超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 番外編   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
遅くなりましたが、バレンタイン当日編投稿いたします!
自分で買ったチョコを食べながら作りました。
……少し悲しい。
それでは、 スウィートデイ はじまります


スウィートデイ

「……ああ、遂にこの日が来てしまった」

 

 楽しみだったバレンタイン当日になったわけだが、俺の不安は増すばかりだった。

 

 ネプギアからチョコを貰えるかどうかを考えると、どうしてもそわそわしてしまう。

 

 まさか直接チョコをくださいなんて言えないし、悩んでいても仕方ないんだろうな。

 

 昨日フェルと話した後、それとなーくネプギアが何をしているのかを確かめようとしたのだが、ネプテューヌとアイエフに妨害されてしまった。

 

 ……まあ、俺がネプテューヌとのゲームに熱中し過ぎたことが原因なんだけどさ。

 

 それで、昨日は結局丸1日ネプギアには会えなかった。

 

 やっぱり、最近忙しそうにしてたことに関係しているのかな?

 

 普通はここでバレンタインのチョコを作っているのではないかと考えるのだが、そんな都合のいいことあるわけないよな。

 

「はあ……って、あれ? メールが来てる?」

 

 このまま部屋に居ても仕方ないと思い、出かけようとした時、机の上に置いてあったNギアのランプが光っていることに気付いた。

 

 確認してみると、メールが3件ほど来ていた。

 

「えっと、ナナハにロム、ユニから……って、全員内容同じ?」

 

 内容は、全員自分達に会いに来てほしいって書いてあった。

 

 で、でも、これってどこから行けばいいんだ?

 

 しかも、全員今日中に来てくれとも書いてあるし、俺は今日中にゲイムギョウ界を回らなきゃいけないってことか。

 

「……うーん、他の2人には悪いけど、メール順で行かせてもらおう」

 

 こうしている間にも時間は過ぎていくことだし、早く行かなきゃ今日が終わってしまう。

 

 俺は他の2人に遅れると謝罪のメールを送り、最初にメールを送ってくれた相手に会いに行くことを決めた。

 

 その相手とは……

 

 

*     *     *

 

 

「来てくれたんだね、夢人」

 

「ああ、待たせちゃったか?」

 

「そんなことないよ。むしろ、早いくらいだよ」

 

 私はリーンボックスの教会にやってきた夢人を笑顔で迎えた。

 

 私がメールを送ったのは昨日の深夜、朝目覚めて確認してここに来たと思えば、早すぎるくらいだ。

 

 夢人のことだから、ネプギアやユニ達からもバレンタインチョコを貰うだろうし、もう少し遅くなると思っていた。

 

「夢人はさ、今日何の日だか知ってる?」

 

「ん? バレンタインだろ?」

 

 あ、そう言うこと言うのはデリカシーないよ。

 

 わざわざ聞いてきたということは、私がチョコを渡すことくらい察して欲しかったな。

 

 もしかして、もうネプギアからチョコを貰っているのかな?

 

 そう思うと、やっぱり悔しいな。

 

 チョコをあげるのは何番目でもいいって思っていたけど、私も早く渡したかったのに。

 

 っと、それよりも私もチョコを渡さないとね。

 

「はい、夢人」

 

「え、もしかしてこれって……」

 

「うん、バレンタインのチョコ」

 

 夢人はそれを受け取ると、体を震わせ始めた。

 

 どうしたんだろう?

 

「ほ、本当に俺にチョコくれるのか?」

 

「う、うん」

 

「……や、やったー!! 初めて女の子からチョコ貰えた!!」

 

 え? 初めて? ネプギアじゃなくて、私が初めて?

 

 夢人は私が渡したチョコを両手で頭上高く持ち上げて、とびっきりの笑顔で喜んでいる。

 

 ……そうか、私が夢人に初めてのチョコを渡した相手か。

 

「ふふふ、喜んでくれてよかったよ。頑張って作ったかいがあったよ」

 

「作ったって……まさか手作り!?」

 

「当然だよ。私の本命チョコなんだから」

 

 初めて好きな相手に渡すチョコを既製品で済ますわけないよ。

 

 私の愛情をたっぷり込めて作ったんだから。

 

「もしかして、夢人は私からチョコ貰えないとでも思った?」

 

 そう思われていたのなら心外だ。

 

 私の気持ちはそんな軽くなんてないよ。

 

 夢人を思う気持ちは、誰にも負けないつもりなんだから。

 

「あ、いや、そうじゃなくてさ、もしかしたら皆バレンタインのこと忘れてんじゃないのかって思ってたからさ。ネプギアも最近忙しそうにしてたし……」

 

 ……なるほど、ネプギアも夢人に手作りチョコを渡すつもりで頑張ってたみたいだね。

 

 でも、ごめんね。

 

 私が先に夢人にチョコ、渡しちゃった。

 

「それならいいよ。せっかくだから、ここで少し食べてってくれないかな?」

 

「ああ、じゃあ早速……」

 

 夢人が私がベール姉さんに協力してもらって作ったトリュフを食べた。

 

 ど、どうだろう?

 

 美味しいって言ってくれるかな?

 

「……うん、美味しい!」

 

「本当?」

 

「本当だって!」

 

「……よかった」

 

 私はようやく心から顔を綻ばせることができた。

 

 夢人に美味しいって言ってくれただけで、頬の緩みた止まらない。

 

「どう? 私の気持ち、伝わった?」

 

「ああ……でも、俺ばっかりナナハから貰ってばかりだな」

 

「そんなことないよ。ちゃんと貰ってるよ」

 

 だって、私が最初に夢人からいっぱい気持ちを貰ったんだもの。

 

 それに、私が夢人から欲しいものは罪悪感じゃなくて、愛情だよ。

 

「それに前にも言ったけど、私の輝きに夢中にさせてみせるからね」

 

 忘れないでよ、あなたに初めての本命チョコを渡した私のことを。

 

 ……大好きだよ、夢人。

 

 

*     *     *

 

 

 わたし達は今、教会で夢人さんが来るのを待ってる。

 

 少し遅れるって連絡があったから、わたし達以外の所に行っているんだと思う。

 

 ……悔しくないと言えば、嘘になる。

 

 わたし達も早く夢人さんにチョコを渡したかったから。

 

「遅くなってごめ……って、えええ!?」

 

「待ってました、夢人さん」

 

 教会にやってきた夢人さんは驚いた表情で、わたし達を見つめた。

 

 それも当然でしょうね。

 

 何たって、わたし達は今、合体変身してホワイトシスターになっているんですから。

 

 でも、どうしてもこの姿でチョコを渡したかったんです。

 

「な、なんで2人は合体してるんだ!?」

 

「その答えは、これです」

 

 わたし達はにこりと笑って、昨日作ったチョコを入れている包みを見せた。

 

「夢人さんにバレンタインのチョコを渡すためです」

 

「そ、それはわかったけど、なんでわざわざ合体なんて……」

 

 だって、夢人さんはいつまで経っても、わたし達のことを妹としてしか見てくれないんですもん。

 

 今日は夢人さんのことが好きな女の子として意識してもらいたくて、この姿なんですよ。

 

 好きな相手には、ちゃんと気持ちを届かせたいじゃないですか。

 

「はい、口を開けてください」

 

「え、なんで急に?」

 

「いいから、早くしてください」

 

 わたし達は、夢人さんが開けてくれた口の中に、わたし達が作ったホワイトチョコを入れた。

 

「んぐ」

 

「ふふ、味の方はどうですか?」

 

「……お、美味しいです」

 

 夢人さんは、わたし達にチョコを食べさせられるとは思っていなかったのか、頬を染めて視線をそらしてしまいました。

 

 これって、わたし達のことを意識してるってことなのかな?

 

 そうだったら、嬉しいな。

 

 きっとわたし達も、夢人さんと同じように頬が赤いはず。

 

 チョコを口に入れた時、夢人さんの唇に指が少し触れただけで恥ずかしかった。

 

 わたし達はその指を、そっと自分の唇に触れさせる。

 

 ……間接キスってことになるのかな?

 

 こんなことで喜ぶのは少し子どもっぽいかもしれないけど、別にいいよね?

 

 嬉しい気持ちを我慢する必要はないもん。

 

「残りはゆっくりと食べてくださいね」

 

「あ、ああ」

 

「ふふ、それじゃ失礼して……」

 

 わたし達は夢人さんに残りのチョコが入っている包みを渡すと、合体変身を解いた。

 

「ふふーん、夢人は嬉しい? わたしとロムちゃんからチョコを食べさせてもらえて」

 

「どうだった、夢人お兄ちゃん」

 

「……うん、美味しかったよ」

 

 夢人お兄ちゃんは、赤い顔のまま目を細めてほほ笑んでお礼を言った。

 

 その目には、わたし達のことを妹のように見ている視線もあったけど、そうじゃない視線もあるような気がした。

 

 ちょっとずるしちゃったけど、わたし達のこともネプギアちゃんのように好きになってね。

 

 わたし達の大好きなお兄ちゃん。

 

 ……ううん、大好きな人、夢人さん。

 

 

*     *     *

 

 

 ……夢人の奴、遅いわね。

 

 メールで会うのが遅くなるってことはわかってるんだけど、いくらなんでも遅すぎない?

 

 もう夕方よ。

 

 アタシがメールを送ったのは朝なのに、こんな時間まで待たせるなんて……

 

「い、いた。おーい、ユニ!」

 

 夢人がアタシのことを見つけて、慌てて駆け寄ってきた。

 

「わ、悪い遅くなった」

 

「本当に遅いわよ。今まで何をしてたのかしら?」

 

 わざわざアタシがラステイションからプラネテューヌに来てあげたのに、こんな時間まで待たせるなんていい度胸しているわね。

 

「と、途中までラステイションに向かってて、ユニからのメールに気づくのが遅れた」

 

「え、そうなの!?」

 

 って、夢人はアタシのせいで遅れたの!?

 

 アタシもしかしなくても先走った!?

 

 ち、違うのよ!? べ、別に夢人に早くチョコを渡したいだなんてこれっぽっちも考えてないんだから!?

 

「そ、それは悪かったわね」

 

 お、落ちつくのよ。

 

 今日は素直に夢人にチョコを渡すって決めてたじゃない。

 

 こんな時間だから、もう他の奴らもチョコを渡し終えているかもしれないけど、アタシのチョコが一番だって思わせるんだから。

 

「それで、ユニの用事っていったい何なんだ?」

 

「そ、それはさ、あの……」

 

 いざ渡そうって思うと、すっごく恥ずかしいわね。

 

 自分の声が段々と小さくなっていき、それを自覚すると頬が熱くなってくる。

 

 と言うより、夢人も察しなさいよ。

 

 今日はバレンタインで、女の子からの呼び出しなのよ?

 

 チョコを渡す以外の用事があるわけないじゃない。

 

 ……で、でも、指摘はしないで欲しいな。

 

 わがままかもしれないけど、何でも知ってるって顔でチョコを受け取られるよりも、喜んだ顔でチョコを受け取って欲しい。

 

 ええい、覚悟を決めなさい、アタシ!!

 

「こ、これ!!」

 

「お、おう……って、この箱は何だ?」

 

「ちょ、ちょきょれーちょよ!!」

 

 か、噛んだ!?

 

 大事なところを思いっきり噛んじゃった!?

 

 何やってんのよ、アタシは!?

 

「開けていいか?」

 

「す、好きにすれば!?」

 

「ああ……ケーキ? チョコレートじゃないのか?」

 

 チョコレートケーキに決まってるじゃないの!!

 

 今のアタシにそんな当たり前のことを確認しないでよ!?

 

 顔が熱くて、それどころじゃないんだから!?

 

「じゃあ、早速……うん、美味い。これってユニの手作りか?」

 

「そ、そうよ!?」

 

「いや、やっぱりユニって料理が上手いんだなって思ってさ。こんな美味しいチョコレートケーキ作れるんだからさ」

 

 そう言って、夢人は笑ってチョコケーキを食べ続けた。

 

 ……美味しい、か。

 

 それに、料理が上手いって思われてるんだ……

 

「ふふ、当然でしょ? 何たってアタシが作ったんだから」

 

 夢人からそう言われただけで、自分の料理に自信が持てる。

 

 夢人が美味しいって感じるのは、当たり前じゃない。

 

 アタシが……アンタのことが大好きな女の子の気持ちが詰まったチョコなのよ?

 

 チョコに入っている隠し味に気付いて欲しいなんて思わない。

 

 そこで素直になっても仕方ないからね。

 

 ……隠し味は、アタシの愛情なんだから。

 

 

*     *     *

 

 

「いやあ、気付けばもう夜だな……ってか、よく1日で回れたな」

 

 夢人さんが疲れた様子で教会に帰って来たのを、私は柱の陰から確認した。

 

 でも、疲れた様子とは裏腹に、夢人さんの頬は緩んでいる。

 

 きっと、私以外の人からチョコを貰えたんだよね。

 

 本当だったら、朝一で夢人さんにチョコを手渡したかった。

 

 でも、どうやって渡せばいいのか悩んでいるうちに、夢人さんは出かけていってしまい、帰ってきたのが今。

 

 ……う、うぅぅ、こんなことなら早く渡せばよかったよ。

 

 なんであの時、恥ずかしがって動けなかったんだろう。

 

 きっと夢人さんはナナハちゃんとロムちゃんからチョコを貰って来たんだろうな。

 

 しかも、2人とも本命チョコだし、今更私のチョコなんて欲しくないよね。

 

 で、でも、夢人さんに私も本命チョコを渡したいし……

 

「ネプギア? 何やってるんだ?」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 私が柱の陰で頭を抱えていると、夢人さんが不思議そうに声をかけてきた。

 

 ぜ、絶対変な子だって思われちゃったよ!?

 

 こんな柱の陰で頭を抱えているなんて、絶対に変だって思われた!?

 

「にゃ、にゃんでもにゃいですよ!?」

 

「い、いや、何でもなくは……って、それは?」

 

「へ? ……って、あああ!?」

 

 私は慌てて両手を振って、夢人さんに何でもないってアピールしたんだけど、それがいけなかった。

 

 私、夢人さんに渡すチョコを手で持ってたんでした。

 

 ……つまり、夢人さんに見られた?

 

 私がそれを自覚すると、顔が沸騰したみたいに熱くなった。

 

 み、見られちゃった!?

 

 ど、ど、どどうしよう!?

 

 ……え、で、でも、渡すんだから問題ないよね?

 

 ち、違うよ!? こんな私のチョコなんてもらっても夢人さんは喜ばないでしょ!?

 

 ……そ、そうだった!? は、早くこのチョコをどうにかしないと!?

 

 頭の中で意味のわからない自問自答が繰り返され、私は混乱しながらも夢人さんから逃げようとした。

 

「待った!!」

 

「ひゃっ!?」

 

 逃げようとした私の腕を、夢人さんは掴んで自分の方へと引き寄せた。

 

 その結果、私は夢人さんの胸に背中からよりかかる形に……あ、あわわわわわわ!?

 

 ど、どうしてこうなったの!?

 

 1度似たような形で抱きしめられたことがあったけど、その時とは状況が違いすぎる!?

 

 う、嬉しくないわけじゃないけど、このままじゃ逃げられないよ!?

 

「それってさ、チョコ?」

 

「……は、はい」

 

「そ、そのさ……誰にも渡さないなら、そのチョコ貰えないかな?」

 

 え? 私のチョコを欲しがってる?

 

 私は驚いて、夢人さんの顔を見上げると、夢人さんは私と同じように顔が真っ赤になっていました。

 

「ああ、いやもちろん、ネプギアがこれから誰かに渡す用のチョコなら別にいいんだけど……お、俺も、チョコが欲しいなって思ってさ」

 

「……そ、その、私なんかのチョコでいいんですか?」

 

「う、うん。ネプギアのチョコが欲しいんだ」

 

 そう言って、夢人さんは私から完全に視線を外して恥ずかしそうに耳まで真っ赤になっていました。

 

 私もそれ以上、夢人さんを見ていられなくて俯いてしまったんですが、口元が自然と柔らかくなっていった。

 

 に、にやけちゃダメ!?

 

 嬉しくても、こんなだらしない顔を夢人さんに見られたくなんてないよ!?

 

「……そ、その、よければどうぞ」

 

「い、いいのか?」

 

「は、はい。ちょっと苦いかもしれませんが、それでもよければ」

 

 私は俯いたまま、夢人さんの手のひらにチョコを一粒のせた。

 

 実はちょっとだけ焦がしちゃって、苦味があるかもしれないんです。

 

 ほ、本当ならもっとちゃんとしたチョコを渡したかったのに……

 

「い、いただきます」

 

「め、召し上がれ?」

 

 夢人さんの顔は見れないが、声は緊張していた。

 

 も、もしかして、チョコが不格好過ぎて引かれたかな?

 

 こんなことだったら、もっと頑張れば……

 

「美味しい」

 

「……え?」

 

「美味しいよ、これ」

 

 私は夢人さんの言葉が信じられなくて顔をあげると、夢人さんは柔らかい笑みを浮かべていた。

 

「それ、全部もらってもいいかな?」

 

「は、はい、どうぞ」

 

 残りのチョコも手渡すと、夢人さんは本当に嬉しそうに顔を綻ばせた。

 

「ありがとう、ネプギア」

 

 ……お礼を言うのは、私の方です。

 

 受け取ってくれて、ありがとうございます。

 

 私、今度はもっとうまく作りますね。

 

 そして、ちゃんとあなたに手渡させてください。

 

 バレンタイン、あなたに送る特別なチョコレート。

 

 気持ちをしっかりと伝えさせてくださいね。

 

 ……愛してます、夢人さん。




という訳で、今回は以上!
いやぁ、何とかバレンタイン当日に投稿できてよかったです。
どうしてもシチュエーションのバリエーションが少なくて、どういう形にしようかと悩みました。
そのせいで、全員まとめての形なり、さらに作りづらいという状況に……
うん、今回のことでよくわかりました。
イチャイチャは1人1話使わなきゃ、満足に書けないってことを。
それでは、これから本編の続きを執筆してきますので、遅くなりますがそちらもお楽しみに!
ではでは、失礼いたします。
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