超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編 作:ホタチ丸
1カ月以上ぶりに、番外編を投稿できました。
今回はバレンタイン編の準備編。
と言っておきながら、すでにバレンタイン当日だという。
それでは、 チョコレートクッキング はじまります
チョコレートクッキング
「ウェへへへへ……」
「……お兄さん、いきなり気持ち悪い始まり方はやめてくださいよ」
おっと、これは失礼。
明日のことを考えると、ついつい頬が緩んでしまう。
俺はカレンダーに赤丸印が付けられている明日の日付を確認した。
明日は2月14日、そう、男達の聖戦とも言える日だ。
明日を如何に充実して過ごせるかによって、残りの1年を幸せに過ごせるかが決まるのだ。
「……たかがバレンタインくらいで、そんなに浮かれないでくださいよ」
「たかがとはなんだ!! たかがとは!!」
フェルは何も分かっていない!!
バレンタインが1年のうちで、如何に大事な日なのかを!!
男は例え義理チョコでも、その日に貰ったチョコと言うだけで幸せになれるんだぞ!!
チョコなんて嫌いだって言う奴も、その日限定で甘いものを食べたいって思ってしまう魔法の日なんだよ!!
しかも、今回は好きな子ができて初めて迎えるバレンタイン!!
ネプギアからチョコを貰えるかどうか楽しみにしないで、どうするって言うんだよ!!
……うん、義理はくれるよね?
本命が欲しいなんて贅沢言わないから、義理は多分くれるよね?
やばい、ちょっと不安になってきた。
「急に俯いてどうしたんですか?」
「……いや、今更ながら本当にチョコ貰えるかどうか不安になってきた」
「はあ?」
いや、バレンタインって無駄にそわそわするじゃん?
チョコ貰えるかなって期待して、無駄に周りを気にするんだよな。
それで結局、誰からもチョコを貰えず、家に帰る途中で自分でチョコ買って食べるんだよ。
……うん、あれは甘いんだけどしょっぱくもあるんだよね。
「なに言ってるんですか、まったく」
フェルが呆れた目で見てくるが、俺にとっては深刻な問題なんだよ。
「そんなに心配しなくても、明日になればわかることじゃないですか」
そりゃ、ネプギアが優しいことは知ってるよ。
でも、最近忙しそうにしてたし、バレンタインなんて覚えてないかもしれないじゃないか。
……ああ、既製品でもいいから、明日ネプギアからチョコが欲しいよ。
* * *
「こ、これでいいんでしょうか?」
「はい、上手く出来てるですよ」
今厨房でネプギアとコンパがチョコ作りをしてるんだよね。
この視点は、わたしネプテューヌがプラネテューヌ教会からお届けするよ……なーんてね。
わたしはもしもゆっくんが厨房に近づいてきたら、あいちゃんと一緒に足止めする係りなのさ。
ネプギアがゆっくんに内緒にして、チョコを渡したいって言うから、お姉ちゃんも協力しちゃうよ。
でも、チョコ作りだけは勘弁ね!
わたしは食べる担当だからさ!
……ネプギアはわたしにもチョコくれないかな?
「なに物欲しそうな顔で覗き込んでんのよ?」
「いや、わたしの分は貰えるかなって思ってさ」
「……ネプ子、バレンタインって言うのは女の人が男の人へチョコを贈る日なのよ」
それはもちろんわかってるよ。
でもさ、友チョコって言うものもあるんだし、わたしが貰える可能性は無きにしも非ずって奴だよね。
それにネプギアのことだし、ユニちゃん達にもあげるんじゃないかな?
その流れで、わたしの分も作ってくれないかなって期待しちゃうんだよ。
明日貰えるチョコって言うだけで、なんか特別な気分になるんだよね。
わたしはチョコよりもプリンの方がいいけど、明日だけはチョコが欲しい。
……っと、そう言えば、あいちゃんはどうするのかな?
「ねえねえ、あいちゃんはゆっくんにチョコあげないの?」
「……あげないわよ。なんで、私がアイツにチョコなんてあげなきゃいけないのよ」
なーんか変な溜めがあった気がして怪しいなぁ。
これはもう少し追求してみようかな?
「あああ!? 焦げちゃうですよ!?」
「あ、あわわわわ!? は、早く火を消さないと!?」
「あ、慌てちゃダメですよ!?」
厨房から慌てた2人の声が聞こえてきた。
どうやらチョコが焦げちゃったみたいだね。
……ちゃんとしたチョコが作れるのかな?
「……まったく、何やってるんだか」
あいちゃんは呆れて携帯を弄り始めちゃった。
これじゃ、詳しく聞きだすことは無理そうだね。
……ネプギア、わたしは応援してるよ。
少しくらい焦げちゃってもゆっくんはちゃんと受け取ってくれるから、頑張るんだよ。
そして、できればわたしにもチョコをくれないかな?
* * *
「……うーん、ちょっと甘すぎるかもしれない」
私が厨房の前を通りかかると、ユニが何かを作ってる姿を発見した。
ボールに黒い、いや茶色かな? とりあえずそれを味見しながら、ユニは難しい顔で唸っていた。
「……もう少し苦くしてもいいかもしれない」
そう言って、何かを混ぜていく姿を見て、私は明日が何の日だかを思い出した。
ああ、明日はバレンタインだっけ。
それじゃ、ユニが作ってるのはチョコレートってわけね。
「……うん、これくらいでいい、かな?」
ユニは言葉とは裏腹に、どこか納得がいかなそうだった。
しょうがない、少し手を貸してあげますか。
「ユニ、ちょっといいかしら?」
「お、お姉ちゃん!? な、何の用!?」
「そんなに慌てなくてもいいじゃない……うん、美味しいと思うわよ」
私はボールに入っていたチョコレートを指ですくって味を確かめたけど、充分美味しい味だ。
これくらいの甘さなら、ちょうどいいんじゃないかしら?
「ほ、本当?」
「本当よ。それで、何に悩んでいるのかしら?」
「うっ……わかっちゃう?」
「当然よ。私が美味しいって言っても、どこか納得してなかったでしょ?」
ユニは自信がなさそうに俯いてしまった。
「……実は、このまま固めて渡すだけでいいのかなって思っちゃったんだ」
なるほど。ただチョコレートを渡すんじゃなくて、何かインパクトが欲しいってことなのね。
確かに、ただ固めただけのチョコレートじゃ、少し味気なくも感じる。
「アタシが渡す相手って、アタシ以外にもチョコレート貰うだろうし、これでいいのか不安になっちゃったの」
ああ、例の好きな相手に渡すのね。
確か、ナナハと同じ人が好きなのよね?
「……それじゃ、ケーキにしてみたらどうかしら?」
「ケーキ?」
「そうよ。チョコレートケーキ、それならいいんじゃないの?」
チョコレートケーキならインパクトもあるし、スポンジを作るのも難しいことじゃない。
「……うん、そうだね。チョコレートケーキにしてみるよ。ありがとう、お姉ちゃん!」
笑顔でお礼を言ってきたユニを見て、私も頬が緩んだ。
頑張りなさいよ、ユニ。
* * *
「ミナちゃん、次は何をすればいいの?」
「はい、そのままよくかき回しててくださいね」
「はーい! あ、ロムちゃんはチョコレートの型を用意しといて」
「うん、わかった」
今日は朝から、ロムとラムがチョコ作りをしている。
何でも夢人やわたし達に手作りで渡したいらしい。
そこで夢人の名前が出てくるあたり、2人が彼のことをどれだけ慕っているのかがわかるわね。
2人に料理なんて早いと思っていたけど、ミナが手伝っているのなら問題ないわね。
作っているのはホワイトチョコ。
普通のチョコとはちょっと違うけど、2人の希望により決定した。
「こんな感じで大丈夫?」
「ちょっと失礼しますね……はい、これで充分だと思いますよ」
「よかった……そうだ! お姉ちゃんも味見してみて」
そう言って、ラムがわたしにボールの中に入っているチョコを見せてきた。
わたしもミナと同じように、指ですくって味見してみたけど……うん、悪くないと思う。
「うん、美味しくできているわ」
「やったー! お姉ちゃん達にもあげるから、楽しみにしててね。よーし、型に流し込むよ、ロムちゃん」
「うん、いつでもいいよ」
そう言って楽しそうにチョコ作りをする2人の姿を見て、わたしは口元に笑みが浮かんだ。
楽しみにしておくわね、2人とも。
* * *
「……どうかな、ベール姉さん」
「もう少し甘めでもいいんじゃないでしょうか?」
わたくしは今、ナナハと一緒に厨房に並んでチョコレート作りをしていますわ。
明日はバレンタインとのことで、夢人さんにチョコレートをプレゼントするために、手伝って欲しいとお願いされました。
「でも、男の人ってあまり甘いのは好きじゃないんじゃないかな?」
「そうとは限りませんわ。それに、大事なのは気持ちですわよ」
「……うん、そうだね。もうちょっとだけ手伝ってもらえるかな?」
「もちろんですわ」
夢人さんなら、ナナハからのチョコレートをちゃんと受け取ってくれますわよ。
それに、夢人さんを慕う人は多いんですから、頑張らないといけませんわ。
今回、ナナハが作っているチョコレートはトリュフ。
ポピュラーなチョコレートではありますが、手作りで貰って嬉しいチョコレートですわ。
きっと夢人さんは喜んでくれますわよ。
さあ、ナナハが納得のいくまで付き合いますわ。
「大きさってこれくらいでいいの?」
「うーん、もうちょっと大きくしてもいいと思いますわ」
明日は頑張ってくださいまし。
という訳で、今回はここまで!
メインは次の当日編ですから、準備編はあっさりとしています。
当日編は、1人1人渡すシーンを書いていきます。
それでは、次回をお楽しみに!