超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
コラボの2話目がようやく完成しましたので、投稿していきますよ。
それでは、 少女達の出会い はじまります


少女達の出会い

 ――そこは、完全無欠に異世界である。

 世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。

 巨大な天幕に覆われた未知なる都市。

 その世界は、ほぼそれだけで完成されてしまっている。

 断崖絶壁によって明確な世界の果てが存在するこの世界は狭く感じてしまうかもしれないが、実際は恒星の表面積ほどの広大な土地が存在してる。

 それを可能にしているのは、この世界に住む様々な異能の力を持つ存在達である。

 この世界は修羅神仏、悪魔や精霊などと言った人智を越えた存在達が住む世界なのだ。

 しかし、だからと言って人間がまったくいないわけではない。

 この世界に住む一握りの人間達も、その身に常識では考えられない不可思議な力を持っている。

 来歴はそれぞれ違っているが、何らかの形で常識を越えた存在から“恩恵”を授かっているのだ。

 彼らはその“恩恵”をギフトと呼び、互いにそれらを競いあるゲーム『ギフトゲーム』の舞台として、世界を利用している。

 時に暇を持て余した神々が試練と称して開催し、金品や土地、利権、名誉、人間、はたまたギフトすら賭けて行われることもあるゲーム。

 勝者は全てを得ることができる神魔の遊戯、それこそがこの世界の全て。

 ――即ち、この世界は『ギフトゲーム』をするために存在するステージでもある。

 

 そんな世界に呼ばれた5人と2匹。

 突然、彼らの目の前にやって来た封書にはこう書かれていた。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』

 

 不思議な手紙に誘われ、異世界“箱庭”にやって来た5人と2匹は彼らを呼んだコミュニティ“ノーネーム”に所属し、ギフトゲームの主催者権限を悪用する“魔王”を打倒するために今日もギフトゲームに参加していくのであった。

 

 ……しかし、忘れてはならない。

 彼らの性格は異なるが、とある共通点が存在している。

 ――それは強大な力を持った“問題児”達であることだ。

 

 

*     *     *

 

 

「あーもう! 一体何処にいるんですか!?」

 

 早朝、1人の少女の叫び声が響いていた。

 少女は扇情的なミニスカートとガーターソックス、さらに頭に生えている2本の耳が相まってバニーガールのようである。

 名は体を表すという言葉通り、少女の名前は黒ウサギ。

 “箱庭の貴族”と呼ばれる月の兎の末裔である。

 

 黒ウサギは艶のある黒髪を振り乱しながら、必死に走り回っていた。

 その尋常ではない様子に、4人の人物と2匹の猫が近寄ってくる。

 

「朝から騒々しいわね。もう少し静かにしてちょうだい」

 

 うんざりした様子で黒ウサギに話しかける赤いドレス姿の少女、久遠飛鳥。

 黒ウサギによって箱庭に呼ばれた1人であり、戦後間もない日本からやって来た。

 

「騒音レベルで、とっても迷惑」

 

『お嬢の言う通りや』

 

 わざとらしく両耳を押さえているスリーブレスのジャケットとショートパンツを合わせている少女、春日部耀。

 その足元には自分と同じ日に生まれた三毛猫が不機嫌そうに鳴いていた。

 

「まあまあ、そんな風に言わなくてもいいんじゃないかな?」

 

 2人の様子に苦笑しながら宥めようとする青年、アベル・G・ファウンス。

 イーリス聖王国と呼ばれる国で軍師をしていた元軍人であり、剣や魔法を使うことができる。

 

「それで、そんなに慌てて一体何があったの?」

 

『また何か問題事でもあったの?』

 

 青い蝶の模様が描かれた藍色の帽子を被った少女、エル・メル・マータ。

 足元にいたシャム猫のコルルも、黒ウサギに事情を話せとばかりに鳴き声を上げていた。

 

「あー、皆様方おはようございます! 早速ぶしつけな質問をさせていただきますが、十六夜さんを見かけた方はいらっしゃいませんか!?」

 

「十六夜君? 今日はまだ見てないわよ」

 

「私も」

 

「僕も」

 

「エルも……って、全員見てないみたいだね」

 

 4人に気付いた黒ウサギは手早く朝の挨拶をすると、いきなり本題を話しだす。

 しかし、それぞれ順番に顔を向けて行くのだが、見事に一周して黒ウサギに戻ってしまう。

 つまり、誰も十六夜と言う人物を見ていないのだ。

 

「えっと、彼が一体どうかしたの?」

 

「どうかしたのじゃありませんよ!? 十六夜さん、昨日から帰って来てないみたいなんです!?」

 

 アベルが首を傾げながら尋ねると、黒ウサギは事態の深刻さを表すように大げさに両腕を振り回しながら叫ぶ。

 だが、必死そうな黒ウサギの態度とは違い、アベルを除いた3人はそんなに慌てていなかった。

 

「別に十六夜君が一晩帰ってこなかったくらいで騒がないでちょうだい。彼も小さな子供じゃないんだから、どうせすぐに帰ってくるわよ」

 

「飼い猫も外に出たっきりでずっと帰ってこないこともある。その内に帰ってくると思う」

 

「それって十六夜君が猫ってこと? あはは、何だかちょっと可愛く思えちゃうね」

 

 十六夜がいないことを肴に談笑する3人の様子に、黒ウサギの型は小刻みに震えだし、握った拳にも力が入ってしまう。

 やがて、火山が噴火するかの如く、黒ウサギはのんきな3人に対して声を張り上げる。

 

「もー、本当に大変なんですよ!! 十六夜さん、明日ギフトゲームに参加する予定なんです!!」

 

「はあ? 明日ギフトゲームに参加するなんて聞いてないわよ」

 

「当然です!! 明日のギフトゲームは十六夜さんが勝手に受けてきたんですから!! しかも、1人でやるって聞かなくて、楽しみが減るから皆様方には話すなと言われてたんです!! もしも十六夜さんが勝手にギフトゲームをすっぽかしたら、コミュニティ全体の信用問題に関わります!! ですから、皆様方も十六夜さんを探して来てください!! よろしくお願いします!!」

 

 いぶかしむ飛鳥に黒ウサギは目尻に涙を浮かべながら訴えた。

 決壊寸前の涙を指で拭うと、黒ウサギはこれ以上4人と2匹に付き合っていられないと、背中を向けて走り出す。

 砂埃を巻き上げながら走り去っていく黒ウサギを見送った4人は顔を見合わせて考えこんでしまう。

 

「……どう思う? 十六夜君がギフトゲームをドタキャンすると思うかしら?」

 

「ありえない。彼が1番ゲームを楽しんでると思う」

 

「エルもそう思うけど、何だかちょっと引っかかるかな」

 

「うん、十六夜君が自分勝手に動くのはいつも通りだけど、帰って来ないのはちょっとおかしいと思うな……仕方ない。僕も探しに行ってくるよ」

 

「あ、ちょっと……行っちゃった」

 

 十六夜の行動に対して違和感を覚えたアベルも黒ウサギと同じようにどこかに走って行ってしまう。

 止める間もなく行ってしまったアベルの後ろ姿が遠ざかると、飛鳥は腕を組みながら何かを思案する。

 

「そうね。案外、探してみるのも面白いかもね」

 

「何が?」

 

「決まってるでしょ? 暇つぶしがてら、私達で十六夜君を探してみないかってことよ」

 

 耀の質問に、飛鳥はにやりと笑って答える。

 頭の中で今日のスケジュールが空白だったことを確認した飛鳥は、言葉通り暇つぶしとして十六夜を探すことを楽しもうとしているのだ。

 

「と言うわけだから、あなた達はどうするの? 探さないでのんびりするって言うのなら、その子達だけ貸してくれないかしら?」

 

「三毛猫とコルルを?」

 

「何をさせるの?」

 

 三毛猫とコルルを指さす飛鳥に、2人はきょとんとしてしまう。

 理解していない様子の2人を見て、飛鳥は含みある笑みを浮かべる。

 

「――犬の嗅覚ほどじゃないけど、猫の嗅覚も人間より優れているのよね」

 

 

*     *     *

 

 

「――まったく、どうしてコイツまで一緒なのよ!!」

 

「まあまあ、ユニも落ち着きなよ」

 

 所変わって、ゲイムギョウ界のリーンボックスの草原地帯。

 ピクニックに来たはずのユニの眉間には深いしわが寄せられていた。

 不満をこぼすユニを隣で宥めるナナハも、その理由がわかってしまうため苦笑を隠せていない。

 

「ある意味で予想外だもんね」

 

「はい、まさか一緒に来るとは思いませんでした」

 

 ユニと共にラステイションからやって来たファルコムとフェルも、リーンボックスに来た時にネプギア達と一緒にいた人物の姿に驚いてしまったのだ。

 そのためユニの気持ちもよくわかってしまうのだが、その気持ちをどう言葉にすればいいのかわからず戸惑っている。

 

「やっぱり、変な空気になっちゃったじゃない。こんな奴、連れてくるんじゃなかったわ」

 

「でも、お姉ちゃんとミナちゃん、わたし達2人だけだと駄目って言ってた。それに、ピクニックは大勢の方が楽しいよ(にこにこ)」

 

 ユニと同じように嫌そうな顔をするラムとは対照的に、ロムはにこにこと笑って話題に上がっている人物と手を繋いでいた。

 

「あーもう、ネプギア! アンタがピクニックを計画したんでしょ! アンタはコイツの参加を認めるって言うの!」

 

「え、えええ!? ここで私に振るの!?」

 

「そうだね。ネプギアはどう思ってるの?」

 

 しばらくすると、ユニは我慢の限界を迎えたらしく、ネプギアを指さして大声を上げた。

 急に話を振られて戸惑うネプギアに、ナナハもユニと同様の質問を投げかける。

 決断を迫られたネプギアは焦りを感じ、慌てて周りにいる人達を1人ずつ見回してしまう。

 

「あたしはどっちでもいいから、ネプギアが決めなよ」

 

「ボクもギアお姉さんの好きでいいと思いますよ」

 

「ぜーったいに参加を認めちゃ駄目よ!」

 

「ネプギアちゃん、一緒に参加させてあげて(お願い)」

 

「え、ええっと、その……う、うーん……」

 

 無効票が2つ、参加を認めるのが1票、参加を認めないのが1票と多数決でも決まらない現状に、ネプギアは最終的にまだ答えていないユニとナナハに向かってすがるような目を向けてしまう。

 しかし、ユニは何も答えようとせずに鋭い目で自分を見つめるだけであり、ナナハも困ったように口元を緩めているだけで、ネプギアはどうしたらいいのかわからない。

 やがて、結論が出たようでネプギアは曖昧に笑みを浮かべながら、話題の人物へと話しかける。

 

「えっと、今日はよろしくお願いしますね――――――トリックさん」

 

「アクククククク、そう固くならずともよい。今日の吾輩はロムとラムの保護者であるが、ピクニックを楽しみにしている1人の紳士でもあるのだからな」

 

 ロムと手を繋いでいない方の手で胸を叩きながら宣言するトリックだが、ネプギア達の不安は消えない。

 

 犯罪組織が壊滅した後、トリックはマジェコンヌ達と違い、ギョウカイ墓場ではなくルウィーに移り住んでいたのだ。

 日々を教会の手伝いと保育士になるための勉強に費やしている。

 ……と言えば聞こえはいいのだが、実際はロムとラムの近くにいたいためにルウィーの教会に無理やり押しかけていた。

 追い返すのは簡単であるが、それはそれでルウィーの幼女達に危険があるのではないかと考え、ブランとミナはトリックを監視するために教会で保護しているのだ。

 しかし、そんな生活でもトリックは幸せそうに満ち足りた日々を送っている。

 今回もロムとラムの保護者として同行させるのはどうかとブランとミナも考えたのだが、女神候補生が中心となって集まったピクニックに自分達が行くのもどうかと思い、断腸の思いでトリックを派遣したのである。

 これにはトリックがロムとラムをペロペロしようとした時に、必ずネプギア達が止めてくれると言う信頼も含まれていた。

 

 ――だが、今回のトリックの目的はロムとラム以外にも存在している。

 

「……アンタの楽しみはアカリに会うことでしょうよ」

 

「そうだとも!! ああ、赤ちゃんから成長したと聞いたが、まだまだ歩くのもおぼつかない幼女らしいではないか!! 吾輩、今から会うのが楽しみ過ぎて……」

 

「やっぱり、帰ってくれませんか」

 

「な、何故!?」

 

 ぼそりとユニがつぶやいた一言に反応し、トリックはだらしなく頬を緩めだす。

 その姿を見て、ネプギアは即座に撤回してしまう。

 慌てるトリックにネプギアは強気に言い放つ。

 

「今日のピクニックでは、絶対にアカリちゃんやロムちゃん、ラムちゃんに手を出しちゃ駄目ですよ。それが守れないようなら、今すぐ帰ってもらいますからね」

 

「わ、わかった。手を出さないことは約束するぞ」

 

「……当然、舌だから大丈夫ってことにはならないからね」

 

「ギクッ!? ……な、何のことだラムよ」

 

 ネプギアの言葉に素直に従うように見えたトリックを不審に思い、ラムはジト目で見上げながら口を開いた。

 すると、トリックは大きく体を震わせ、ラムからそっぽを向いた。

 図星を指されて誤魔化そうとしているのが丸わかりな様子に、ネプギア達は肩から力が抜けてしまう。

 

「とりあえず、この辺りでいいんじゃないかな? 後から来る夢人君とアカリのためにも、そんなに遠くに行かない方がいいと思うしさ」

 

「そうですね。それじゃ、シートを広げ……」

 

「にゃ~」

 

「……え、猫?」

 

 空気を変えようと、ファルコムがぎこちなく口元を緩めながら提案すると、ネプギアもそれに従おうと、持ってきていたビニールシートを荷物の中から取り出そうとした。

 しかし、突然聞こえてきた猫の鳴き声に気付くと、全員辺りを見渡してしまう。

 最初に発見したラムが、自分達に近づいてくる3色の毛が生えている猫を見つけた。

 すぐさま近づいてネプギア達にも見えるように抱き上げると、ラムは首を傾げながら疑問を口にする。

 

「ナナハちゃん、この辺りって猫が普通にくる場所なの?」

 

「さすがにわからないけど、この猫はどこから来たんだろう?」

 

「にゃ~」

 

 ラムに抱きあげられている三毛猫の首の辺りをナナハがくすぐると、気持ちよさそうな鳴き声がネプギア達の耳にも届けられる。

 猫がどこから来たのかを全員で考えていると、誰かが走ってくるような足音が聞こえてくる。

 

「ようやく追いつい……って、あら?」

 

 声が聞こえてきた方をネプギア達が向くと、そこには3人の少女ともう1匹の猫の姿があった。




と言う訳で、今回はここまで!
うーん、やっぱり書きなれたネプテューヌ作品以外のキャラクターを書くのは難しい。
本編の方も書き終わるかなと思ってこの時間まで作っていましたが、無理でした。
コラボの方は合間を縫って今週中に2、3話あげられればいいと思います。
本編の方も2章が今週中に終わる予定ですので、上手く時間を作っていきますね。
それでは、 次回をお楽しみに!
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