蒼天のキズナ   作:劉翼

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序盤の山場が終わったので、ちょっとのんびりした回な第7話スタートです。


第7話:それぞれの歩み

 クチバジムリーダー・マチスとの激戦を制し、初のジムバッジであるオレンジバッジを手にしたツバキ。

 ジム戦の2日後、ポケモン達の疲れを癒し、英気を養った彼女は、クチバシティで準備を整えた後、その東に位置する11番道路に立っていた。

 

「お世話になりました、マチスさん」

 

 ペコリと頭を下げるツバキに、見送りに来たマチスはヒラヒラと手を振る。

 

「久々に震えるバトルで楽しませてもらいマシタ。何かあったら、さっき教えた番号に連絡してくだサイ。Meにできる事なら力になりマース」

 

「……はい……! ……それじゃあ……またいつか」

 

 笑顔と共に会釈したツバキは、マチスとジムトレーナーの男性に背を向け、11番道路を進み始めた。

 

「……いい子でしたね」

 

「まったくデス。出会って間もないナゾノクサやゴマゾウとも、しっかり心を通わせていマシタ。ああいうトレーナーがもっと育てば、人間とポケモンは、より近しい存在になれるかもしれマセン」

 

 ツバキの背中が見えなくなると、マチスは空を仰いで目を細める。

 

「……レッド、グリーン、リーフ、ゴールド、クリス、イソラ、そしてツバキ……Meの記憶に強く焼き付いたトレーナーは多いデスが、皆それぞれに違う個性がありマス。フフン、これだからポケモンバトルは面白い……将来が楽しみデスね」

 

「へぇ、彼らと同列に語るほどですか? マチスさん、随分とあの子を買って…………ハッ!」

 

 男性は言葉の途中で口を抑え、目を見開く。

 

「うん? どうしマシタ?」

 

「……マチスさん、さすがに10歳の子はマズいですよ……」

 

「……Youは何を言っているのデス……」

 

 一転、呆れた表情となったマチスは、クチバジムへ向けて歩き始めた。

 

「さて……果たして今日は、楽しめるチャレンジャーは現れマスかね……」

 

 マチスは、いまだ脳裏に焼き付く先日のツバキとの激闘を思い出しながら、まだ見ぬ未来のチャレンジャーへと思いを馳せていた。

 

 

 

 

 

――――それから少し後、グレンタウン・ツバキの家

 

 ツバキの自宅のリビングで、ツバキの両親と、鳥の翼のような髪型の女性が談笑している。

 

「聞いたよ、アローラリーグ優勝だって? おめでとう!」

 

「ありがとうございます。……ですが、アローラリーグはまだ発足されたばかりで、参加者も少なく、その参加者も島巡りや試練との勝手の違いに慣れていませんでしたので。恐らく2年後には参加者は倍以上に増え、全体的なレベルも向上し、今回のようには行かないでしょう」

 

 女性は、ツバキの父からの称賛を受けつつも、同時に謙遜する。

 

「でも、四天王にも勝ったんでしょう? 凄い事だと思うけどねぇ……」

 

 ツバキの母からもその活躍を称えられ、女性は笑顔を見せる。

 

「ええ、それは自分でも誇れる事だと思っています。島キングと島クイーン……守り神たるカプに認められた者達に、発足者であるククイ博士直々に招集した、アローラ地方最高峰のトレーナー達です。実際、かなりギリギリのバトルで、正直に言って、もう一度戦って同じ結果を出せと言われても、極めて困難だと感じました」

 

 アローラリーグ……カントー地方から遥か離れたアローラ地方で、ごく最近発足されたポケモンリーグであり、開催はまだ2回目である。

 

「……ところで、今日はツバキを見ませんが……カツラさんの所にでも?」

 

 女性の素朴な疑問に、ツバキの父はうっかりしていたという表情と仕草を見せた。

 

「あ、そうか……言ってなかったね。ツバキは、ポポと一緒に旅に出たよ」

 

 その話題に若い頃を思い出してか、ツバキの母も追従する。

 

「そう、ポケモンリーグを目指してのジム巡り! 昔を思い出すわぁ~♪」

 

「……そうですか、ツバキが……そういえばもう10歳でしたか」

 

 女性は目を閉じ、幼い日の可愛い妹分の姿を思い浮かべる。

 

「4日前に連絡が来てね、新しく捕まえたポケモン達と一緒に、クチバジムのバッジを手に入れたそうだよ」

 

「ほう、すでにマチスさんを……大したものです」

 

「ええ、ええ、あんなに嬉しそうなツバキの声は久しぶりだったわねぇ。……でも、無理してないか心配だわぁ……」

 

「うーん、確かに……やればできる子なんだが、ちょっと引っ込み思案で、1人思い悩むところがあるからなぁ……」

 

 可愛い子には旅をさせよ、とは言うものの、やはり親としては心配なものである。

 すると、女性が立ち上がり、2人に言い放つ。

 

「……では、私がツバキに同行しましょう。今からなら追い付けます」

 

「本当かい? そりゃ君が一緒にいてくれれば頼もしいが……良いのかい、イソラちゃん?」

 

 イソラと呼ばれた女性は、その言葉に微笑みながら頷く。

 

「ええ。……何より、あの子の成長……どうせなら間近で見守りたいのです」

 

「それじゃあ……お願いしちゃおうかしら。ツバキの事、よろしくねイソラちゃん」

 

「お任せを……それでは、失礼しました」

 

 会釈をしてツバキ宅を出たイソラは、腰のモンスターボールを1つ外し、目の前にポケモンを出す。現れたのは、青い身体を真っ白でフワフワな羽毛で覆った鳥のようなポケモン……ハミングポケモンの『チルタリス』だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

イソラ「頼むぞチルタリス。」

 

 チルタリスの頬に触れてゆっくりと撫でると、その背中に乗り込み、一気に上昇。クチバシティ目指して真っ直ぐに空を駆けて行った。

 

 

 

つづく




はい、というわけで今回は、ツバキのクチバシティからの出発と、新キャラのイソラ登場だけで終わりです。
ちょっとした裏話ですが、時間の流れを実感しやすいよう、当初マチスには顎髭でも付けようかと思ってました。……が、ビックリするくらいしっくり来なかったのでやめました。



追記:突然ですが、次回より文体の変更をさせていただきます。
それに伴い、文体統一のため、これまでに投稿した分も、地文追加などの細部の修正を行いました。(ストーリーの内容自体に変更はありません)
一応、ネットで小説の書き方あれこれを調べた上での修正となりましたが、如何せん小説についてド素人なので、まだまだ至らぬ点が多いかと思われます。
なので、気付いたり、これはどうなのかと思った部分を発見した場合、指摘していただけると幸いです。

また、ネットで調べてみたところ、小説に通じている方々の中には、これまでの自分の書き方(台本書き)に不快感を感じる方も少なからずいらっしゃるとの事で、もしかしたらこちらのサイトの利用者様にも不愉快な思いをさせてしまった方がいたかもしれません。
これはひとえに自分の勉強不足から来た問題ですので、この場でお詫びさせていただきます。
まことに申し訳ありませんでした。

今後も勉強を続けながら、作品を昇華させていきたいと思いますので、ご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします!
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