい思念を纏う矢、全身の輝きを一点に集束したエネルギー砲、氷のエネルギー弾の弾幕が一斉に発射され、少し遅れて竜型オーラを前面に展開したガブリアスが突撃していく。
「……“ほうでん”、“ねっぷう”、“ふぶき”」
ルプスが慌てる様子も無く小声で指示すると、サ・ファイ・ザーの翼が帯電し、周囲へ電撃を撒き散らし、中央のファイヤーの口から炎が広範囲へ噴射され、長い尾を振り回して超低温の風が吹き荒れる。
広域に展開された3つのエネルギーは、ある箇所では混ざり合い、ある箇所では対消滅で周囲に爆発的なエネルギーを散布し、またある箇所では相乗効果で個々の威力を引き上げた。
それらは膨大なエネルギーの波となって暴走し、イソラ達からの技をことごとく飲み込み、ガブリアスはオーラを掻き消されて弾き飛ばされた。
「なっ……!?」
「……今のは……」
イソラもスカーレットも、目を見開き、口を半開きにして驚愕の表情を浮かべる。
なにしろ、相手は同時に3つの強大な技を同時に発動したのだから無理も無い。
「驚いてくれてなによりだ。そう、これこそはサ・ファイ・ザーの特性、《トリプルオーダー》。伝説のポケモン3体分の頭脳が生み出す演算能力を最大限に活用した結果、サ・ファイ・ザーは12の技を習得し、3種類の技を同時に扱う事ができるのだよ」
「な……にぃ……!?」
「そんな……馬鹿な……!」
バリエーションに富んだ12の技、そしてその中から状況に応じた3つを、伝説のポケモン3体のそれを統合した圧倒的なパワーで放ってくる。
確かにこのような怪物が量産されれば、冗談でなく本当にロケット団が世界を掌握しかねない。
「ふふふ……そして、それらを用いて他の伝説のポケモンを捕獲し、それらを使った新たなクローンキメラを作り出す。戦車や戦闘機を造るよりも資源を浪費せず、産業廃棄物や有害物質も出さないクリーンかつ圧倒的な力……このプロジェクト・キメラこそ、サカキ様が率いるロケット団に相応しい力なのだ!」
ルプスはキメラを統べる主君の姿を幻視し、その配下たる己に改めて誇りを抱く。
「ふっ……さぁ、まだバトルは始まったばかりだ……まだまだデータ収集に協力してもらおう!」
「くっ……! 抜かるなよスカーレット!」
「ん。……させない。世界征服なんて……!」
2人とそのポケモン達は態勢を立て直し、翼を広げて甲高い鳴き声を轟かせる異形を前に、再度臨戦態勢を取った。
「ポケモンのクローンなんて……早く止めないと……!」
ツバキは道具として作り出された哀れな命をこれ以上産み出さないため、階段を駆け下りる。
「っ!」
そして、下りきったツバキの前に3人の団員が立ち塞がった。
これまでの下っ端団員と異なり、チカチカと光る機械の付いたゴーグルを装着している。
「侵入者確認!」
「確保する!」
「ロケット団のために!」
3人の投げたボールから、アーボック、スピアー、ヤミカラスが飛び出し、ツバキを睨みつける。
「くっ……!(バルディはまだ出せない……ポポくんはベラさんとのバトルで疲れてるし、ケーンも連戦が……それならここは……!)」
ツバキは両手で腰のベルトに並んだボールから3つを選んで放り投げる。
「お願いね! ファンファン! ナオ! シェルル!」
ファンファンが大きな音を立てて着地し、次いでシェルルが片膝を付いて降り立ち、ナオはサイコパワーで浮遊する。
すると、団員達はゴーグルに付いた機械をなにやら操作し始めた。
「ふっ、一番高くてレベル49か。我々の敵ではないな」
どうやらツバキの持つポケモン図鑑と同様、ポケモンの大まかな能力を数値として表示できる機能があるようだ。
「邪魔をしないでください! わたしはサンダー達を助けたいだけなんです!」
「そうはさせない!」
「あれらは我々の計画に必要不可欠なサンプル」
「まだ使い道はあるからな……!」
あまりにも冷徹にして残忍なその台詞に、ツバキはポポがピジョンへ進化したあの戦いや、初めてロケット団と遭遇した時の怒りが蘇るのを感じる。
「……そう……あなた達もそうなんですね……」
精神面に歪みはありながらも己のポケモンに対する愛情は感じたウィルゴや、確かな労いの意思を見せていたシュルマとの戦いの後だけに、目の前の心無き男達への怒りはなおさら燃え上がる。
「……許さない……! ポケモンはあなた達の道具じゃないっ!!」
「ほざくな小娘! アーボック、“ヘドロばくだん”!」
「偉そうに言う前に我々を倒してみるんだな! “どくづき”!」
「弱い奴には吠える資格すら無いんだよ! “あくのはどう”!」
ツバキの激昂などどこ吹く風とばかりに団員達は技の指示を下す。
「勝ちます! そのために来たんです! シェルル、“いわなだれ”!」
シェルルが床に爪を突き立てると空中に無数の岩が出現し、自分達と団員達の間に落下して相手の技を防ぐ壁となる。
だが、唯一接近戦を仕掛けてきたどくばちポケモンの『スピアー』が岩の壁を飛び越え、槍のような両腕から毒を滲ませて突きかかってきた。
「“サイコショック”!」
ナオの畳まれていた耳が開き、両手にリング状に固着させたサイコエネルギーを生成すると、そのまま手持ち武器のように接近してきたスピアーへ叩き付け、相手トレーナーの元へと強制送還してやる。
しかし、寸前で両腕を交差させて防御態勢を取ったため、一撃で撃破とはいかなかった。
「スピアー! くそっ、小賢しい……」
「慌てるな。相手は小娘1人だ、焦る必要は無い。ヤミカラス! “シャドーボー”……」
「“ふいうち”!」
岩の陰から瞬時に飛び出したシェルルが、飛翔したヤミカラスの真下を取り、アッパーのように爪を突き上げる。
下腹部に直撃を受けたヤミカラスは、口元に生成していた紫色のエネルギー弾を吐き出して天井へ飛ばしてしまい、自身はたまらず落下する。
「“じゃれつく”!」
そして、鋭い牙と自慢のパワーで岩の壁を突き破って突進したファンファンが鼻を振り回し、落下してきたヤミカラスを盛大にホームラン。
「な、何ぃっ!? ヤミカラスが……!」
ツバキの持つロケット団への敵意がそうさせるのか、常のバトルよりも頭……というよりは直感が冴え、相手の行動に対する反撃法が即座に口をついて出てくる。
「くそっ! どうなってる!? こっちの方がレベルは上なはずだ!」
「この測定機壊れてるんじゃないのか!?」
口々に自分達の苦戦が信じられないという旨の発言をする団員達を見て、ツバキは旅立ちの日にカツラから言われた言葉を思い出す。
――レベルというのは、ポケモンのおおまかな強さを数値化した物だ。もっとも、あくまで目安……ポケモンの強さは、トレーナーとの信頼関係など様々な要因で変動するからね。
まさにそこが目の前の連中とツバキの差を決定的なものとしている。
目先の数字を絶対の物と信じ込み、ポケモンも常に想定通りのスペックを発揮する道具としての認識が強いため、ツバキと彼らとではポケモンとの息の合い方に雲泥の差があるのだ。
「ポケモンを道具としか思えない人達になんか、わたしは負けません! ファンファン、“ころがる”! ナオは“サイコショック”で弾幕! シェルルはヤミカラスに“アクアジェット”!」
ドスンドスンと音を立てて走り出したファンファンが小ジャンプし、空中で身体を丸めてタイヤのような形態になると、高速で回転して猛突進していく。
一瞬よけようとした相手の3体だったが、次々に投擲されるサイコエネルギーの塊が逃げ道を塞ぎ、唯一エスパー技が無効となるヤミカラスがナオを止めようとするも、水流を纏って突っ込んできたシェルルのタックルを受けてダウンしてしまった。
そうこうしている内に残る2体へファンファンが迫り、細長い身体のアーボックのみがギリギリで回避に成功、スピアーはあえなく轢かれてくるくると宙を舞う。
「くそうっ! 俺達はルプス様直々の訓練を受けたエリートなんだぞっ! アーボック! ドンファンに“アクアテール”!」
「何やってるスピアー! ニャオニクスに“シザークロス”だ!」
「ファンファン、“じゃれつく”! ナオは“リフレクター”の後“10まんボルト”!」
尻尾に水を纏わせて襲いかかってきたアーボックに対し、ファンファンは鼻を振り回して応戦するが、さすがに肉薄されると柔軟な動きをするアーボック相手では分が悪いようだ。
一方のナオはスピアーと空中戦を展開し、前面に物理攻撃を防ぐ障壁を張って振り回されるスピアーの両腕の針を捌くと、攻撃を弾かれてよろめいた隙を突いて高圧の電流を叩き込んだ。
「ナオ、“サイコショック”! ファンファン、“ころがる”!」
ナオは“10まんボルト”で身体の痺れたスピアーへ、両手に掴んだサイコエネルギーのリングを叩き付けてトドメを刺す。
そして、ファンファンは正面から“アクアテール”が迫った瞬間を狙い、その尻尾を内側に巻き込むようにして身体を丸めて転がり始めた。
当然アーボックは離れる事もできず、回転に合わせてビタンビタンと床に叩き付けられ、ファンファンが急ブレーキと共に防御態勢を解除すると、勢いのままに放り出され……。
「“たきのぼり”!」
空中で無防備なところへシェルルの激流のごとき水流で覆われた爪が打ち込まれ、アーボックは天井へ叩き付けられた後に団員達の上に落下した。
「ぐえっ……!」
「ば……馬鹿な……ありえねぇ……」
「こ、こんな子供に……!」
アーボックの長い胴に押し潰されながら、団員達は信じ難いというようにツバキを見る。
「小娘だの子供だの…………大人なら大人らしく、子供のお手本になるようにしてください! 皆、行くよ!」
相手が戦意を喪失した事を確認し、ツバキはファンファンに跨がって通路を走り出した。
「ううっ……くそぅ……」
「……あっ! ル、ルプス様……! 申し訳ございません! 突破されました! お、お許しを……!」
アーボックをボールに戻して起き上がった1人が、無線機でルプスへ報告する。
「3人もいて少女1人も止められんのか……まぁ良い。お前達は予備のポケモンを用意して追撃せよ。私もこちらを片付けたら向かおう」
「は……ははぁっ!」
「それにしても、皆本当に強くなったね。すごいよ、皆!」
ツバキはナオを胸に抱いて、ファンファン、シェルルと並んで歩く。
バトル直後にツバキを乗せて全力疾走したため、さしものファンファンも疲れてしまったのでペースを落としたのだ。
ボールに戻していない理由としては、どこにロケット団員が潜んでいるかわからない、というのがある。
ロケット団の中にはトレーナーへの直接攻撃も厭わない者がいる事はすでにわかっており、その組織のアジトに侵入している以上、護衛は必要となる。
いつバトルになっても対応できるよう、先のバトルで出した3体を、キズぐすりによる応急処置を行った後もそのまま連れ歩いているというわけだ。
「……でも、サンダー達はどこなんだろう……早く見つけて助けてあげないと……」
その時、ナオが耳をピクリと動かし、ツバキの腕を離れて浮かび上がった。
「ナオ? どうしたの?」
すると、ファンファンも鼻を床に擦り付けて匂いを嗅ぎ始めた。
「……もしかして、何か見つけたの?」
ファンファンとナオが顔を合わせ、同時にツバキに向かって頷いた。
「っ! やった……! 手がかりが欲しいところだったし、とにかく行ってみよう! 案内お願いね! シェルルも行くよ!」
自分だけ手がかり発見にこれといって役立ってない事に若干落ち込みつつ、シェルルもツバキの後に続いて走り出した。
ファンファンの嗅覚とナオの聴力を頼りに辿り着いたのは、ツバキの身長の倍はある大きなシャッターの前だ。
近くにはさっきサ・ファイ・ザーが上にやって来た時の大型リフトもある。
「……ここみたいだね。シェルル、お願いできる?」
シャッターを指差して尋ねるツバキに、ようやく役に立てそうになったシェルルがブンブンと頷き、シャッターの前に立つ。
そして、両腕を交差させて全神経を研ぎ澄まし、大きくジャンプすると、目にも止まらぬ速度で爪を振るう。
シェルルの着地と同時にシャッターが軋み、次の瞬間、ガラガラと音を立てて崩壊した。
「やったぁ! ありがとう、シェルル!」
ツバキとポケモン達が中へ突入し、真っ先に目に飛び込んできたのは……。
「……! サンダー! ファイヤー! フリーザー!」
複数の黒い三角形の機械が発するエネルギーフィールドに閉じ込められ、翼を畳んで疲弊している三鳥の姿だった。
「し、侵入者か!?」
その声に顔を向ければ、コンソールを操作していたと思われる研究員が、こちらを見て震えている。
だが、どこにもモンスターボールを持っている様子は無く、まず脅威にはならないと判断し、ツバキはサンダー達に向き直る。
「わたしは敵じゃないよ! 今そこから出してあげるから! ナオ、“サイコショック”! シェルル、“たきのぼり”!」
ナオとシェルルがそれぞれ黒い機械に攻撃を加え、フィールドを解除しようとする。
「や、やめろ! 三鳥からはまだ取っていないデータがたくさんあるんだ! 伝説のポケモンのデータはまだまだ少ない……徹底的に調べれば、様々な技術の発展が……!」
抵抗の術を持たないからか、研究員はひたすら言葉でツバキを止めようとするが、当然聞く耳は持たない。
「ポケモンをこんなに苦しめてまで急いでやる事ですか!?」
「うっ……そ、それは……」
ツバキの怒鳴り声を受け、研究員は言葉を詰まらせてしまう。
「……技術は大事……それはわたしだってわかります。……でも、ずっとずっと昔から人と関わって暮らしてきたポケモン達の事は、もっともっと大事にしなきゃいけないんじゃないですか!? こんな所にずっと閉じ込めてたら、サンダー達は死んじゃうかもしれないんですよ!?」
「………………」
研究員は俯いて完全に沈黙してしまった。
どうやらさっきの団員達と比べれば、まだ良心が欠片程度は残っているようだ。
「……少なくともわたしは、そんな事して手に入れた技術なんて……嬉しくありません」
ツバキが言い終わると同時に、ナオの振り下ろしたサイコエネルギーのリングによって、サンダーを閉じ込めていた機械が砕け散り、フィールドが消失してサンダーが崩れ落ちる。
「サンダー! ……ナオとシェルルはそのままファイヤーとフリーザーも助けてあげて!」
ナオ達へ指示を飛ばしながら、ツバキはバッグの中をまさぐり、キズぐすりと黄色いぷっくりした木の実を取り出した。
「ほら、サンダー……オボンの実だよ、食べて?」
サンダーの頭を撫でながら、その口の中に2つに割ったオボンの実を与える。
弱って電圧は下がっているとはいえ、サンダーの羽毛は帯電し、撫でている手が痺れるが我慢する。そんな事より目の前の苦しむポケモンだ。
次いでサンダーの身体を見回し、下腹部に傷を発見すると、そこにキズぐすりを塗り込んでいく。
すると、うっすらと目を開けたサンダーが、弱々しいながらも鳴き声を上げた。
「ほっ……とりあえずは大丈夫になったかな……よし、次っ!」
ちょうどナオによってファイヤーが、シェルルによってフリーザーが解放され、その場に倒れ込んだ。
ツバキはサンダーの時と同様の手順で2体を介抱し、毒を浴びていたフリーザーには解毒効果のあるモモンの実を食べさせた。
「ふぅ……これでどうにか……なったかな?」
やがて3体は少しは元気を取り戻し、自力で立ち上がるまでに回復した。
「良かった……! でも、ここは地下……地面の下なの。皆を逃がすには、地上に出ないといけない……お願い、わたしを信じてついてきて!」
3体はしばし互いの顔を見合わせていたが、同意するように揃って甲高い鳴き声を上げた。
「ありがとう! さぁ、行こう!」
ツバキが先導しようとした矢先、部屋の外からバタバタと足音が近付いてきた。
「やい小娘! 今度はさっきのよう……に……は……?」
それは、さっき倒した3人組だった。
どうやら新しくポケモンを持ってきたようだが、解放された三鳥の姿を見るや硬直し、顔が青ざめる。
三鳥は明確な敵を確認し、鋭い眼光でギロリと睨みつけた。
「ひいっ!?」
そして、“10まんボルト”、“かえんほうしゃ”、“れいとうビーム”が同時に放たれた。
「うわあぁぁぁーーーーっっっ!! に、逃げろぉぉーーっっ!!」
「たっ、助けてくれぇぇぇーーーーっっっ!!」
3人は電撃と火炎と冷気に追い回され、凄まじい勢いで逃げ去っていった。
「すごい……弱ってるのにあれだけの力があるんだ……やっぱり伝説のポケモンは違うなぁ…………って、言ってる場合じゃなかった! さぁ、あそこのリフトから上に行けるみたい! 行くよ! っと、そうだ!」
走り出そうとしたツバキだったが、ピタリと止まって三鳥に向き直った。
「……あのね、今、上ではあなた達のデータで作った、クローンポケモンとわたしのお姉ちゃん達が戦ってるの……もしかしたら、上がってすぐにバトルになるかもしれない……大丈夫……?」
三鳥は「伝説を舐めるな」と言いたげに口々に鳴き声を響かせた。
それを見て頼もしさを感じたツバキは、目を閉じて頷き、再度前を向く。
「……うん、伝説のポケモンに失礼だったよね……。よし! じゃあ、改めて……行こう!」
ツバキとポケモン達、そして三鳥はリフトに乗り込み、上のフロアへ移動する。
その先のまたその先……自由な蒼い空を目指して。
つづく
今回も駄文雑文落書きにお付き合いいただき、ありがとうございました!
今はこれに集中したいのに、続編のアイディアが頭の中でガンガンに囁くの…誰かタスケテ…。