超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
遅れ気味なので、ちょっと予定を変更して今回は区切って投稿します。
それでは、 出会った2人、交わる次元 はじまります


出会った2人、交わる次元

 最初に動いたのは黒くなったエレメントドラゴンであった。

 エレメントドラゴンは、まず自身の腕に深く突き刺さっているドラゴニック・ランサーを抜き取ると、怒りによって充血した目を敵対者である夢人と真司へと向けた。

 

「ギャオオオオオオオオ!!」

 

「来るぞ!!」

 

「っ、わかった!!」

 

 エレメントドラゴンが叫び声を上げて一歩踏み出すと、真司はドラゴニック・セイバーを構えながら夢人へと注意を促す。

 真司の変身した姿、自分の知らない仮面ライダーの出現とその口上に戸惑っていた夢人であったが、呼びかけられたことでハッとして戦闘を行えるように腰を落とした。

 

 エレメントドラゴンは2人を同時に押し潰そうと、その巨大な手のひらを勢いよく振り下ろす。

 ブオンッと風を切りながら振り下ろされる攻撃を、2人はそれぞれ左右に跳ぶことで回避する。

 空を切る形で地面へと振り下ろされた手のひらの衝撃は、エレメントドラゴンの頭上まで土を舞いあがらせ、大地に深々と爪痕を残した。

 だが、元来の種族としての体格が災いして、エレメントドラゴンは若干前のめりになってしまう。

 

 その隙をつくように、2つの影がエレメントドラゴンの頭部へと左右から襲いかかる。

 

「はあああああ!!」

 

「グギャアアアアア!?」

 

「ぐっ!?」

 

 舞い上がっている土煙によって、上手いこと奇襲に成功した真司はドラゴニック・セイバーでエレメントドラゴンの瞼に斬りかかる。

 黒く禍々しくなったことで皮膚が硬化した影響もあり、振り切ろうとしたドラゴニック・セイバーは途中で弾かれ、真司も空中でバランスを崩してしまう。

 だが、真司の一撃はエレメントドラゴンに浅くない傷を負わせることに成功し、傷口から鮮血が零れだす。

 直接ではないとはいえ、瞼に受けた衝撃と流れだした血がエレメントドラゴンの眼球を濡らす。

 如何に強固な鱗を誇っているエレメントドラゴンと言えども、露出している部分に受けた刺激は耐えられるものではなかったため、堪らずに叫び声を上げてしまう。

 そのためエレメントドラゴンが片目を固く閉ざして真司から距離を取るように顔をそむけることは必然であった。

 すなわち、計らずして夢人は最高のタイミングで攻撃することが可能になったのである。

 

「でりゃあああ!!」

 

「ギャブッ!? ……ガアアアアアア!!」

 

「おわっ!?」

 

 夢人は下がって来たエレメントドラゴンの顎を思いっきり蹴り上げた。

 痛みに叫んでいたため、エレメントドラゴンは舌を噛んで顔を大きく仰け反らせてしまう。

 それだけにとどまらず、頭を大きく揺さぶられたエレメントドラゴンは開いている瞼から覗かせる瞳の焦点を大きくブレさせ、仰向けに倒れかかる。

 しかし、黒く禍々しくなった影響なのか、それともドラゴンと言う強者ゆえの意地なのか、エレメントドラゴンは倒れる寸前で翼を大きくはためかせ、後ろに大きく足をつく。

 翼から発生される強風、小型の竜巻にも似た風の渦に煽られた夢人は成すすべなく吹き飛ばされてしまう。

 好機とみたエレメントドラゴンは腹の底に眠るマグマのように煮えたぎった炎を夢人に向かって吐きだそうと口を開いて狙いを定めた。

 

『Bind! now……』

 

「っ!?」

 

 しかし、突如として聞こえてきた音声とともにエレメントドラゴンの口を光の鎖が拘束してしまう。

 突然の事態にエレメントドラゴンも驚愕して傷ついてない方の目を見開き、光の鎖を作り上げた元凶を探ろうとする。

 だが、その人物を探し当てる前に体中を地面へと縫い付けるように光の鎖がエレメントドラゴンを雁字搦めにしてしまう。

 

「チャンスだ!!」

 

『Final Break!』

 

 魔法で光の鎖を発生させた人物、真司はエレメントドラゴンが夢人に意識を集中させているうちに着地を完了させ、拘束魔法を発動させるタイミングを見計らっていたのだ。

 その甲斐あって夢人は助かり、エレメントドラゴンの動きは完全に止まってしまう。

 エレメントドラゴンが自分の姿を捉える前に、真司はカードデッキから必殺技を発動させるカードを取り出し、ドラゴニック・セイバーへと装填させる。

 すると、変身する前までは小型であったドラゴニック・ハートが本来の姿を取り戻して、真司の隣へと出現して互いに目を合わせて頷き合う。

 

「たあっ!!」

 

 掛け声とともに跳躍した真司の体を旋回するようにドラゴニック・ハートも上昇する。

 やがて、限界まで高く跳び上がった真司は体を捻り、エレメントドラゴンへと片足を伸ばした姿勢で落下を始める。

 それを後押しするように、ドラゴニック・ハートから炎のブレスが吐き出され、爆発的な加速を得た真司の体はまるで隕石のようであった。

 

「『ドラゴンライダーキック!!』」

 

「っ!?」

 

 ドラゴニック・ハートと叫びを重ねながら真司はエレメントドラゴンに必殺のキックをお見舞いした。

 瞬間、エレメントドラゴンを中心に爆発が起こり、辺りに炎の柱と黒煙を発生させた。

 それを見た夢人は真司が爆発に巻き込まれたのではないかと焦りを感じたが、その心配は杞憂に終わる。

 

「とうっ!!」

 

 爆煙を突き抜けて真司が片膝をついて着地した姿と声を確認できたからである。

 炎の渦を抜けてきたにもかかわらず、真司の纏っているスーツには煤1つ付いてない。

 真司が振り返ると同時に、エレメントドラゴンを中心に巻き起こっていた炎の柱は消え去り、そこには何も残っていなかった。

 

「……ふぅ、さすがにここまでやれば再生はできないだろう」

 

 真司は以前対峙した黒いエンシェントドラゴンに放ったドラゴンライダーキックよりも強力になった一撃を喰らって消滅したエレメントドラゴンがいた場所を見つめて安堵の息をつく。

 エレメントドラゴンに起こったことは肉片や残骸が残っていれば何度でも復活してしまう恐ろしい現象だが、真司には見渡す限り先ほどの攻撃で完全に消滅してしまっているように見えた。

 そのため、ゆっくりと夢人の方へと歩み寄りながらベルトのバックルからカードデッキを取り外して変身を解除する。

 スーツが光となって消えてると、真司は頬に爽やかな風を感じながら呆然と自分を見つめている夢人にほほ笑みかける。

 

 一方、夢人は困惑していた。

 エレメントドラゴンが完全に消滅したことで、頭の中に次から次へと疑問が溢れて来たのである。

 

(何がいったいどうなってるんだ……エレメントドラゴンが急に黒くなったと思ったら、仮面ライダーまで出てきて……しかも、ゲイムギョウ界を守るってどう言うことだよ!?)

 

 長い間ゲイムギョウ界でネプギア達と過ごしてきた夢人でも知らない、自称ゲイムギョウ界を守る仮面ライダードラゴニック・ハート。

 自分の知らない憧れたヒーローの登場は夢人の胸を高鳴らせたが、それ以上に謎めいた存在に思えた。

 助けてくれたことから敵でなく味方なのだとわかるが、夢人はどう反応していいのかわからずに真司に声をかけることすらできないでいた。

 だからだろうか、真司が変身を解いてほほ笑んだ姿を見て夢人も緊張の糸が切れたように肩から力が抜けた。

 ヘルメット越しで真司を警戒するように少しだけ鋭くなっていた眦は柔らかく緩んで、口元には自然と笑みが浮かんだ。

 

(……まあ、正体とかについては聞けばいいんだし、まずは助けてもらったお礼を言わないとな)

 

 疑問を後回しにし、夢人もアーマーモードを解除して真司に笑いかける。

 そして、夢人がお礼の言葉を口に出そうとした瞬間、真司はギョッとして驚いてしまう。

 

「ロボットじゃなくて人間だったのか!?」

 

「って、今まで気付かなかったのかよ!?」

 

 指を指されながら言われた言葉に、夢人は思わずガクッと頭を項垂れてこけそうになってしまう。

 だが、すぐに顔を上げると勢いよく夢人にとって予想外の言葉を口にした真司に詰め寄る。

 その勢いに押されたのもあるが、失言に気付いた真司は冷や汗を流しながら近づいてくる夢人に両手を振りながら待ったをかけようとする。

 

「わ、悪かったって!? てっきりロボットだとばかり思っててだな……」

 

「確かにテレビでは完全自立型ロボットだけど、現実とフィクションの区別ぐらいつくだろ! そっちこそ仮面ライダードラゴニック・ハートっていったい何なんだよ!?」

 

「テレビ? 今はバイクだけど、そのロボットってそんなに有名なのか? それに仮面ライダーを知らないって……」

 

「あ、いや仮面ライダー自体は知ってるんだけど……」

 

 ここに来て互いに話がかみ合っていないことに気付いた2人は揃って顔をしかめる。

 何かがおかしいと思った2人が恐る恐る口を開こうとした時……

 

「真司!? 危ない!?」

 

「っ、ちっ!?」

 

「うわっ!? ……ぐえっ!?」

 

 ネプテューヌの悲痛な叫び声が聞こえた瞬間、真司は自分達に向かって飛んでくる何かを察知して夢人を押し倒した。

 飛んできた何かは鋭く尖った円錐状の物体、先ほど完全に消滅したかに見えたエレメントドラゴンの尻尾の切れ端であった。

 それが意思を持っているかのように宙に浮き上がり、夢人達を狙ったのである。

 

「まだ残っていたのか!? なら……っ!?」

 

 切れ端と言えども、そこから再生されたら堪らないと感じた真司は龍神剣を取り出そうとして腕を伸ばしたが、それよりも早くエレメントドラゴンが一筋の光に飲み込まれてしまう。

 間近で第3者による攻撃を目撃した真司は慌てて、光が飛んできた方を振り向くと、そこには真っ直ぐに腕を伸ばしている黒い人影があった。

 その姿は塗装を黒くしたワンダーのアーマーモードそっくりである。

 

〔モクヒョウ、カンゼンニロスト、シマシタ〕

 

「うん、了解。ヒーローは遅れて登場する……とは言うけど、今回は遅れすぎちゃったみたいだね」

 

 近寄ってくる黒いロボットから電子音と共に知らない少女の声が聞こえてきて、今度は真司が戸惑ってしまう。

 ガシャン、ガシャンと音を立てながら近づいてくるロボットを見つめながら、真司の思考は突然の事態に混乱していた。

 

(どう言うことだよ、これ……ロボットが実は人だと思ったら、俺のことを知らないし……しかも、何か黒いのまで出てきた!? もしかして、俺の知らない間にあんなロボットが大量に量産されていたのか!? それとも、これもマジェコンヌみたいな悪党の仕業なのか!?)

 

 纏まらない考えを巡らせる真司であったが、それは冷静さを奪うだけで何の成果もあげることができない。

 ……だから、真司は今自分が置かれている状況に気付くのが遅れてしまった。

 

「いやぁ、遅れちゃってごめんごめん。危ないところだったね、夢……と?」

 

「大丈夫、真……じ?」

 

 夢人達の傍に寄って来たロボットは言葉の途中で動きを止め、駆け寄って来たネプテューヌもピシッと固まってしまう。

 

「し、真ちゃん? い、いつまでその体勢でいますの?」

 

「へ? 体勢って……あっ!?」

 

 震えるベールの声を聞いて、真司はようやく思考の海から帰って来て、今自分がどんな状況にいるのかを正確に理解した。

 

 ……傍から見れば、まるで真司が夢人を押し倒しているようにしか見えない状態だったのである。

 

 慌てて真司が体をずらして下になっている夢人の無事を確認する。

 だが、倒れたことで後頭部を強打したことに加え、真司が押し倒した際に全体重を乗せられていたことが災いし、夢人は口を半開きにしたまま気を失っていた。

 時折痙攣しているように動く夢人を見て、真司は顔を青く染めて慌てだす。

 

「ご、ごめんなさい!? ちょっ、しっかりして!?」

 

「そ、そうだよ!? しっかりして!? おーい!? ヤッホー!? 何か返事をして!?」

 

 気絶している夢人の意識を覚醒させようと、真司とネプテューヌが体を揺すったり呼びかけたりするのだが、何の反応も返さないことで、余計に焦ってしまう。

 

「ああ、心配しなくても夢人ならそのくらい平気だよ」

 

「そうですの。むしろ、あのくらいで気絶するなんて情けないですの」

 

「ちょっと辛辣すぎませんか!?」

 

「何を言ってるんですかベール様。あのくらい夢人なら何度も経験して……って、あれ? どうしてここにいるんですか?」

 

「この殿方はいったいどんな経験をしているんですか!?」

 

 真司とネプテューヌ同様に夢人を心配していたベールであったが、ロボットといつの間にか傍にいたがすとの呆れたような発言に驚いてしまう。

 しかし、ベールの驚愕をよそにロボットは肩をすくめるような仕草をしながら夢人を見下ろし、ネプテューヌの様子がおかしいことに首を傾げた。

 2人との温度差を感じたベールは気付かないうちに頬を引きつらせて一歩だけ後ろに下がってしまっていた。

 ……余談であるが、一瞬ベールの脳内で真司×夢人の図式が浮かび上がったことは内緒である。

 さすがに気絶している夢人とあっけらかんとしている2人の様子を見て、そんな不謹慎な考えはすぐに吹き飛んだのがベールの実情である。

 

『やれやれ、どうやら大変なことになりそうだな』

 

〔それについては同感する〕

 

『ん? ……バイクがしゃべっているのか?』

 

〔その通りだ。私の名前はワンダーだ……そちらの名は?〕

 

『これは失礼した。私はドラゴニック・ハートと言う。よろしく頼む、ワンダー殿』

 

〔ああ、こちらこそよろしく頼む〕

 

 そんな夢人達から少し離れた位置で、小型に戻ったドラゴニック・ハートとワンダーが会話をしていた。

 どちらも冷静になろうとしているのだが、交わす言葉の節々は硬くなっており、互いに緊張しているようであった。

 そのせいで会話は長続きせず、揃って夢人達へと視線を戻して黙りこんでしまう。

 

 ……だから、誰も気付かなかった。

 黒いロボットの攻撃で完全に消滅したと思われていた黒い燃えカスが、風に運ばれてどこかへ飛んで行ってしまったことに……

 その燃えカスが黒いロボットの装甲に張り付いたことに……

 その燃えカスが吸い込まれるようにすぐ近くで赤い光を放つ宝石に付着したことに……




と言う訳で、今回はここまで!
遅れ気味だったせいで今回は戦闘パートの区切りのよい部分で投稿させてもらいました。
次回はようやく交流パートに入りますよ。
それでは、次回をお楽しみに!
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