超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編 作:ホタチ丸
さあ、これにてクリスマス記念はおしまいです!
アンケート第三位アイエフのターンです!
それでは、 罰ゲームはご褒美 はじまります
「……どうしてこうなった」
「さっさとやっちゃいなさいよ? まったく自業自得じゃない」
俺は今プラネテューヌの教会でアイエフに監視されながら始末書を書いている。
事の発端は、昨夜のクリスマスパーティーだ。
ネプギアがユニ達を呼んでプラネテューヌの教会でクリスマスパーティーをすることを決めていた。
もちろん俺達も賛成した。
……だが、ここで問題が発生した。
皆さんおわかりいただけると思いますけど、クリスマスは楽しいイベントですよね?
そんな楽しいイベントの日はテンションが上がっておかしな行動を取る人が増えると思いませんか?
……はい、実は昨日のイブの夜からいろんな事件が発生してしまいました。
リア充爆発しろおおおおっと叫ぶ嫉妬軍団。
ヒャッハー!! リア充は皆殺しだあああああって言いながらクリスマスケーキをカップルに投げつける非リア充。
好きだあああああああ、結婚してくれええええって街の中央に飾られた巨大なクリスマスツリーに登って叫ぶオタクっぽい男の子。
……お前らふざけんなよ!!
俺は2人っきりじゃないとはいえ、好きな子と過ごす初めてのクリスマスを邪魔されて怒りがわいてきた。
せっかくプレゼントやらケーキやら準備してたんだぞ!!
あわよくば、2人っきりでパーティーを抜け出せるんじゃないかって期待してたんだぞ!!
それを邪魔したお前らを俺は許さん!!
俺はこの燃える怒りを力に変えて奴らを殲滅せんと街へと向かった。
そして、そんな悲しい男達をちぎっては投げ、ちぎっては投げと殲滅していった。
……お前らの思いもきっと純粋だったに違いなのにな。
俺は怒りと共に湧き上がる男達への悲しみを胸に感じながら奴らを殲滅した。
……気が付けばやり過ぎていた。
主に風の魔法を使ったのが間違いだったんだ。
飾り付けられていたLEDや星が吹き飛んだ街路樹は寂しくそびえ立ち、クリスマスケーキを販売していたのであろうサンタ姿の男性は下着姿になっていた。
クリスマスツリーに至っては、その緑色の綺麗で硬くて丈夫なはずのモミの葉が枝ごと折れていて無残な姿をさらしていた。
……やっちまった。
そう思った時はもう遅かった。
後から駆けつけてきたネプギア達も唖然とした様子で街を見ていた。
俺はイストワ―ルさんから厳しくお叱りを受け、クリスマス当日である今日をこうして始末書を片づけるために過ごしているのだ。
「ほら、また手が止まってるわよ。さっさと書く」
「……はい」
俺が逃げ出さないように、アイエフが俺を監視している。
ネプギア達は今頃、街の復旧を手伝っている。
……本当にごめんなさい。
* * *
「お、終わった……」
俺は最後の始末書を書き終えると、机に突っ伏した。
「はい、お疲れ様」
そんな俺の様子に苦笑しながらアイエフはコーヒーを入れたカップを机の上に置いてくれた。
……あったかいなあ。
俺はペンをずっと握って痺れている右手ではなく、左手でカップを握って少しずつ飲み始めた。
この部屋は空調は効いているとはいえ、冬なのでやっぱり少しだけ寒く感じる。
要は気分の問題だ。
冬は温かい飲み物がおいしく感じるだろ?
「これに懲りたら、もう問題起こすんじゃないわよ?」
「……でも、アイツ等のせいでクリスマスパーティーが」
俺は未だにクリスマスパーティーを邪魔されたことに怒りを覚えている。
アイツ等のせいで俺のクリスマスパーティーが……
「……いつまでも言ってるんじゃないわよ。パーティーなら今夜に開こうって話になってるわ」
「それ本当!?」
初耳だぞ!?
そんなことになってたの!?
「アンタが始末書書いている間に決まったのよ。私達だって楽しみにしていたんだから、このまま終わらせる気はないわ」
よっしゃああああああ!!
今からパーティーが楽しみだ!!
「で、何時からパーティーなんだ?」
「慌てないの……そうね、ネプギア達がまだ帰って来ていないから、帰って来てからじゃない?」
……そうか。
それじゃ、まだ時間かかるかもしれないな。
その間何をしているか……
そうだ!!
……今はアイエフと俺の2人だけ。
つまり、アイエフに今までの恨みを晴らすチャンスだ!!
確かに、いろいろ助けてもらって感謝しているが、俺は忘れない!!
お前にB.H.C.を飲まされたことやネプギア達に俺が犯罪者だって言ったことを!!
お前がB.H.C.を飲んだ時にくらった火の魔法、すごく熱かったんだぞ!!
……そう、今こそ反逆の時だ!!
* * *
……なんか夢人がにやけてる。
嫌な予感がするわ。
まったく昨日のクリスマスパーティーを潰されたことは頭にくるが、もうちょっと後先を考えてほしい。
……まあ、私も充分甘いと思うけど。
本当はもっとしてもらわなきゃいけないことがあった。
その分は私が夢人の後ろで監視しているふりをしてやっておいたのだ。
……コイツも純粋にクリスマスパーティーを楽しみにしていてくれたんだもんね。
「なあ、アイエフ?」
「……何よ?」
夢人が嫌に笑顔で私に言ってきた。
……本当に嫌な予感がする。
「ゲーム、しない?」
ゲーム?
「ネプギア達が帰ってくるまでの暇つぶしとしてさ」
……ふーん、随分な自信じゃない。
私もネプ子と長い間一緒にいたからゲームなら普通に得意よ?
そんな私と勝負するつもりなの?
「……もちろん、ただのゲームじゃない。罰ゲームを賭けてさ」
「罰ゲーム?」
「そう、買った方が負けた方の命令を聞くって罰ゲーム」
なるほど。
確かに負けたのなら困るが、夢人に負けるほど私はゲームが苦手ではない。
「いいわよ。で、何のゲームなの?」
私がそう言うと、夢人はにやりと笑った。
……例えどんなゲームであろうと私が勝ってみせる。
「それはコレだ!!」
夢人がテレビゲームのパッケージを私に見せてきた。
……『スライヌ・バニッシュ』?
確か、上からどんどん降ってくるスライヌを同じ色のスライヌと合わせて消すゲームよね?
スライヌを消し続けることで相手にお邪魔スライヌをどれだけ多くお見舞いするのかがこのゲームで勝利するポイントだろう。
……でも、いいの?
「アンタ、犬ダメじゃない?」
夢人は犬が苦手なはずだ。
その犬の面影が残っているスライヌを題材にしたゲームで勝負するつもりなのか?
「舐めるなよ。ゲームの中ぐらい平気だ」
……そう。
「なら、異論はないわ」
さっさと勝たせてもらいましょうか?
……何を命令しようかしら?
「それじゃ早速、ゲームスタート!!」
私はコントローラーを握って画面に落ちてくるスライヌをどう連鎖させて消すか考える。
……だが、私は気付くのが遅すぎた。
夢人のスライヌの落ちてくる速度が尋常ではなかった。
夢人は常に十字キーの下ボタンを押しっぱなしでスライヌをどんどん消していく。
「……へっ?」
私は間抜けにも口をポカンと開けて操作するのも忘れて画面を眺めてしまった。
……って、まずい!?
私がそう思った時には、すでに私のレーンにはどんどんとお邪魔スライヌの大群が降って来ていた。
う、ウソ!?
何でそんなに早くできるのよ!?
私が横目で夢人を見た時、思わずコントローラーを落としてしまった。
「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ……」
……冷や汗を流しながら消えろと連呼している夢人の姿があったからだ。
アンタ、ゲームでもダメじゃない!?
思いっきり怖がってるわよね!?
「って、あああ!?」
気が付けば、私のレーンはお邪魔スライヌに埋もれていた。
……も、もしかしなくても、私の負け?
私は画面に映る『YOU LOSE』という言葉を見て呆然としてしまった。
* * *
「……く、屈辱だわ!!」
私は夢人の命令を聞いている。
夢人の命令は私にとって屈辱的だった。
「何でこんなにスカートの丈が短いのよ!?」
私は今サンタクロースの服装をしている。
しかも、ズボン型ではなく、ワンピース型のスカートの丈が短いものだ。
皆が持ち寄ったパーティーグッズの中にこの衣装があったのは知っていたが、まさか私が着ることになるなんて……
「似合ってるんだからいいじゃん」
「うっさい!?」
夢人は似合っていると言うが、私は信用できない!
……だって、私がこんな服似合うはずないから。
コンパやネプギアの様に女の子らしくない私がこんな服似合うはずがない。
……ネプ子は別よ。
と、とにかく、私にこんな短いスカートの服なんて似合わないのだ!
これは恥ずかしいからだ!
決して似合ってるって言われたから頬が熱くなってるんじゃない!
「……なんか予定と違って、普通にかわいいって思えるんだけど」
か、かわいいとか言うな!?
私は自分の頬が真っ赤に染まっているのを自覚する。
くっ、このまま夢人に玩具のように扱われるのは癪だ。
どうにかして夢人に反逆しないと……
そうだ!!
私は冷蔵庫から昨日食べる予定だったクリスマスケーキを切り分けたものを取り出した。
「ねえ、夢人?」
……ふふふ、今こそ反逆の時よ。
「はい、アーン」
「……へっ?」
私はケーキを夢人に食べさせようと小さく切って夢人の口元に持っていった。
夢人はその意味がわかると、顔を真っ赤にさせてうろたえた。
「ちょっ!? そんな命令なんて出してないだろ!?」
「いえいえ、これはこんなかわいい服を着せてくれたお礼よ」
……そう、これはお礼なんだ。
ほら、恥ずかしがらずに口を開けなさいよ。
「ほら、アーン」
「……あ、アーン」
夢人は顔を真っ赤にさせたまま、観念したように目を閉じてケーキを食べた。
……ちょっと楽しいかも。
なんか照れてる夢人がかわいく見える。
……ふふふ、私で遊んだ分、私も遊ばせてもらおうかしら?
「はい、もう一口。アーン」
「……も、もういいだろ!?」
夢人は私がもう一度食べさせようとすると、フォークを持っている腕を押し返そうとして来た。
むっ、おとなしくアーンされなさいよ!
私は夢人が押し返そうとしてくるから意地になって力を入れた。
「きゃっ!」
「うおっ!」
私は勢い余ってバランスを崩して夢人に覆いかぶさる形で倒れてしまった。
持っていたケーキも夢人の近くに落としてしまい、夢人の頬にクリームがついていた。
「ごめん、少しやり過ぎた……」
「夢人さん、あいちゃん、ただいまです……よ?」
「わ……よ?」
突然ドアが開いて、コンパが入ってきた。
コンパは私達の様子を見ると、顔を真っ赤にしてしまった。
「お、お邪魔しちゃってごめんなさいです!!」
「ちょっ!? 勘違いしてんじゃないわよ!?」
私が呼びとめるよりも早くコンパは部屋から飛び出していってしまった。
……や、やってしまった!?
ど、どうやって誤解を解いたらいいの!?
「……俺も調子に乗って悪かったよ」
夢人が苦笑しながら起き上って言った。
夢人は頬についているクリームを指ですくう。
「ほれ、これでお相子だ」
「んぐっ」
指ですくったクリームはそのまま私の口の中に入れられてしまった。
「結構甘いだろ?」
夢人がにやりと笑うのを見て、私はまた顔全体が熱くなった。
……最後の最後でやられた。
「……うん」
私は実際にクリームの甘さを感じることはできなかったが、黙って頷くしかなかった。
「よし! それじゃ、コンパの誤解を解きに行きますか」
夢人がそう言って立ち上がって、私に手を差し出した。
「ほら、行こうぜ」
「……わかってるわよ」
私は顔を赤くしたまま夢人の手を掴んで立ち上がった。
……ホント、このバカは。
私は少しだけ頬が緩むのを感じた。
言葉にするのは少し恥ずかしいから心の中で言う。
……メリークリスマス。
という訳で、今回はこれでおしまい!
何とかイブのうちに全話投稿することができました。
というより、私新しく作品作ろうとした時、作り方忘れちゃってて慌てちゃったよ。
今後もここは番外編を気ままに投稿していきたいと思います。
多分、次回ここに投稿するのは男同士の飲み会かな?
それは来週中に投稿しますね。
それでは、最後に皆さんがよいクリスマスを過ごされますように。
メリークリスマス。