三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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投稿した話でミスを発見しました。

クロスとゲイルの<エンブリオ>名なのですが、正しくは【ガルドラボーク】で【ポルックス】です。

徐々に直していきますので、これからの話では上記の名で書いています。話の本筋にはあまり影響はありませんが、ミスをして申し訳ありませんでした・・・


第四十三話 三つ目の特典武具と旅立ち

  ◇  【剛弓士(ストロング・アーチャー)】ウッド・アクアバレー

 

 

《墓標迷宮》で予想外の敵との遭遇で、撃破したのはいいのだがまさかそれが<UBM>でグリフがとどめを刺したことで僕がMVPに選ばれた。

 

とりあえず特典武具の確認は後回しにして、僕たちは十階層へと到着してボスを倒した。ボスドロップの《宝櫃》と階層攻略報酬の宝箱を開けてさっさと脱出。

 

現在はドロップ品を売買した後にオープンテラスの喫茶店で話し合っている。

 

「しかし、あんな<UBM>もいるんだな?」

「<マスター>の<エンブリオ>もそうだが、<UBM>も多種多様すぎるな・・・」

「だね。今回の相手はグリフが居たから倒せたし」

 

多分だが、あの【ウッド・ゴーレム】は<UBM>にでも寄生されていたのだろう。そして<UBM>の能力でステータスかスキルが強化されていたんじゃないかな?

 

僕たちの攻撃を喰らい続けて勝てないと判断して寄生していた宿主を放棄して、そのまま姿を消すなどの隠蔽スキルで去ろうとした。グリフの素の気配察知力が高くて発見されたけど。

 

「ちなみにウッドが手に入れた特典武具はどんな感じだ?」

「お? そうだな。気になるところだ」

 

ゲイル兄貴の言葉にクロス兄貴も興味津々で聞いてきた。ちょうどいいからこの場でお披露目と性能も確認しよう。

 

 

 【植種強弓 パラゾール】

 <逸話級武具(エピソードアームズ)

 同種族に寄生し寿命を吸収してスキルを強化するエレメンタルの概念が込めれらた逸品

 矢を当てた相手からHPとSPを吸収し、攻撃スキルと汎用スキルを強化する。

 ※譲渡・売買不可アイテム

 ※装備レベル制限なし

 

 ・装備補正

  攻撃力+180

 

 ・装備スキル

  《種矢吸刃》

  《剛体汎種》

  《敵体隠射》

 

 

 《種矢吸刃》 パッシブスキル

  矢が敵に当たった場合、敵から装備者の最大HPとSP5%分吸収

 

 《剛体汎種》 パッシブスキル

  攻撃スキルと汎用スキルのスキルレベルを+2

 

 《敵体隠射》 アクティブスキル

  敵は矢の飛来を察知しずらくなる。発動からスキル終了までSP毎秒20消費

 

 

ふむ? 装備補正は今装備している弓の方が高いね? 装備スキルはこっちの方が優秀だけど。

 

「この特典武具はスキル特化か?」

「まぁ、倒した<UBM>からそんな感じだったしな」

「あ、なるほど」

 

確かに寄生するような<UBM>の特典武具が装備補正特化にはならないよね? そういう意味では兄貴二人が持っている特典武具はどちらかというと装備補正特化かな?

 

「で、これは使うのか?」

「うん。装備補正は今使っている弓の方が高いけど、スキルが優秀だしね」

 

特に汎用スキルのスキルレベルが上がるのは助かる。僕やゲイル兄貴の汎用スキルは限界レベルが低いから、アクセサリーで底上げしてるんだよね。

 

これを装備すればアクセサリーを外して別の有用なものを装備できるし、攻撃力が物足りないならその時だけ高めな奴を《瞬間装備》すればいいだけだしね。

 

ちなみにこの【パラゾール】の外見は持ち手の部分は細いが古びた樹木がねじれて上下に伸びて、ところどころにつぼみがあるなんとも古めかしいものだ。

 

弦を試しに引いてみたけど、問題なく武器として使えそうだ。外見的にはアンティークぽいのにね?

 

「じゃあ、《墓標迷宮》探索を再開するぞ。今日はこれで最後にしよう」

「旅立つ前にどこまで行けるかね?」

「そこは僕たちの実力と相手次第じゃない?」

 

予定外の特典武具の確認と休息を終えて、僕たちは回復アイテムを補充して《墓標迷宮》へと戻った。

 

 

 

  ◇【大盾騎士(タワーシールド・ナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

ウッドも特典武具を手に入れたことで俺たちの戦力は増した。おかげで敵との戦闘が楽になったし、《墓標迷宮》探索もかなり進むことができた。

 

それもウッドの【パラゾール】のおかげで、戦闘ではHPとSPを攻撃命中時に敵から吸収できるので、多少攻撃を受けても自力で回復でき、SPも回復するので以前より攻撃アクティブスキルを使えるようになった。

 

探索では汎用スキルのレベルを引き上げるスキルのおかげで以前は危険だとしかわからなかった場所も、どういう罠があるのかが判明して、俺が漢解除できるか否かがわかるようになった。

 

おかげでいくつか宝箱も発見し、収支は先に探索した時よりも上がった。一度だけ、宝箱を開けた時に爆発寸前の時限爆弾があって危なかったが・・・

 

なお、回避方法は俺がとっさに爆弾を抱え、クロス兄貴は部屋の入り口にAGI全開で退避。ウッドもたまたまグリフに乗っていたので同じく退避。リオンとグランにスオウはグランが岩の壁を周囲に展開して耐えた。

 

爆弾を抱えた俺は何とか無事だった。至近距離で爆発したのでHPが半分も減ったが。全く誰だよ? こんないやらしい罠を考えて実行したのは。

 

それ以外は順調そのものだ。十階層のボスも問題なく倒している。何度目かの挑戦で十階層のボスと戦っているが、出てきたボスは【バイオレンス・プラント】ではない。

 

今戦っているのは【エルダー・ドラグトレント】という名のトレント系のドラゴン型のモンスターだ。名前的に純竜級のモンスターだと思う。

 

ドラゴンの姿で羽は枝で再現しており、葉っぱがびっしりと生えている。しかも攻撃手段は大きさを生かした物理攻撃に羽に生えた葉っぱを飛ばしてくる。

 

この遠距離攻撃が地味に厄介だった。葉っぱ自体の攻撃力は弱いがとにかく数が多い。しかも、葉っぱは放ってくるたびにすぐに再生して、連射が可能ときたもんだ。

 

威力よりも数と数多く放つせいで視界が悪くなるのが問題なのだ。クロス兄貴の火属性範囲魔法で対処できるが、すぐさま次が放たれるので、クールタイムの関係上間に合わなくなる。

 

『え~い! うっとおしいな! こいつは!?』

「このままだと、アイテムを消費していずれはじり貧だよ!」

「だったら俺たちの持ち札の手段をいろいろ試すぞ! 何か有効なものがあることに賭けよう!」

『「了解!」』

 

まず俺は【ポルックス】を紋章に戻してから別の全身鎧を《瞬間装着》した。装備したのはまだ装備条件を満たしていない【BAA】ではなく、王都で見つけた掘り出し物の全身鎧だ。

 

 

  【ブラック・マジック・フルアーマー】

  何代か前の鎧特化超級職の作品と思われる武具だが、真偽のほどは定かではない。

  能力は高いので信憑性は高く、攻撃魔法耐性や属性耐性を持つ全身鎧。

 

  装備補正

 

  防御力+720

  攻撃魔法耐性+20%

  属性耐性+20%

 

  装備スキル

 

  《破損耐性》

 

  ※装備制限  合計Lv400以上

 

 

装備スキルは《破損耐性》だけだが、攻撃魔法と属性全般に耐性があるだけでも防具としては優秀だ。ただ、前にも言ったが全身鎧は人気がない。需要が全くないわけではないのだが。

 

この防具・・・長いから【BMF】はとある商店が在庫整理で特売していたところの目立たない場所に置いてあった。外見的には真っ黒な騎士甲冑で縁は白色で装飾されている美しい武具だ。

 

能力を見てすぐに買った。お値段は180万リルだったのでその商店の店長との値切り交渉の結果、136万で購入することに成功した。店としても目玉商品として店に並べたはいいが、何年もの間も買い手が付かなかったと言っていたな。

 

とにかく俺は今【BMF】を装備して、【ポルックス】はガーディアン運用するために再度紋章から出し、俺が持っている剣と盾を渡して俺自身はすぐに《瞬間装備》で新たな剣と盾を装備した。

 

今はとにかくこっちの手数と相手のターゲットを増やそうと思っての行動だ。【ポルックス】には防御優先で隙があるときだけ攻撃するように指示を出す。

 

ウッドもグリフから降りて、グリフを自由に動くことを優先した。クロス兄貴は・・・・

 

「《マジック・アブソープション》展開! あれ?」

 

【ガルドラボーク】の代表スキルを発動。クロス兄貴的にはただのお試しで発動したのだろうが、これが意外な効果を発揮。

 

【エルダー・ドラグトレント】の葉っぱが枯れたのだ。しかも再生する様子がない。ということは・・・

 

『「「魔法判定なのかよ! あの葉っぱ!?」」』

 

俺たち三人の叫び声が見事に重なり、その後は全員でぼこぼこにした。

 

 

 

  ◇  【紅蓮術師(パイロマンサー)】クロス・アクアバレー

 

 

十階層のボスである【エルダー・ドラグトレント】を少々納得がいかない倒し方をしたが、その後の探索は順調そのものだ。

 

ドロップ品をいい値段で買い取ってもらい、旅に必要な物や各個人で必要な装備を買いそろえたりとドライフ皇国に行く準備を進んでいる。

 

現在は十一階層から十五階層の探索を行っている。ここの階層は魔獣系モンスターの巣窟であり、時々亜竜級のモンスターとも遭遇するからなかなかハードだ。出てくるモンスターも魔獣系は多種多様だからな。

 

狼や虎に熊は定番だが、蛇や鰐に蜥蜴などもいるし牛、羊、鹿なども居てとにかく多種多様な魔獣たちが居すぎだ。

 

戦闘スタイルも同じ種類でも違う名前だと全く違う戦い方をするので気を抜くと思わぬダメージをもらう。まぁその分ドロップはかなり高く買い取ってもらえるのだが。

 

毛皮などの皮に牙に爪、さらにはお肉もドロップしてそれが【料理人】のジョブに就いた者たちから人気だった。《墓標迷宮》ではモンスターが自動ドロップするのでお肉が無限に手に入る。

 

そのため味のいいお肉がそのモンスターを倒せば必ず手に入るわけではないが、なくなることがないので市場に出た瞬間にはすぐに買い手が付く。

 

少々気になったので、ゲイルにドロップしたお肉を旅に備えてそろえたサバイバル調理器具で焼いてもらったが、結構美味だった。俺たちの中ではゲイルが一番料理上手だしな。

 

十五階層のボスである【ミスリル・アリゲーター】と言う逸話級金属が皮に張り付いているボスは、俺たちには戦いやすい敵だったので、難なく倒せた。

 

奴のドロップ品である《宝櫃》からはミスリルが出てきたので、半分ほど買取に出した。次の目的地であるドライフ皇国は生産系のジョブが豊富だという話だし、持ってたら何かいい武具に作ってもらえると考えた結果だ。

 

そんなことを続けてリアルで一週間が経とうとしていたそろそろリアルでは八月になるころだな? もうこのへんでいいかもしれないな。

 

俺は《墓標迷宮》探索を終えた二人を誘い、適当な飲食店に入り話をすることに。

 

「そろそろお金も貯まったし、ドライフ皇国へ行こうかと思うんだがどうだ?」

「いいと思うぞ? 合計レベルも俺たち全員480に達したしな」

「キリもいいと思うし僕も賛成」

 

俺の意見に二人からは反対意見も出ることはなく、俺たちはドライフ王国へと旅立つことに。

 

それからデンドロ時間で三日後、各自の知り合いにしばらく隣国へ行くと挨拶して俺たちは馬車に乗り込んだ。これは旅をするのだから気分を味わいたくて購入したものだ。馬車を牽くのはリオンとグリフが交代で行うことにしている。

 

まずはアルター王国の北東にあるカルチェラタン領に向かい、そこから隣国のバルバロス領へと向かう順路だ。

 

「こんな旅はリアルじゃできないから楽しみだ」

「モンスターもいるから普通は楽しみって言えるものじゃないけどね・・・」

「まぁ、そうなんだろうが俺たちにとっては脅威じゃないからな。<UBM>や最上位純竜でも現れなければだけどな・・・」

 

俺の言葉に二人は言うんだが、ゲイルよフラグになるようなことは口にするなよ・・・

 

とにかく、俺たちは目的地に向けて出発した。一応アルター王国には所属を取り消す手続きはしてはいない。どうせまた戻ってくるしな。ドライフ皇国ではどんなことが待っているのかね?




余談。特典武具と<UBM>について

【寄生吸種 パラゾール】は同種族である植物型のエレメンタルに寄生して寄生したモンスターの寿命をリソースにして保有スキルを強化するタイプの<UBM>
三兄弟は本体を見ることなく倒したが、本体の姿は大きなたんぽぽの種に酷似。寄生する前段階では六階層から十階層の空中を漂っている。
戦闘タイプで言えば条件特化型であり、地上だとよほど好条件の場所がなければ実力を発揮できない個体。
まぁ、だからこそ管理AIたちはもろもろの事情込みでこいつを六階層から十階層に配置したわけだが。


特典武具のスキル説明

《種矢吸刃》
【パラゾール】の寄生した相手の寿命を吸収する特徴から生まれたスキル。ただし、MVPに選ばれたウッドにアジャストした結果、かなり変質した。吸収するのがHPとSPになり、吸収される数値も激減。もっとも、ウッドにとってはかなり使えるスキルとなっているが。

《剛体汎種》
【パラゾール】の寄生した相手のスキル強化から生まれたスキル。これも元の能力から比べるとかなり変質している。強化されるのは攻撃スキルと汎用スキルだけであり強化率も下がった。まぁ、ウッドにアジャストした結果なので本人に不満はない。

《敵体隠射》
本体が持っていた隠蔽スキルが元のスキル。特典武具唯一のアクティブスキルだが、敵が《危険察知》や《殺気感知》を持っていたら役に立たない。逆に言えばそのスキルを持っていない敵対者には有効なのだが、残念ながら便利すぎるスキルなので持っている輩は多い。


これにてアルター王国編は一旦終わりです。この次の更新は作中オリジナルで出したキャラや<エンブリオ>の紹介です。そのつぎはカルチェラタン領でドライフ皇国編の始まりです。お楽しみに~!
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