夢遊び   作:とある世界のハンター

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1ヶ月って経つのめっちゃ早いんやなって


第4話 裏道にはギャングが住んでいる

 

 

 

 

 

 

「ラベ!!」

 

 最初の仲間は...新種だな。河童っぽい見た目で腹には罰点が付けられてる。こんな時はコレ、ポケモン図鑑だろ。

 

「カワラベ。カッパポケモン、水タイプ...か。ニョロモと同じく内蔵が浮き出ているのか」

 

 内蔵が浮き出てお腹の模様になってるとかあったなそんな設定。完全に忘れてたぞ。

 

「ラ〜...ベー!!!」

 

「おっと、躱せ!」

 

 口から多量の泡を吐いてきた。これは"あわ"か?数は多いが命中精度はあんまりだな。風魔(リープン)も見てから躱せてるし、タイプ相性も有利。最初の一匹は楽に捕獲出来そうだな。

 

「泡を躱しつつ近付け!"ひっかく"だ!」

 

「プッ!」

 

 カワラベの攻撃速度よりも風魔の速さの方が勝っているのは目に見えて分かった。見る見るうちに近づいてくる風魔に焦ってカワラベは射出量を増やすが...下手な鉄砲かずうちゃ当たる、なんて事はねぇんだよな。

 

「ラベッ!?」

 

「うし」

 

 先ずはワンヒット。だけど裏道の強い個体ならまだ体力は残ってる筈...

 

「休ませるな!連続で"ひっかく"!」

 

 どの程度ダメージを与えればいいのかの勝手が分からないが、これは適当でいいか?いや、ポケモンに訊いてみるのがまだ正確か?

 

「風魔、カワラベの体力がどの程度残ってるか分かるか?」

 

「プー...」

 

 なるほど分からないらしい。仕方ない、目視で何とかギリギリラインを測るか...いや無理だわ。

 

「ベェッ!!」

 

「プ!?」

 

 おっと、目を離した隙に風魔が1歩下がっていた。カワラベは息を切らせながらも、その眼で確りと風魔に狙いを定めている。何をした?風魔には別段目立った傷は無いし、低威力の技を受けて下がったと言ったところだろうか。ならば恐れる事は無い。

 

「攻撃を続けるぞ風魔。タイミングを見て相手の懐に潜り込め!」

 

「プッ」

 

「ラベッ!ラベッ!!」

 

 ん?頻りに短い腕を振るってんな。"はたく"とかそこら辺の技か?

 

「リプ!?」

 

「吹っ飛んだ!?嘘だろ!?」

 

 高々"はたく"。されども"はたく"。突っ込んだ風魔をタイミング良く捌いたカワラベの意気揚々とした目が腹立たしい...あの野郎、最初からこれを狙ってやがったな?なるほど、インファイターって訳か。

 

「風魔、ここからはアウトレンジで戦うぞ。一旦距離を置いて"かまいたち"だ!!」

 

「ラベッ!ベッ!ベッ!」

 

 よしよし、カワラベのリーチは短いから離れれば"かまいたち"の溜めの時間は埋まりそうだ。カワラベはあまりその場から離れる気は無さそうだし、得意分野には持ち込ませずに済むだろう。

 

「べェエエ工!!」

 

 "みずでっぽう"か!序盤でこんな技覚えてんのかコイツ...だけど、タイプ相性の関係で半減できるからダメージは気にしなくてもいい。次に俺がすべきなのは...捕獲の準備か。ボール構えとくか...

 

「プゥン!」

 

「溜まったか、放て!"かまいたち"!!」

 

 風の刃は一直線にカワラベ目掛けて飛んでいく。"みずでっぽう"も切り裂いて、そのまま...

 

「ベェッ!!」

 

「当たった!うし、いけっモンスターb「ヌッキー!!」っぶね!!」

 

 コイツいきなり"たいあたり"してきやがった!しかも人間の俺に!!人間に!!!野生怖っ!!!怖すぎかよ!!

 

「風魔、とりあえずこの狸野郎に"だいせいちょう"!!」

 

 ほぼほぼ瀕死のカワラベは一旦放置だ!先ずはこの暴れん坊な狸野郎をぶっ飛ばす!!水を被ってる事から察するに、逸れた"みずでっぽう"の被害者か?まぁいい、その前に図鑑で確認だな。

 

「タダヌキ。こだぬきポケモン。ノーマルタイプ。複数の群れで行動する...か。ん?待てよ...って事は...」

 

「ヌキキ!」「ヌッキ!!」「ヌッキー!」「タヌキ!」「ヌキ!!」「イシシ!」「ヌキー!!」

 

「今種族違うやついたろ!!どいつだ!!」

 

 って言ってる場合じゃねぇ!!!不味い不味い、クソっさっき出会ったタダヌキは単独行動してたやつか!こうなる事が分かってたら戦闘する場所も考えたんだけどな!!クソが!!

 

「プー!!!」

 

「風魔!!」

 

 質の風魔より量のタダヌキの方が押してんのか!何匹いんだよコイツら!!数匹吹っ飛ばしてもそれ以上の数が攻めてくる!!

 

「ベッ!ベッ!」

 

 カワラベも得意のインファイトに持ち込んで応戦しているが、あの体力じゃスグに倒れるだろう...考えろ考えろ。今この状況を打破する術を!

 

「「「「「ヌッキー!!!!!」」」」」

 

「ゔっ...!!!」

 

 もしかしてこれ"なきごえ"か...!?そんな可愛らしいもんじゃねぇぞ、動けねぇ...!!耳塞いでても鼓膜がイカれそうだ...!風魔もカワラベも俺と同じく耳を抑えて蹲っている。タダヌキ達は自身の"なきごえ"で相殺している感じか...?野生にしては中々のコンビネーションじゃねぇかよちきしょう...!

 

「リイィィィンン!!!」

 

「!」

 

 今度は山羊か!!アイツはさっきも見たぞ!!今のは"たいあたり"か?タダヌキの群れの一部をたった一匹で吹っ飛ばしやがった!アイツ絶対強ぇ!

 

「カプリン。ヤギポケモン。はがねタイプ。角は折れても生え変わり、その度に硬く鋭くなる、か。はがねタイプね。いいね、益々唆られるな。風魔、アイツ捕まえるぞ。............風魔?おい風魔!!」

 

「...プー......」

 

 えっ、めっちゃぐったりしてる...疲れた?もしかして疲れちゃった?まさかこのタイミングで!?戦闘中だぞ!!!?

 

「風魔!ちょっと起きろ!!クソっ、とりあえず退散するk「ックルー!!!」またか!!」

 

 今度はムックルの群れか!俺達を見つけるや否やこっちに突っ込んできやがった!

 

「風魔!!」

 

 ...は、とりあえず抱きかかえて回収。さてさて、不味い事になったぞ。俺たちの周りじゃムックルsとタダヌキsがあちこちでバトってるせいで逃げようにも逃げらんねぇ。つまり四面楚歌って訳だ。

 

「ベェ〜!!」

 

 おっ、まだカワラベ戦ってんのか。"みずでっぽう"がタダヌキの一匹目掛けて飛んで...別のタダヌキに防がれた。つかあの狙われたタダヌキ最初に水ぶっ掛けられたやつか?なんで狙われたんだ...?単純に既に喧嘩吹っ掛けたやつだからか?

 

「ムックー!!」

 

「っぶねぇな!」

 

 俺まで標的なのかよクソが!この体じゃ風魔抱えて動くのすらキツいってのに!

 

「プー...」

 

「動けるか風魔?つか動け!ホントにヤバいって!!」

 

 あーもー!風魔もこんな調子だし、んな時に他の手持ちがいればこの状況もまだ変わると思う...ん?

 

「ベッ!」

 

「あー...いたわ。すぐ傍に」

 

「ベッ!?」

 

 さぁ、いい感じに体力の削れた子はどんどんしまっちゃおうね〜?

 

「ほい」

 

「ベッ!」

 

 放ったモンスターボールがポケモンに当たって仕舞うこの仕組み、どうなってんだろうか...気になる。

 

 にしても俺、投げるのは得意じゃないんだけどな。少し遠めのカワラベにボールを当てることが出来た。ボールはそのまま放物線を描いて地に落ち、ゲームと同じようにフルフルと一定のリズムで揺れ動き始める。

 

「とりゃぁ!!!」

 

 ボールからカチッと音が鳴る前に既に動いてしまったが、カワラベのボールを手にした時にはキチンと閉まっていた。さて、反撃を始めようか...

 

「カワラベ...河童、インファイト...カイト、魅渡!頼んだぜ、魅渡(カワラベ)!」

 

「ベッ!!」

 

「風魔!お前もだ!」

 

「プー...」

 

「魅渡は"みずでっぽう"でカプリンに攻撃!風魔も"だいせいちょう"でカプリンを拘束!!」

 

 さ、先ずは戦力増強だ。さっきから手当り次第に暴れまくってるカプリン、明らかに血の気が多い...ツつまり、攻撃を当てれば

 

「カップウゥゥ!!」

 

 こっちに意識が傾く。そしたらこっちに突っ込んで来る...そこで動きを封じればサンドバッグの完成って訳だ。

 

「風魔は"だいせいちょう"で外敵からカプリンを守れ!魅渡は"はたく"でカプリンを削れ!」

 

「ラベッ!」

 

 さて、じゃあ次の一手だ。ムックルとタダヌキ、コイツらをどう対処するかだが...一瞬カプリンで全員ぶっ飛ばすとか考えたけどさすがに無理か。こういう群れと群れの戦いはどうするんだ...?

 

「ヌキキッ!」

 

「「「「「キッ!」」」」」

 

「「「「「キィィィィィィ!!!!」」」」」

 

 ん?"みずでっぽう"のタダヌキが声を上げたら他のタダヌキ達が一斉に集まってムックル達を囲む様に陣形を整えて"なきごえ"を...なんだ?まるで一匹の指示に従ってるような...そうか!アイツ群れの長か!そりゃあ群れを仕切るリーダーがいると考えるのが普通か!!って事はムックルの群れにもいる...いや、待て待て。以前どこかで読んだ知識だと渡り鳥にリーダーはいなかった筈。ムックルもそれと同じだと考えるのなら...ムックルを追い払うには全員ぶっ飛ばせば良くて、タダヌキを追い払うには頭を叩けばいいって訳か。

 ぶっちゃけコイツら放置でも良いが、タダヌキ達は"なきごえ"で応戦しているだけ...ほっとけば負けるのはタダヌキだよな。こういうの見るとタダヌキを応援するしたくなるんだよなぁ...にしてもあのタダヌキ、群れのリーダーってんなら多分強ぇよな。決めた、アイツも捕まえる!ってなると...

 

「リー!」

 

「来たか。いけっ、モンスターボール!」

 

 カプリンの体力がそれなりに削れたらしい。カプリンはモンスターボールに吸い込まれ、そのまま納められた。さぁ、これで手持ちは3匹だ。

 

「カプリン...牛、...牛鬼。牛鬼(カプリン)!タダヌキの群れに"たいあたり"だ!吹っ飛ばしまくれ!!」

 

「リィィン!」

 

 おいおいおい、俺の身長の半分もないデカさで陣形の一角を崩したぞアイツ。さーて、稼ぎ時だ。

 

「風魔、魅渡、作戦はこうだ。先ずはタダヌキの頭...あー、びしょ濡れのタダヌキを捕獲、そしてソイツにタダヌキ達を従えてムックル達を追い払う!!お前らはムックル達を地面へ誘導するんだ!」

 

「プ!」「ベッ!」

 

「先ずはタダヌキの捕獲だ...いくぜ?風魔は群れに近づいて"すなかぜ"!魅渡はその砂に向けて"あわ"だ!」

 

 砂と水が合わさって成るのは泥。泥は砂より重い...これなら速度は遅まって威力は半減される...よな?下っ端のタダヌキ達の体力を減らしつつ、少しだけ時間を稼げる筈。

 

「「「「「キィッ!?」」」」」

 

「今だ!"だいせいちょう"でターゲットを拘束!魅渡は風魔を守れ!"あわ"だ!」

 

「ラァベェェエ!!」

 

「モンボ様!もう一丁!」

 

 モンボ様が1,2,3と揺れて標的を捕らえた。あとはムックルの撃退だ。

 

「さーて本日3匹目の御新規さん...タヌキだから......茶釜、か?茶釜(タダヌキ)、早速だが出番だ!」

 

「キーッ!」

 

「わぶなっ!おいコラ何すんだ!!」

 

「キーッ!キーッ!」

 

 あ〜?コイツ完全に俺に敵対心抱いてんな。こりゃ捕まえない方が良かったな...

 

「「「ヌキイィィイ!!」」」

 

「最悪だ...」

 

 タダヌキ達の視線がめちゃくちゃ痛い。視線というよりは殺意か。はぁ...この死線...どう切り抜けようか。

 

「プー!!」

 

「うわぁっ!?っと、風魔ナイス!」

 

 "だいせいちょう"を巧みに操って地上6mぐらいのところまで持ち上げてくれた。腰に樹木が絡み付いてるのはちょっと苦しいが、これも風魔なりの優しさか。ツンツンしてても俺に懐いてんだな〜。

 

「ムクッ!」「クウゥ!」「クッ!!」

 

 ...で、ムックルから逃れる術は無いんですか?風魔さん。

 

「プッ」

 

「てっめ今笑いやがったなゴラァ!?今すぐ上がってこい!ぶちのめしてやr痛い痛い!!!」

 

 嘴と樹木のダブルパンチ!!効果は抜群だ!!!俺は痛いのが嫌いなんだよ!!!!

 

「くっそが!!ボールに戻してやる!!」

 

「ムクッ」

 

「...あ」「プ...」「ラベ?」「リイィイィンン!!!」

 

 ...あー牛鬼。いいよなぁ、お前は。楽しそうで。こっちは風魔のボールを取られ...てない!?あれ、風魔を出した後はボールホルダーに入れて...魅渡も牛鬼も同じくで、空のボールは全部バックの中...って事は

 

「ムク?」

 

 鳥って脚でボールを持ちながらボタン押せるんやね〜。はぇーすっごい。そのボールから出た赤い光線は収めるべきポケモン...茶釜へと延び、彼を新しい寝床へと連れ帰ってしまった。

 

「「「「キイィィィィイ!!!??」」」」

 

 ...あ、他人事じゃないわコレ。現実だわ。

 

 

 

 

 

 

 

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