超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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ようやく第二弾が書きあがった!
それでは、 傍にいるだけで はじまります


傍にいるだけで

「……ユニだな」

 

 俺は悩んだ末に、ユニのチョコレートケーキを選んだ。

 

 ネプギア達が普通にチョコを渡す中で、チョコレートケーキの印象が強く残った。

 

 それに、ケーキ自体が層に別れていて、固い部分と柔らかい部分が交互に積み重なっていたのだ。

 

 チョコの甘さだけじゃなくて、ケーキの触感も楽しめたのが美味しく感じたポイントだった。

 

 って、いつまでもこうしているわけにはいかないな。

 

 早くラステイションに行かないと……

 

 俺はユニ用に購入したお返しを手に、自室を飛び出してラステイションへと向かった。

 

 

*     *     *

 

 

「来るかな、夢人の奴」

 

 アタシは駅前のベンチに座りながら、夢人がやってくるのを待っていた。

 

 こんなところで待っているなんて馬鹿みたいと思われてしまうかもしれないけど、教会にいたとしてもそわそわするだけだから、こうして待っている方が精神的に楽だわ。

 

 バレンタインに渡したチョコレートケーキは結構自信作だし、美味しくできた……はずだ。

 

 それでも、それ以上の物をネプギア達が渡しているのではないかと思うと不安になってくる。

 

 全ては夢人次第だとしても、できればアタシの所に来て欲しいな。

 

 ……こんなことになった原因は、この間のネプテューヌさんの一言だった。

 

 夢人と一緒に1日過ごせるかもしれないと言われて、深く考えずに賛成してしまった。

 

 よくよく考えれば、何でそんなことをネプテューヌさんが言いだしたんだろう?

 

 それに思い出してみると、どこか無理やり笑顔を作っていた気がする。

 

「怪しいわね」

 

「いや、怪しいのはお前だろ」

 

「誰が怪し……って夢人!?」

 

「よっ」

 

 アタシが考え込んでいると、目の前にはいつの間にか夢人がいた。

 

 い、いつの間に来たのよ!?

 

「何ぶつぶつ言ってたんだよ?」

 

「え!? もしかして声に出してたの!?」

 

「いや、聞き取れはしなかったけど、なんか様子がおかしくて声をかけるのをちょっと躊躇ったくらいだぞ」

 

「嘘っ!?」

 

 さ、最悪だ。

 

 いきなりそんな姿を夢人に見られるなんて……ん? 夢人がアタシの前にいる?

 

「……どうしてここにいるのよ?」

 

「ネプテューヌから聞いたんだけど、1番チョコが美味しかった奴にしか会えないんだろ。だから、ユニに会いに来たんだよ」

 

「うん? アタシに? つまり、アタシのチョコが1番……って、えええええ!?」

 

 ゆ、夢じゃないわよね?

 

 アタシのチョコが1番美味しいと思ってくれたって、嘘じゃないわよね?

 

「き、急に叫んでどうしたんだよ?」

 

「だだだだって、夢人が1番で、アタシにチョコで……」

 

「ああ、いいから落ち着けって。ほら、深呼吸してみろ」

 

「う、うん。すう、はあ、すう、はあ」

 

 混乱したアタシだけど、深呼吸したおかげで幾分か冷静に戻れたわ。

 

 そう、夢人はアタシが作ったチョコを選んでくれたから、こうして目の前にいるのよね。

 

 つまり、今日1日アタシは夢人と2人っきり……

 

 やった!! アタシはネプギアとナナハに勝ったのね!!

 

 チョコと言う戦いであっても、あの強敵2人に勝てたのがすごく嬉しい!!

 

「それじゃ、早速行くわよ!」

 

「行くって、どこに行くんだよ?」

 

「いいから着いて来なさいよ!」

 

 今日は1日付き合ってもらうんだからね!

 

 

*     *     *

 

 

 ラステイションの駅前でぶつぶつと呟いていたユニに連れられて、俺は今何故かモンスター達と戦ってます。

 

「夢人!! 援護するから突っ込んで!!」

 

「わかった!!」

 

 目の前のモンスター相手に俺はアイス・エッジ・ソードを構えて突っ込んだ。

 

 当然足にはアイス・ローラーを展開しているから、相手のモンスターに逃げる隙なんて与えない。

 

 そして、ユニがモンスターの逃げ道を封じてくれれば、楽に倒せるはず……

 

「って、イタッ!? ブフッ!?」

 

「あっ」

 

 俺は後頭部に衝撃を受けて、そのまま前のめりに倒れてしまった。

 

 って言うか、今絶対ユニの攻撃が俺に当たっただろ!?

 

 なんかしまったてきなニュアンスの声が聞こえたぞ!?

 

「な、何やってのよ!? アタシの射線に入るんじゃないわよ!!」

 

「ふざけんな!! お前の方こそ、何で攻撃を俺に当ててるんだよ!!」

 

「アンタが邪魔だからに決まってるでしょ!!」

 

「お前が下手くそなんだろ!!」

 

「何ですって!!」

 

「何を!!」

 

『ぐぬぬぬぬっ』

 

 戦闘の途中であると言うのに、俺とユニは互いに激しく睨みあった。

 

 いくら俺が悪いと言っても、言い方ってものがあるだろう。

 

 それに、突っ込めと言ったのはユニじゃないか。

 

 俺は悪くない!!

 

「ギャオオオオオオオオ!!」

 

『うるさい!!』

 

 邪魔するように吠えながら向かってくるモンスターに俺達は攻撃を再開した。

 

 このままじゃ、ゆっくりユニに物申すこともできない。

 

 先にモンスターを片づける!

 

「うおりゃ!!」

 

「喰らいなさい!!」

 

 先にユニがモンスターに銃弾を叩きこみ、俺がそこを狙って斬りかかる。

 

 その連携で、あっさりモンスターは光となって消えてしまった。

 

 しかし、まだまだモンスターはいる。

 

「こうなったら、さっさと片付けるぞ」

 

「いちいち言わなくていいわよ。さっさと行きなさい!」

 

「了解!!」

 

 俺はモンスター達に向かってローラーを滑らせた。

 

 今度は当てんじゃないぞ、ユニ。

 

 

*     *     *

 

 

 ……やってしまった。

 

 アタシは今日1日の行動を振りかえり、自分がしてしまったことを後悔した。

 

 最初は夢人と一緒にクエストをこなすことで、もっとお互いのことを知ろうと思ったのだ。

 

 アタシが目指す夢人の隣は一緒に支え合うパートナーのような存在だ。

 

 そのためにはお互いのことをよく知るために、一緒の作業をした方がいいと思ったのだ。

 

 ……色気がないですって?

 

 仕方ないじゃない!?

 

 そんな空気になったら、まともに夢人のことなんて見られなくなっちゃうわよ!?

 

 だから、普段アタシがしていることを夢人と一緒にしようとしたのだけど……これが失敗だった。

 

 アタシは最初に夢人と組んでクエストをしていた時のように、その背中に攻撃を当ててしまったのだ。

 

 あの背中を見ていると、どうしてもあの時のことを思い出して無意識のうちに照準が夢人の方に向いてしまった。

 

 あの時は生意気な奴隷を躾けるために、わざと当てていた物もあるのだけど、それが裏目に出てしまった。

 

 せっかくの2人きりだったのに、どうして上手くいかないのかな。

 

 夢人だって、きっと怒って……

 

「なんだか懐かしいな」

 

「え?」

 

「お前に背中から撃たれたり、喧嘩したりするのが懐かしいって言ったんだよ」

 

 少し前を歩いていた夢人が振り返って、アタシに声をかけてきた。

 

 その顔は嬉しそうにほほ笑んでいた。

 

「あれからもう結構時間が経ったんだなって、改めて実感したよ」

 

「……そうね。あれからもう結構時間が経っているのよね」

 

 あの頃、アタシは夢人のことを奴隷って呼んでいて、毎日のように喧嘩をした。

 

 お互いにつまらないことですぐに怒鳴り合ったっけ。

 

 ……でも、それがあったからこそ、毎日が充実して立って感じることができた。

 

「今日はごめんね、夢人。アタシが援護するって言っておきながら、アンタの邪魔しちゃって」

 

「俺の方こそ悪かった。ユニの援護を無駄にしちまってさ」

 

 でも、あの時とは違うこともある。

 

 お互いにこうして謝り合えるなんて、あの時のアタシでは絶対に考えられないだろう。

 

 今でも意地っ張りだけど、あの時はもっと意地を張っていたんだから。

 

「じゃあ、謝るのはこれで終わりにしようか。それに、ユニに渡さなきゃいけない物があるしな」

 

「アタシに?」

 

「おう。遅くなったけど、チョコレートケーキのお礼だよ」

 

 そう言って夢人は快活に笑いながら、アタシに紙袋を渡してきた。

 

 ホワイトデーのお返し、期待してたわけじゃないけど、実際にこうしてもらうと緊張してしまう。

 

「ブレスレット?」

 

 袋に入っていたのは、黒いブレスレットのような物であった。

 

 触ってみると、材質は金属ではなく、布製のようだ。

 

「ちょっと違うな。そんな洒落た物じゃないけど、それには実用性があるんだぜ」

 

「何よ、実用性って?」

 

「触って分からなかったか? それスポーツとかでも使ってる額の汗を拭うサポーターみたいな物だよ」

 

 そう言われてよく見てみると、確かにテニスとかの選手がこれを腕にしているのを見たことがある気がする。

 

「戦闘の時、額の汗を拭うと、手が濡れて照準が狂うかもしれないだろ? だから、少しでも役に立つものがいいんじゃないかなって思って、それを選んだんだ」

 

「……そうなんだ」

 

「ああ、なんかごめん。本当だったらアクセサリーとかにすればよかったんだけど、ユニの好みがわからなくて何を選んだらいいのか……」

 

「ううん、不満はないよ。むしろ、これでいい」

 

 アタシは夢人からの贈り物を両手で大事に抱きしめた。

 

 贈り物は真剣にアタシのことを考えてくれただけで満足だ。

 

 そもそも、アタシもアクセサリーを普段から身につける方ではないし、こう言ういつもつけていられる方が嬉しい。

 

「ありがとう、夢人。ボロボロになるまで使わせてもらうわ」

 

「そんなに使う必要ないって。でも、そう言ってくれると嬉しいよ」

 

 冗談だと受け取った夢人は苦笑しながら言うが、アタシは本気だ。

 

 それにボロボロになったとしても捨てたりはしない。

 

 ……だって、これは夢人がアタシのために送ってくれた物なんだから。

 

 いつまでもアタシの宝物よ。




という訳で、今回はここまで!
ホワイトデー中には2話しか上げられませんでした。
しかし、まだ後2話残っています!
今日はそれを投稿し終えるまで寝ないぞ!
それでは、次回をお楽しみに!
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