超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編 作:ホタチ丸
さっそく投稿しますよ!
それでは、 晴れた昼下がり はじまります
「……やっぱり、ネプギアかな」
俺はネプギアのチョコが1番美味しいと思った。
好きな子の手作りって言う補正がついているかもしれないけど、俺の中では1番美味しいと思えたチョコだった。
甘い中にちょっとした苦味があって、それまで甘いチョコばかり食べていた俺にはピッタリだった。
よし、そうと決まれば早速ネプギアに会いに行こう。
……って、ちょっと待てよ。
ネプテューヌからのメール、まだ下にスクロールできる?
まだ何書かれているのか?
【もしネプギアを選んだのなら、今バーチャフォレストにいるから直接会いに行ってね! 教会の中を探してもいないから注意してね!】
「バーチャフォレストにいるのか」
危うく教会の中を駆け回るところだった。
俺はネプギア用に購入したお返しを持って、バーチャフォレストへと向かった。
……でも、何でネプギアはバーチャフォレストにいるんだ?
* * *
「あーうー、絶対に私の所には来ないよぉ」
バーチャフォレストの草原で、私は膝を抱えて座っている。
今日はホワイトデーとなので、実を言えば夢人さんからどんなお返しが貰えるのかすごく楽しみにしていた。
無理やりとはいえ、私のチョコを美味しいと言って貰ってくれた夢人さんが、何も返さないと言うことは考えられない。
ただ貰えるだけで満足だったのに……
「どうしてこうなっちゃったんだろう」
事の発端は、お姉ちゃんの一言だったと思う。
確か、【どうせならゆっくんを1日独り占めしちゃいなよ】って言ったような気がする。
私はちょっと話しの流れについていけず、あたふたしているうちにユニちゃん達はそれを受け入れちゃって、なし崩し的にこんな形になってしまった。
しかも、なぜかいつもは反対しそうなアイエフさんまでお姉ちゃんの意見に賛成してたし……
「そんなことよりも、絶対に私の所には夢人さん来ないよね……」
自分で言ってって悲しくなってくる。
どう考えても、チョコ作りに失敗した私なんかを夢人さんが選ぶはずがない。
ユニちゃん達の方が美味しいに決まってる。
「せっかく用意したのに、無駄になっちゃうかな」
「何が無駄になるんだ?」
「何って……って、きゃあああああ!?」
「うお!? 急にどうした?」
私が気持ちと共に沈んでしまっていた頭を上げると、目の前に夢人さんの顔があった。
って、どうしてこんなところにいるんですか!?
「ゆ、ゆ、夢人さん!? ど、どどどどうしてここに!?」
「いや、ネプテューヌからのメールでネプギアがここにいるってわかったから会いに来たんだけど」
「そ、そそそそういうことじゃありません!?」
え、あれ、夢人さんがここにいるってことは、私のチョコが1番美味しかったってことなのかな?
で、でも、そんなことあるわけないよね?
「き、聞いていいですか?」
「うん、何だ?」
「本当に私のチョコが1番美味しいと思ったんですか?」
もしかしたら、同情的な意味で私に会いに来てくれたのかもしれない。
目の前で美味しいと言った手前、夢人さんならユニちゃん達の所に向かう前に立ち寄っただけって可能性も……
「ああ、ネプギアのチョコが1番美味しかったよ」
「ほ、本当ですか?」
「嘘なんてつかないさ。ネプギアのチョコが1番美味しいって思ったから、俺はここに来たんだ」
「……はうっ!?」
私は一気に顔の温度が上昇した。
顔が熱すぎて、頭がくらくらしてしまう。
ゆ、夢人さんが私のチョコを1番美味しいって言ってくれた!!
ユニちゃん達じゃなくて、私を選んでくれたんだ!!
「お、おい、大丈夫か?」
「だ、だだだ大丈夫でしゅ!? 夢人さんも座ってください!?」
「わ、わかった」
心配そうな顔で尋ねられても、私の熱は収まりそうにない。
だって、今日は2人きりなんですから。
* * *
ネプギアの所に行ったら、顔を真っ赤にして隣に座ってくれと言われた。
そんな態度取られると、勘違いしてしまいそうになる。
……で、でも早まるなよ。
ネプギアは2人きりと言うことに照れているのかもしれない。
ってか、俺もこのシチュエーションはすごく照れくさい。
好きな子と並んで草原に座っている。
なんかどこかのアニメのワンシーンみたいで、さっきから心臓がやばいくらいに高鳴ってる。
でも、それが嫌じゃなくて、ずっとこのままでいたいとも思ってしまう。
俺が座った後、しばらく俺はネプギアの方を向けずにいた。
きっと顔が赤くなってるし、それを見られるのは恥ずかしい。
だから、必然的に会話なんて何もなかったのだけど、居心地が悪いとはまったく思わない。
隣にネプギアがいるってわかるだけで、俺は幸せな気分になれる。
……ああ、このまま2人でずっと一緒にいるってのもありかもな。
「ゆ、夢人さん」
「な、何だ?」
危うく危ない思考に突入しかけた俺を止めたのは、恐る恐る俺に向かって呼びかけてくれたネプギアの声だった。
あ、危なかった。
もう少しで用意したお返しのことも忘れてしまうところだった。
俺が内心ホッとしていると、ネプギアは上目遣いでこちらを見上げながら横に置いてあったバスケットの蓋を開いて見せた。
「一緒に食べませんか?」
バスケットの中はサンドイッチが並べられていた。
「い、いいのか?」
「はい、どうぞ、召し上がってください」
「そ、それじゃ……いただきます」
ここで出されたサンドイッチがネプギアの手作りでないはずがない。
思わず喉を鳴らしながら、俺は1つを手に取り頬張った。
「ど、どうですか?」
「うん、美味しいよ」
「……よかった」
俺がそう言うと、ネプギアはようやく安心したように顔を綻ばせた。
まったく、サンドイッチを不味く作れる奴なんているはずがないだろうに、ネプギアは心配性だな。
俺もネプギアの笑顔を見ていると、自然と頬が緩んだ。
「もう1つもらっていいか?」
「はい! どんどん食べてくださいね!」
輝くような笑顔でサンドイッチを勧めてくるネプギアを見て、俺は先ほどとは違った幸せな気持ちが湧いてきた。
やっぱり、好きな子の笑顔は特別なんだな。
ただ一緒にいるだけよりも、もっとネプギアに近づきたくなってしまう。
サンドイッチの味も、さっきよりも美味しくなった気がしてきた。
……ああ、今がずっと続けばいいのにな。
* * *
「ごちそうさま。本当に美味しかったよ」
「お粗末さまです。そう言ってくれると、照れちゃいますよ」
手作りのサンドイッチを全部食べてくれた夢人さんの姿に、私は頬が緩むのを止められなかった。
サンドイッチと言っても、食べてもらうのは結構緊張するものなんですね。
形が変じゃないかなって気にしたり、この組み合わせは美味しくないかなって思っていろいろと悩んだんですけど、心配はいらなかったみたいでよかったです。
夢人さんが本当に美味しそうに食べてくれるのを見て、私は本当に嬉しかった。
ほ、本当はもっと違う物も用意しようとしたんですけど、コンパさんから止められてしまいました。
まだまだ料理は勉強不足です。
今度一緒に来る時は、いろいろなおかずも用意したいな……って、何考えてるんだろ、私!?
そ、それは確かにまた一緒にこうして過ごしたいと思うけど、そんな機会が本当に来るかわからないって言うのに……
「そうだ。遅くなったけど、ホワイトデーのお返しを渡さなきゃ駄目だよな」
私があたふたしていると、夢人さんは思い出したようにポケットから何かを取り出して渡してきた。
渡された物は、細長い箱?
「本当は食べる前に渡すべきだったな」
「い、いえ、そんなことないですよ。開けてみてもいいですか?」
「ああ、むしろ見て欲しいかな」
私が確認を取ると、夢人さんは照れくさそうに頬を染めて横を向いてしまった。
いったい何が入っているんだろう?
「これって、ネックレスですか?」
箱の中にはキーチェーンのネックレスが入っていた。
先端、ちょうどつけた際に胸元に来る位置には紫色の宝石が付けられていた。
「あんまり高いものじゃないけど、ネプギアに似合いそうだったから……その、気に入らなければ捨ててもらっても……」
「捨てませんよ。つけてくれませんか?」
「お、おう」
私はお願いして、ネックレスを夢人さんに手渡して背中を向けた。
改めて、私はつけてもらったネックレスを見下ろして口元を柔らかく崩した。
「どうですか?」
「……うん、似合ってる」
「ありがとうございます!」
振り向いて感想を尋ねると、夢人さんは頬を赤くしながら柔らかくほほ笑んだ。
きっと私の頬も染まっているだろう。
私はお礼の言葉と同時に、できる限りの笑顔を夢人さんに返した。
……ありがとうございます、夢人さん。
あなたからの贈り物、大切にさせていただきますね。
という訳で、今回は以上!
まずはネプギアでした。
本編では最近全く出番がなかったので、こんな形でも書いてて楽しかったです。
やはり、早くネプギアの笑顔を取り戻さないと。
それでは、次もお楽しみに!