超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編 作:ホタチ丸
それでは、 たまにはいつもと違うことでも はじまります
「……やっぱり、ここはナナハのチョコだな」
俺は案外すんなり答えを出せた気がする。
ナナハが作ってくれたトリュフが1番美味しいと思った。
初めてもらったバレンタインチョコと言うことで、舞い上がっていたとも考えたけど、それを差し置いてもやっぱりナナハのチョコが1番美味しかった。
いろんな意味で生涯初めてのチョコ。
俺のために作ってくれたチョコが美味しくないわけがない。
それじゃ、早速ナナハに会うためにリーンボックスに向かうぞ!
* * *
私は自室のベットにゴロゴロと転がりながら、夢人が来てくれるのを待っていた。
まあ、今更焦ったところで仕方ないよね。
私は私の作ることができる最高のチョコを夢人に渡したんだ。
後は、それを夢人がどう思ったが大事なんだから。
「うーん、でも、やっぱり負けたくはないな」
ネプギアやユニ達が相手でも、私は夢人のことで負けたくはない。
いや、最後に夢人の隣で笑いたい。
どんな些細なことでも恋愛においては誰にも譲れない。
「でも、ネプテューヌさんとコンパさんも可哀そうだったな」
私はこの企画を言いだした2人のことを思い出して、少しだけ笑ってしまう。
だって、明らかに後ろにいたアイエフさんに怯えていたんだもの。
あの2人がアイエフさんの怒りに触れることでもしたんじゃないのかな?
それでどうしてこんな企画に繋がるのかは、そう言うことなんだろうけど……まったく、夢人のことを考えるとすぐに悩んじゃうね。
その悩みが全然嫌じゃないのが困るけど、嬉しい。
私の考えが横道にそれていると、扉が控えめにノックされた。
「はーい?」
「ナナハか? 夢人だけど、入っていいか?」
「あ、ちょっと待って! すぐに準備するから!」
どうやらノックしたのは夢人だったようで、私は小さくガッツポーズを取った。
よし、私はネプギア達に勝ったよ!
小さな勝利だけど、これは私にとって大きな一歩なんだ。
私は嬉しくなり口元を緩ませて、簡単に部屋を見渡した。
うん、おかしなところはないし、夢人が入って来ても問題ないね。
私は扉の前で待っているであろう夢人を迎え入れるために、笑顔で扉を開けた。
「いらっしゃい、来てくれて嬉しいよ」
「あ、ああ」
扉を開けて見た夢人の顔はほんのりと赤く染まっていた。
もしかして私の部屋に入ることが照れくさいのかもしれない。
「さあ、入っていいよ」
「わ、わかった」
私は夢人の手を引いて、部屋の中に招き入れた。
夢人は態度も声も固いけど、そんなに緊張しないでいいんだよ?
だって、今日はずっとこの部屋で過ごすんだからね。
* * *
……教会についた途端、チカさんに念を押されてしまった。
ナナハに変なことをするんじゃないって、部屋の前に来るまでずっと言われ続けてしまった。
……俺ってそんなに信用ないのかな。
まあ、ナナハのことが大切なチカさんだから言ったんだろうし、そんな気はないので大丈夫だ。
ちゃんと告白の返事も返せていないのに、ナナハを傷つけるようなことをするつもりは全くない。
「それで、どうして俺は部屋に案内されたんだ?」
でも、この状況はやばい!?
何で俺はナナハの部屋に入っているんだ!?
しかも、ナナハもなんでそんなに嬉しそうに招きいれたりするんだよ!?
女の子の部屋は、男にとってとても危険な場所なんだぞ!?
ナナハがこの部屋で過ごしていると考えただけで、居心地が悪いんだよ!?
「うーん、デートでもよかったんだけど、たまには2人っきりでゆっくりと過ごしたいと思ったんだよね」
がちがちに固まっている俺とは違って、ナナハは悪戯っぽく笑いながら何かの準備をしている。
何やらテレビの前で俺もよく知っている物を準備しているのだが、もしかして……
「だから、一緒にゲームしよ?」
「ゲームって……あんまりナナハのイメージにないな」
「うん、私はベール姉さんと違ってそんなにゲーム好きじゃないからね。これも全部ベール姉さんに借りた物なんだ」
そう笑いながらナナハは俺の目の前でテレビに配線を繋いでいく。
2人でゲームとなると、格闘ゲームとかパズルゲームとかかな?
パーティーゲームとなると、2人じゃ物足りないし、それくらいしか思いつかないな。
「よし、準備できたよ。それじゃ、早速始めようか」
「って、ちょっと待て。何でコントローラーが1つしかないんだ?」
本体に接続されているコントローラーが1つしかないのだ。
これじゃ、1人しかプレイできないじゃないか。
「ああ、これはアドベンチャーゲームだから、一緒に横で見てて欲しいんだよ。時折選択肢も出るらしいし、アドバイスをくれたら嬉しいな」
あー、そう言うことか。
確かに、アドベンチャーゲームなら1人プレイようでもおかしくないな。
……でも、そのチョイスはおかしくないか?
せっかく2人いるんだから、一緒にプレイできるソフトにすればいいのに。
「ちなみに、これはベール姉さんのいち押しらしいから期待してていいよ」
「……へ、へえ、ベールのいち押しか」
何故だか急に悪寒が走った。
本当に理由がわからないけど、ここに居たら危険だって脳が警告しているような気がする。
「それじゃ、今度こそ始めるよ」
俺の頭でアラートランプが激しく点滅しているにもかかわらず、ナナハはゲームのスイッチを入れてしまった。
そして、画面に映ったのは……
「あれ? 何で男同士で抱き合ってるんだろう?」
何故か上半身が中途半端に露出した男同士が抱き合っているシーンが流れたのだ。
……これってもしかして、BLゲーですか!?
* * *
ちょっと予想外だったかな?
まさかこんなゲームがあるなんて思わなかったよ。
私が始めたゲームなんだけど、まったく女の子が出ないんだよね。
もしかしてこのゲームの世界って女の人がいないんじゃないかって思うくらい出てくる人物は男の人ばっかり。
主人公も確か男だったはずだし……あ、もしかして勘違いしているのかな?
主人公はもしかして女の人なのかもしれないね。
「ねえ、夢人。次の選択肢ってどっちだと思う?」
「……うーん、上じゃないかな」
「そうかな? 私は下だと思うんだけど」
最初は夢人も嫌そうにゲームの画面を見ていたけど、進めていくごとに顔が真剣になって来た。
多分、ストーリーにのめり込んできたんだと思う。
絵柄もそんなにきつくないし、普通に主人公を女性だと思っていれば精神的にも少し楽だって言ってた。
……まあ、私もそれなりにストーリーは面白いと思う。
ゲームのストーリーだって侮っていたけど、意外と場面が二転三転したりして面白い。
私の知ってる恋愛ゲームって、キャラクターの好感度を上げていれば勝手にルートって言うのかな? そのキャラクターのストーリーに入れる物だ。
でも、このゲームは選択肢によってルート分岐をしていくようで、私達は今、タイトルにも出ていたメインキャラクターのルートに入りたいと思っている。
これまた選択肢がいくつも出てきて、セーブやロードを繰り返してやっとここまで来たんだよね。
最近のゲームって難しいんだ。
ただ指でコントローラーをカチカチしているだけだと思っていたよ。
「それじゃ、上を選ぶよ」
「わかった。頼む、これでルートに入ってくれ」
私が夢人の言う通り上の選択肢を選ぶと、場面が進み夕焼けをバックにした屋上に主人公がメインキャラクターと2人でフェンスにもたれかかっているシーンが出てきた。
もしかして、ルートに入ったの?
……どうやらメインキャラクターが主人公に告白するシーンだったようだ。
私は少しだけこのシーンに魅入ってしまった。
私もこんな風に情熱的に告白されてみたいな。
夢人に、ナナハは俺がずっと守る、みたいなことを言われてみたい。
私はちょっとだけ期待を込めた眼差しで夢人の方を向いた。
すると、夢人の方も私の方を見ていたのか、目があってしまった。
でも、夢人はすぐに顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
……これって、私のことを意識しているってことだよね?
ポジティブな考え方かもしれないけど、こんな風に告白のシーンで私を見ていたと言うことは、私の告白のことを思い出してくれていたのかもしれない。
「ねえ、夢人」
「な、何だ?」
私が声をかけると、夢人はそっぽを向いたまま声を上ずらせていた。
その仕草が照れてるように見えて、私ははにかみながら夢人の背中にくっついた。
「な、ナナハ!? な、なな何してんだよ!?」
「何って……ただこう夢人にくっつきたいなって思って」
私は夢人の背中に貼りつくと、首に腕を回してしっかりと抱きついた。
こんなこと、2人っきりでしかできないんだから、しっかりと甘えさせてもらおう。
「告白の返事、遅くてもいいけど、しっかりと答えてよ」
「……わ、悪い。俺がちゃんと決めないから……」
「ううん、夢人は悪くないよ。ただの催促だから。それに、ちゃんと私を見て答えを出して欲しいな」
告白の返事を早く返してもらいたいのは私の我がままだ。
夢人がこうして私を好意的に見ていると言うことは、私がネプギアに負けていないって言う証拠でもある。
だから、遅くてもいい。
しっかり答えを出してもらうのが1番嬉しいよ。
「そ、そうだ!? ナナハにお返しを渡さなきゃな!?」
そう言って夢人は無理やり話題を変えるように、ポケットの中から四角い箱を取り出した。
私は夢人の肩越しにそれを見て首を傾げた。
いったい何だろうな?
「髪飾り?」
夢人が箱を開けると、そこには2つの髪飾りが入っていた。
緑色の四葉のクローバーと三つ葉のクローバーの2つだ。
「ほ、ほら、ナナハって何にも髪に付けてないだろ? だから、こう言う髪飾りが似合うんじゃないかって思ってさ」
確かに、私はネプギア達のように髪には何にもアクセサリーをつけていない。
まあ、私がお洒落に無頓着だったのが原因なのだが、特に必要性も感じてはいなかったのも事実だ。
今更ロム達のように帽子をかぶったり、ユニのように髪形を変えるわけでもないし、別にいいって思ってた。
「でも、何でこのデザインにしたの?」
ただ1点、私がこのデザインにだけは疑問を覚えた。
だって、クローバーは私の名前の元になったものだ。
何でこれを夢人が選んだのかが気になった。
「うーん、何と言うか直感? ナナハの金髪にこの緑色のクローバーが綺麗に映えるんじゃないかって思ってさ」
「……そうなんだ」
偶然かもしれないけど、こうして私のために……ナナハのために選んでくれたのが嬉しい。
私はより一層抱きつく力を強くした。
……これは夢人のせいなんだからね。
どうして無自覚に私を夢中にさせてくれるのかな。
これじゃ、余計に離れたくなくなってくるよ。
「ありがとう、夢人。大事に使わせてもらうね」
「気に入ってくれたのはいいけど……そろそろ離れてくれませんか!?」
「どうしようかな? ……うーん、優柔不断な夢人の意見は却下します」
耳まで真っ赤にしている夢人には悪いけど、もう少しだけこのままでいさせてもらうよ。
告白の返事が来るまでに、もっと夢人に私のことを意識してもらわなきゃね。
……必ず私の輝きに夢中にさせてみせるから。
という訳で、今回は以上!
いやあ、ようやく終わりました!
シチュエーションは最初から決まっていたので、意外とすんなりと書けた感はあります。
ってか、今時間見たら、結構遅くなってしまいましたね。
待っていて下さった皆さんには本当に申し訳ありませんでした。
少しでもこの作品を楽しんでもらえるとうれしいです。
それでは、次の番外編の投稿がいつになるのかわかりませんが、次回もお楽しみに!
ちなみに、今日は本編の方を投稿する予定なので、そちらもお楽しみに!