◇ 【
【ディセンブル】にデスペナされてからリアルで24時間後、デンドロ内では三日後に俺はログインした。場所はギデオンの中央闘技場の近くの噴水前。ログインした直後にクロス兄貴とウッドと合流。
「ゲイル兄貴、お久しぶりー」
「ああ、ここだとそういうセリフか・・・」
「ここに居ると三日間でも濃い日にちだからな。そういう感覚になる」
俺がデスペナの間は二人もログインしていたのでデンドロ内で三日は過ごすからな。久しぶりって感じになるか。
「とりあえず、近くの飲食店に入って報酬を渡すよ」
「頼むわ」
「ついでにあれからの流れを詳しく説明する」
リアルのほうで【ディセンブル】は倒したことは聞いたが、詳しいことまでは聞いてないからな。というわけでクエスト報酬と討伐報酬の120万リルを受け取り、討伐した流れとクロス兄貴が手に入れた特典武具を見せてもらったが・・・
「強力すぎねぇ?」
「やっぱそう思うか?」
「少なくとも俺の【バルギグス】よりも強いぞ・・・」
「だよね? ランク一つ違うだけでこうも違うかな?」
まぁ、【バルギグス】倒したときは俺たちもまだまだ弱かったし、足りないものが多すぎたから使い勝手を優先したのかもしれないが、それにしてもねぇ~
「まぁ、話に聞いた超級職なんかは強力という言葉の意味が違いすぎるらしいからな。このゲームはいろいろとバランスという物が今までのゲームとは違うんだろう」
「「あ~確かに」」
なんか、ティアンの話だと合計Lv500のカンストした者と超級職に就いた者とでは隔絶した実力って話だしな?
曰く、魔法系の超級職である【大賢者】なんて、千を超えるモンスターの群れを魔法一つで壊滅させてモンスター以外の地形には全く被害がなかったそうだ。
あと、ゲーム内で30年前には神話級の<UBM>を相手にした超級職が二人いたらしいが、その時相手にした<UBM>の能力で万単位の人形を相手にして、命を対価にして倒したという。
改めて思うと確かにゲームバランスおかしいな? 神話級の<UBM>も超級職も。しかも<UBM>の場合はまだ上の超級がいるんだろう? どれだけ強いんだよ・・・
「僕たちもいつか超級職になるのかな?」
「ジョブの前に<エンブリオ>が<
「どうだろう?」
現在、<エンブリオ>の形態で確認されているのは、第七形態の通称<超級>と呼ばれているものまでだ。ごく少数の<マスター>がなっているのを確認されている。
さらには、<超級>になりその能力で超級職を手に入れた者もさらに少ないがいるらしい。詳細は不明だが、現時点でデンドロ内におけるトッププレイヤーというわけだな。
「遠い未来の話より目先のカンストを目指したほうがいいんじゃないか?」
「まぁ、それが無難だよね?」
「そうだな。ジョブの選択が超級職の条件にあるかもしれないし、まずはLv500を目指すのが先か」
それがいいだろうな。さてそろそろ、今のメインジョブもカンストするし次のジョブをどうするか。というかそろそろ全体的にジョブを見直す時期かもしれないな・・・
◇ 【
ゲイルの一言で話題は俺たちのビルド構成に変わった。前の戦闘でそろそろ今のメインジョブである【紋章剣士】もカンストするし、次のジョブを決めるというか、そろそろ全体的なビルドの見直し時期かもしれないな?
「クロス兄貴は次のジョブは何にするの?」
「俺の場合は少々悩んでるんだよな~上級職を剣士系統にするか魔術師系統にするかでどの下級職に就くかが決まるからなぁ~」
ウッドの言葉に俺はビルド構成の悩みを打ち明けた。
まず、現状俺のジョブ構成は下級職に【剣士】、【魔術師】、【魔法剣士】、【風術師】 上級職に【紋章剣士】 残りのジョブ枠は下級職が二つに上級職が一つ。
「剣士系統上級職になれば、AGIが上がるが魔法攻撃の種類や威力に影響するし、魔術師系統上級職になれば今度はAGIやSTRが物足りなくなる。どうしたものかとな・・・」
ここにきて魔法剣士系統の器用貧乏なジョブ特性が浮き彫りになった。どちらにしかできないから悩んでしまう。
「クロス兄貴にとっては重要な問題だな」
「ゲイルの方はどうだ?」
「俺は上級職は前に言った通り、【大盾騎士】になるつもりだ。ただ、下級職の構成をちょっと変えようかと考えている」
ゲイルのジョブ構成は下級職に【騎士】、【重騎士】、【盾騎士】、【従魔師】 上級職に【重厚騎士】
どうも、【従魔師】を【騎兵】に変更して残りの枠には【冒険家】に。そして、最後の枠には意外に【
「なんでその構成を?」
「前の【ディセンブル】との戦闘でいろいろ考えさせられてな・・・ステータス強化のために【騎兵】を。遠距離攻撃確保のために【銃騎士】を改めて考え直したんだ」
【銃騎士】は【騎士】と【銃士】のジョブに就いて初めて就けるジョブだ。ステータス的には銃を扱えためにSTRよりもDEXの伸びがいいのが特徴。
「DEXは盾のスキルにも影響するしな。そういう意味でも選んだ」
「でも、ドライフならまだしもアルター王国では銃は手に入りにくいよ?」
「まぁ、そこは最悪ドライフまで足を運ぶさ。天地ほど遠いわけでもないしな」
そりゃそうだ。
「ウッドはジョブ構成はどう考えてる?」
「僕は上級職は【剛弓士】だね。下級職をどうするかは今のところ考え中」
ウッドのジョブ構成は下級職に【弓士】、【騎兵】、【弓騎兵】、【従魔師】 上級職に【強弓騎兵】 上級職が決まってるなら、あとは下級職二つだな。
「【弓士】は派生下級職が少ないからね~ 今のところ候補としては【狩人】と【弓狩人】かな?」
「系統が違うが、大丈夫か?」
「【狩人】の方はともかく【弓狩人】の方は同じ弓の専門職だから相性はいいよ? 【弓狩人】に就けば【狩人】で覚えるスキルもある程度は使えるようになるしね」
ふむ、いろいろ考えているようだ。
「あと、僕からもかなり先のことで提案があるんだけど」
「なんだ?」
「どうした?」
「ちょっとこの世界を旅したいんだよね」
◇ 【
「「旅?」」
僕の言葉に兄貴たちは疑問符を浮かべて聞き返した。ちゃんと説明しないとね。
「これだけリアルで、現実にないものもいっぱいある世界だから旅をしていろんなものを見てみたいんだよね。リアルの方じゃ旅行なんて修学旅行しか経験ないし」
僕たちはリアルでは諸事情で海外旅行はおろか国内旅行も経験がない。今なら時間さえ合えば行けるけど、それだって経験がないからいろいろ不安だ。
でもデンドロでは、<マスター>は死んでも生き返るし三倍の時間で余裕はある。これは旅をするしかないよね?
「旅か・・・いいかもしれないな?」
「そうだな・・・興味がある」
「でしょ?」
兄貴二人も前向きに検討してくれている。
「だが、今すぐというわけにはいかんぞ? 用意もそうだし、何より実力が足りんだろうしな」
「うん。もちろんだよ」
今のまま旅をしたとしても、準備不足で立ち往生するのが目に見えてるし、実力も弱いから純竜クラスが複数襲ってきたら、太刀打ちできない。
「準備はいろいろ揃えるとして、実力はどの程度になったら行くべきかね?」
「少なくとも合計Lv300越えに上級職は二つ就いておきたいな。あと、<エンブリオ>も第四形態の上級になってからだ」
「そろそろ進化すると思うんだけどね?」
<エンブリオ>は上級になると下級のころよりも格段に強くなるって話だし、確かに上級になってからの方がよさそうだね。
「それに旅をするならアルター王国の国内でもいろいろ行ってみたいしな。別の国に行くならその後だ」
ああ、確かに。アルター王国にも行ったことのない場所や町はあるんだし、そこにも行ってみたいね。
「それに、<エンブリオ>が上級になれば俺たちの悩みも解決するかもしれないしな」
「「なるほど」」
<エンブリオ>の進化は<マスター>の能力も関係しているからね。足りない能力を補ってくれるかも?
「しばらくはここギデオンでLv上げを行い、ある程度実力が付いたら今度は西に行ってみよう。海があるしな」
海か~現実でも最近行ってないな? この世界の海も気になるね。
「賛成」
「ここでの活動はひと段落ってことか」
「ああ、各国を旅する以上多少は移動にも慣れておこうぜ」
僕たちは今後の方針である旅について、ある程度方針決めの話し合いを続けて今日はログアウト。