三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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結構久しぶりの更新となってしまった・・・


第五十二話 出会い。そして・・・

  ◇  【剛弓士(ストロング・アーチャー)】ウッド・アクアバレー

 

 

狩りをしている道中で、強そうなモンスターと戦っている人型ロボットに遭遇。おそらくは<エンブリオ>だと思うが、モンスター相手に苦戦していたので援護することに。

 

「まずは小手調べで《バーストアロー》!」

 

相手の強さを確認する意味も込めて、【剛弓士】のスキルである《バーストアロー》使用する。このスキルは矢の攻撃力を増大し、ノックバック効果も増大するスキルだ。それだけなら優秀なスキルだが、デメリットでスキル使用後に何かに当たれば絶対に矢が壊れる。

 

その矢は牛型モンスター【タイラント・ビックバイソン】の後ろの左足に刺さり砕け散った。その瞬間にノックバック効果で後ろ脚が後ろに跳ね上がる。

 

『BUMO!?』

 

自身を支えている要である後ろ脚の片方が跳ね上がったことで、バランスを崩す。その為、戦っていた人型ロボットに対しての追撃が不発に終わった。その間に人型ロボットは体勢を整える。

 

『すまない! 助かった!』

「どういたしまして! ところであのモンスターは亜竜クラスですか?」

『いや! 純竜クラスだ! と言っても純竜の枠内ではなり立てだろう! 本来は群れを作るタイプのモンスターだ!』

「それは厄介ですね! では、ここで確実に倒しましょう!」

 

群れを作るタイプで純竜クラスだと逃がしたらまずいね。そんなことを考えている間に相手も体勢を立て直してこちらに突撃してきた。

 

『任せろ!』

 

そう言って人型ロボットが前に出て、モンスターを抑え込んだ。

 

『すまないが攻撃を任せてもいいか! 俺のロボットは<エンブリオ>なんだが、攻撃スキルが今の状況じゃあ使えない!』

「了解です! それと僕のパーティメンバーが合流するので時間を稼げば人手が増えます!」

『わかった!』

 

それからは僕とグリフにグランが攻撃を行い、人型ロボットが前衛タンクで戦い続けた。近くで見るモンスターとロボットの戦いは大迫力で、欲を言えば観戦したかった。

 

しかし、助けに入った以上はちゃんと役に立たないと思い僕は相手に有効な攻撃スキルを探すために、覚えている攻撃スキルを片っ端から放ち続けた。

 

その結果は、僕の攻撃は特に有効と思えるほどの物はなく、むしろ足を集中して攻撃したほうが味方の援護になるようだ。有効打はグリフの通常攻撃とグランの魔法。

 

グリフは僕の矢で足を攻撃した際に体勢を崩した瞬間に体当たりや前足での攻撃を行う。ただ、グリフの持つアクティブスキルはあまり効果がないようだ。

 

グランの魔法攻撃は効果があるね? 得意とする魔法が地属性魔法なので地面から砂の刃上の突起物を発生させる《アースグレイブ》などの魔法は物理属性攻撃だ。それが地面から発生するので柔らかいお腹に当たる。

 

とりあえずはこの二人の攻撃を主軸に攻撃していたが、純竜クラスは伊達ではないらしくなかなか攻めきれない。そんな中・・・・

 

『待たせたな! 加勢するぞ!』

 

ゲイル兄貴がリオンに乗ってスオウの案内で駆けつけてくれた。その手には見慣れない武器を構えて。

 

『新武器のお披露目と試しだ! 受け取れ! 行くぞリオン!!』

『BURU!!』

 

そのままゲイル兄貴は武器を前方に構え、リオンはさらに加速。そのまま方向を調整してモンスターの側面に回り、接敵した瞬間に・・・

 

『喰らえ! 《パイル・ストライク》!』

 

前方に構えた武器を右側のモンスターの横っ腹に叩きつけた!

 

ドッシュン!!!

 

『BUMOOOOO!?』

 

この攻撃がかなりのもので相手の横っ腹を貫いたばかりか、なんと吹き飛ばしたのだ! 巨大なモンスターが冗談のように。

 

『はぁ!?』

『すげぇな!』

 

このことをやったゲイル兄貴も予想外だったらしく、間抜けな言葉が口から出た。人型ロボットの中に居るであろう人は素直に驚愕していたが。

 

ただ、大ダメージは与えたようだがモンスターは吹き飛ばされた場所で懸命に立ち上がろうとしている。はた目から見ても虫の息だけど。

 

『とどめは任せろ! 《バースト・ジェット》!』

 

人型ロボットに乗っているであろう<マスター>がそう言うと、両腕を突き出してスキル名を言うと手の甲から小型の飛行物体が飛び出し、モンスターに飛んで行った。そのままモンスターに突き刺さり体に半ばめり込む。その後・・・

 

ドッコォオオン!

 

爆発しモンスターは木っ端微塵に。肉の破片が飛び散った後にそれらは光の粒子に変わり、爆発地点に【暴虐大牛の宝櫃】が残る。

 

 

 

 

  ◇  【大盾騎士(タワーシールド・ナイト)】 ゲイル・アクアバレー

 

 

「助太刀感謝するよ。マジで助かった!」

 

モンスターを倒した俺たちは人型ロボットの<マスター>からお礼を言われているところだ。なお、ロボットのコックピットは背中が観音開きで開き、そこからパイロットシートが出てくる仕様のようだ。ロボット系のゲームは結構好みだからちょっとうらやましいな。

 

「おっと、自己紹介がまだだったな? 俺は真宮寺アキラ。 一応言っておくがリアルの本名じゃあない」

「僕はウッド・アクアバレーです」

『俺はゲイルアクアバレーだ』

 

アキラの外見はなんていうかイケメンで引き締まった体をしている。なんとなくロボットアニメの主人公的な印象を受けるな?

 

「このロボットは俺の<エンブリオ>で【籠胴人巧 オーパーツ】だ」

 

やはり<エンブリオ>だったか。マジンギアとはかなり違いがあるし間違いないとは思ってたが。

 

『ところでここら辺ではあんなモンスターが出るのか?』

「う~ん・・・俺はここら辺には来たばかりだからわからないが、あのモンスターは本来群れで行動する奴だったはずだ」

「それが群れで行動せずに一体でこんな町近くに現れた。いい予感はしませんね?」

『だな。これは冒険者ギルドに報告したほうがいいだろうな』

「そうだな。そうしたほうがいいだろう」

 

そうと決まれば、俺とウッドはリオンとグリフに騎乗。その後に気になったことをアキラに尋ねる。

 

『緊急事態かもしれないから俺たちが先に知らせてこようか? そっちのロボットよりは速いぞ?』

 

さすがにあのロボットではリオンとグリフには追い付けないだろう。

 

「気遣いありがとう。だが、大丈夫だ。ついていける手段がある」

 

ふむ? 移動用に従魔でも持ってるのか? だが、俺の予想は外れアキラは【オーパーツ】に乗り込んでしまった。

 

『俺の<エンブリオ>はこんなこともできる。《変形実行(フォーム・チェンジ)》!』

 

そう宣言するとロボットはその形を変えて、車に酷似した四輪自動車に変形した。車種としてはランドクルーザーかね? フロントガラスとかなくこっちからはどこに人が収まっているかがわからないが。

 

「へぇー! すごいですね! アニメの勇者シリーズみたいです!」

『確かにな』

 

俺たちは今でも根強い人気があるアニメのシリーズを思い出した。ちなみに俺が好きなのは勇者王だ。次回予告の仕方が結構好きだね。

 

『おお~! そう言ってくれるのはうれしいな! 俺はあのアニメのファンでな? こっちで知り合った他の<マスター>は別のアニメを連想するしな~』

 

それは仕方ないだろう。意外と変形機構のあるロボットアニメは多いしな? ハリウッドで実写化した奴とか。

 

『ともかく、これなら二人についていける』

『それらな問題ないな』

「ですね。早く行きましょう」

 

 

 

俺たちは速攻で町へと戻り、冒険者ギルドで事情を説明している真っ最中だ。なお、アキラの【オーパーツ】のスピードはリオンやグリフと大差なかった。本気で走ってもいい勝負をするかもな?

 

それはともかく、冒険者ギルドには話の証拠としてアキラが手に入れた【暴虐大牛の宝櫃】を提出し、【真偽判定】スキル持ちにも確認してもらった。

 

それをやり終えてなんとか信憑性を上げて信じてもらい、どこかに群れがいる可能性があると調査する依頼を出すと言っていた。

 

ちなみに俺たちとアキラはその依頼を受けなかった。調査するのなら土地勘や狩場の把握に探索や察知系のスキルなどが必要だし、察知系のスキルはあるがそれをメインにしているわけじゃあないし役に立たないからな。

 

なお、情報報酬として30万リルもらった。これは仲良く三人で分けることに。

 

「俺は少なくてもいいぞ? 宝櫃があるし二人には助けてもらったからな?」

「いえ、こういうことはきっちりしませんと」

『そう言うことだ。おれたちじゃあこの情報の緊急性に気付けなかっただろうしな』

 

アキラは自分を少なくして俺たちにお金をやろうとしたが、断固阻止した。先に戦っていたのもアキラだしな。

 

「わかったよ。そう言えば二人はどこから来たんだ? ドライフの所属じゃあないよな?」

「アルター王国から来ました」

『せっかくこんなリアルなゲームなんだし、いろいろな国を回りたいと思ってな? あとは俺はサブウェポンに銃を使うのでその調達だな。別の武器買ったが』

「そう言えば、なんでパイルバンカー? デンドロでは浪漫武器じゃあないの?」

『いや? 浪漫武器だぞ?』

 

ウッドにそう言われたので俺は買った経緯を説明することに。

 

「確かにその能力ならゲイル兄貴にピッタリだね」

『それに俺は火力不足に決定力不足だったからな。この武器でそれが補える』

「へぇー杭打機ってそんな武器だったのか? 俺のエンブリオは武器を装備できないから知らなかったぜ」

 

アキラの発言に俺たちは目を見開いた。

 

「武器装備できないんですか?」

「ああ、そもそも装備枠と言うか特殊装備品の場合はスロットって言うんだが、それがないんだよな。その分スキルやステータスは進化した時に強力になるらしいが」

 

進化の過程で武器でも追加するのかもな?

 

「それで相談なんだが、この町にいる間は君たちのパーティに加えてくれないか?」

「急にどうしたんですか?」

「町に戻るまで考えてたことだ。あのレベルのモンスターが徘徊しているかもしれない状況だとソロで狩りをするのもきついからな」

『確かにな』

「それに俺のエンブリオだと野良パーティを組みにくいんだ。デカいし状況によって変形するしな」

 

ふむ? 確かにアキラのエンブリオだとパーティメンバーの能力によっては難しいかもな?

 

「『う~ん・・・』」

「難しいか?」

「僕たちは反対しないけど」

『もう一人パーティに居るからな。さすがにその人の意見を聞かずに決めることはできん』

「ああ、そう言うことか。じゃあ俺はそろそろログアウトしないといけないんだ。また日を改めるさ。フレンド登録くらいはいいだろう?」

『ソレは喜んで。では、ログインしているのが分かったらここでしばらく待機してるよ』

「OKだ」

 

そう言って俺たちはアキラとフレンド登録し、彼はそのままギルドを出て行った。俺は杭打機を買った店に行って残っているパイルバンカーを買えるだけか買い込むとしよう。




【オーパーツ】の前半の読みは”ろうどうじんこう”です。作者が何気に苦労しているのはエンブリオの能力よりも前半の漢字だったりします・・・
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