三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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第三十三話 カンスト目指してLv上げ

  ◇  【大剣士(バスターソードマン)】クロス・アクアバレー

 

 

今日は久々に兄弟全員が集まって、狩りに行く予定だ。最近は俺以外は仕事が忙しくてログインタイミングが合わなかったからな。

 

【大剣士】に転職してからは、同じジョブに就いているティアンの人に依頼として訓練をしてもらっていた。やはり、リアルなこのゲームでは技術もしっかり学ばないとな。

 

ちなみに、訓練では【ディセンブル】は使わずに別のバスターソードを使っていた。装備品としての性能が違いすぎて訓練では使用できなかったよ。もっぱら知り合いと狩りに行くときに使用していたわ。

 

狩りに使用して改めてこの装備の凄さがわかったぜ。装備するだけでSTRとENDが40%も上がり、攻撃力と防御力も高い。装備スキルも便利すぎる。

 

《血晶操刃》は本当に刃であれば斧や鉈のような形状になれるし、純粋に刃を長くすることも可能。片刃両刃も自由自在。難点はMPとSP両方消費なのと消費量が多い点かね?

 

《晶毒》に関しては上記のスキルの消費量の関係で敵が【毒】になる確率は低い。まぁ、なるかもしれないだけでも全然違うか。

 

今では俺のメインウェポンとして手放せなくなっている。【ディセンブル】を使用した戦闘では今はメインジョブの関係上、魔法関連のスキルが使用不能だしな。そういう意味でもありがたい。

 

【大剣士】の今のジョブLvは28だし、今日の狩りの結果次第ではカンストまで行くかもな? なんて考えていたら、二人がログインしてきた。

 

「兄貴、待たせたか?」

「そんなに待ってないから気にすんな。二人は準備はいいのか?」

「あ、狩りに行く前に僕のジョブを【狩人】に転職したいんだ」

「じゃあ、狩人ギルドに行くか?」

 

ゲイルの言葉に同意して、全員で狩人ギルドへと向かう。そこで手続きをして、ウッドは【狩人】に転職した。

 

「しばらくは【狩人】でやるけど、これをメインジョブにしている間は【弓士】と【騎兵】系統のスキルの大半が使えないから覚えておいてね?」

「俺も今のメインジョブでは魔術師系統のスキルは使えないぞ」

「じゃあ、今のところはスキル制限がないのは俺だけか?」

 

ゲイルは騎士系統派生下級職【流浪騎士】に就いたってリアルで聞いたな。

 

「じゃあ、狩場はどこにするか・・・」

「冒険者ギルドでクエスト見てから決めようか?」

「それがいいな」

 

というわけで狩場の選択のために冒険者ギルドへ出向き、クエストを選んで俺たちはレベル上げに向かう。

 

 

 

 

  ◇  【狩人(ハンター)】ウッド・アクアバレー

 

 

冒険者ギルドでちょうどよいクエストを見つけて現在、ギデオン西の《メイルズ林道》を進んでいる。なお、受けたクエストの詳細は・・・・

 

難易度:四 【討伐依頼――《メイルズ林道》魔獣:【カースドヴァイパー討伐】】

【報酬:二十万リル】

【《ジャンド草原》の先にある《メイルズ林道》でカースドヴァイパーの目撃情報が多数あり、その討伐を依頼します。なお、この依頼終了の報告は《メイルズ林道》の先にある港町ルレトの冒険者ギルドにお願いしたします】

 

こんな感じ。まず、《メイルズ林道》はギデオンの西の草原《ジャンド草原》の先にある森林ほど多くもなく密度も濃くはない木々が並んでいる綺麗な林道だ。

 

次にカースドヴァイパーは蛇型の魔獣で、噛みついた相手を【呪縛】、【劣化】の状態異常に罹患させて仕留める亜竜級のモンスター。正面からの戦いよりも奇襲や不意打ちをしてくる。

 

依頼終了の報告を西にある港町ルヘトの冒険者ギルドへしなければならないが、それが逆に僕たちが受ける決め手になった。

 

ギデオンの活動も長かったので、そろそろ次の町に行ってみたいなとクエストを探してる途中で話していた時に見つけた依頼だったので、これ幸いと考えて受けたのだ。

 

依頼を受けて、僕とゲイル兄貴はまだ、メインジョブがLv1なので《ジャンド草原》である程度レベル上げを行いながら《メイルズ林道》へと入った。

 

「兄貴たち。左からモンスターが接近中」

『俺の《殺気感知》にも反応してる』

「了解だ」

「グリフとスオウは空中から周りを警戒して。グランは遊撃をお願い」

 

僕の指示に三匹はうなずいて、グリフとスオウは羽ばたいて空中へ。グランは四肢に力を入れて、いつでも走り出せるように準備している。

 

今の僕のメインジョブは【狩人】だからね。グリフに騎乗して発動する強化系のスキルは全部使用不能。なのでグリフにはガードナーとして戦闘に参加してもらっている。

 

グランとスオウも現在の僕の従属キャパシティーでは入りきらない。なのでパーティ枠で参加してもらっている。

キャパシティーを増やすスキルも【狩人】だと使用できないんだよね。

 

弓を構えて矢を番い準備をしていると左の草むらから影が二つ飛び出してきた。飛び出してきた影は太く細長い。よく見ると毒々しい黒紫の色をした結構大きな蛇だ。リアルで見たことはないけどアナコンダってこんなサイズなのかな?

 

『ふん!』

 

草むらからでかい蛇がいきなり襲ってきたら驚くだろうけど、僕の《索敵》スキルとゲイル兄貴の《殺気感知》スキルで、奇襲を察知できたのが相手の運の尽き。

 

ゲイル兄貴が自分を襲い掛かってきた蛇の頭を盾で殴り吹き飛ばした後に、クロス兄貴が頭を切り飛ばした。僕の方はグランが爪で引き裂いた蛇を、地属性魔法の《マッドプール》で身動きを封じた後に頭に矢を命中させた。

 

なお、覚えたばかりのスキルはアクセサリーでスキルレベルを底上げしているので、亜竜級のモンスターでもぎりぎり感知可能だ。旅には必須だと思ってゲイル兄貴と買い込んでたんだ。

 

「しかし、本当に多いみたいだな? 今の奴出てきたのは六度目だぞ?」

『特定のモンスターが大量発生することはあるらしいが、それか?』

「でもギルドの人はまだ時期じゃないって言ってたよ? それにカースドヴァイパーが大量発生したことはないとも」

 

リアルなデンドロではモンスターが大量発生することもあるらしいけど、そういうのって繁殖力が高いモンスターが主で、カースドヴァイパーはそこまで繁殖力は高くないって聞いた。

 

「原因不明なのは気味が悪いが、稼ぎとしてはかなりいいんだ。ドロップ品も多いしな」

「それはそうだけどね・・・」

『気にはなるが、俺たちのジョブ構成では原因究明は難しい。とりあえずは進みながら数を減らそう』

 

こういうモンスターの調査には【研究者】とかのジョブが必要らしいしね。ゲイル兄貴に言われ気持ちを切り替えて僕たちは先へと進んだ。

 

 

 

 

  ◇  【流浪騎士(ストレンジャーナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

俺たちはさらに《メイルズ林道》を進んだが、進めば進むほどカースドヴァイパーの奇襲が増える一方だ。最初の奇襲から十三回も遭遇している。さすがにこれはおかしい。

 

『いくらなんでも異常事態じゃないか?』

「さすがに俺もそんな気がしてきた・・・」

「じゃあ、どうしようか?」

 

俺たちはこの事態を異常と考え始めて、どうするべきかを考える。

 

「もうクエストの討伐数は稼いだだろうし、港町メレトへすぐに向かおう。俺たちだけじゃあ判断できないから冒険者ギルドへ相談しよう」

 

クロス兄貴の言葉に賛成して、急遽予定を変更してこのまま港町へ急行することに。クロス兄貴は素のAGIが俺たち三人の中では一番高いし、俺はリオンに乗るので問題なし。ウッドも《騎乗》は汎用スキルなので【狩人】でも使用できる。

 

こっから先は速さが求められるのでウッドはグランとスオウを【ジュエル】に戻して、俺たちは駆け出した。

 

さすがに俺たちのスピードには対応できないらしく、駆け出してからは奇襲は一切なくなり俺たちは港町ルヘトへ到着した。

 

いきなり猛スピードで現れた俺たちに門番が驚いて持っていた槍を向けた。

 

「何者だ!」

「ギデオンで《メイルズ林道》のカースドヴァイパー討伐の依頼を受けた<マスター>です! カースドヴァイパーの数が多いと判断して、冒険者ギルドへ相談しに来た!」

「討伐依頼? 確かに最近カースドヴァイパーの目撃情報や<マスター>がよくドロップ品を持ってきていたが・・・君たちはどのくらい討伐したんだ?」

「奇襲されたのは十三回。討伐した総数は二十四匹だ」

「なに!?」

 

クロス兄貴が両手を上げて、説明した。奇襲では数がまちまちで一匹や二匹できたこともあった。そして地元の人でもこの数は異常だったらしく、兄貴の言葉を聞いて驚いている。

 

「《真偽判定》にも反応はないな・・・わかった。君たちはすぐに冒険者ギルドへ知らせてくれ。俺はこの事実を通る人に知らせて注意喚起する」

「ご理解感謝します」

「こちらこそ。知らせてくれて感謝する」

 

クロス兄貴と門番の会話の後に俺たちはすぐに冒険者ギルドへ向かう。場所は知らないが、冒険者ギルドなら大通りの目立つ場所にあるはずだ。実際、この町の冒険者ギルドは中央広場の大きな建物だった。

 

その後、冒険者ギルドの受付嬢にも門番と同じ説明をした。やはり、地元でも初めての事態らしく受付嬢は話の途中から驚いて、その後はすぐに行動を開始。

 

冒険者ギルドの責任者に事情を説明しに行き、俺たちの話を周りで聞いていたギルド職員は各施設へと連絡していた。中にはティアンの冒険者に緊急の調査を依頼する職員の姿も。

 

ちなみに<マスター>の大半はゲーマーだからか新たなイベントの気配に興奮しているようだ。中には深刻に考える者もいて、ティアンの冒険者と相談している<マスター>もいた。

 

ようやく落ち着いてきた冒険者ギルドで俺たちは討伐クエストの報告を行うことに。ドロップ品の【宝櫃】を提出して、確認された後に【宝櫃】は俺たちの手元に戻り、報酬として二十五万リルをもらった。

 

「報酬が多いが?」

「お三方の情報は緊急性が高く、非常事態の可能性も否定できません。なので、報酬を増やすことにしました。どうぞお受け取りください」

 

と言うので受け取り、一人十万リルと残りのお金は回復アイテムを買って分けることに。さらにドロップ品である【宝櫃】を開けてみることに。

 

大半は換金アイテムでいくつかは装備アイテムだったが、俺たちには弱すぎる物だったので全部売りに出して、そのお金を全員で分けることに。

 

「やはりかなりの大ごとになったか・・・」

「これからどうしようか?」

『今回のことで協力できるのなら協力するだけさ。それくらいしかできんしな』

 

戦闘職の俺たちにできることは限られているだろうが、それでもやれることがあるはずだしな。俺の言葉に二人もうなずいて今日はここまでとした。

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