ガルパ☆ピコの奇妙な冒険   作:4kibou

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漆黒の風
狙われたさーくる


 

 前回までのガルパ☆ピコの奇妙な冒険ッ!

 

「蘭ちゃん……私、目を覚ましたよ!」

「つぐみ……!」

「よかったなあ、つぐ!」

「心配したよー!」

「めでたしめでたしー……」

 

 仲間との絆で正気に戻った羽沢つぐみ!

 Afterglowは夕焼けのもとに五人揃った!

 

「それで、どうしてこんなことに」

「実はね、蘭ちゃん。かくかくしかじかで」

「そうなんだ……じゃあ行くしかないね」

「ああ、そうだな」

「うん、みんなで行こうよ!」

「いざー……」

「「「「「さーくるへ!」」」」」

 

 目標とされてしまったさーくる!

 だがしかし、たったひとりのスタッフはいまもなお外出中だった!

 どうなるさーくるッ!?

 どうなるAfterglowッ!?

 

「い……行かなくては……あの場所に……行かなくては……! 私の職場にッ!」

 

 逃亡(出勤)するまりな! だがしかしッ!

 彼女はとんでもないコトを見落としていたッ!

 

「――はッ!? ピックが……ピックがないッ!?」

 

 残念ながら彼女はまだまだ出勤できない!

 ガールズバンドたちを盛大に巻き込んだ無駄極まりない物語がさらに次のステージへと向かっていく!

 オチが徐々に見えてきたとか言ってはならないッ!

 なぜならスデにこのページを開く直前に君たちはオチを知っているッ!

 

「私の『さーくる』は……! 絶対に壊させない……ッ!」

 

 果たして月島まりなの願いは叶うのか――?

 

 

 

 ☆★☆

 

 

 

「Roselia……?」

 

 目を覚ました沙綾の視界に飛び込んできたのは、見覚えのある顔ばかりだった。

 

「話を聞かせてもらいたいわ」

「湊さん、まずは状況の説明を――」

「いいえ、紗夜。私たちは彼女に聞かなければならない。この現実の正体を。私の肩に突き刺さっていたこの――」

 

 そうして、彼女が差し出したモノにも沙綾は酷く見覚えがあった。

 

「それはッ!?」

「黄金色に光るピックのことを」

 

 友希那の指に挟まれたピックはたしかにそれだ。

 月島まりなの持っていた『スタンド』を覚醒させるピック。

 二個目、というのはいまの彼女の発言からして考えにくい。

 大体、まりなは沙綾がすでに焦がしてしまっている。

 ならばもしやそのピックは、正真正銘まりなの使ったピックなのか。

 

「その反応、知っているようね」

「……っ」

「教えてもらおうかしら。このピックの正体を……なぜ私たちに、こんな奇妙なモノが取り憑いてしまったのかも」

「奇妙な……まさか……!」

「――『ブラックシャウト』」

 

 瞬間、沙綾の目の前で思いっきり空気が叫んだ。

 とてつもない風が室内に吹き抜ける。

 突風なんて比じゃない。

 なにせそれには作り出した音の衝撃が加わっている。

 まさしく〝シャウト〟――そう言うに相応しいものだった。

 

「……これが……」

「ええ……可愛らしいでしょう」

「え?」

「なんでもないわ」

 

 〝――友希那(I) (Love) (cat) !〟

 花火と共に打ち上げられる感情の波。

 そんな内心が見えたような気がしたが、気のせいだった。

 たぶん、そうなのだろう。

 

「(猫っぽい……見た目のスタンド……)」

「さあ、教えてもらえるかしら」

「まあまあ、友希那落ち着いて。とりあえず、クッキーどう?」

「あ、どうも――」

 

 ――じゃ、ない。

 

「……いま、どこからクッキーが……?」

「?」

 

 たぶん、そうなのだろう。

 

 

 

 ☆★☆

 

 

 

 結論、山吹沙綾はRoseliaと行動を共にするコトになった。

 

「要するにこのピックを守りながらさーくるへ行けばいいのね」

「なんか楽しそうじゃん!」

「この謎を解くためにもそれが最善でしょうね」

「頑張ろうね、りんりん!」

「う、うん……」

「(流石Roselia……)」

 

 ごくり、と生唾を呑み込む沙綾。

 

「(……ぜんぜん動揺してない!)」

 

 動揺とかなんかもうそういうレベルじゃないことを彼女は知らなかった。

 

「それじゃあ早速……いくわよ!」

 

 ザン! と揃って踏み出す五人プラス一人。

 薔薇の進撃は発酵少女をともなって幕を上げる――!

 

「ところで蘭は……?」

「美竹さんなら彼女のバンドメンバーに預けたわ」

「(あ、無事だったんだ……)」

 

 無事どころかその頃の蘭はラーメンとの一騎打ちをしている最中だった。

 

「とりあえずこのピックは私が持っておくことにするわ」

「……あの、ところで」

「今度はなにかしら」

「まりなさんは……?」

「どこかへ行っていたわ。焦げていたけれど」

「(無事だったんだ……!?)」

 

 無事どころかその頃のまりなは這ってでも職場へ行こうとしていた。

 

「なら、まりなさんがまた襲ってくるかも……たぶん、ピックを狙って」

「そこまで警戒することかしら」

「その、まりなさんの能力が――」

「いいえスデにッ! 『CiRCLE』ッ!!」

「「「「「「!!」」」」」」

 

 ピタリ、と止まる周囲の音。

 動かない体。

 この中で誰よりもその感覚を知っている沙綾が、一瞬で気付いた。

 

「(そ、そんな……! こんなにも早く……!?)」

「(これは……)」

「(あ、あれ? 声が……)」

「(体が……動かない……?)」

「(フフフ……我が魔眼の秘められし力が……あれ? 違う?)」

「(音が……止まって……?)」

「この私を……月島まりなを侮ってもらっては困るのよ……」

 

 ふらり、と電柱に寄り掛かりながら現れたまりなが笑う。

 ズルズルと片足を引き摺る姿はまさに完全回復とはいかない様子だった。

 その腕も、少々人間とは思えない形で留まっている。

 つまるところパンのままだった。

 

「山吹沙綾……あなたに堅焼き(・・・)にされたこの足の恨み……忘れたわけではないわ……!」

「(堅焼きっていうか焦げてますまりなさん……)」

「まずはあなたからよッ! くらえこれが『サークル』の力ッ!!」

 

 バゴンッ、と打ち抜かれた沙綾の体がぐらりと持ち上がる。

 それを必死で堪えながら、彼女はぐっと拳に力を入れようとして――

 

「同じ失敗はくり返さないッ! 反撃など無駄無駄無駄ァーーーッ!!」

「ッ!?」

 

 拳の連打は呆気なく沙綾の体を吹き飛ばした。

 凄まじい威力が止まった音のなかで体へと響いていく。

 ――それは、引き絞られたクロスボウのように。

 

「そして音は響き出す……」

「うッ――!?」

「!!」

 

 民家の壁を三枚、四枚、五枚と突き破りながら少女が飛んでいく。

 遠くまで届く破壊音がいまの衝撃の凄まじさを物語っていた。

 

「――別れるわよ!」

「オッケー……!」

「分かりました――宇田川さん! 白金さん! 急いで!」

「行こう、りんりん!」

「きっ、気を付けてくださいっ……!」

 

 一瞬で散開するRoseliaの面々。

 さながら訓練を受けた軍隊のような動きっぷりは、敵であるまりなも思わず目を見開くほどの手際の良さだった。

 

「流石ね、Roselia……けれど、もう遅いわ……誰がピックを持っていようと……ひとりずつ……そうひとりずつ……私の『サークル』で倒す……! もはや油断はしない! 慢心もない! 月島まりなの心にあるのは勝利への渇望だけよォーーーッ!!」

 

 ふと、青空が夕焼けに変わった。

 それこそが開戦の合図である、とまりなは悟った。

 

「遠慮なく行くわ……所詮はPoppin‘Partyと比べるまでもない後発のスタンド使いたち! Roselia畏れるに足らずッ! 止まった音の世界ではなにもできまい!!」

 

 フハハハハハハ――! と高笑いをするまりなが、ゆっくりと歩いていく。

 

 

 

 ――ガルパ☆ピコの奇妙な冒険ッ!!

 

 第三部ッ!

 

『漆黒の風』

 

 運命は、次第に彼女たちを引き合わせていく――!

 

 

 

 ☆★☆

 

 

 

「(危な、かった……!)」

 

 その場から後方へ約五百キロの地点。

 山吹沙綾はこんがり焼けた機材にもたれかかりながら、なんとか生き延びていた。

 

「(私のスタンドでパンにしなきゃ、今頃死んでいた――!)」

「さ、沙綾ちゃん……!?」

「彩先輩……?」

 

 ――そう。

 運命は、引かれ合うのであるッ!!




>第三部
別名『まりなさんをいじめる会』

>こんがりまりなさん
めっちゃwww焼けてwwwますwww

>こんがり機材
めっちゃwww(ry撮影スタッフ涙目

>結局どうなってんの?
みんなでさーくる行こう!(彼女たちは狂っていた)

>ブラックシャウト
たーとーえーあすーがー

>なるほどつまり意味が分からんぞ
正直書いてる私自信も分かってない(え
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