三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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家族が入院したので更新できませんでした。これからはあらすじに書いている通り不定期更新となります。


第十八話 ギデオン観光 ウッド・アクアバレーの場合

  ◇  【従魔師(テイマー)】ウッド・アクアバレー

 

 

僕こと水谷 芳樹はデンドロにログインしてウッド・アクアバレーとしてギデオン観光を行っていた。その過程でとあるイベントが六番闘技場で行われていると聞き、飛び入りで参加した次第だ。そのイベントとは・・・

 

「わ~い!グリフ君すご~い!」

「飛んでるよ!」

「クル~!」

「つぎ!つぎはわたし~!」

「ぼ、ぼくも~!」

「順番だよ?行儀よく並んでね?」

 

現在、8歳前後の子供たちがグリフに乗るため列を作っている。ここで開催されているイベントとは子供たちにテイムされたモンスターとの触れ合いイベントだ。

 

子供たちにモンスターについて教え、最後には実際に触れ合ってもらおうと従魔師ギルドが企画。街の領主であるギデオン伯爵からも許可を貰い、今日イベントを開催した。

 

これは子供たちにモンスターの怖さを知ってもらう事と、《テイム》されている場合に限り、とても頼もしい味方になると言う事を知ってもらうために企画したと言う。

 

従魔師ギルドはギデオンに居る【従魔師】に就いているティアンと<マスター>に協力を要請して、多種多様なモンスターを揃えた。さらには当日にも【従魔師】である<マスター>に参加してもらおうと呼びかけても居た。

 

それを見た僕はグリフなら参加できるのではと思い、確認したところ是非にと言われて参加を決定。子供たちと触れ合えば人懐っこいグリフも楽しいのではと考えたんだけど、参加して正解だったね。

 

「クル~!」

 

現在、グリフは多数の子供たちに囲まれてとっても嬉しそうに鳴き声を上げている。背中に二人ほど乗せてほんの少し飛んだり、子供たちに撫でられたりと嬉しそうだ。

 

グリフは<エンブリオ>だけど、モンスター型には違いないからと参加の許可が下りたのはありがたいね。もっともグリフ以外にもモンスター型の<エンブリオ>は居るようで・・・

 

でっかい亀の甲羅で滑り台のように滑っている子供たち。大きな蛇を怖々と触ろうとしている男の子たち。ふわふわの羊に身体全体でもふもふを堪能している女の子。これらはすべて<エンブリオ>だと言う。

 

他にも大きなライオンや鎧の様な鱗のドラゴン。かっこいい怪鳥に綺麗な羽の蝶々などなど、多種多様なモンスターがこの闘技場に居る。

 

中でも特に人気なのが・・・

 

『は~い、こちらはモンスターの赤ちゃんコーナーガル。生まれて数か月の赤ちゃんモンスターと触れ合うことができるガル』

 

カンガルーに見える着ぐるみを着ているこのイベントのために雇った<マスター>が、紹介している赤ちゃんモンスターばかりを集めたコーナーは子ども達だけではなく、女性や動物好きの<マスター>たちにも大人気で結構人だかりが出来ている。

 

ついでにマスコット扱いされている着ぐるみの<マスター>にも子供たちが触ったりよじ登ったりしている。慣れているのか子供たちが落ちない様に気を付けて動いている。

 

ちなみに、赤ちゃんモンスターの種族は魔獣が多い。犬にしか見えない狼や猫にしか見えない虎、少数だが小熊もいる。

 

これはさすがに他の種族の赤ん坊は親が許してくれなかったのと、ステータスの高さが原因で他の種族は出せないと言う事情があるとのこと。

 

僕もいろいろ見た回りたいけど、さすがにグリフだけで子供たちの相手をさせる訳にはいかない。それに時間が来れば見て回れるしね。

 

このイベントは子供たちの触れ合いが終われば、従魔師ギルドとギデオンにあるモンスター売買の商店のいくつかが売買目的で展示会もやるとのこと。

 

実は僕もこの展示会目当てでもあるんだよ。せっかく【従魔師】に就いているし他のモンスターを仲間にしてみたい。それにもしグリフが戦闘できない事態になった時にも戦力として他のモンスターを連れていた方がいいかもしれないしね。

 

そう言う訳で、今はグリフに付き合うことにしよう。

 

 

子供たちの触れ合いイベントは終わり、次のイベントである展示会が行われる。商人や従魔師ギルドが多種多様なモンスターをその場に出して、興味を持ったティアンや<マスター>に説明している。

 

僕の今の所持金は要らない物をすべて買い取ってもらったので30万リル少々。能力の高さよりもグリフと仲良くできる子だったらいいね。

 

「クル~」

 

グリフも出して一緒に見て回る。そんな中、ある一画で人だかりができているのを見つけて近くまで行ってみた。

 

「さぁさぁ! ここに居る二体のモンスターは新種のモンスターで魔獣は【グランヴォルフ】! 地属性の拘束魔法が得意な知能の高いモンスターだ!」

 

檻の中に居るのは焦げ茶色の毛並みと白い毛並みのバランスが美しい狼型のモンスターだった。

 

「そして! もう一体は怪鳥種の【ステルスオウル】! 身体は小さいが知能は高く【気配察知】に【気配遮断】や【魔力隠蔽】といったスキルを持つ生粋のハンターだ!」

 

もう一つの檻には灰色のフクロウが檻の中にある止まり木に止まっている。ちなみに怪鳥種としては小さいと言う事だが、僕の半分くらいの大きさはある。

 

「今からこの二体を制限時間内に《テイム》できた人にお譲りします! ただし、挑戦権として5万リルはいだたきますし、制限時間は3分です! さらにお一人様3回までとさせていただきます! さぁ! 早い者勝ちですよ!」

 

その瞬間に続々と挑戦する者たちが我先にと並び始めた。近くに居たティアンの人に尋ねてみたらこういう商売方法はたまにあるんだとか。

 

モンスター売買の商店で販売されているモンスターは基本はテイム済みで、テイムされたモンスターは所有者に従う。従属キャパシティと言う自らの戦力として扱う枠に収まらなくともパーティメンバー枠を使えば、子供や低Lvの人間にも扱える。

 

だが、こうしてテイム挑戦権としての販売などには当然《テイム》は必要。さらには店側はテイムしていないため安全面を考えてそのモンスターでは絶対に壊せない檻などを用意して入れておく必要がある。

 

この商売方法はテイム難易度が高いモンスターや店側がテイムできなかったモンスターなどでされることが多いと言う。今回の二匹はどっちだろう?

 

そんなことを考えている間にも挑戦しては失敗している人たちが、3回の挑戦限界のために再び並ぶと言う事を繰り返している。

 

僕もちょっと気になるけど今は他のを見て回ろう。

 

『・・・・』

 

他の場所を見て回ろうとしたら、イベントでマスコットをしていた着ぐるみさんが何やらテイム挑戦権をしている店を凝視していた。着ぐるみさんも挑戦するのかな?

 

 

 

他の店を見て回った結果、欲しいと思うモンスターは残念ながら居なかった。グリフが居るからと《騎乗》できるモンスターなどを見てもこれだっと思う子が居なかった。

 

中にはグリフが嫌だと言うようにそっぷを向く子なども居て、ならばと《騎乗》できる子に拘らずいろんなモンスターを見て回ったがこれはと言う子は居なかった。

 

それ以前に高過ぎて買えないなんて子もいたけどね。ほとんどを見て回ってあのテイム挑戦権で売っていた子たちはどうなったかと気になり見に行ってみると・・・

 

「ほら、おとなしく歩け」

「く、くそぉ!」

 

なぜか【騎士】のティアンに拘束されて連行される店主を目撃した。その店主の店では従魔師ギルドの人が忙しそうにしている。何かあったの?

 

『悪い奴は何処にでも居るガル』

 

そんな店の状況に首を傾げていると隣に着ぐるみさんが居た。

 

「あの・・・」

『うん? なんだガル?』

「このお店何かあったんですか?」

 

事情を知っていそうな呟きが聞こえたので尋ねることにした。

 

『ああ、さっきこの店でテイム挑戦権でモンスター販売をしていただろう?』

「ええ」

『その売られていたモンスターな、本当はすでにテイム済みだったんだよ』

「え? それって・・・」

『おう、客を騙して金だけ巻き上げる詐欺ガル。その店主は上手くスキルや装備品で隠蔽していたが、結局明るみになってお縄ガル。今は従魔師ギルドの人が騙された人にお金を返すためにいろいろ忙しくしているガル』

 

何ともそんな人がいたとは。しばらくすると従魔師ギルドの人が騙された人々にお金を返していた。ちなみに騙されたがどうかは《真偽判定》のスキルで確認しているので問題なし。

 

さらにはその詐欺師の店のモンスターも従魔師ギルドの人たちが改めてテイムして、適正価格で販売を始めた。中には亜竜クラスモンスターも居て順調に買い手が見つかった。テイム販売権で売られていた2匹を残して。

 

「あの二匹は買い手がいないみたいですね?」

『印象が最悪だからガル。いくら珍しいモンスターでも詐欺に利用されたと言う情報が広がっているからな。犯罪に使われたと言う事実は無視できないガル』

 

確かにそれは印象が最悪だろうな。結局あの二匹は最後まで残ってしまった。

 

「クル~」

「ん? どうしたのグリフ?」

「クルクル」

 

グリフがあの二匹を見つめて僕に何かを訴えている。

 

「ひょっとしてあの二匹を引き取ってほしいのかな?」

「クル!」

 

グリフはそうだよ!と言う鳴き声と頷きで答えた。グリフがこんな反応をするのは珍しい。他の店ではそっぷを向くか反応なしだったのに。

 

『買うなら早くした方がいいガル。このイベントが終わればしばらくは従魔師ギルドで世話するだろうが、あんまり人気がないと《解体》スキル持ちに頼んで素材にされることがあるガル』

 

着ぐるみさんの言葉で僕はあの二匹を引き取ることに決めた。従魔師ギルドの人に値段を聞くと2匹合わせて25万リルだった。ただ、犯罪に利用される事を考えて性能のいい【ジェエル】をおまけに付けてくれた。

 

【ジェエル】は持っていなかったしちょうどよかった。そんな訳で僕に新しい仲間が出来た。

 

「まず、【グランヴォルフ】の君の名前はグランだよ」

「UON」

「次に、【ステルスオウル】の君はスオウだ」

「HOU」

「この子は僕の家族でグリフだよ。仲良くしてね?」

「クル!」

 

グリフが挨拶するとグランはその場でお座りして、顔を下げた。スオウも何やら礼儀正しく頭を下げている。どういうこと?

 

『たぶん、本能で自分よりも強いってことが分かってるガル。だからあなたに従いますって態度で示してるガル」

 

ハァ、確かにそう考えると納得するね。だがそんな態度を取られたグリフは・・・

 

「クル・・・」

 

ちょっと残念そうだ。グリフ的には僕みたいに気安い関係がよかったみたいだね。

 

「これから一緒に行動するから、徐々に慣れてくれるよ」

「クル」

 

とにかく目的の新たな仲間が手に入り僕的には満足だ。

 

「これからよろしくね。二人とも」

「UON!」

「HOU!」

「あと、着ぐるみさんもいろいろ教えてくれてありがとうございました」

『気にしないでほしいガル。イベントで雇われてた身としては、当然のことガル』

 

などと言って着ぐるみさんはアルバイト代を貰いに行くと言って別れた。イベントもそろそろ終わりだしね。僕も今日はログアウトしよう。

 

 

 

「はい、これが今日のアルバイト代です」

『契約より多いガル』

「あんたの指摘のおかげで、詐欺師のことが発覚しましたから、その分です」

『だったらこの増えた分はそちらに寄付するガル。これで赤ちゃんモンスターに遊び道具とか買ってあげてガル』

「・・・・ありがとうございます」

 

そんな会話が着ぐるみと従魔師ギルドの職員の間で行われていた。




ぶっちゃけた話、原作には可愛いモンスターっているのかな? 今のところは黄河に居るらしいパンダ型モンスターが可愛いかもしれない。

あと、クマニーサンのアルバイト話を今回書きましたが、原作でもこういうイベントでお声がかかったと思うのは私だけでしょうかw
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