蒼天のキズナ   作:劉翼

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1週間空くのが当たり前になってきたなぁ…。
というわけでトキワジム戦パート2の第78話です!


第78話:激闘、トキワジム!勝利への一手!

 いよいよ最後のジムであるトキワジムのジムリーダー・シルバーに挑んだツバキ。

 ツバキの出したルーシアは、先発で出てきたゲンガーの影に潜伏するトリッキーな戦術に苦戦するも、善戦の末にどうにか相討ちへと持ち込んで緒戦敗北という事態は回避できた。

 次に現れたフーディンに対してジム戦初参加となるスフィンを繰り出したツバキの思惑は……?

 

 

 

 ミラによるバトル開始の合図がバトルフィールドに響く。

 

「スフィン、“10まんボルト”!」

 

 スフィンが頬の電気袋を擦って電力を増幅させると、フーディンに向けて電撃か放たれる。

 

「ん……体格のわりに威力があるな……“サイコキネシス”!」

 

 対するフーディンはスプーンを交差させ、全神経を研ぎ澄ましてサイコパワーを集束する。

 すると、“10まんボルト”の電撃はカクンと軌道を変えて天井に向かい、そのまま空中で消滅してしまった。

 

「(曲げられた……!? ……すごい超能力……!)」

 

「驚いてる間にこっちからも行かせてもらう! “みらいよち”!」

 

 フーディンが両手のスプーンを掲げ、小声で何か呟いた次の瞬間、フィールド全体に鈴のような甲高い音が鳴り響いた。

 頭に直接響くような音に耳を塞いだツバキだが、周囲には特に変わった様子は無い。

 

「(……? 攻撃技じゃない……? と、とにかく今は怯まずに……!)スフィン、フーディンに近付くよ!」

 

 スフィンは電気袋を叩いて帯電させる事で気合いを入れ、4足体勢になると前脚で地面を掻いて勢いよく走り出した。

 小柄な身体が生み出すそのスピードは目を見張るものがある。

 

「(なるほど、速いな。“サイコキネシス”は使う対象に意識を集中する必要があるが、こうちょこまか動かれちゃそれも難しいか)……“マジカルシャイン”!」

 

 ツバキの語った通り非常にすばしっこいスフィンを見たシルバーは、広範囲をカバーする“マジカルシャイン”での攻撃に切り替える。

 全身から両手のスプーンへと流れたエネルギーが強烈な光へと変換され、フーディンを中心として半球状に広がっていく。

 

「(うっ……! も、もう少し近付いて使いたかったけど……!)スフィン! “かいでんぱ”!」

 

 スフィンの髭が一瞬バチっと放電したかと思うと、目には見えない電波が周辺に拡散していき、直後、“マジカルシャイン”の光に飲まれてしまった。

 だが、突然フーディンが頭を抱えたかと思うと、“マジカルシャイン”も急激に弱まり、スフィンがゴロゴロと転がり出てきた。

 その時、スフィンが長い尻尾で何かを巻いている様子が初めて明らかになった。

 

「(あれは……磁石か。さっきの“10まんボルト”が妙に強力だと思ったが、あれのせいか)」

 

 磁石はポケモンに持たせる事ででんきタイプ技の威力を向上させる道具だ。

 これはつまり、ツバキはでんき技をメインにした戦術を構築したという事を意味している。

 

「(まぁ、デデンネは技の選択肢はあまり広くないからな。……だが、“かいでんぱ”……厄介な技を食らったな。相手の脳波に干渉する電波を放って精神を掻き乱す“かいでんぱ”は、特殊攻撃を駆使するフーディンにはかなり刺さる……)」

 

 頭を叩いてとりあえずは戦闘態勢へ戻ったフーディンだが、先ほどと比べれば平常心はかなり失われてしまっている。

 一方のスフィンは、“マジカルシャイン”でダメージを受けはしたものの、ギリギリのところで“かいでんぱ”による弱体化が間に合い、致命的な痛手とはならなかった。

 

「な、なんとか間に合った……よぉし、それじゃ……! ……?」

 

 次の指示を出そうとしたツバキの耳に、再び鈴の鳴るような音が響く。

 と、その時だった。

 

「っ!?」

 

 空中にポッカリと開いた穴から、強力なサイコエネルギーの塊が飛び出し、スフィンの背中を直撃したのだ。

 

「ス、スフィンっ!(…………! みらい……よち……!)」

 

 ここに至ってようやくツバキは“みらいよち”……その技の意味と真価を理解した。

 

「気付いたようだな。そうだ、それが“みらいよち”だ。使ってから実際の発動まで間が空いて扱いの難しい技だが、使いこなせればこうして意表を突いた戦い方ができる。それ自体には攻撃の意思なんてもんが無いサイコエネルギーの塊……事前の察知はまず不可能だ」

 

「くぅっ……スフィン! 大丈夫!?」

 

 ツバキの呼びかけでスフィンは起き上がって頭を振りまくり、両手で顔をぺしぺしと叩いて意識をはっきりさせると、再度フーディンと対峙した。

 

「(ほっ…………って、安心していられないね。“かいでんぱ”を使う前に出した技だからダメージは大きいみたいだし……)」

 

 後ろから見てもスフィンの呼吸がかなり荒くなっているのが見て取れるほどであり、体力的な猶予はあまり無いようだ。

 

「……スフィン! “かいでんぱ”を出しながらフーディンに向かって走って!」

 

 長い尻尾を振って走り出したスフィンは、フーディンへ電波を飛ばしながら素早くフィールドを駆ける。

 なまじ頭脳の発達したフーディンはこの電波の影響をかなり大きく受けるようで、両手で頭を抱えてロクに超能力を扱えないらしい。

 

「くっ……! “くさむすび”だ!」

 

 エスパー技が駄目なら他のタイプの技。

 フーディンは頭痛の中どうにか右手のスプーンを地面に突き刺すと、地面のあちこちにツタで作った輪っかを出現させてスフィンの転倒を狙う。

 “くさむすび”は本来、重量のあるポケモンほど効果が大きい技であり、スフィンのような小型相手ではダメージには期待できない。

 だが。

 

「あっ……!?」

 

 なんと、出現したツタの輪の1つにスフィンの身体がスッポリ嵌まってしまった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 あまりの事に驚いたスフィンは“かいでんぱ”の発信を止めてしまい、身体を引き抜こうともがきまくるが、瓢箪のようなはたまた鏡餅のような体型で勢いよく突っ込んでしまった事が災いし、絶妙にフィットしてしまった。

 

「よし、頭痛は解けたか。なら“みらいよち”だ!」

 

 三度あの鈴のような音が響き渡る。

 四度目の音が響いた時、スフィンは恐らく立ってはいないだろう。

 

「(なんとかしなきゃ……! なんとか……! ……そ、そうだ!)スフィン! そのまま“10まんボルト”!」

 

「“マジカルシャイン”だ!」

 

 スフィンがその場で放電すると同時、フーディンの振ったスプーンから光が放たれた。

 そして、電撃で焼き切れたツタからの脱出には成功したスフィンに、“マジカルシャイン”が迫る。

 

「今度は真上に弱めの“10まんボルト”!」

 

 地から天へ。落雷とは逆向きに電撃が伸びていき、天井に吊るされた無数の照明の1つに当たって帯電させる。

 

「尻尾を上に向けて!」

 

 ツバキに言われるままにスフィンが尻尾を立たせた瞬間、その身体が照明に引っ張られるようにして飛び上がって“マジカルシャイン”による光のドームを回避した。

 

「何っ!?」

 

 ガチンという音を立て、スフィンの尻尾が巻きついた磁石と、帯電した照明が密着した。

 

「……なるほど、考えたな。デデンネほどの体躯なら、磁石と通電した金属を使えばこんな回避もできるか……!」

 

 わずか2kgほどのスフィン故にできる芸当。これがもしも40kgオーバーのライボルトやレントラーであったならこのような回避手段は実現できなかっただろう。

 

「よし……上手くいった! スフィン、電気を吸い取って!」

 

 デデンネの尻尾は電気を吸い上げる器官を兼ねている。

 急速に電気を吸収すると磁力はその効力を失い、当然スフィンは落下する。

 

「次! 右斜め前の照明に“10まんボルト”!」

 

 さっきと同じ要領で電撃を放ち、別の照明に電気を帯びさせて尻尾を向ければ、まるで空中ブランコのように照明から照明へとアクロバティックに飛び移ってゆく。

 

「よくもこんな事を思いつくもんだな。だが、地上を走り回ってた時に比べればスピードは緩やかだ。フーディン、惑わされず冷静に“サイコキネシス”で捉えろ」

 

 フーディンがスプーンを構えて精神を統一し、空中を往くスフィンに狙いを定める。

 

「“10まんボルト”! 当たらなくてもいい! 連続で撃って!」

 

 出力を抑えて連射能力を重視した、さながら“1まんボルト”とでも呼ぶべき電撃がスフィンの髭から4発5発と撃ち出され、地上のフーディンに降り注ぐ。

 だが、狙いが荒いためにほとんどがその付近に着弾するのみで、唯一の直撃コースだった1発もフーディンの周りの強力なサイコパワーで歪められて見当違いの方向へ曲がってしまった。

 

「(こっちの集中を乱すつもりか? ……いや、それにしては……)」

 

 確かに降り注いだ電撃はその稲光で視界をチカチカと眩ませ、一瞬は集中力を奪えるが、フーディンの精神力ならばそれくらいはすぐに立て直せる。

 シルバーがふと視線を落とすと、フーディンの周りにわずかに電気が残留しているのがわかる。

 それを見たシルバーが、ハッと上へと向き直る。

 

「(……っ! こいつまさかっ!?)」

 

「尻尾をフーディンに向けて!」

 

 気付いた時にはもう手遅れ。

 尻尾で保持された磁石がビリビリと反応し、照明から電気を吸ったスフィンは一直線にフーディンへと向かう。

 周囲に溜まった電気を帯びてしまった、フーディンの手の中のスプーンへ向かって。

 

「かわせっ!」

 

 この状況で「かわせ」と言われて「はい、わかりました」と実際に回避できるポケモンはそう多くはいまい。

 重力と磁力の相乗効果で、スフィンの落下速度は大きく跳ね上がっている。

 後退しようとしたフーディンの右手のスプーン目掛けてスフィンが突っ込み、筋力には自信の無いフーディンはその不意の衝撃に耐えきれず後ろへ倒れ込んでいく。

 

「“ほっぺすりすり”!」

 

 倒れたフーディンに取りついたスフィンは、スプーンに付いたままの磁石を尻尾から放して顔の部分まで移動すると、頬の電気袋を勢いよくゴシゴシと擦り付ける。

 電気袋の電気をダイレクトに食らったフーディンはたまらず痙攣して麻痺状態に陥ってしまった。

 

「振り払え! “サイコキネシス”!」

 

 だが、身体が痺れたフーディンは思うように動く事ができない。

 その時、真上の空間に穴が開き始めた。先ほどの“みらいよち”が発動したのだ。

 

「スフィン、引き付けて! ……今っ! よけて!」

 

 “みらいよち”のサイコエネルギーが間近に迫った瞬間、横に転がるようにしてフーディンの身体から降りたスフィン。

 当然サイコエネルギーが向かう先は技の発動者であるフーディンだ。

 麻痺状態で動きの鈍いフーディンは回避行動もおぼつかず、あえなく直撃。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「チッ……!」

 

 だが、エスパータイプであるフーディンにはエスパー技は効果が薄く、使用した時には“かいでんぱ”で特殊攻撃が弱まっていたのも、この時ばかりはシルバー側にとって幸いだった。

 スプーンから磁石を外して投げ捨てたフーディンが立ち上がるが、麻痺と疲弊でふらふらしている。

 

「うん、このまま行けば……! …………? スフィン?」

 

 ツバキはようやく見えてきた活路に笑みを浮かべるが、スフィンがなにやらもがいている事に気付いた。

 

「スフィン……!?」

 

 よく見れば、スフィンの頬に無数の針が生えた黒いボールがくっつき、それを取ろうとしているではないか。

 

「なっ……何これ……!?」

 

「(……くっつき針か……触れた相手に付着し、持続的なダメージを与える道具。……だが、当のフーディンはまるで痛がる様子は無かった……もしやあのフーディン、特性は《マジックガード》か……? まれにこの特性を持つフーディンがいると聞いた事はあるが……)」

 

 《マジックガード》はバトルにおいて、技によって直接的に与えられる以外のダメージを特殊なオーラによるコーティングで無効にしてしまうという特性であり、フーディン及び進化前のケーシィ、ユンゲラーでこの特性を持った個体は希少とされている。

 

「(フーディンは物理的な攻撃には弱く、弱点の内あくタイプとむしタイプの物理攻撃には接触攻撃技が多い。そこを逆手に取って、倒れるまで延々ダメージを与え続けるあの道具を選んだか)」

 

 針を取ろうとするも、その手すらも針で傷付き、スフィンには着実にダメージが蓄積していく。

 

「くっ……! 戻って、スフィン!」

 

 ツバキがボールを手にしてスフィンを回収する。

 

「少し休んでてね。……フーディンはあと少し……行くよ! バルディ!」

 

 次に投げたボールは、スフィン同様に初の公式戦参加となるバルディだ。

 ボールから飛び出したバルディは、フーディンを見るとバトルへの意欲を表すかのようにジャブを繰り出したり、短い脚でエアキックしている。

 

「次はキバゴか。根性がありそうな顔をしている上、かなり強気で好戦的だ。ことバトルに関しては伸びるタイプだな」

 

「ありがとうございます。この子は今回が初めてのジム戦ですから、絶対に勝たせてあげたいんです! 行きます! バルディ、まずは近付くよ!」

 

 力こぶを作ってやる気満々のバルディは、フーディン目掛け勢いよく走り出した。

 だが、残念ながらそのスピードはスフィンのそれとは比べるべくも無い。

 

「(通常ならこのくらいは容易く迎撃できるが……)」

 

 そう、今のフーディンは麻痺状態で身体の自由がほとんど利かないという事を忘れてはならない。

 さらには“かいでんぱ”で特殊攻撃を弱体化されているため、全力どころか本来の半分の力も発揮できていないだろう。

 

「“くさむすび”だ!」

 

 ならば、まずは相手の動きを封じる事が先決。その間に追撃を放てば、麻痺による不利もある程度はカバーできる。

 次々にツタで作られた輪が地面から出現するが、スフィンほどのスピードでないのが幸いして進行ルート上に現れたツタの目視から回避動作まで多少の猶予があるので転倒はしない。

 だが、回避のためにスピードが落ちているのは確かであり……。

 

「“みらいよち”!」

 

 その隙を突いて時間差攻撃の布石を打つシルバー。

 

「(うっ……まずいかも…………こうなったら強行突破で一気に取りつく!)バルディ、“ダブルチョップ”でツタを切りながらまっすぐ進んで!」

 

 ツバキのこの一言でバルディは横への回避をやめ、身体から溢れ出る闘気を纏わせた牙を振るって正面に出現するツタを切断して一直線にフーディンへ向かう。

 

「“マジカルシャイン”で迎え撃て!」

 

 フーディンが技のためにスプーンを構えようとした瞬間、右手の指先が痺れてスプーンを取り落としてしまった。

 

「っ! チャンス! バルディ、“つじぎり”!」

 

 身体の麻痺で大きな隙ができたフーディンを討つべく、バルディが速度を上げる。

 牙に纏わせた闘気を一旦引っ込めたバルディは、右手の先端に改めて刃のように集束させる。

 

 

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 そして、地面に強く足を踏み込んで大きく飛び跳ね、スプーンを拾おうとしたフーディンの首筋目掛けて横薙ぎに振り抜いた。

 だが、フーディンは残った左手のスプーンで防御態勢を取り、技を完全に防ぐ事はできずによろめいたものの、急所である首への直撃は避けた。

 そして同時に空間に穴が開き始め、そこからサイコエネルギーが放出されてバルディの背中にヒットした。

 先も述べた通り、“かいでんぱ”で弱っているのでダメージは本来のそれより大きく軽減されているが、それでもレベルの差かバルディにはそこそこのダメージ。

 

「ああっ……! バ、バルディ!」

 

 背後からの攻撃を受けてゴロゴロと転がり、うつ伏せに倒れたバルディは、ふらりと起き上がると漏斗のような形の木の実を取り出してかぶりついた。

 大きな口で一気に食べ尽くし、全身を駆け巡る熱を発散するように咆哮を上げる。

 

「(フィラの実か……体力を大きく回復するが、ポケモンの好みによってはそのあまりの辛さに混乱する木の実……)」

 

 だが、バルディはむしろ辛い味が好みだったようで、満足げな表情を浮かべている。

 

「ふぅ……どうにか耐えられた……。相手ももうギリギリのはず……次で決めるよ! バルディ! “りゅうのいかり”!」

 

 木の実の辛さでいまだ身体が熱を持っているバルディが両脚を開いて身体全体に力を込めると、大口を開けて咆哮し、口から衝撃波を放つ。

 フーディンは両手を交差させて守りに入るが、衝撃でビリビリと身体が震える。

 

「“つじぎり”!」

 

 相手の動きが鈍った隙にバルディは走り出す。

 これ以上長引かせては、レベルで劣るこちらがどんどん不利になっていくであろう事は容易に想像がつく。

 

「“サイコキネシス”だ!」

 

 対するシルバー側も黙ってやられるつもりは毛頭無い。

 ダメージと疲労で集中力は落ちているが、それでもフーディンの超能力はバルディを捉え、その動きを止めてしまった。

 止めようとするフーディンの精神力と、進もうとするバルディの筋力がぶつかり合う。

 だが、スフィンからの連戦と弱体化の影響は大きかった。

 次第にバルディの足が進み始め、ついに力任せに拘束を破って駆け出すと、跳躍と同時に右手の爪の先へ闘気で刃を作り出し、渾身の力でフーディンの身体を薙いだ。

 一瞬の静寂の後、フーディンが小さな呻き声を上げて膝をつき、前のめりに倒れてしまった。

 

「……フーディン、戦闘不能! キバゴの勝ち!」

 

 その勝利の宣言を聞き、右手の刃を誇らしげに高々と掲げ、バルディが何度目かの咆哮を上げる。

 

「や、やった……! バルディ格好良い!」

 

 しゃがんだツバキとバルディがハイタッチして喜びを分かち合っている一方、シルバーは柔らかい笑みを浮かべてフーディンをボールに戻す。

 

「ご苦労、フーディン。休んでてくれ」

 

 フーディンを労ってボールへ戻したシルバーを見て、ツバキとバルディは気を取り直して再度の戦闘態勢へ。

 

「(残ってる数はこっちが多いけど、スフィンもバルディもダメージが溜まってる。向こうは無傷の2体が残ってるし、油断したらあっという間にやられちゃう……!)」

 

「……本当に大した根性だ。俺もこんなバトルは嫌いじゃないからな、純粋に嬉しい。……さぁ、次のこいつ相手にはどんなバトルを見せてくれるんだ? ……行けっ、マニューラ!」

 

 シルバーの3番手は、ボールから飛び出すと足音も無く片脚の爪先で着地し、もう片方の足裏を接地させる時も砂利の音ひとつしない。

 頭部や首の赤い飾りを揺らし、鋭い爪を振って空気を裂く2足歩行のポケモン。

 かぎづめポケモンの『マニューラ』である。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 思わずたじろいでしまう冷たいプレッシャーを放つ鋭い眼光に、ツバキもバルディも息を飲む。

 

「(つ……強そう……うぅん、強い! ゲンガーより、フーディンより……!)」

 

 イソラ達ほど戦いの空気に慣れているわけではないツバキですら、そのプレッシャーからマニューラが圧倒的な強敵である確信を抱く。

 両者合わせて8体のポケモンの内6体が出揃い、ツバキのトキワジム戦も中盤の終わりに差し掛かろうとしていた……。

 

 

 

つづく




今回も駄文雑文落書きにお付き合いいただきありがとうございました!

先発のゲンガーで丸々1話使ってしまったので、その後のメンバーを1話内で2体以上倒してしまうと、結局ゲンガー以下という印象になってしまう…結果、なし崩し的に1体1話というスローペースに…。
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