超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
今回はユウ様の作品『さらに異世界の問題児達が来るそうですよ?』とのコラボ話となります。
それでは、 ピクニックへとのお誘い はじまります


コラボ ユウ様 【さらに異世界の問題児達が来るそうですよ?】
ピクニックへのお誘い


「……うーん、今日は釣れないなぁ」

 

 あたしは固定してある釣り竿がまったく動く様子を見せないことにため息をついてしまう。

 今日は天気もよかったし、久しぶりに1日ゆっくり釣りをしようと思っていたんだけど、こうも反応がないと段々と眠くなってくる。

 気持ちの良い日差しと爽やかな風、釣りをやめてごろりと横になって眠っちゃおうかな?

 

「ファルコムさーん!」

 

「あれ、ネプギア?」

 

 睡魔の誘惑に負けそうになっていたあたしの耳に、予想外の人物の声が聞こえてきた。

 あたしが今いる場所はラステイションなのに、どうしてネプギアがここに?

 

「どうかしたの? ネプギアがわざわざ1人でラステイションに来るなんて、何かあった?」

 

「あ、いえ、そうじゃなくて、今日はファルコムさんに用事があるんです」

 

「あたしに?」

 

 座っていた時についた汚れを軽くはたき落としながら立ち上がり、近づいてきたネプギアに用件を尋ねた。

 失礼だけど、あたし的にネプギアのその返事はちょっと意外だと思ってしまう。

 正直に言うと、あたしとネプギアって直接的な接点はあんまりないんだよね。

 『結晶』と『宝玉』を探していた時に、『宝玉』の情報を渡したことがきっかけで長い付き合いになるんだけど、確か2人で話す機会なんてなかったと思う。

 だから、ネプギアがあたしに用があると言われて、思わずきょとんとしてしまい、自分のことを指さしてしまった。

 

「はい、ファルコムさんは明日お暇ですか? 私達、明日リーンボックスにピクニックに行くんですけど、よければ一緒に行きませんか?」

 

「え、まあ、特に予定はないから一緒に行ってもいいのなら行きたいけど……本当にあたしも一緒に行っていいの?」

 

 にこにこと笑いながら話すネプギアに、あたしは戸惑ってしまう。

 ピクニックに行くだけなら何の問題もないんだけど、多分あたしの予想ではただ遊びに行くんじゃないと思う。

 ネプギアは私“達”って言ってたし、きっと夢人君やユニ達が参加するんだろうな。

 でも、その中にあたしが混ざっても本当にいいのかな?

 そんなあたしの気持ちを察してくれたのか、ネプギアは苦笑しながら口を開く。

 

「大丈夫ですよ。実を言うと、ピクニックに行くのもアカリちゃんのためなんです」

 

「アカリの? ……ああ、そっか。アカリは今、ギョウカイ墓場にいるんだっけ」

 

 ネプギアの説明にあたしは納得した。

 犯罪組織が壊滅した後、どう言う訳か夢人君の体の中に戻れなくなったアカリはギョウカイ墓場でマジェコンヌやマジック達と一緒にいる。

 理由は、フィーナによって発動した欠片の影響を受けたゲイムギョウ界の修復をするためだ。

 

 あの戦いでゲイムギョウ界の各地が滅茶苦茶になってしまった。

 プラネテューヌの一部の地域がラステイションと同じ気候になったり、本来ならいるはずのないモンスターが繁殖したりとかね。

 マジェコンヌの話だと、単色で塗りつぶされている大地に染みや汚れができたようなものだって言ってたけど、あたしにはパズルのようにも思える。

 本来なら嵌るはずのないピースを無理やり押し込めたような……これもちょっと違うかもしれないけど、結局のところ今ゲイムギョウ界がとても不安定になっているらしいんだよね。

 マジェコンヌの言うような染みや汚れ、あたしの考えるおかしなパズルのピースが、フェル達のような『転生者』の『歪み』と同様の現象を起こすみたい。

 

 ……詳しいことは、あたしもよくわかっていない。

 ただその『歪み』を正すために、アカリはギョウカイ墓場で犯罪神のために集められたシェアエナジーを使ってゲイムギョウ界のあちこちを修復する、彼女曰く“お仕事”をしている。

 ここでゲイムギョウ界を修復することを“お仕事”と言っている辺り、夢人君の影響を受けたのかなと思ってしまう。

 夢人君も今、プラネテューヌを中心に求職活動を続けているみたいだし、父親が働こうとしている姿を見て自分もと思ったのかもしれない。

 ……っと、ちょっと考えが脱線したけど、この“お仕事”はアカリのためでもあるんだよね。

 犯罪神のために集められたシェアエナジーによって、アカリは夢人君とネプギアの体の中にいた時と違って、常時体を“再現”することができるようになった。

 むしろ、ゲイムギョウ界を修復するための『再誕』の力を使うために、体を“再現”し続けなければいけないらしい。

 

 ただでさえ赤ちゃんの姿でいたのはシェアエナジーの消費を最小限に抑えるためだったせいか、アカリは1度に大量のシェアエナジーを吸収することができない。

 仮に止めどなくシェアエナジーを吸収してしまえば、アカリと言う存在がいなくなってしまう可能性があると聞いている。

 犯罪神のために集められたシェアエナジーは女神の使う正のシェアエナジーでなく、負のシェアエナジーであり、それに飲み込まれてしまう危険性があるみたい。

 そのせいで、マジェコンヌはギョウカイ墓場にある黒い塔の管制人格――確か、エヴァに協力を仰いでアカリに流すシェアエナジーの量を慎重に調節している。

 そのせいか、最近アカリが大きくなったと聞いた。

 今までは体内のシェアエナジーを消費するだけだったせいで赤ちゃんの姿でいたから、吸収するシェアエナジーが段々と増えていけば今後成長していくと言う話だ。

 それに伴い、アカリ自身がコントロールできるシェアエナジーの量も増えて、ゲイムギョウ界も早く修復できるようになるらしい。

 

 だけど、そのせいでアカリは夢人君とネプギアの2人と一緒に暮らせなくなっちゃったんだよね。

 最初の内はなんとか耐えていたみたいだけど、しばらくしたら駄々をこね始めたと聞いている。

 不安になると泣きだして【パパとママに会いたい】と叫ぶと聞いた時は、仕方ないと思ってしまった。

 今までずっと一緒に、それこそ夢人君やネプギアの体の中にいたのに急に1人にされたんじゃ、いくらアカリが“お仕事”を頑張ろうと決めたとしても辛かったんだろうね。

 今は暇さえあれば夢人君かネプギアがアカリの様子を見に行くという形で落ち着いているから大丈夫みたい。

 だから、今回のピクニックはアカリのストレス軽減ってところかな?

 ギョウカイ墓場に居るしかないアカリの息抜きのためにピクニックに行くんだと……って、あれ? でも、それなら……

 

「せっかくなんだし、家族3人水入らずでピクニックに行く方がいいんじゃないのかい?」

 

「え、ええっと、そ、それは……」

 

 あたしが疑問に思ったことを口にすると、ネプギアはビクッと体を震わせた。

 すると、縮こまるように肩を寄せて小さくなり、顔を段々と赤くしながら指をもじもじと弄り始める。

 

「む、無理なんです……皆と一緒にいるときは平気なんですけど、そ、その、あ、改めて話をしようとすると……で、でも、別に夢人さんとふ、2人っきりになりたくないわけじゃなくてですね、あの、その……」

 

「……ああ、うん。そうなんだ」

 

 ネプギアの口から出た言葉に、あたしはどう反応していいんだか困ってしまう。

 これってパープルディスクの中身、夢人君の記憶を観たことが原因だよね?

 前まで好意を向けられていたことに気付かなかったからよかったけど、今はそう言うわけにはいかない。

 夢人君がネプギアのことを好きだと言うことは、あたし達にもすでに知れ渡っている。

 これが夢人君が告白したことで発覚したのなら、ネプギアもここまで困らなかったんだろう。

 確かに、明らかな恋心を抱いている相手とどう接したらいいのかなんてわからないよ。

 しかも、自分も相手を憎からず思っていて、その思いを嬉しいと受け取っているんだもの、ネプギアの気持ちも複雑なんだろうな。

 

 要するに、ネプギアは2人っきりになるかもしれないシチュエーションに軽い恐怖と不安、そして恥ずかしさを感じているんだと思う。

 パープルディスクで観た記憶はあくまで過去の物であり、今の夢人君の気持ちがわからないから期待しすぎないようにしているんだろうね。

 ギョウカイ墓場で夢人君が消えた時やユニとの一騎打ちのことを考えると、ネプギアはネガティブになりがちだからね。

 もちろん、ネプテューヌみたいにポジティブな面もあるんだけど……性格的に真面目だから余計に考えこんじゃうのかもしれないね。

 でも、その期待を完全に捨てたくはなくて、夢人君と一緒にいたいと思うんだけど、今度は恥ずかしさが前面に出ちゃうみたい。

 

 ……何だか考えることが馬鹿らしくなってきたよ。

 これって夢人君がネプギアに告白しちゃえば、綺麗に丸く収まるんじゃないのかな?

 まあ、夢人君にしてもナナハのことや自分の仕事のこともあって大変だってことはわかるよ。

 それにあたしとしてはユニにも頑張ってもらいたいんだけど……

 

「あ、あううぅぅぅ……」

 

 耳まで真っ赤にして両手で顔を隠すネプギアを見て、あたしは自然と頬が緩んでしまう。

 平和になったからこそ、こういう風に恋に思いを馳せることができるんだろう。

 そう考えれば、何だかネプギアの反応がほほ笑ましく思える。

 

 ――ふとここまで考えたあたしの脳裏に、1人の少年の姿が思い浮かんだ。

 あたしが冒険……と言うより、移動するために利用した小舟で遭難した時に迷い込んだ世界にいた少年。

 

 まさか川の対岸に渡るまでの目に見える距離で難破するとは思わなかった。

 それまで綺麗に晴れていたのにあたしが船に乗った瞬間、急に雷雨がくるなんて呪われているのかな?

 

 まあそれは置いといて、彼が今のゲイムギョウ界を見たらどう思うかな?

 ――多分、犯罪組織があった時に来たかったって言うかもしれないね。

 だって、夢人君とはまったく違うタイプのトラブルメーカーだし、彼が人並みの生活を謳歌している姿なんて想像できない。

 なにせ彼は常に刺激を求めている――――正真正銘の“問題児”なんだから。

 

「それじゃ、お邪魔じゃないみたいだし、ピクニックには喜んで参加させてもらうよ……って、ネプギア?」

 

「っ、は、はいっ!? わ、わかりました!? そ、それじゃ、明日の朝リーンボックスの教会に来てください!? し、失礼しまーす!?」

 

「ちょっ、ネプギア!? ……行っちゃったよ」

 

 ちょっと懐かしい少年のことをピクニックの件を了承すると、ネプギアは顔を真っ赤にして慌てて立ち去ってしまった。

 多分だけど、夢人君のことを思い出して照れまくった顔を見られたくないって言う羞恥心のせいかな?

 パープルディスクの中身を観た時もかなり恥ずかしそうにしてたからなあ。

 ……夢人君の恋って、両思いになっても大変そうだね。

 

 あたしはネプギアが走り去って行った方を向いて苦笑しながら釣り竿を片づける。

 今日はもう釣りを続ける気分じゃなくなっちゃったもんね。

 なにせ、それよりもやりたいことができたんだから。

 

「よし、そうと決まれば、早速準備をしておかないとね」

 

 荷物を手早くまとめたあたしは、1人つぶやきながら帰り道を歩いていく。

 明日のための準備、アカリも喜んでくれるといいな。

 今はまだ完成には程遠いけど、ネプギアさえよければちゃんと完成させたいしね。

 

 ……あ、でも、その前に彼のことを思い出しちゃったし、“アレ”を読み直してみるのもいいかも。

 あそこにいる皆は元気か……元気だよね、確実に。

 だって、皆はあそこに望んでいるんだし、退屈なんて絶対にしてないんだろうな。

 皆彼の同類で、とんでもない“問題児”達なんだから。

 

 

*     *     *

 

 

 うっそうと生い茂る森の中、1人の少年がポケットに手を突っ込んで歩いていた。

 ワックスで固めているらしいツンツンとはねた金髪、炎のマークがついたヘッドホンを付けた学生服姿の少年。

 歩きながら何かを探すようにあちらこちらへと視線を向けている様子から、少年が目的を持って森の中には行ったようには見えない。

 それを証明するように、少年の瞳はつまらなそうに細められ、今にもあくびをしてしまいそうなほどまどろんでいるようにも見える。

 

 ――事実、少年は刺激に飢えていたのである。

 端的に言えば、退屈していたとも言える。

 そのために、少年は新たな刺激を求めて当てどなく森をさまよっていたのである。

 

 しかし、少年の欲求を満たすような物は何も見つからず、そろそろ帰らないといけないと思っていた時のことであった。

 

「おっ」

 

 少年はそれを見つけた瞬間、感嘆の声を漏らしてしまった。

 眠そうな顔は一気に覚醒し、瞳は楽しげに爛々と輝きだす。

 

 それは簡単に言ってしまえば、“穴”のようなものであった。

 しかし、ただの“穴”ではなく、空中に浮かんでいる。

 暗くなりかけている森の中、不気味に存在している“穴”など、普通の感性を持つ人間であれば、まず間違いなく近づくことはない。

 だが、少年の感性は常人とは異なっていた。

 

 少年はむしろ楽しそうに軽い足取りで“穴”に近づくと、その中を覗き込む。

 すると、何かを感じたらしく、にやりと口の端を吊り上げた。

 

「匂うぜ。楽しそうなことが起こりそうな雰囲気がぷんぷん匂ってくるぜ」

 

 ヤハハと笑いながら、少年は躊躇いもなく“穴”の中に入って行くのであった。




という訳で、今回はここまで!
実を言えば、ネプテューヌに関係しない作品とのコラボでかなり緊張しています。
クロスオーバーにありがちなパワーバランスだとか、どのように話を展開していくのかとか結構悩んでしまいました。
さらに、現在本編執筆中なので、ユウ様には申し訳ありませんが更新も不定期になってしまうんですよ。
ですが、コラボ話も話の終着点までしっかりと作ってあるので、未完になることはなく9月中には完結する見通しです。
それでは、次回もお楽しみに!
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