超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編 作:ホタチ丸
ということで、続いてアンケート第二位ナナハです!
それでは、 1つしかない輝き はじまります
「リーンボックスもクリスマス一色だなあ」
俺は今、リーンボックスの教会に向かっている。
街路樹にはLEDが巻かれていたり、天辺には星の飾りがつけられている。
今は昼間でよくわからないが、夜になるとイルミネーションが綺麗に輝くだろうと予想できる。
どうして俺がリーンボックスにいるのかと言うと、ナナハに呼び出されたからだ。
何でも至急来てほしいとのことで向かっている。
……まあ、理由はわかってるんだけど。
きっとナナハは俺とクリスマスを過ごすために呼びだしたんだろう。
あ、これは自意識過剰じゃないぞ?
ナナハは俺を好きだって言ってくれた初めての女の子なんだからな。
……でも、その答えを保留させて欲しいって言ったのは俺だ。
本当に自分が情けない。
俺はネプギアが好きなことを理由として、ナナハの気持ちを否定したくない。
……周りからすれば、優柔不断で最低な男だって思われてるだろうなあ。
ナナハの気持ちを知りながら、俺はそれに応えられないんだから。
本当ならちゃんと振って、ナナハに新しい恋を見つけてもらう方がいいのかもしれない。
……でも、俺にはできなかった。
ナナハが勇気を出して告白してくれた気持ちを俺は嬉しく思ってしまった。
俺の中でナナハが仲間から恋愛対象に変わった瞬間だった。
ナナハが自分の運命を切り開く姿が輝いて見えた。
見事に俺の認識を変えたナナハのことを俺は何も知らなかったんだ。
俺が自分の今の気持ちを理由にナナハを振ってはいけないと感じた。
だから、俺はもっとナナハについて知りたいと思った。
ナナハのことをちゃんと知ってから気持ちに応えたいと思ったんだ。
……所謂、お友達から始めましょう? 的な感じなのかな?
でも、やっぱり凄いプレッシャーがあるんだよ!?
特にチカさん!!
俺がナナハと話している時、壁から半分だけ顔だしてこっちを睨んでくるんだよ!?
しかも、壁を握りつぶさんばかりに手に力込めてさ!?
ナナハがいなくなったら、俺の胸ぐら掴み上げて持ち上げてくるんだよ!?
俺、男の平均的な体重はありますからね!?
あなた何でそんな俺を軽く持ち上げられるんですか!?
……チカさんとは会いたくないなあ。
* * *
「夢人!!」
「へっ? ……って、ぐうぇ!?」
今の状況を説明しよう。
俺が教会にそろそろ着きそうになった。
俺の頭上からナナハの声がするぞ?
俺は不思議に思って立ち止った。
すると、俺の上からナナハが降って来て俺を押しつぶした。
……まったく意味がわからん。
「ごめんね、夢人」
俺の上からどいたナナハが心配そうに俺に手をさしだしながら言った。
「痛ててて……それはいいんだが、どうして上から?」
俺がそう質問すると、ナナハは頬を指で掻きながら困った様に言う。
「……実はチカ姉さんに内緒で抜けだそうとして窓から飛び降りたんだ」
……随分とアグレッシブですね。
「だってチカ姉さん、私が夢人とクリスマス過ごしたいって言ったらすごい顔して反対したんだもん」
……そりゃ、お姉さんとしてはこんな優柔不断男は嫌ですよね。
ナナハが頬を膨らませながら言う。
「だから勝手に抜けだそうとしたんだ」
「……そ、そうなのか」
そこまで思われているのに応えられないのが心苦しい。
「それよりナナハは怪我してないか?」
俺がそう尋ねると、ナナハは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑いだした。
「やっぱり優しいね。うん、大丈夫だよ。慣れてるもん」
……その慣れてるって発言はちょっと怖い。
「……それより、私言って欲しいことがあるんだけど?」
ナナハが頬を赤く染めて俺に言った。
言って欲しいこと?
俺はナナハをよく見てみる。
「あっ……」
ナナハはいつものトップスとパンツではなく、黒いスカート丈の長いワンピースを着ており、首には白いマフラーが巻かれていた。
いつものナナハの服を動とするなら、今のナナハの服は静である。
「いつもと違うけど、かわいくて似合っていると思う」
俺は素直にそう思えた。
「……嬉しい。ありがとう」
ナナハは頬をさらに赤く染めて、恥ずかしそうに右手で口元を隠した。
「その格好って……」
「だって、今からデートだもん」
ナナハは俺の手を握ってほほ笑みながら言う。
「今日は夢人に私のことをもっと知ってもらうためのクリスマスデート」
そう言ったナナハの顔とつないだ手を見て、俺は頬が熱くなった。
* * *
ちょっと急だったかもしれない。
でも、やっぱり私は好きな人と一緒にクリスマスを過ごしたかった。
ここ数日、いつもは見ないファッション雑誌を購入してどんな服を着れば夢人にほめてもらえるかと考えていた。
初めて体験するこの恋心。
気持ちがすごく温かい。
雑誌に載っているような服を着て、夢人と一緒に歩く姿を想像するだけで幸せな気持ちになってくる。
……夢人、来てくれるかな。
チカ姉さんがうるさく言うので、呼び出すのは当日だ。
チカ姉さんは夢人に厳しく当たるからなあ……
ネプギア達と先に予定を組んでいるとも考えて不安だったけど、フリーだったようで安心した。
私はチカ姉さんに見つからないように、前にこっそり抜け出していたように窓から抜け出そうとした。
……でも、夢人が下にいたのは予想外だった。
思いっきり上に落ちてしまった。
……でも、そこはお姫様だっこで受け止めてほしかったな。
ちょっと夢見がちかもしれないけど、憧れていたシチュエーションの1つだったのに……
もしかして重かったのかな?
私って太ってる?
自分では気づいていないだけで、私ってもしかしておデブちゃん?
……ちょっとショックかもしれない。
でも、夢人が私の心配をしてくれた時、本当に嬉しく思った。
私のことを大切に思ってくれているんだって思えたから。
夢人が私のことをちゃんと女の子として扱ってくれているのを知って自然と笑みが浮かんだ。
……ちゃんとネプギアと同じ様に見てくれているんだ。
私の恋を受け止めてくれているんだって感じた。
それに、今日悩んだ服をほめてくれた。
自分のイメージとは違うってことはわかってたよ?
私はどちらかと言うと動きやすい服の方が好きだからね。
こんな服、ベール姉さんの着せ替え人形になった時しか着たことがなかったから不安だった。
でも、夢人は似合ってる、かわいいってほめてくれた。
……にやけちゃう。
夢人からそんな言葉を聞いて自然と頬が緩んでしまう。
私はその顔を隠そうとしたが、やっぱりやめた。
だって、嬉しいんだもん。
今日はデートなんだし、ずっと笑っていてもいいよね?
いっぱい私のことを知ってよね?
* * *
私は夢人の手を引きながらリーンボックスの街を回った。
私の知ってる素敵なリーンボックスの名所の数々。
私の好きなものを夢人に知ってほしかった。
私が1人でいろいろと話していたが、夢人はそんな私を見てほほ笑みながら楽しそうにしてくれていた。
「今度は屋台?」
「そう、ここの鯛焼きは私のお勧めなの」
私は私のお勧めの鯛焼きの屋台を紹介した。
私はお腹がすいた時、いつもここの鯛焼きを食べる。
「すいませーん! 餡子とチーズ1つください!」
「チーズ!?」
……何で驚くの?
ここのチーズ鯛焼きはすごくおいしいんだよ?
「はいよ! 今日はデートかい?」
「……うん」
顔なじみの屋台の店主が私をからかいながら言ってきた。
ちゃんとデートしているように見えてるんだ。
私だけがそう思っていたのかと思って不安だった。
でも、周りからデートしているように見えていた様で安心した。
……でも、これはちゃんとしたデートじゃないだよね。
今度はちゃんと恋人同士になってデートしたいな。
「な、なあ、ナナハ? チーズはやめた方がいいんじゃないか?」
「どうして? チーズ、すごくおいしいよ?」
……そう言うことか。
夢人は鯛焼き初心者なんだね?
鯛焼きにチーズは最高の組み合わせなんだよ?
今日は私が餡子を頼んじゃったけど、今度は試しに食べてもらおうかな?
「……それならいいんだけどさ」
何でそんなに納得いかなさそうな顔しているんだろう?
……そうだ!
私は受け取った鯛焼きを口から横に半分にした。
「はい! 半分個しよ?」
こうすれば、きっと夢人も鯛焼き上級者になれるよ。
……それに、なんかこれって恋人っぽいかも。
でも、何でそんな微妙そうな顔して「独特な味」だなんて言うんだろう?
こんなにおいしいのにな。
* * *
鯛焼きを食べ終わった後も、私達は一緒に街を歩いて回った。
気が付けば、日が落ちており、街路樹に飾られたLEDが色とりどりの色で輝きだしていた。
「綺麗だね」
「ああ」
私はそっと夢人の手の甲に自分の手を当てた。
夢人はそれを察してくれて手を握ってくれた。
……温かいな。
夢人から握られた手が温かい。
「今日は私のわがままに付き合わせちゃってごめんね。そして、ありがとう」
私は恥ずかしいので、街路樹を眺めながら夢人に言った。
首に巻いたマフラーで顔を隠しながらだったから、上手く伝わったかわからない。
「俺の方こそ、ナナハと一緒にいられて楽しかったよ。ありがとうな、誘ってくれて」
……は、恥ずかしい!?
そんな嬉しいことを言われるとは思っていなかった。
顔がどんどん熱くなってきた。
あ、頭が少しくらくらするかも……
「ナナハ、空を見てみろよ」
「えっ……あっ」
私は夢人に言われて空を見上げた。
空から雪が降り始めていた。
熱くなった頬に雪が当たって気持ちいい。
「ホワイトクリスマスだな」
「うん!」
……こんなに幸せでいいんだろうか?
こんな素敵な日に好きな人と過ごせて嬉しい。
「夢人」
「うん? どうした?」
「はい」
私は巻いていたマフラーを解いて夢人に渡した。
「寒くなるから一緒に巻こう?」
夢人は頬を赤く染めて、マフラーを巻いてくれた。
私も反対側からマフラーを巻いた。
……さっきよりも近づいた距離が嬉しい。
長めのマフラーでよかった。
帰ったらチカ姉さんがうるさいだろうと思うけど、別に構わない。
今はこの幸せをもっと感じさせて欲しい。
「メリークリスマス、夢人」
……好きな人と過ごす聖夜。
他の恋人達にも負けない私達だけの輝きになってるから。
という訳で、今回はここまで!
クリスマスに関係ないネタも含んじゃいましたが、デートっていう雰囲気は伝わったでしょうか?
イブももう残り3時間もないんですね。(現在21時)
最後にクリスマス記念はアイエフを投稿しておしまいです。
これは日にちをまたいじゃうかも?
なるべく早く投稿しますね。
それでは、アイエフ編をお楽しみに!