超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
今回からULTRA-7様の作品【ゲイムギョウ界に来てしまった!?】とのコラボ話を書かせていただくことになりました!
それでは、 誘う光に はじまります


コラボ ULTRA-7様 【ゲイムギョウ界に来てしまった!?】
誘う光に


 草木も眠る丑三つ時、リーンボックスのガペイン草原で小さな赤い光が明滅していた。

 周りが暗いからこそ光を見つけることができるが、もし昼間であれば気付くことができないだろう。

 今でさえ、光の明滅のリズムが緩慢であるため、ふと視線を外してしまえば視界の端に映ったとしても気のせいであったと思われてしまうだろう。

 

 草の陰に隠れている赤い光の正体は、宝石の欠片のようであった。

 赤く光っているのは月明かりに照らされているからだと言われてしまえば、納得してしまうくらいにそれは弱い光を放っている。

 

 しかし、よく観察してみるとゆったりとだが、それは一定のリズムを刻みながら赤い光を発している。

 さながら、それは場所も相まって蛍が灯す光にも見える。

 種の生存を目的とした求愛行動とよく似ており、それはまるで誰かを呼んでいるように光を放ち続ける。

 

 休むことなく同じリズムを刻み、誰もいないガペイン草原でそれは光続ける。

 小さく自己主張をしながら……

 

 

*     *     *

 

 

「……相棒、これってどう言うことだと思う?」

 

 プラネテューヌの教会の一室、1人の青年が眉間にしわを寄せながら手に持っているカードを睨むように見つめている。

 青年はカードから視線を外すことなく、傍らに浮かんでいる小さな龍のような存在へと語りかける。

 

『私の力が変化した物だと言うことはわかるのだが、妙な力の波動も感じられる……だが、このカードはあのカードと似ているのではないか?』

 

「ああ、ネプテューヌ達のカードと同じなんだよな」

 

 龍の言葉を聞き、青年は1度大きく息を吐いてカードを見つめる視線を緩めた。

 

 青年の名前は、加賀美真司。

 とある理由でゲイムギョウ界に呼ばれた、ごく普通の青年であった。

 だが、ゲイムギョウ界で起こった数々の事件を経て、傍らにいる龍、龍神ドラゴニック・ハートの力を受け継ぎ、永遠の命を得た女神に近い存在になった。

 しかし、本人はそれを悲観することなく、ネプテューヌ達女神と共にゲイムギョウ界を守る戦士、仮面ライダードラゴニック・ハートとして日夜戦い続けている。

 

 そんな真司達が先ほどまで話しあっていた問題とは、新たにカードデッキから生まれた3枚のブランクカードである。

 以前にも7枚のブランクカードが現れた時があったが、それはネプテューヌ達女神の姿を変化させるためのカードであった。

 そして、今回の3枚のブランクカードを見つめながら、真司はその意味を考えだす。

 

(3枚ってことはネプテューヌ達以外の女神……ピーシェとプルルートのカードなのか? でも、それだとしても1枚余るし……まさか、他にも女神が……)

 

「真司!?」

 

「うおっ!? ね、ネプテューヌ?」

 

 考えにふけっていた真司の背中に小柄な誰かが抱きついてくる。

 その衝撃に驚いて体勢を崩しかけた真司が顔だけ後ろを向くと、そこには紫色をしている短髪に十字キーをモチーフにした髪飾りをした物をつけている、ツンツンと外にはねている髪の毛が特徴的な少女、ネプテューヌが目尻に涙を浮かべている姿があった。

 

「少しの間だけでいいから匿って!? 本当に少しでいいから、お願い!?」

 

「……またイストワ―ルさんのお説教から逃げ出してきたのか?」

 

「ち、違うよ!? 今回は……」

 

「そんなに慌てなくてもピーシェちゃんは来ませんわよ」

 

「べル姉?」

 

 ネプテューヌの様子にいつものことかと呆れていると、本来ならここにいるはずのない人物、リーンボックスの女神ベールの登場に真司は軽く目を見開かせてしまう。

 やって来たベールは困ったように眉を下げて片手を頬に添えながらほほ笑む。

 

「先ほどと大きな声でネプテューヌの名前を呼びながら駆け回るピーシェちゃんを拝見しましたわ。大方、彼女から逃げてきたのでしょう?」

 

「ぎくっ、ち、違うよベール。わたしはただかくれんぼしようって言って……」

 

「なるほど。そう言って、ピーシェから逃げてきたんだな」

 

『さすがにそれは酷いのではないか?』

 

 ベールの発言を聞いて肩を震わせたネプテューヌは弁解をしようと視線をあちこちに彷徨わせながら口を開こうとする。

 しかし、その後ろ姿にジト目を向ける真司とドラゴニック・ハートからの言葉にネプテューヌは力なく項垂れてしまう。

 

「……う、うぅぅ、だって、ピー子って手加減しないで突っ込んで来るから、本当に体中が痛いんだよ」

 

「ああ、また2人はじゃれ合ってたのか」

 

「じゃれ合うとかそういう次元じゃないからね!? もうあれは攻撃だから!? しかも、毎回クリティカル補正がかかるんだからね!?」

 

「はいはい、わかったわかった。俺からもピーシェに言っといてやるから」

 

 しおらしくしていたネプテューヌであったが、それをほほ笑ましそうに見ていた真司の姿に気付くと、すぐさま顔を上げて距離を詰め出す。

 そして、真司の顔を見上げながらその腹をぽこぽこと叩く。

 その目にはじんわりと涙が浮かび始め、真司は苦笑しながらネプテューヌを止めることなく、落ち着かせようと頭を撫で始める。

 そのことがわかると、ネプテューヌは嬉しそうに目を細めて、もっともっととねだるように真司へと擦り寄る。

 

 2人っきり、もしくはこの場にいたのがドラゴニック・ハートだけであったのなら、甘い雰囲気が展開してもおかしくはなかったであろう。

 だが、この場にいたもう1人、ベールは不快そうに眉をひそめると、真司に甘えるネプテューヌを引き剥がしにかかった。

 

「ストーップですわ! それ以上は許しませんわよ!」

 

「ねぷっ!? べ、ベール! ここは空気を読んで背景になるべきじゃ……」

 

「ところで、真ちゃん。今日はお暇でしょうか? よければ是非真ちゃんに紹介したいお店がございますので、一緒にリーンボックスに行きませんこと?」

 

「って、人のことを無視しないでよ!? しかも、何ちゃっかり真司とデートしようとしているの!?」

 

 真司から引き剥がされたネプテューヌは恨みがましくベールを睨むのだが、本人はどこ吹く風と言った様子であった。

 だが、さすがにベールの口にした内容にはネプテューヌも黙っているわけにはいかず、真司を庇うように両手を広げてベールとの間に割り込んだ。

 すると、2人は目つきを険しくして視線をぶつけ合う。

 その様は、まるで視線と視線で火花が散っているように見える。

 

「あら、恋人であり弟でもある真ちゃんとスキンシップをとることに理由なんて必要ありませんわ」

 

「そう言うことなら、わたしだって真司の恋人だもん! ベール1人に抜け駆けなんてさせないからね!」

 

 2人の様子を黙って見ていた真司であったが、一歩下がってため息をついてしまう。

 そんな真司を慰めるようにドラゴニック・ハートは真司の耳元に囁く。

 

『一先ず、カードのことはお預けだな』

 

「まあ、仕方ないよな……でも、焦る必要もないし、別にいいか」

 

 ドラゴニック・ハートがわざとカードの件を取り上げたことがわかると、真司はその気遣いを嬉しく思って頬を緩ませた。

 3枚のブランクカードのことは気になるが、それ以上に真司は目の前でギャーギャーと言い合いを続ける愛しい恋人達の様子に喜びを感じる。

 自分が愛されている自覚、胸の奥から湧きでる温かい感情に真司の2人を見つめる目は優しくなっていく。

 だから、いつまでも言い合いを続ける2人をいさめ、ネプテューヌを探しているであろうピーシェや他の皆を誘って、楽しく1日を過ごそうと思い、一歩足を踏み出す。

 

 ……その時、真司の持っていたブランクカードの1枚が強烈な光を放ち始めた。

 

「っ、真司!?」

 

「っ、真ちゃん!?」

 

 異変が起こったことを察知した2人は言い合いを止め、元凶であり発生源でもある真司の方へと慌てた様子で視線を向ける。

 一方、真司は突然の事態に驚愕を隠せず、大きく目を見開いてブランクカードを顔の位置まで持ち上げた。

 だが、あまりに強烈な光のせいで真司はすぐにまともに目を開けていられる状態ではなくなり、もう片方の手で顔を隠してしまう。

 

「な、なんだよいったい!? どうなって……ウェイ!?」

 

 焦る思考を正そうとする真司であったが、事態はさらに彼を混乱させていく。

 光を放っているブランクカードが真司の手を離れると、突然空間に黒い穴のような物が発生する。

 まるで吸い込まれるように腕は黒い穴へと引きずり込まれ、真司は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「ちょ、ちょっと待って!? すごい力で引っ張られて……うわああああああ!?」

 

「真司っ!? ……って、きゃあああああああ!?」

 

「真ちゃん!? ネプテューヌ!? ……きゃああああああ!?」

 

『3人とも!? くっ!?』

 

 黒い穴に引きずり込まれそうになる真司を助けようとしたネプテューヌとベールだが、踏ん張ることができずに吸い込まれてしまう。

 3人を吸い込むと、黒い穴は役目を終えたと言わんばかりに縮小していく。

 それを見たドラゴニック・ハートは危険を承知の上で、自ら穴の中へと飛びこみ、3人の後を追った。

 

 後に残ったのは、少しだけ散らかった誰もいない部屋であった。

 真司達が消えた黒い穴は影も形もなくなり、遠くの方でネプテューヌを呼ぶピーシェの声が聞こえるほど、部屋は何事もなかったように静寂だけが残されていた。

 

 

*     *     *

 

 

 所変わって別次元。

 この次元のリーンボックスにも今、真司と同じようにゲイムギョウ界に呼ばれた青年がいた。

 

 彼の名前は、御波夢人。

 伝説のシェアクリスタル、女神の卵の導きにより勇者として呼ばれた青年である。

 犯罪組織に捕まったネプテューヌ達女神を助けるために、ネプギア達と共にゲイムギョウ界の平和を守るために奔走した。

 犯罪組織が壊滅した今、勇者という肩書を返上して求職活動を続けている。

 

 そんな夢人がリーンボックスにいるのは、とある仕事の依頼を受けたからである。

 夢人を先導するようにここまで案内してきたリーンボックスの教祖箱崎チカは、口角を吊り上げると自信満々に目の前に置いてある物体のことを説明しだす。

 

「これがワンダーの量産を目的とした試作1号機、仮名称“プロト”よ」

 

 チカは置いてあった物体、車体が黒いワンダーそっくりなバイクを指さす。

 しかし、ワンダーとは異なり、ハンドル部分には黒いボタン1つしかない。

 

「ビークルモードとアーマーモード以外のモードをオミットした、女神の補助を目的としたワンダーと違って、単体での戦闘を目的としたスーパーマシンよ。細部にまでキラーマシンから手に入れた金属を使ったことで、アーマーモードでの戦闘時間もワンダーの3倍、パワーは5倍にまでなっているわ」

 

「そりゃ、すげえな」

 

 チカの話を聞いた夢人は、ただただ驚くだけである。

 ワンダーを使って戦闘をした経験があるからこそ、戦闘可能時間が延びたことやパワーが上がっていることがどれだけの意味を持っているのかを理解しているからである。

 しかも、細部にまでキラーマシンの金属を使っていると言うことは、耐久性もワンダーに劣ることなく、むしろ強固になっているはずだ。

 

 そんなまさしくモンスターマシンの説明を受けていたのは、夢人だけではなかった。

 

「量産型ワンダーか……5色用意して戦隊ものみたいにするのもいいかも! アタシは情熱の赤いワンダーがいいな!」

 

「いやいや、黒も知性派な雰囲気やクールなイメージがあるですの。まさに影の主役ですの」

 

「おお、それもいいね! 女神様達とは違い、人々を陰から見守る孤高のヒーロー……うん、バイクのイメージとぴったしだね!」

 

 プロトを見た時からテンションが上がってうずうずしていたライダースーツ姿の青い髪の少女、日本一は頭の中で色とりどりのアーマーモードが並んでいる姿を夢想して興奮していた。

 その気持ちを察していた白い耳のような物の生えた帽子を被った小柄な少女、がすとは苦笑気味に日本一の想像力を刺激する。

 すると、日本一はにかっと笑いながら腕を斜め上へと水平に伸ばしてポーズをとりだした。

 

 そんな興奮している日本一の姿を見て、チカは柔らかくほほ笑みながら口を開く。

 

「ふふ、喜んでもらえて嬉しいわ。今回は日本一がこのプロトを使って、夢人のワンダーと戦闘記録を取ってもらいたいのよ」

 

「夢人がプロトを使わなくていいんですの? アーマーモードの扱いなら、夢人の方が慣れているはずですのに」

 

 がすとの疑問に、チカは困ったように笑いながら答える。

 

「残念だけど、プロトは能力を大幅に上げた影響で、搭乗者の安全を守るためにある程度身体能力が高くないと扱えない仕様になっているのよ」

 

「ああ、なるほどですの」

 

「……おい、何か言いたいことでもあるのかよ?」

 

「言ってもいいんですの?」

 

「……やっぱり、言わないでください。お願いします」

 

 チカの説明を聞いたがすとが横目で憐れむように夢人を見つめる。

 その視線に居心地の悪さを感じた夢人であったが、がすとの言いたいこともわかるためガクッと顔を伏せてしまう。

 身体能力で言えば、今の夢人が日本一に劣ることは火を見るよりも明らかであることは、自他共に認める事実であったのだから。

 

「今回はあくまで試作1号機と言うことで、大幅なスペックアップを図ったけど、実際はワンダーよりも何割かスペックアップしただけのモデルが量産される予定よ」

 

「あれ? じゃあ、何でプロトはそんなに強くしたの?」

 

「量産型の水準を決めるためよ。戦闘を行った後で、パーツの摩耗具合を調べたり、予測していたデータとのズレを修正したりするためのデータ取りが主目的だからこそ、現段階でできる最高のスペックにしたのよ。わかったかしら?」

 

「あ、う、うん。なんとか」

 

 日本一はチカの言葉で一応の納得を示すように頷いたのだが、その額にはうっすらと汗がにじんでいた。

 プロトの背景事情にあまり興味のなかった日本一にとっては、蛇足的な情報であった。

 それが態度で出てしまっているのがわかるため、3人は苦笑してしまう。

 

「まあ、とにかくあなたはこちらの指示通りに動かしたり、戦ってくれれば問題ないわ。データの方はプロトに内蔵してあるAIがこっちに送ってくれるし、直接対峙するワンダーも協力してくれるしね」

 

「だったら、がすとの役目はデータで見れないところを直接見て報告することですの」

 

「そう言うことよ。よろしく頼むわね、3人とも」

 

 簡単にだが、今回の依頼の内容を説明してチカは口元を緩める。

 日本一とがすとも了承を現すようにほほ笑みながら頷いて応えるのだが、ただ1人夢人だけは真剣な表情のままチカを見つめていた。

 そのことを疑問に思ったチカは眉をひそめながら、夢人へと問いかける。

 

「どうかしたかしら? 話すべきことは話したと思うんだけど?」

 

「ああいや、依頼のことは問題ないんだけど、量産が始まったらワンダーってどうなるんですか?」

 

「ああ、そのことね。安心しなさい。別にAIを移し換えたり、ボディを廃棄処分することもないわ。今回取れたデータはしっかりワンダーにも反映させるもの。これはワンダーももう承諾済みだし、問題はないわ」

 

「……そっか。それなら大丈夫だ」

 

 チカの言葉に納得した夢人は頬を緩めて答えた。

 他に何かあるかどうか尋ねるため、チカは日本一とがすとにも顔を向けるが、2人はただ顔を横に振るだけであった。

 何も問題ないことがわかると、チカは1度咳払いをして空気を入れ替える。

 

「じゃあ、改めて頼むわね、3人とも。今回のデータ取りを取る場所は、予めギルドやケイブに伝えてあるから、イレギュラーな事態には陥らないはずだけど、モンスターの妨害があるかもしれないから、充分に気をつけなさいよ」

 

「わかった。それで場所は?」

 

 3人の代表として夢人が尋ねると、チカは淀みなく答える。

 

「ガペイン草原よ」

 

 ……そう、何の異常もないはずの場所を指定するのであった。




と言う訳で、今回はここまで!
予定としては今回から4話にかけて書かせていただくんですけど、すごく緊張しています。
真司君達との出会いでどんな物語になるか、次回をお楽しみに!
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