前回までのガルパ☆ピコの奇妙な冒険はッ!?
「ぐわーやられたー」
「勝ったわ」
「やったね友希那!」
ラスボス――月島まりな撃破ッ!
だがしぶとい!
彼女の執念はもはや野良犬のソレを大きく上回っているッ!
いいえ――まさしくハイエナのようにッ!
「急がなくては……! とにかく『サークル』へと行かなくては……!」
バンドガールたちからの猛攻を避けて彼女が職場へ辿り着くことはできるのか!?
「(ところで湊さんの出番が長くないかしら)」
「(友希那さんカッコイイ!)」
「(ネコ、たまらないんですね……)」
出ずっぱりだった美竹蘭とは比べるまでもないのでそこはご愛敬。
物語は逃げるまりな、追いかけるRoseliaという構図へと変化していく――!
「ところで麻弥ちゃん。私、思うのだけれど」
「な、なんですか千聖さん!?」
「このままでは私たちの出番が恵まれないわ」
「アヤさんは無事なんでしょうか……」
「あっ、おねーちゃん!」
いまだ浮遊中のPastel*Palettes!
しゅわしゅわはじけた気持ちが空へと舞い上がる!
「繋がらない……市ヶ谷さんに繋がらない……!」
「それにしても、どうして怪我が治ったんだろう……」
「それはね、はぐみのコロッケを食べたからだよ!」
「はぐ!」
「かーくん!」
「ああもうこれだからツッコミ役はッ!」
「み、美咲ちゃんしっかり……」
星の鼓動がすべての上に立つ。
さあ――
あれこそは
夜空の光、暗闇のなかに響く
バンドガールにおいて至上と称され、
一つの王国より希少と値付けられた
〝あれが――
☆★☆
月島まりなは激怒した。
必ず、かの邪知暴虐のガールズバンドを倒さねばならぬと決意した。
まりなにはRoseliaが分からぬ。
まりなは、ライブハウスのスタッフである。
ガールズバンドと接し、少女たちと楽しく仕事をしてきた。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
――しかしてそれが邪悪であるものか。
「!?」
がくん、と走り続けていたまりなの足が囚われる。
突然のことだった。
突然すぎてなにが起こったのかも正確に理解できない。
脳裏によぎった言葉は一瞬で否定されるべきものだ。
ここは街中だ。
決してそんな想像があってはならないコンクリートジャングルの真っ只中にある。
だがしかし、まりなの身に起きた変化はそうと言うしかない。
――まるで
「なッ……何ィーーーッ!?」
川でなければ湖か。
それとも悪夢のような底なし沼か。
ずるずる、ずるずるとまりなの足が引きずりこまれていく。
ゆっくり、ゆっくりと。
冥府へ落とす死神のように、
クモの糸にすがる亡者達のように。
「なんなのよこれはッ!? 馬鹿なことがッ!? こんなッ!! うおおおおお『CiRCLE』ッ!!」
だが、引きずりこむ影は止まらない。
「そんなッ!? う、ウソよ! どうしてこうも容易く! いとも簡単にッ! 私の止まった音の世界がーーー!?」
音が止まってもそれになんら影響はない。
考えれば至極簡単なこと。
なにせ影に音なんて必要ない。
影の向こう側なんてあるかも分からない場所に音の在処は不明だ。
まりなの『CiRCLE』で止められるのは音だけだ。
その付随効果として他者の動きやスタンドの停止が働くのであって、時間自体を止められるワケではないのである。
だからこそ弱点がある。
隙をつかれる部分は生まれる。
得てして、Poppin‘Partyとの戦いではそこまで攻められなかっただけ。
「く、くぅっ!? ダメ、音は響くっ! 止めている場合ではないッ! 『サークル』ッ!! 私を引き抜きなさいッ!!」
「――わらわは影、真なる闇」
「!!」
ばっ、と反射的にまりなは顔をあげる。
「ククク……!」
「あ……あなたはッ!?」
カッと日光をバックにブロック塀の上に乗った少女が笑う。
見間違いでなければその少女には黒い翼が生えている。
紫色のどす黒い霧が身を囲むように渦巻いている。
――否、それは本人自身によるものではない。
「(す、スタンド――!)」
「見つけたよまりなさんっ!」
「あ、あこちゃん危ない……」
「とうっ!」
ブロック塀から飛び立った宇田川あこを、側に居た白金燐子がすんでのところで受け止める。
凄まじく無理をしている様子だった。
「我が『スタンド』に勝てるハズはない……いざ漆黒の闇に包まれて――」
「えっと……情報のために、ごめんなさい……足止めさせて、もらいます……!」
「ふたりで……挑もうというワケね……!」
――だが、何人で挑もうと同じこと。
本体が出たのなら話が早い。
まりなの『サークル』は彼女以外の自由を許さない音の停止がある。
ならば勝機は十分なほどに残されていた。
「しかしこの程度ッ!」
「あっ!」
「っ……!」
「影に引きずりこむですって!? その程度のスタンド能力じゃあ私には――」
「させないよ!」
「――なんッ!?」
ずるり、と広がった影がまりなの足下で蠢く。
はじまりは影だと思っていた。
実際にそうでもあった。
だが違う。
この能力の本質は違う。
これは、まさしく――
「あこの闇は変幻自在……どんなところにも広がる……そして!」
「わ、わたしの……す、『スタンド』は……狭間に……潜んでいます……!」
「友希那さんから聞いたまりなさんの能力も闇のなかじゃあ関係ないっ! あことりんりんなら止まった音なんてへっちゃらなんだよ!」
「覚悟……して、ください……!」
「本当に……Roselia……ッ、厄介なスタンドを……!!」
がしん、と闇の中から這い出た腕がまりなの足を掴む。
いくら不利になろうと、いくら追い詰められようと、音を止めてすべてを乗り越えられた今までとは違う。
明確に打ち破ろうとして準備した先ほどの一戦とも違う。
音の停止が通じない。
よもや、まさか、そんな相手がこの世に存在するなど――!
「だがッ! この程度で月島まりなを止められると思っているなら笑いものよ! ふはははははは! 行くわ『サークル』ッ!!」
「そんなの無駄――」
「いいえあなたたちがッ! 無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーッ!!」
「「!?」」
まりなの出したスタンドが容赦なく彼女自身を殴りつける。
音を止めるだけが『サークル』の脅威ではない。
それは戸山香澄の歪んだ星に追い付くともわずか届かなかった屈指の性能だ。
人ひとり、ましてやほぼゼロ距離に近い位置なら人体など容易く吹き飛ばせる。
「ま、まりなさんが……!」
「自分から……飛んで……!」
「これが逃走経路よォーッ! 引き摺り込むですって!? どうやら、白金燐子ッ!! あなたのスタンドにそれほどのパワーはない! そして広がる闇にも人を引き込む力はないと見たわ!」
全身から血を流しながらぶっ飛んでいくまりなが叫ぶ。
所詮は彼女の体など半分以上がパンになっているブレッドマンもどきだ。
少ない人間としての部分などパンが補ってくれる。
イースト菌は偉大。
「そして間髪入れず『CiRCLE』ッ!! 音よ止まれェーーーッ!!」
「!!」
「っ……!」
ぴた、とふたりの動きが止まる。
まりなは近くの電信柱を掴んで体勢を立て直した。
すでに止まった音のなかで、彼女の動きを阻害するものはいない。
「フフフ……さっきはちょっぴり取り乱したけど……所詮はスタンド。この私の世界に入門することなどできるはずがないのよ……そう、例えるなら運命を取り巻く『円』の中心に私がいるかのように……『
「……!」
「(あこちゃんが目を輝かせてる……)」
「故にッ! ここですこしでも有利に立ち回っておく! Roselia! たしかに手強いけれどそれだけよッ! 私の、この、止まった音のなかで――」
ガシッ、と。
「――なん、ですって?」
その手は、たしかに。
停止した音のなかで、まりなの首を掴んだ。
「うぐぅッ!?」
「――隙間、です」
「!! りんりん!」
咄嗟の攻撃にたまらず音の停止が解かれていく。
そのなかでも不変であるのはまりなと、彼女の『サークル』と、もうひとつ。
黒衣に包まれた顔のない魔女が、細い手指でぎりぎりと首を締め付けている。
「音の隙間……時間の……隙間を……縫う、ように……合わせる、ように……わたしの……す、『スタンド』……は、動いてます……」
「なる、ほど……! 私の世界で動くのではなく……まさか、居るべき場所……次元……そのものが、違う、とは――!」
「……いくよ、あこちゃん……!」
「もちろんっ――ここからが……わらわたちのステージ……だよ!」
黒い翼が広がる光景を、淀む意識のなかでまりなはしっかりと視認した。
>まりなは激怒した
走れまりな(なお足はパン)
>お馴染みのふたり
もうコンビで出すしかないじゃんと思った(話数)
>魔女と翼
雑ですね実に雑ゥ!
>追い詰められるラスボス
だからいじめる会だとあれほど……
>サークルくん弱点ボロボロ出てきて草
うn