蒼天のキズナ   作:劉翼

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はいはーい、ようやっと投稿、決勝トーナメントスタートの第90話です!
いつも遅れてごめんなさい。


第90話:魔蠍の蝕み

 ついに決勝トーナメントへ進出する8名が出揃った。

 『銀世界の姫君(ブリザード・プリンセス)』、『電子の指揮者(エレクトロ・コンダクター)』、『真紅の戦鬼(クリムゾン・オーガ)』など名の通った強豪も参加する中、ツバキは第2試合でゲントと当たる事になる。

 2人が闘志を漲らせる傍らで、第1試合を戦うコガネシティのマユリと、謎のトレーナー・スコーピオが選手控え室から移動を始める。

 セキエイスタジアム最大のバトルフィールド……マスター・グランド・ステージに、戦風が吹き荒れようとしていた……。

 

 

 

――クチバシティ

 

「マチスさん、始まりますね」

 

「Yes。ポケモントレーナーの祭典、ポケモンリーグ。その決勝トーナメントまで進むトレーナー達のバトルが楽しみでないはずがありマセン」

 

 テレビ画面に視線を注ぐ2人の男性。ジムリーダーのマチスと、ジム戦での審判役の男性だ。

 

「しかし、驚きましたね。あのゲントがここまで行けるとは」

 

「HAHAHA……! いやいや、ゲントはあれで才能は十分にありマース。それを開花させる機が無かっただけデス。……ゲントもデスが、ツバキも決勝トーナメントへ進めたようデスね」

 

「マチスさんの見立ては間違っていなかった……という事ですね」

 

「Yes、Yeーs! まったく鼻が高いデース! ……これからは、あの2人のような若い世代が中心になっていくのデス。頑張ってもらいたいものデース」

 

 マチスは豪快に笑ったかと思うと神妙な顔になり、画面の向こうにいる若人達の戦いを焼き付けるべく目を向けた。

 

 

 

――セキチクシティ

 

「ツバキは第2試合かー。でも、アタイ的には第1試合のスコーピオも気になるんだよねー。……ズズッ……」

 

 ジムリーダーのアンズは、お茶をすすって煎餅をかじりながらテレビ画面に注目する。

 

「アタイ以上……それどころか父上にも比肩するどくタイプの使い手なんだから、気にならない方がおかしいよね。ツバキの方も気になるけど、今はこっちに注目させてもらいましょかね、と」

 

 同じどくタイプのエキスパートとして、自身を容易く破っていった謎のトレーナーに興味津々のアンズであった。

 

 

 

――タマムシシティ

 

「ネリアさーん!」

 

「ご希望のハンバーガー買ってきましたよー」

 

 扉を開けて入ってきた大小の少女達……ジムトレーナーのラニーとアケビの腕には、これでもかとハンバーガーショップの紙袋が抱えられている。

 

「おう! オレもキンキンに冷やしたコーラ用意しといたぜ! クーラーボックスん中にゃ缶のもあっから、ヌルくなる心配はねぇぜ!」

 

 それを迎えるはジムリーダー代理のネリア。

 ネリアとラニーがソファーに腰かけ、アケビがラニーの膝の上に座って観戦準備は完了だ。

 

「ハンバーガーとコーラ片手にリーグ観戦! これぞイッシュ流だぜ!」

 

「いつもの事ですけどー、盛大に太りそうですねー……」

 

「あ、ラニーちゃん! さっきスクリーンにツバキちゃんとスカーレットさん映ったよ!」

 

 いつも漫才をしているタマムシトリオが、今日は騒がしさ5割増し(当社比)だ。

 

「へへ、んじゃ応援するとしますか。アケビの友達をよ」

 

「「おー!!」」

 

 その意気の全ては……友達のために。

 

 

 

――ヤマブキシティ

 

「いよいよ決勝トーナメントっスか……! くぅぅ~! 代行としての役目が無ければ自分も参加したかったっス……!」

 

 画面に映る選手達を見ながら悔しそうに拳を握るは、ヤマブキジムリーダー代行・リョウブだ。

 

 

「……いやいや、ナツメさん不在の今、このお役目は責任重大。そんな事考えちゃダメっスね! ツバキさん、スカーレットさん、ゲントさん、スコーピオさん、頑張ってくださいっス!」

 

 頭を振って気持ちを切り替えたリョウブは、自分を破り、さらにリーグの決勝トーナメントまで進んだ4人へ人知れず声援を送った。

 

 

 

――ハナダシティ

 

「さ、さすが強そうな人達ばっかりです……」

 

「……ツバキさんのような少女もいる以上、見た目はあまり関係無いと思いますが……」

 

 身震いするジムリーダー・ルイにツッコミを入れるのは、黒眼鏡で視線の読めぬジムトレーナーのクロタ。

 

「そ、それは確かに……で、でもスコーピオさんとか、あのガラムって人とか……」

 

「そりゃ、たまたまそういう人が混ざる事もあるでしょう。……やれやれ、ツバキさんとのバトルで吹っ切れたと思ったのですが……」

 

「うっ……も、もちろん! ボ、ボクだって少しは変わりました! いつまでも怖じ気づいてばっかりじゃありません!」

 

 ルイは明らかに虚勢を張って、柄にもない腕組みなどして見せる。

 クロタはこのやり取りに呆れつつも微笑ましくもあると思うが、決して口には出さない。

 

「(……まぁ、以前のルイさんであればその虚勢を張るという考え自体が無かっただろう。そういう意味では成長、か。……ふふっ……)」

 

 そして、ちょうど画面に映ったツバキに目を向ける。

 

「(彼女やルイさんのような将来有望な若者が育っているのは喜ばしい事だ。……ルイさんのためにも、頑張ってください、ツバキさん)」

 

 

 

――ニビシティ

 

「お嬢様、朝食の準備ができましてございます」

 

 主に対して恭しくお辞儀をした初老の男性。

 

「ふふっ……さてはこの時間に合わせましたわね?」

 

 艶やかな金色の髪を揺らして応じたのは、ニビジムリーダーのエーデルである。

 いつも身に纏っていた甲冑を脱いだ姿は、ごく普通の少女と変わり無い。

 

「はい。せっかくのポケモンリーグ期間。優れたるトレーナー同士の熱き戦いを眺めながらの朝食も一興かと」

 

「よい判断です、じいや。……どの選手も素晴らしい面構え……今までに無いようなバトルが見られそうですわ」

 

 優雅にティーカップを傾け、エーデルは画面を注視する。

 トレーナーとポケモンの結び付きが強いほどにバトルはより激しく美しく昇華、洗練されていくもの。

 そのような素晴らしいバトルを自身がやる事はもちろん、他者のバトルを見る事もまたトレーナーとしての至福の時なのだ。

 ましてそれが、自身が目をかけた後輩トレーナーならばなおの事だ。

 

「……ふふふっ、ツバキさん……あなたの健闘、祈っておりますわ」

 

 

 

――グレンタウン

 

「……ワシも行きたかったなぁ……。ジムリーダーである事はワシの誇りだが、毎度毎度この時ばかりは貧乏くじだと思ってしまうわい……」

 

 椅子の背もたれに身体を預け、サングラスに反射するテレビ画面を見ながら愚痴るカツラ。

 ジムリーダーは管轄の街の治安を守る事も仕事の内なので、リーグ期間中はジムが休みとはいえ、そうそう遠出はできないのである。

 

「ツバキくん達のバトルを間近で見られんとは……! それに、ゲントくん、スカーレットくん、そしてあのスコーピオとやら……あれだけの逸材が揃う試合を、テレビ越しでしか見れぬとはなんたる拷問……! ……かくなる上は……!」

 

 カツラは無念と未練を潰すかのように拳を握ると、腕を高く掲げて声を張り上げる。

 

「現地にいる気分で応援あるのみ! ツバキくーん! 頑張るのだぞぉーーーーっっ!!」

 

 グレンタウンから遠く離れたセキエイ高原にまで声を届けるつもりでカツラは叫ぶ。

 幼い頃からその成長を見守ってきた、若きトレーナーの勝利を信じて。

 

 

 

――トキワシティ

 

「さすがはシルバー様。特に着目した4人は全員決勝トーナメントへ進みましたね」

 

 赤い髪の青年の目の前のテーブルにコーヒーカップを静かに置いた女性がテレビに目を向けて呟く。

 

「ふんっ……俺に勝った以上はそうでないと困る。むしろまだスタート地点に立ったばかりみたいなもんだ」

 

 赤髪の青年、トキワジムリーダー・シルバーはカップを口の前まで持っていって香りを楽しんだ後に一口含み、満足げに笑みを浮かべる。

 口では厳しく言いつつも、やはり自分の人を見る目に誤りが無かったというのは嬉しい。

 

「(……しかし、あのスコーピオとかいう奴……あれほどの実力者がまったくの無名とは考え辛い。恐らく仮面の下は……)」

 

 スコーピオがトキワジムを突破してから、シルバーはポケモンリーグ協会のデータベースにアクセスし、過去に各地方リーグに参加した経験のあるトレーナーデータとの照合を行った。

 そしてその結果、1人のトレーナーが条件に合致したのだ。

 

「(……まぁ、さすがに現れた理由まではわからなかったが、な)」

 

 なんにせよ、大会を彩る強者が参加した事それ自体は悪い事ではない。

 シルバーは期待半分、不安半分な心持ちのまま、テレビ中継に視線を戻した……。

 

 

 

「さぁ、皆様……ついに始まります! トージョウリーグ決勝トーナメント1回戦第1試合! マユリ選手とスコーピオ選手の戦いが! 実況はわたくし、ブルースが務めさせていただきます!」

 

 実況席に座った男性が、テンションも高く大声を張り上げ、観客も負けじと大歓声を上げる。

 

「では、さっそく栄えある第1試合を飾る2人に登場していただきましょう! ゲート・オープンっ!」

 

 フィールド両端の大きな開き戸が重々しい音を立てて開いていき、2人の選手が入場してきた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「コガネシティのマユリ選手ーーーーっ!! ポケモンリーグ参加は今回が初となりますが、予選から危なげ無い戦いを見せており、破竹の勢いで優勝を目指します! 将来有望なトレーナーの熱き闘志をその目に焼き付けろぉぉーーーーっっ!!」

 

 ウェーブした黄緑の髪の少女が、紹介に合わせるように目を開いて対戦相手を睨む。

 

「対するはスコーピオ選手ーーーーっ!! 本名、年齢、出身、経歴全てが仮面の奥に隠された謎のトレーナー! わかっているのは、カントーのバッジ8つをわずか半月の内に集めたという驚異的な実力の持ち主という事だけ! この2人がどのような試合を見せてくれるのか、わたくし年甲斐も無くワクワクドキドキしております!!」

 

 仮面を付けたトレーナーは、熱気高まる会場の空気など気にも留めず、対峙するマユリに意識を集中している。

 

「……あんたが何者かなんて知らへんし、知りたいとも思わへん。ウチが目指すんは優勝ひとつやさかい、誰が相手やろうとシバき倒すだけや。……けどまぁ、ウチが勝ったらその怪しい仮面脱ぐくらいはしてもらおか」

 

「…………」

 

 マユリからの挑発にも反応せず、くいくいと動かした人差し指で逆に挑発を返すスコーピオ。

 

「おぉっと、すでにお互い闘争心が燃え滾っているようです! では、あまりお待たせしても悪いので、始めてしまいましょう! 両者最初のポケモンを!」

 

 3対3のシングルバトル。2人の先発は……。

 

「行くでぇ……ヘラクロスっ!」

 

「…………」

 

 2つのボールが宙を舞い、上下に開いた中から飛び出した光がポケモンの形を成してフィールドに降り立つ。

 マユリが繰り出したのは、先端が二又に分かれた立派なツノを持つカブトムシのようなポケモンだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

1ぽんヅノポケモン『ヘラクロス』である。

 特徴的なツノの基部には黒い帯が巻かれており、これはツバキがシルバーにもらった物と同じ達人の帯のようだ。

 それと向かい合うように現れたのは、黄色い身体に鋭く巨大な円錐状の腕、そして黒い帯のような縞模様の入った下半身から伸びる毒針が恐怖を煽るどくばちポケモン『スピアー』だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 こちらは腰に当たる部分に小さな袋が括り付けられている。

 

「マユリ選手の先発はヘラクロス! 対するスコーピオ選手はスピアーだ! むしタイプ同士となる先鋒戦、期待に胸が膨らみます! ……それではいよいよバトルスタートです! 5カウントで始めたいと思います! ……5!」

 

 ブルースのかけ声に合わせ、観客達も共にカウントを始める。

 

「「「4! 3! 2! 1!」」」

 

「ゼロぉぉぉぉーーーーっっ!!」

 

「“ストーンエッジ”!」

 

 カウント0と共に先手を打ったのはマユリ。

 ヘラクロスが大きなツノを地面へ叩き付け、岩の柱が次々に隆起してスピアーに迫る。

 

「マユリ選手素早い! 弱点のいわ技を撃って速攻をかけるーーっ!!」

 

「“ドリルライナー”」

 

 だが、スコーピオが指示したのは回避でなく攻撃。

 スピアーも動じる事無く両腕を揃えて羽ばたくと、迫る岩に対してドリルのように高速で回転し、余波で地面を抉りつつ突進していく。

 

「……ハ?」

 

 ……一瞬だった。

 わずか一瞬で10本はあろうかという太い岩の柱全ての基部に大きな穴が空いて、音を立てて倒壊していく中、無数の岩の破片や砂埃と共にヘラクロスの身体がぐるんぐるんと宙を舞っていた。

 マユリは目を見開いてそれを見上げていたが、ハッと我に返って指示する。

 

「……っ!! ヘラクロス! “ビルドアップ”で着地や!」

 

 落下の中でヘラクロスは全身に力を込めて筋肉を膨張させると、頭が下になるように空中で体勢を変え、太くたくましくなった腕で受け身を取って着地した。

 

「ほっ…………(な、なんてスピードや……全然見えへんかった……)」

 

 自身もヘラクロスも動体視力には自信があったマユリは、スピアーの動きにまったく反応できなかった事に少なからず衝撃を受けた。

 だが、驚いてばかりもいられない。なんとか反撃しなければ。

 

「な、なんというスピード! お恥ずかしながらわたくし、今の一撃まったく見えませんでした! 先手を打ちながらも先にダメージを受けてしまったヘラクロスですが、自慢の筋力で立て直しました!」

 

 ブルースの興奮も高まり、だんだんと声量が上がってきた。

 

「(……よぅし……目に物見せたる……!)」

 

 マユリは下唇を舐めるとスピアーの一挙手一投足に意識を集中し、反撃の糸口となる一瞬の隙を逃さぬように全神経を研ぎ澄ます。

 

「“どくづき”」

 

「(来たっ……!)」

 

 スピアーが攻撃のために速度を引き上げる直前、激しくなった羽の音と動作に反応してマユリがほぽ直感のままに動く。

 

「横から“フェイント”や!」

 

 “どくづき”を仕掛けるべく突進してきたスピアーに対し、ヘラクロスが右腕でストレートを放つ構えを取り、スピアーの動きがわずかに鈍った。

 だが、その構えはフェイクである。スピアーに生じた隙を見逃さなかったヘラクロスは、一瞬にして構えを解いて肉薄すると、スピアーの真横から回し蹴りを打ち込んだ。

 

「ヒットーーーーっ! ヘラクロス、見事な“フェイント”で高速のスピアーを捉えました! ここから反撃なるかーーーーっ!?」

 

 “フェイント”はこの通り攻撃を仕掛けるふりをし、相手がその対応に動いた隙を突いてまったく異なる攻撃法で不意を打つ技である。

 その性質上、“まもる”や“みきり”などで攻撃に備えた相手の死角から奇襲する事を得意とし、それら防御技を破れる数少ない技なのだ。

 もっとも、当初の動きから刹那とも言えるわずかな時間でまったく違う攻撃動作へ切り替えるために威力は低くなりがちだが、いくらダメージが小さくとも、打撃を受ければ必ず動きは鈍る。

 それに、筋肉を一時的に強化して物理的な攻撃と防御能力を向上させる“ビルドアップ”を使ったのだから、防御力はさして高くないスピアーにはその一撃は致命的。

 ……の、はずだったのだ。

 

「“とんぼがえり”」

 

 だが、スピアーは回し蹴りを受けて吹っ飛んだかと思うと、即座に槍のような右腕を地面へ突き立ててそれを軸に回転し、遠心力も加わってさらに速度を上げた突進を敢行し、腰の袋から銀色に輝く粉を撒きながら突っ込んできた。

 

「ウソやろ……!?」

 

 着地の瞬間を狙われたヘラクロスに超高速の一撃を打ち込み、宙返りをしてスコーピオの元へと戻っていく。

 ヘラクロスはごろごろと力無く転がり、そのまま動かなくなってしまった。

 

「ヘラクロス、戦闘不能!」

 

 審判が駆け寄り、ヘラクロスの状態を確認して宣言すると、会場に歓声が広がった。

 

「に……2発……? ウチのヘラクロスがたった2発で倒れたいうんか……?」

 

「な……なんという事でしょうーーーーっっ!! マユリ選手の先鋒ヘラクロス! 早くも倒れてしまったぁぁ!!」

 

 ブルースの熱苦しい実況が反響する観客席で、腕を組んで観戦していたシャコバが口を開いた。

 

「……イソラちゃん。あのスピアー……」

 

「はい。“フェイント”が当たる寸前、わずかに動かした腕の毒針を盾にしていました。さらにその鋼鉄もかくやという頑強な針に……恐らくヘラクロスは関節を当ててしまったのでしょう。攻撃のつもりが逆にダメージを受けた上、着地の際に関節の痛みで体勢が崩れ、“とんぼがえり”が急所に当たっていたように見えました」

 

 隣で観戦していたボックは、2人の会話に口をあんぐり。

 

「……あの一瞬でそこまで見えてたの……? ……どうなってるんだろ~、この人達の目~……」

 

「いやいや、ボックだって経験を積めばそれくらいはできるさ。……しかし、あのスピアーは強いな。恐らくトレーナーからの指示は最低限なものしか出ておらず、ポケモン自身がその指示を最も効率的に実行できる行動をその場で判断している。トレーナーとポケモン双方の理解と信頼が無ければ為せない業だ」

 

 ポケモンリーグの決勝トーナメントともなれば、ポケモンの強さだけではどうにもならない。

 指示を出す方も聞く方も、お互いに相手がどういった考えを持っているのかをしっかり理解しておかねば、とても対応が追いつかないだろう。

 

「“とんぼがえり”は相手に攻撃を行い、その余勢を駆ってトレーナーの元へ戻り、控えのポケモンと交代する技。攻撃をしつつ次の一手を打てる便利な技だが、元いたポケモンが受けるはずだった相手の攻撃を、交代で出たポケモンが食らう恐れもある。だが、この技で倒してしまえば、次にポケモンを出すタイミングを相手トレーナーと合わせる事ができ、そのリスクを打ち消せる。……そこまで考えて“とんぼがえり”を指示していたとしたら、あのスコーピオというトレーナー……恐ろしい技量だぞ」

 

「……オイラもまだまだ学ぶ事があるんだね~……」

 

 自分のいる場所は、ポケモンバトルの世界において入口程度でしかない。

 イソラの話す駆け引きの妙、バトルの奥深さを聞き、その事を実感したボックは、汗の滲んだ手を握り込んだ。

 

「(この粉……むしタイプ技を強化する銀の粉やな……くっ……!)……ヘラクロス、ようやってくれたな。休んどいてや」

 

 ヘラクロスの入ったボールを撫でてからしまったマユリは、風に乗って手の甲に付着した粉を払ってから次なるボールを手にする。

 スコーピオもまたスピアーの物とは別のボールを握って構えている。

 

「あんたの出番やで! キリンリキ!」

 

「…………」

 

 マユリの投げたボールから現れたのは、身体の前半分こそ一般的なキリンに近い外見だが、後ろ半分が黒く、尻尾は先端が丸い頭のようになっている奇抜な見た目の4足歩行のポケモンだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

くびながポケモンの『キリンリキ』である。

 なんとその顔には眼鏡がかけられており、傍目にはなかなかシュールな見た目に仕上がっている。

 だが、侮る事なかれ。これは特殊技の威力を上げる物知りメガネという道具であり、エスパータイプを持つキリンリキには適した持ち物なのだ。

 長めの首を振ってボールの外の空気を楽しむキリンリキだが、向かいに着地した相手を確認して戦闘モードに入る。

 その相手は赤く透き通った球状の器官を持つ、水色の笠のような形の身体と、そこから伸びる無数の触手を脚のようにして器用に立って見せる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

くらげポケモン『ドククラゲ』だ。

 

「……キリンリキ、気ぃ付けるんやで。あの触手は1本1本が毒持ち……迂闊に近付かず慎重に行くんや」

 

 囁くようなマユリの指示に静かに頷いたキリンリキは、じっとドククラゲを見つめてその動きに気を配る。

 

「バトル……再開っ!」

 

 審判が再開を告げるが、お互いにすぐには動かずに一定の距離を開けて睨み合う。

 

「おぉっと!? 先鋒が双方場を離れ、次に現れたキリンリキとドククラゲですが、なかなか動きません! まずは警戒と様子見でしょうか!?」

 

「(……ドククラゲは地上ならそう機敏には動けへんはずや。こういう手合いには間合いを保ったまま遠距離攻撃で攻める……!)キリンリキ! “10まんボルト”や!」

 

 キリンリキの2本のツノの間にバチバチ音を立てて電気が発生し、瞬く間に強力な電撃と化してドククラゲ目掛け放電された。

 

「先に動いたのはまたもマユリ選手! 着実に弱点を突いていくぅーー!」

 

 ドククラゲはでんき技に弱いみずタイプではあるが、種族としての特徴として特殊攻撃に対しての耐性が高めなので、“10まんボルト”といえど効果的とは言い難い。

 が、下手に接近して毒の触手に絡め取られるよりは安全で堅実な遠距離攻撃をしていた方がマシである事もまた事実だ。

 

「“アクアリング”」

 

 弱点タイプの技を撃たれてもスコーピオに焦る素振りなど無く、まったく変わらぬ調子のままに指示を出す。

 ドククラゲが雄叫びを上げると、周辺の水分が集まって2つのリングを形作り、ドククラゲを輪の軸にしてゆらりゆらりと回り始めた。

 直後、放たれた電撃がドククラゲにヒットしたが、やはりそこまで大きなダメージにはなっていないようだ。

 そして周囲を回る水のリングが光ると、ドククラゲのダメージを癒していく。

 さらに、ドククラゲが触手を2本ほど身体の内側へと巻き込んでから再び伸ばすと、そこにはなにやら黒いドロドロした塊が掴まれていた。

 ……と、思った次の瞬間、ドククラゲはその塊をパクリと食べてしまい、元気を取り戻してしまったではないか。

 

「……! 黒いヘドロ……!」

 

 黒いヘドロ。

 その名の通りヘドロの塊で、どくタイプ以外が持つとあまりの毒性故に体力を蝕まれるが、どくタイプは逆にこれを取り込む事によって体力を回復させられる道具である。

 これと“アクアリング”との併用によって、ドククラゲの体力回復能力はかなりのものとなっているのは明らかだ。

 

「ドククラゲ、弱点技を受けましたが、驚異の回復力であっという間に傷を癒してしまいました!」

 

「耐久重視ちゅうわけか……! だったら回復上回る連続攻撃すればええだけの話や! “サイコ”……」

 

「“ねっとう”」

 

 マユリの指示を遮るように紡がれたスコーピオの言葉がドククラゲに届き、前部の牙のような部位を持ち上げ、そこから熱せられた水が放射されてキリンリキへ振りかかる。

 

「うっ……!? “こうそくいどう”!」

 

 出そうとしていた“サイコキネシス”を中断し、前後の脚の蹄で地面を鳴らすと、急加速で走り出して“ねっとう”を回避した。

 

「(“ねっとう”は火傷にされる可能性のある技や。継続ダメージを与えられるのはキツいなんてもんやないで……! 走り回ってればそうそう当たらへんけど、精神集中が必要な“サイコキネシス”は使えへん……!)しゃーない、“10まんボルト”で攻めるで!」

 

 広大なフィールドを走り回る事で、連続で放水される“ねっとう”を巧みにかわしながら、ツノから電撃を浴びせる。

 時折柔軟な身体を活かしたゆらりとした動きで避けられるが、6割ほどは命中し、少しずつダメージは蓄積しているようだ。

 

「……? ねぇ、イソラさん~。確かドククラゲって、80本ある触手全部を普段から伸ばしてるわけじゃないんだよね~?」

 

 そのバトルを眺めていたボックが、イソラへ疑問を投げかけた。

 

「ああ。通常は移動用に10本ほどを伸ばし、残りは収納している。……気が付いたか。そうだ。あのドククラゲは、場に出た時から明らかに30本以上伸ばした状態で動かし続け、さらにその場からほとんど動いていない。何か狙っているのだろうが……」

 

 イソラが訝しんで目を細めた次の瞬間、()()は起きた。

 高速で動き回っていたキリンリキが、突然転倒したのである。

 

「キリンリキっ!? ……っっ!!」

 

 倒れたキリンリキを見たマユリは絶句した。

 何故なら、その後ろ脚には地面から突き出した2本の触手が絡み付いていたのだ。

 

「こ、これはなんと!? 地面からドククラゲの触手が生えて、キリンリキを捕まえてしまったーーーーっっ!!」

 

「……なるほど。多めに伸ばして動かしていた触手は、本命であるあの2本を隠すためか。人間にしろポケモンにしろ、動いている物体には自然と意識が向くものだ。だからこそ、その触手のカーテンの奥で地面を掘り進めていた2本に対しては注意が向けられなかったんだ。しかも、ドククラゲの触手は水分を吸えば吸うだけ伸びていく」

 

「水分……あっ……! ……“ねっとう”~……!」

 

 そう、口から噴射されていた“ねっとう”は、ポツリポツリと足元に水滴を垂らし続け、地中を進んでいた触手がそれを吸ってどんどん伸びていったのである。

 

「ふ、振りほどくんや!」

 

 もがくキリンリキの身体がドククラゲの側にずるずると引きずられていき、大きな笠の中から残る触手が全て伸びる。

 

「“どくづき”」

 

 そして、身動きの取れないキリンリキへ、毒を帯びた70本もの触手が連続で打ち込まれ、立ち上る砂煙の中にキリンリキの叫び声が木霊した。

 

「キリンリキぃーーーーっっっ!!!」

 

 徐々に静けさが戻り、晴れた砂煙の奥から見えてきたのは、顔どころか全身が青ざめて痙攣を続けるキリンリキの姿だった。

 

「キ、キリンリキ戦闘不能!」

 

 もはや近付いて確認するまでもない。観客席から見ても、戦闘継続など不可能な状態なのは明らかなのだから。

 

「くっ……ぅ……も、戻れキリンリキ! ……ごめんなキリンリキ」

 

 マユリは歯を食い縛りながらキリンリキをボールへと戻す。

 

「(うぅ、最後は誰を……)」

 

 ラストの1体を出すべくモンスターボールに手を伸ばしたところで、マユリは気が付いてしまった。

 自分の身体が今、出会った事の無いほどの強さを持つ相手を前にして震えている事に。

 

「(バ、バカ! なに震えとんねん! まだや……まだ巻き返せるはずやで……!?)」

 

 圧勝……とはいかないものの、ジムリーダー達とのバトルを無事に制し、揃った8つのバッジに自分とポケモン達の成長を見てきたマユリは、過信には程遠いがそれなりの自信を持っていた。

 今マユリの中ではその自信にヒビが入り、軋みと共に崩れ始めているのだ。

 

「(……怖ない……怖ない……! ウチは……!)」

 

 動物は自分よりも強く大きい相手を本能的に恐れ、よほど切迫していなければ挑もうとはしない。

 それは人間も同様であるが、人間には野生動物には無い物が備わっている。

 

「ウチは……ウチらは勝つんやっ!! 行くでエアームド!!」

 

 『矜持』と『信念』である。

 今ここで本能的な恐怖に膝を屈する事は容易い。

 だが、それはここまで共に歩んできたポケモン達との絆と努力を蔑ろにする裏切り行為に等しい。

 ポケモントレーナーとしてそれだけはできない。するわけにはいかない。

 故にマユリは心を蝕む恐怖を振り払い、懸命に己を奮い立たせてボールをフィールドへと投げ入れる。

 その意志に応えるかのような甲高い叫びを上げ、降り注ぐ太陽光を銀色の身体で照らし返す鳥ポケモンが翼を広げて空を舞う。

 

 

【挿絵表示】

 

 

よろいどりポケモン『エアームド』である。

 

「……へぇ」

 

 恐怖に屈する事無く挑んできたマユリの覇気に、スコーピオの口から初めてポケモンへの指示以外の声が漏れ出た。 

 

「マユリ選手の3番手はエアームド! さぁ、ここから逆転はできるのか!?」

 

「バトル……再開っ!!」

 

 審判が両腕を振って合図した瞬間、双方から同時に指示が飛ぶ。

 

「“ねっとう”」

 

「“ボディパージ”!」

 

 空中のエアームド目掛けてドククラゲの口から“ねっとう”が噴射される。

 一方のエアームドは身体が一瞬光ったかと思うと、その光と共に身体の表皮が薄く剥がれて弾け飛び、先ほどまでよりも早い羽ばたきを見せる。

 そして、重そうな見た目とは裏腹に軽やかかつ迅速に旋回して“ねっとう”を回避して見せた。

 “ボディパージ”は主にいわタイプ、はがねタイプが覚え、鉄や岩でできた身体表面の余剰部分を削ぎ落として運動性を引き上げると同時に体重を軽くする技である。 

 

「は、速い! マユリ選手のエアームドなんという速さ! あまりのスピード故に空中に残像が見えます! これは先ほどスコーピオ選手のスピアーが見せたスピードをも上回っているのではないでしょうか!?」

 

 ブルースの語る通り、ドククラゲから放たれた“ねっとう”が当たるのは残像ばかりであり、エアームド本体はすでに別の場所を飛んでいるという状況だ。

 

「“ドリルくちばし”や!」

 

 狙いの定まらぬドククラゲの背後から、全身を回転させてエアームドが高速で突っ込み、一撃離脱してまた去っていく。

 360度あらゆる方向からランダムに繰り返される突撃に、ドククラゲは反応がとても追いつかない。

 “アクアリング”と黒いヘドロによる回復力も、連続攻撃の前にだんだんとジリ貧になりつつある。

 

「エアームド速い! 速すぎる! これはドククラゲ万事休すかーーーーっっ!?」

 

「……」

 

 どう考えてもドククラゲは追いつめられている。

 にもかかわらず、スコーピオはドククラゲをボールに戻そうとはせず、ただただバトルを静観している。

 

「……今」

 

 スコーピオが小さく呟いたその瞬間。

 ドククラゲの笠に付いた赤い球状器官が眩く発光し、会場中に激しい超音波が反響したのだ。

 

「うわぁぁぁーーーーっっっ!? こ、これは凄い!! 頭に直接響くような超音波が、この場の全ての人とポケモンを襲っているようです!!」

 

「ぐっ……! そ、そういえば、ドククラゲは狩りをする際、あの球体を発光させる事で海面を揺らすほどの超音波を出して獲物を弱らせるという……!」

 

 実況席のブルースや、観客席のイソラ達ですらこの状態なのだから、間近で超音波を浴びたエアームドはたまったものではない。

 案の定動きが止まり、地面に落下してのたうち回っている。

 無論、そこを見逃すつもりなど無い。ドククラゲの触手が伸び、エアームドを捕らえんと迫る。

 

「ぐくっ……! き、聞こえとるかエアームド! い、“いわなだれ”や!」

 

 耳を押さえながらマユリは声の限り叫んで指示を飛ばす。

 かろうじてその指示が届いたエアームドが顔を上げ、大きく広げた鋼鉄の翼を地面へと叩き付けると、空中へ無数の岩が打ち上げられてドククラゲの頭上に落下していく。

 

「弾きなさい」

 

 ドククラゲが触手40本ほどを再度伸ばして目にも止まらぬ速度で振り回し、落ちてくる岩を次々に弾き飛ばし、あるいは破砕していく。

 元よりドククラゲの触手は80本全てで異なる獲物を追えるほどに器用かつ精密な動作が可能であり、手数で攻めても物理的な攻撃であればこのように防がれてしまう。

 例外があるとすれば、ドククラゲの反応速度を上回るスピードか、圧倒的なパワーであるか、であろう。

 

「……そこや! “ドリルくちばし”っ!!」

 

 薄い鉄の翼が風を、空気を切り裂く音。

 降り注ぐ岩の迎撃に意識を向けていたドククラゲは超音波の発振を中止しており、マユリには“いわなだれ”を使えばそうなるであろうという目論見もあった。

 だからこそ、今。

 あの厄介な超音波さえ無ければ、ドククラゲはエアームドのスピードを捉える事はできないと踏んだが故に仕掛けた攻撃なのだ。

 

「エアームドとてつもないスピード! 通るか!? 通るか!? 通るかぁぁーーーーっっ!!?」

 

「行けぇぇぇーーーーっっっ!!!」

 

 マユリの切なる願いを乗せ、回転速度を増したエアームドが突っ込んでいく。

 何度も“10まんボルト”と“ドリルくちばし”がヒットし、回復量よりもダメージの方が勝っているはず。

 今ここでこの渾身の一撃を直撃させればきっと倒せる。

 マユリもエアームドもそう信じ、全身に力を込め、回転数をさらに上げてドククラゲへ一直線。

 どう回避しようとも間に合わず、エアームドの鋼鉄の身体がこの速度で突っ込むならば触手程度では止めようは無い。

 

 

 

「“ミラータイプ”」

 

 “ドリルくちばし”がヒットする寸前、ドククラゲの身体が頭頂部から順に触手の先まで銀色に光った。

 そして、エアームドの全身全霊を懸けた突撃がその胴体に直撃……したはずだったのだ。

 

「な……ぁ……」

 

 マユリは目を見開いて絶句してしまう。

 ……“ミラータイプ”。

 相手ポケモンのタイプを一瞬にして読み取り、そのテクスチャを自身に張り付けてタイプ構成をコピーする技だ。

 つまり、今のドククラゲは本来のみず・どくではなく、エアームドの写し身としてはがね・ひこうタイプへと変化しているのだ。

 そして、はがねタイプにはひこう技である“ドリルくちばし”はほとんど通用しない。

 鋼の強固さを得たドククラゲに激突したエアームドの身体は虚しく回転を弱めていく。

 ……無論、その状態は隙だらけであり、ドククラゲの触手が両翼と両脚に絡み付いて拘束されてしまった。

 

「……頑張った方ね。“ねっとう”」

 

 身体を大きく広げるように捕らえられたエアームドに、真正面かつ至近距離から“ねっとう”が噴射され、その熱さにエアームドが絶叫する。

 

「エアームドぉっっ!!」

 

 逃げるも抵抗するもままならず、高温の水を噴射され続ける事1分以上。

 触手の拘束が緩み、火傷に次ぐ火傷で真っ赤になったエアームドの身体は力無く落下して横たわった。

 

「エ……エアームド……戦闘不能……! スコーピオ選手の勝ち! 1回戦突破!!」

 

 審判が躊躇いがちに宣言すると、1拍遅れて観客から大歓声が上がった。

 

「き……決まったぁぁぁーーーーっっっ!!! スコーピオ選手、なんと1体の損失も無くマユリ選手を下し、決勝トーナメント2回戦……準決勝へと進出を決めましたぁぁーーーーっっ!! まさかの展開に、わたくし年甲斐も無く心が熱く燃え滾っております!!」

 

「エアー……ムド……」

 

 ブルースの熱い実況も耳に入らぬマユリは、よろよろとエアームドに近付くと、いまだ熱を帯びたままの鋼鉄の身体を抱いて震え始めた。

 その姿を見つめていたスコーピオは、そっと自身の胸に右手を当てて溜め息を吐く。

 

「…………治まらない。最後の方は少しは良かったけど……やっぱりこいつじゃない……こいつじゃ足りない……」

 

 羽織ったマントを翻し、スコーピオは静かにフィールドを後にする。

 残されたのは、いまだ止まぬ歓声にかき消される、少女のか細いすすり泣きだけだった……。

 

 

 

つづく




今回も駄文雑文落書きにお付き合いいただきありがとうございました!

最初の方のジムリーダー達の描写いらなかったかなー、とあらかた書き終えてから思う劉翼でした。
…あと決してマユリが弱いわけじゃないのですよ?
ちなみにエアームドが持ってたのは弱点保険です。《がんじょう》を利用して弱点保険で攻撃を、“ボディパージ”で素早さを強化して戦うバトルスタイルでしたが、使わず終いでした。
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