インフィニット・ストラトス 黒と白の騎士 リメイク 作:オラクリオン
謝罪と弁明は後書きでします。
いろいろ言いたいことはあるがとりあえず我慢して、更識家の人たち四人と織斑家の人たち三人、そして兎をそれぞれ部屋へと案内し、俺も自分の部屋に戻り睡眠をとった。
翌日、朝六時に目が覚め、スーツに着替えると社長室へと向かう。社長室ではすでにスザクが仕事の準備を始めていた。スザクに礼を言ってから、本日分の書類を片付けようと仕事を始める。作業を進めていると更識楯無さんと布仏虚さん、そして織斑千冬さんが入ってくる。
「おはようございます、早いですね」
「おはよう、けど、私たちより早く起きて仕事をしてるあなたには負けるわ」
今日は書類が少なく、すぐに終わったので三人にお茶を出し俺自身もくつろぐ。今日の書類仕事は終わったので、スザクにはいったん下がってもらい、他の五人を待つ。しばらくすると更識簪さんが、半分寝ている布仏本音さんを引っ張りながら起きてくる。織斑兄弟もそのあとに続き、残るは兎だけとなった、が
「来ねぇ…」
いつまで待っても来ない。最初の三人が来てからもう数時間は経つぞ…
いい加減待ちきれなかったのか千冬さんが
「はぁ、仕方あるまい。私が起こして来よう」
そういって部屋から出ていく。しばらくすると千冬さんの怒声が響いてくる。おいおい、社員寮から社長室って結構離れてるんだけど…
それから少しして兎が千冬さんに引きずられながら姿を現した。その姿はまさしく狩人と捕獲された兎だった。
「ふえぇぇぇ、痛いよちーちゃん!」
「お前が起きてこないのが悪い!」
ようやく全員が揃い、話が始められる。自分のデスクに肘をつき、指を組む。いわゆるゲンドウポーズだ。
「それじゃ、話を始めましょうか」
「ああ、そうしよう。まずは更識、お前たちは一夏や秋十、黒崎社長を警護する目的でここにいる、ということでいいんだな?」
「ええ、そうなります。ただ、警護するならセキュリティが厳重な、アッシュフォード・コーポレーションの方が良いという事でここで警護することになりました」
確かに、自分で言うのもなんだが、うちのセキュリティは世界でもトップクラスだろう。ロイドやセシル、ラクシャータにニーナが頑張ってくれたから、そこら辺の会社が作ったセキュリティより断然すぐれている。
「わかった、では問題は…」
「「あんた(お前だ)、兎(束)!」」
「なんとっ!?」
後ろに雷が落ちたかのようなエフェクトが見えるぐらい驚く兎、いやそんなに驚くか?
「いやいや二人とも、束さんは問題なんか何も…」
「お前はいるだけで問題を引き起こすだろう!」
「俺のことをばらしたのも問題だ!」
「ショック!?」
再び先ほど同様のエフェクトが見えるぐらい驚く。まずい、話が進まない…!
「とりあえずそれは置いておいて、何の用できたんですか?」
「よくぞ聞いてくれましたっ! 理由は特にありません! 強いて言うなら面白そうだったからです!」
「昇竜拳!」
「ぐはぁっ!?」
俺はルルーシュと違ってジムで鍛えてる。トレーニングと特典で培った身体能力をフルに使い、無駄にウザいドヤ顔の兎に昇竜拳を叩き込む。しかし、兎は天井まで吹き飛ばされ天井に激突したというのに墜落の瞬間受け身を取ってすぐさま立ち上がる。そういやこいつ身体能力もハイスペックなんだった…
「ふざけんなテメェ!」
「ふざけてないよ! 束さんはいつでも真面目だよ!?」
「どこがだ!?」
「いい加減にせんか!」
千冬さんの一喝でピタリと止まる俺たち。千冬さんはそんな俺たちを見てハァッ、っとため息をつく。
「全く、これでは話が進まんだろう。束はもう無視するとして」
「ひどいよちーちゃむぎゅ!?」
「す・こ・し・だ・ま・れ」
「サーイエッサー!」
兎は千冬さんに抱き着こうとするが、あっさりアイアンクローで捕まり滅茶苦茶鋭い眼で睨まれ、アイアンクローが解かれるとすぐさま、軍隊張りの敬礼をする。
「それで、更識、私達はいつまでここに居ればいい?」
「そうですね…少なくとも世間が落ち着くまで、短くて1週間、多くて2週間と見積もって、その間はここに居て欲しいですね。すみませんが黒崎社長、お願いできますか?」
「部屋は有りますし、問題ありませんよ。ただ、社内を歩かれる時はお気を付け下さい。企業秘密など見られるとちょっとマズイので…」
今自分がとんでもなく威圧的な笑みを浮かべてるのがわかる。楯無さんと虚さんは一瞬体を強張らせ、すぐに警戒を始める。千冬さんは俺に対して少しの疑いを含んだ眼差しを向ける。兎は変わらず直立不動だがピシッ、としていた顔が、今はニコニコとした笑顔に変わっている。他の四人は俺の威圧感に気づいていないのか他の人たちを見て困惑している。
「わ、わかったわ、できれば何処は駄目とか教えておいてほしいのだけど?」
「ええ、それぐらいなら問題ありません。では詳細は後程お渡ししますので」
「さて、ほかに何か話すことはあるか?」
「ああ、それなら私から」
立ち上がり一夏君に近付き、彼の肩に手を置く。突然、肩に手を置かれて困惑している彼に自らの要件を伝える。
「織斑一夏君、君に我が社のテストパイロットになって欲しい」
「え…!?」
「「「!?」」」
「ど、どうして俺を? 俺より秋十の方が…」
「もちろん理由はあるさ。失礼ながら君と織斑秋十君の小、中学校時の身体能力のデータを閲覧させてもらった。結果、君の方が我が社の機体、「ランスロット」のパイロットに適しているのさ」
「え、そんなはず…俺は秋十と違って何にもできないし…」
「そう思うならそれでもいい、だが君の方が適している、という結果が出ているんだ。どうかな? 引き受けてはもらえないだろうか?」
あともうひと押しぐらいか、な。
「もちろんタダで、とは言わない。君は我が社の社員として正式に採用されたことになる。つまり、給料も出るし、我が社の社員特権も使える。」
「社員特権?」
「ああ、うちの社員は社内にある、大きめの購買みたいなところで売っているうちの製品を本来の価格の四割引きの値段で購入できるんだ。他にも、社員証を持って行けば、うちの系列の店を三割引で利用できる」
彼は自分に自信がない。それは今までの言動からも理解できる。『俺より秋十の方が』『秋十と違って何もできないし』この二つが決定的だろう。実際、学力テストや体力テストでは弟の秋十君の方が良い成績を残している。しかし、秋十君はどれか一つが特化しているのだ。確かになんでもそつなくこなす天才のように見えるが、それは一般の平均よりできるだけ、体力テストでも動体視力、瞬発力、反射神経は秋十君の方が良いが一夏君は全体的に平均を越している。周囲から見れば秋十君の方が何でもできる天才だが、本当は秋十君より一夏君の方が全体的に平均以上に熟すバランスタイプなのだ。そしてそれを彼は努力で手に入れた。もちろん才能もあっただろう。しかし、彼はまさしく努力が実を結んだ秀才といえる。だが、彼はそれを自覚していない。それが彼の自信の無さと直結しているといえる。故に彼は『家族の役に立ちたい』、という願望があるはずだ。世界最強の姉、天才といわれる弟。そんな二人に囲まれているがゆえに起きる恐怖、つまり『何もできない自分は家族に見捨てられるのではないか?』という恐怖と疑念。まぁ、あの二人がそんなことをするとは思えないが、僅かでも芽生えた見捨てられるのではないかという恐怖の沼に、就職し、さらに家計にも協力できるという希望という糸を垂らしてやれば…
「…わかりました。よろしく、お願いします…」
「ああ、歓迎するよ、一夏」
ほら、掴まった…
にっこりと笑顔を浮かべながら一夏に手を差し出す。それを一夏はおずおずと握る。さぁ、これで契約成立だ。
「ま、待て一夏! 本当にいいのか?」
「そうだよ一夏兄! そんな簡単に…」
「いいんだよ、この先こういうスカウトとかはいやでも来ると思う。だったら何にも知らないところより、此処の方が何倍もいいと思うんだ」
「へぇ…」
思ってた以上に、一夏はこの先起きることを想像できているらしい。貴重な男性IS操縦者のうちの一人、そんな一夏が企業にスカウトされないわけがない。うちは、この世界でも史上稀にみる、どの国にも所属しない無国籍企業となっている。とはいっても、すべての国の代表を一堂に集めた会議でいろいろな取り決めを行っている。『殺人をしてはいけない』みたいな、社会的、道徳的に反する事をしてはいけないということだ。そして、無国籍企業であるが故にどの国とも友好的な関係を築いている。うちに所属していれば手を出すことができない。もし誘拐などすればうちだけでなく、他の友好国からもバッシングを受けることになるのだから。
「それじゃ、改めて、よろしく、一夏」
「よろしくお願いします、黒崎さん」
「さすがにさん付けは堅苦しいな、剣でいい。それと敬語もいらないよ」
「わ、わかった、よろしく、剣」
「ああ、さて、他の方々も今日はこれで解散しましょう。後で立ち入り禁止区域の地図をお渡ししますので、それまで部屋に戻りお寛ぎください」
さて、これから『ランスロット』を一夏用に細かくセッティングしないとな。俺の『ジークフリート』もあるし、忙しくなる。
遅れてしまい申し訳ありませんでした!
リメイクしようと思ったらなんか矛盾点出てきて、考えてたらほかの作品のアイデアが浮かんで等々…
はい、すみませんでした、言い訳はここまでにします。
こんな作者の作品ですがよろしければお付き合い下さい。