蒼天のキズナ   作:劉翼

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お待たせしました、第79話です!


第79話:冷たい戦慄、マニューラ!

 トキワジム戦に挑んだツバキは、先発のゲンガーをルーシアとの相討ちながら破った。

 次に出てきたフーディンは、スフィンの小柄な体躯を活かした立体機動と電撃による麻痺を駆使して翻弄し、交代で出したバルディで撃破に成功する。

 だが、シルバーの3番手であるマニューラの放つプレッシャーは前者2体を大きく上回り、底知れぬ不気味さを醸し出していた……。

 

 

 

「っ……」

 

 ツバキは顔を伝う1筋の汗に気付く。

 無論、暑いわけではなく目の前に立った強敵に対する緊張から来るものである。

 プレッシャーに加えて発散される冷気も合わせて、まさに文字通りの冷や汗といったところか。

 それはバルディも同じで、まだバトルが始まっていないにもかかわらず片時もマニューラから目を離す事ができない。

 バルディの場合、ドラゴンタイプである自身の天敵たるこおりタイプが相手という事を本能的に察し、プレッシャーをより強く感じているのかもしれない。

 

「さぁ、続けようぜ。ポケモンの交代は良いのか?」

 

「ぁ……は、はい! このままで!」

 

 ツバキの返答を聞いたシルバーはミラに目配せする。

 

「はい。それでは第3戦、マニューラ対キバゴ。バトル…………開始っ!」

 

 ミラによるバトル開始の合図が響くも、今度はツバキ、シルバー共にすぐには指示を出さない。

 バルディとマニューラは互いに睨み合い、一定の距離を保ったまま円を描くように立ち位置を調整する。

 

「(相手はこおりタイプ……あの爪の形からして、近付いて攻撃するのが得意なはず……。まずはどんな技を持ってるのか確認しないと……)」

 

 スフィンに交代しなかったのはこれが大きい。

 先のゲンガーやフーディンと異なる雰囲気をマニューラから感じ取ったツバキは、ともかく開始と共に先手を打ってきたこれまでの方針から一時切り替え、まず相手の出方を窺う事にしたのだ。

 くっつき針で持続ダメージを受け続ける今のスフィンは、この様子見に不向きと判断したわけである。

 

「(見た目のちまっこさに騙されそうになるが、あのキバゴはかなりパワーがある。打たれ弱いマニューラが迂闊に近付くと手痛い反撃を食らいそうだ……。やるなら一撃で瀕死かそれに近いところへ持っていく必要があるな……)」

 

 シルバー側もタイプ相性では有利ながら、バルディの腕力・筋力を警戒して隙を窺う。

 しかし、次第にバルディが痺れを切らしてきた事をツバキが察する。好戦的な性格が裏目に出てしまったと言えるだろう。

 

「(……動くならまず相手の足を止めないと……それなら今打てる手は……)」

 

 直感的なまでに即座に脳内に組み上げられていく作戦。

 今、ツバキはその直感に従う以外に活路を見出だす事はできないのだ。

 

「……バルディ、“りゅうのいかり”!」

 

 待ってましたとバルディが大きく口を開き、闘志を込めた衝撃波を放つ。

 

「チッ……“でんこうせっか”だ!」

 

 先に動かれた事で少々予定が前倒しにはなったものの、シルバーも戦術を構築して戦闘開始。

 マニューラはその場に残像を残して横へ駆け出し、衝撃波が残像に当たる頃にはすでにバルディの横腹へ爪による斬撃を叩き込んでいた。

 

「バルディっ! は、速い……! “ダブルチョップ”!」

 

 よろめきながらも片足でバランスを取って持ち直したバルディは、仕返しするかのように口から左右に突き出た牙にオーラを纏わせてマニューラへと向かう。

 だが、何度牙を振り回しても、ほぼ爪先だけでステップを踏み、バク転や宙返りも組み合わさったマニューラの軽快な回避動作にまったく追従できていない。

 そんな攻防を繰り返す内に、頭全体を振り回している影響でバルディの目が回ってきてしまった。

 

「くっ……! 一旦距離を取って!」

 

 一際大きく牙を振ってマニューラを追い払い、飛び跳ねながら後退。

 しかし、シルバーはその隙を見逃さない。

 

「逃がすな! “つららおとし”!」

 

 牙をかわして身の丈を大きく越えたジャンプをしたマニューラは、両手に冷気を纏わせる。

 そして、身体の前に集めた水分を凍結させて巨大な氷柱を作り出すと、踵を振り下ろしてバルディ目掛け勢いよく蹴り落とす。

 ふらついているバルディにこれを回避する事ができるか否か……。

 

「(……かわせない……! でも、かわせないならできるだけ壊すだけ!)“りゅうのいかり”!」

 

 息を吸い込んで吐き出すと同時に放つ衝撃波。

 が、いかんせんサイズが違いすぎて、表面が多少削れて落下角度がわずかに逸れたという程度。

 とはいえ、ギリギリながらも直撃コースは避けたため、あとは距離を取るのみ。

 10歩ほど走ったところで氷柱が地面に落下し、周囲に氷の破片がバラ撒かれ、砂埃が舞い上がる。

 

「バルディ、“つじぎり”!」

 

 飛んでくる破片を両手で弾き、極力被弾を避ける。が。

 

「“じごくづき”だ!」

 

「っ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 破片と煙に紛れて肉薄したマニューラが、右手の爪を揃えて突き出し、バルディの喉に思いきり突き立てた。

 破片に意識を集中していたバルディはこの一撃に対処できず、たまらず後ろへゴロゴロと転がってしまう。

 

「決めろ! “つららおとし”!」

 

 再度マニューラが冷気を纏う両手を揃える。

 

「“カウンター”!」

 

 しかし、技の準備に入ったその瞬間、尻尾で地面を叩いて跳ね起きたバルディが飛びかかり、頭を振りかぶってマニューラの側頭部に勢いよく牙を打ち付けた。

 

「何っ……! あの体勢からあれほどのジャンプ力を……!?」

 

 予想外の一撃をもらってしまったマニューラだったが、地面に激突寸前で受け身を取っての着地に成功し、2回転ほど転がってから起き上がると、牙をぶつけられた部分を撫でさすってバルディを睨む。

 

「(不意にマニューラの“じごくづき”を食らって立ち上がるどころか“カウンター”まで決めるとはな……。だが、あのキバゴは特別打たれ強いわけじゃない……ただ根性だけで立ってやがるんだ……!)」

 

 足元がおぼつかず、身体は左右に揺れ、それでも目だけは見開かれてマニューラを捉え続ける。

 シルバーはバルディを見た時に「根性がありそうだ」と言ったが、その根性が想定外なほどだったわけである。

 無論、それはただ負けん気が強いというだけではなく、トレーナーへ強い信頼を抱いているからこそ是が非でも勝とうと願い、その執念が根性となって身体を支えているのだ。

 

「(……似てるぜ、本当に。トレーナーもポケモンも互いに相手のために必死になって支え合おうとする…………フンッ、まるでお前を相手にしてるようだぜ、ゴールド……!)」

 

 思い出すのは、かつて幾度もポケモンバトルを重ね、その都度「力のある奴が本当に強い」という自分の思想に影響を与えてきたライバルの顔。

 強いポケモンを揃えて何度バトルしても、彼が絆を結んだポケモン達はそのさらに上を行っていた。

 それが何度も何度も繰り返される内、シルバーは己の思想が揺らぎ、そして新たな信念が生まれた事に気付かざるをえなかったのだ。

 

「(……だが、今俺はお前と……あの時のお前達と同じ場所に立っている……! 俺はもうポケモンを強さを誇示する道具だなんて思わない……! 俺は勝つ! こいつらと一緒に勝って勝って勝って……自分達の限界を超えて見せる!)」

 

 思い起こしたライバルの姿が、シルバーの闘志をさらに燃え上がらせる。

 

「……勝つぞマニューラ! “でんこうせっか”で攪乱だ!」

 

 一層奮起したシルバーの闘志を受け、マニューラが瞬時に加速してバルディの周囲を駆ける。

 まるで“かげぶんしん”を使ったかのように残像を残して走り回るマニューラの圧倒的なスピードに、バルディはとても目が追いつかない。

 

「落ち着いて! “りゅうのいかり”で周りを攻撃!」

 

 周囲を走るマニューラに対し、バルディもその場で回転しながら衝撃波を連続して放つ。

 速度に優れる相手には一点集中よりも範囲攻撃が有効なのは言うまでも無い。

 一方、広範囲を攻撃できる技はそれだけ隙が大きくなりやすく、エネルギーの消費もかさむ傾向にある。

 こうなると単純に当てるか当てられるかの勝負となり、ダメージの大きいバルディと、走り続けるマニューラの体力のどちらが先に尽きるか、である。

 しかし、ついにバルディの射線とマニューラの移動ルートが重なる瞬間が訪れる。と、思われたその時だ。

 マニューラの身体から眩い光が放たれ、バルディの視界を奪ってしまったのだ。

 

「うっ……!?」

 

 ツバキも思わず右腕で顔を覆う。

 目潰しを食らったバルディは攻撃まで一瞬の間が空き、衝撃波はマニューラの遥か後ろを虚しく通りすぎてしまう。

 そして、バルディが目を開くとそこにはもうマニューラの姿は無く、代わりに頭上から強い冷気が降り注ぐ。

 

「……ぁ……」

 

 見上げればそこには巨大な氷柱が形作られ、バルディへと落下を始めていた。

 元々のダメージの蓄積でふらついていたところへ、光による目潰しまで食らってしまっては、もはや根性だ回避だの話ではない。

 バルディはロクに動く事もできず、あえなく氷柱の落下に巻き込まれてしまった。

 

「バルディっ!!」

 

 もうもうと立ち込める煙が次第に晴れ、その中から仰向けになって目を回しているバルディの姿が浮かび上がった。

 

「……キバゴ、戦闘不能! マニューラの勝ち!」

 

 ツバキはバルディに駆け寄り抱き起こすと、その頭を優しく撫でながらモンスターボールを取り出す。

 

「……ありがとう、バルディ。よく頑張ったね。あとは任せて」

 

 敗れはしたものの、フーディン、マニューラと遥か格上の相手との立て続けのバトルであった事を思えば、バルディの善戦ぶりは十分に称賛に値するものであろう。

 バルディの奮戦を労い、ボールに戻したツバキはフィールドの端へと戻ると次なるポケモンのボールを取り出しながら考える。

 

「(……でも、さっきの光はなんなんだろう……“フラッシュ”って技はあるらしいけど、マニューラは覚えるのかな……?)」

 

 と、そこでツバキは気付いた。

 目を凝らしてフィールドを見ると、わずかにキラキラと光っているのだ。

 砕けた氷の欠片かとも思ったが、光を反射しているのではなく、まるでそれ自体が光を放っているかのよう。

 

「(……もしかして……光の粉……!)」

 

 光の粉とは、その名の通りに光を放つ不思議な粉末の入った袋であり、ポケモンに持たせておくとまれに中身を撒いて相手の目を眩ませる事ができる道具だ。

 レンタルアイテムの保管庫でイソラから道具の説明を受けた時、ツバキもポケモンに持たせようかと散々迷ったのである。

 

「(……ごめん、スフィン……もう少しだけお願い……!)……行って! スフィン!」

 

 投げ入れたボールからスフィンが飛び出してマニューラと対峙するが、当然の事ながらくっつき針は付いたままである。

 出てきたのがスフィンである事を確認したシルバーは、ミラの方を向いて催促する。

 

「ミラ、針を付けたままで待たせるな」

 

「はい。では、マニューラ対デデンネ。バトル開始っ!」

 

 バトルスタートの合図と同時に両者が動き出す。

 

「“10まんボルト”!」

 

「“でんこうせっか”!」

 

 スフィンの電気袋が帯電を始めるが、次の瞬間には背後に回り込んでいたマニューラの回し蹴りが入り、丸い身体で転がってしまう。

 それでも起き上がって電撃を放ったが、すでにそこにマニューラの姿は無い。

 

「(やっぱり速い……! “ほっぺすりすり”で麻痺させられれば行けそうなんだけど、あんなに速くちゃ当てるのも……フーディンほど“かいでんぱ”も効かなそうだし……)」

 

 “かいでんぱ”でフーディンに頭痛を起こす事ができたのは、相手が人間のそれを遥か上回る驚異的な頭脳を持っていたおかげであり、特殊攻撃をほとんど使わないマニューラには効果が薄い。

 

「(あとマニューラに対抗できる手は……)」

 

「“つららおとし”だ!」

 

 ツバキの考えている間にもシルバーからの攻撃の手が緩む事は無い。

 瞬時に凍結した水分が生み出す氷柱が今度は2本。しかも大きい。

 小さくすばしっこいスフィンへの対策として、より広範囲をカバーできるだけの大きさで圧殺するといったところか。

 時間差で落下してくる2本の氷柱。

 

「よけて!」

 

 スフィンは氷柱の形と大きさを観察し、これをかわす方策を考えると走り出した。

 そして、ある程度進むと急停止し、そのスフィンの真後ろに1本目が落下し、破片を撒き散らす。

 だが、スフィンは構わずその破片の散る中へとUターンしていくではないか。

 

「なっ……!?」

 

「ええっ!?」

 

 この行動にはシルバーどころか回避を指示したツバキ自身も驚いてしまう。

 一呼吸おいて2本目も落下し、同じように破片と煙が辺りを満たしていく。

 

「(……あのデデンネ、まさかこれが狙いか……!)」

 

 フィールドを覆う煙で、トレーナーもポケモンもまったく視界が利かない。

 “つららおとし”で仕留められればよし、かわされても巨大な氷柱の回避に必死になって効果範囲から抜け出したところへ追撃を……そう考えていたシルバーの目論見を知ってか知らずか、スフィンは危険を顧みずにこの氷柱の崩落の中へと飛び込んでしまったのだ。

 なにしろ相手は0.2mという極めて小さなポケモンだ。

 いまだ氷柱が音を立てて崩れている中、そんな小さい相手を立ち込める煙と大小様々な破片の中で見つけるのは至難の業である。

 一方のスフィンは、崩落に巻き込まれる危険は大きいが、破片の陰や煙の隙間からマニューラを捉える事自体に苦労は無いだろう。

 マニューラは視線が向けられている事は察しつつも、それがどこから向けられているのかがわからない。

 

「……スフィン……こんな危ない事まで…………うん……スフィンの勇気……応えて見せるよ! スフィン! “10まんボルト”!」

 

 耳に届いたツバキの指示に応じ、煙の中から電撃が伸びてマニューラを襲う。

 だが、そこはバトル慣れしたマニューラ。すぐさま伏せの体勢を取って電撃を回避して見せる。

 そこへ地面に突き立った氷柱が崩れ、大きめの破片が落ちてきた。

 

「バックステップ!」

 

 背面飛びで立ち上がったマニューラは、落下する破片を軽やかに回避していく。

 だが、その時……目が合ってしまった。

 一際大きな破片の上に乗っていたスフィンと。

 

「“じゃれつく”!」

 

 目を丸くして一瞬思考の停止したマニューラの顔に飛びついたスフィンは、耳を引っ張ったり尻尾で顔面をひっぱたいたりと暴れ放題。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 あくタイプであるマニューラにフェアリータイプの“じゃれつく”は効果抜群である。

 

「“じごくづき”!」

 

「“10まんボルト”!」

 

 マニューラは左手でスフィンの長い尻尾を掴んで放り投げ、空中で無防備となったその身体に、束ねた爪で貫手を叩き付けた。

 が、それと同時にスフィンが身体から放電し、マニューラを感電させる。

 これだけ至近距離での電撃ならば、光の粉が発動しようがしまいがかわしようが無いだろう。

 最後っ屁としてありったけの電撃を浴びせたスフィンが宙を舞い、地面に落下した後ゴロゴロと力無くツバキの元へ転がる。

 

「スフィンっ! ……うん、頑張ってくれてありがとう」

 

 目を回すスフィンを腕に抱いて、ツバキは優しく労う。

 

「……デデンネ、戦闘不能! マニューラの……」

 

「待て」

 

 マニューラの勝利を宣言しようとしたミラを制し、シルバーがそのマニューラの方へと顎を動かす。

 ミラがそれに従って視線を向けると、マニューラは“じごくづき”をした姿勢のまま息を荒くして立っており、そのまま仰向けに倒れてしまった。

 マニューラは元々打たれ強いポケモンではなく、どちらかと言えば脆い部類に入る。

 “カウンター”、“じゃれつく”、“10まんボルト”と受けてギリギリまで立っていたのは、むしろよく耐えたとすら言えるだろう。

 

「……! マニューラ、デデンネ、共に戦闘不能! 引き分けです!」

 

 なんと本日2回目の引き分け。

 残るポケモンは両者1体ずつであり、必然的にエース同士のバトルでの決着となる。

 

「よくやったマニューラ。休んでいてくれ」

 

 マニューラをボールへ戻し、同じようにスフィンを回収していたツバキへと目を向けるシルバー。

 その視線に気付いたツバキも立ち上がり、互いに睨みを利かせ合う。

 

「とうとう最後の1体だな」

 

「はい」

 

「……強いチャレンジャーはまぁ、それなりにいた。そいつらとのバトルも面白かった」

 

 「だが」と間をおいたシルバーは、一旦目を閉じてから、口元に笑みを浮かべながら瞼を持ち上げる。

 

「……ここまで熱くて楽しいのは久しぶりだ! お前はまだまだ青臭さも素人感も抜けていない。なのに、こんなにも俺に食らいつき、俺をこんなに楽しませてくれている……まったく、不思議だよな。ふっ……そう、このアンバランス……歪さ……何が起きるかわからない不確定な瞬間の連続……これがポケモンバトルの醍醐味だ……!」

 

 その笑顔は心の底からの楽しさが表面化したかのようで、目の鋭さなどは気にならないほどに邪気というものが無い。

 

「……わたしも最初の頃は強い人とのバトルは怖くて、気後れして、でもワクワクして……不思議な気分でした。でも今はすごく楽しいんです! ポケモン達と繋がってるのがすごく近くに感じられて、相手もポケモンととっても仲が良いんだってわかるんです!」

 

 それに応じるかのように、ツバキも満面の笑みを浮かべ、旅の初期と今の心境の変化を語る。

 もはやここに立っている2人の関係性は、ジムリーダーとチャレンジャーのような形式ばったものではなく、ただただ純粋にバトルを楽しむ、単なるポケモントレーナーのそれとなっていた。

 その時、シルバーが腰に身に付けているボールの1つが揺れ始める。

 

「っ! ……そうか……お前も戦いたいんだな、こいつらと」

 

 すると、シルバーは構えていたボールを下ろし、代わりに揺れていたボールを外してツバキへとむける。

 

「ツバキ。悪いが、この最後のバトル……ジムリーダーとしてのポケモンじゃなく、ポケモントレーナー・シルバーとしてのポケモンを使わせてもらう……!」

 

「はいっ! わたし達も、わたし達の持てる全部で力の限り戦います!」

 

 ボールを構えた2人は目線をぶつけ合い、示し合わせたかのように同時にフィールドへと投げ入れた。

 

「お願いっ!」

 

「頼むぞっ!」

 

 ボールから飛び出した2つのシルエットが、地と空に分かれて今、対峙する……。

 

 

 

つづく




今回も駄文雑文落書きにお付き合いいただきましてありがとうございます!

不覚ながらまたしても体調を崩してしまいました…。
今のままだと月に4、5話くらいしか更新できないのでどうにかペースを上げたいのですが、序盤とは比較にならない終盤強敵とのバトルとなると、どうしても描写に気を遣う必要が出てきてスランプ頻度が上がってしまいましてね…むろんペースアップの努力はしていきまする。
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