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僕たちはドライフ皇国皇都ヴァンデルヘイムの郊外にある<叡智の三角>のクランに現在客分扱いで過ごしている。
アークさんと協力して手に入れた特典武具【巨体遺骸 リガゾルド】を使ってマジンギア作成の見学のためにオーナーのご厚意で泊めてもらっている。
それだけだとこちらが得をしているだけなので足りない素材などを取りに行く場合の護衛をしているけどね。素材集めが主な目的であるため僕たち兄弟も三人一緒ではなく、それぞれが分かれている。
僕はドライフ皇国南部にある《境界山脈》に入る前にある岩場で採取している人たちの護衛。一緒にAR・I・CAさんも来ている。なお、《境界山脈》に入らないのは天竜の領域で下手に刺激すると純竜クラスのドラゴンや最悪伝説級以上の<UBM>である【竜王】が出張る可能性があるためだ。
もっとも、ここはしっかりと統治されているらしくルールを破らなければ危険は少ないとのこと。ここを統治している<UBM>は神話級以上ともいわれているらしい。情報が不確定なのは誰も確認できないから。
<マスター>が来てからは強力な特典武具を手に入れようと入る者もいるらしい。なお、その場合は国から指名手配されるが、それすらも構わないと考える連中はいる。誰も成功してはいないが。
ここよりも危険な北側にある《厳冬山脈》にはクロス兄貴とアークさんが行っている。危険なため戦力を創ることが出来るアークさんが向かうことになった。さらにはその戦力もすごいことになっている。
マジンギア二体と一部の愛好家メンバーが造ったパワードスーツタイプの<マーシャル>を三体も。これらは古い機体やアイテムなので廃棄か分解して部品にするつもりだったものとはいえ、お金に換えると結構な額になる。
<叡智の三角>の皆さんによると特典武具を素材にしたマジンギア作成の情報はそれ以上の価値があると言う。曰くこういうことは情報の積み重ねで段々といいものができるので最初の情報には制作者からしたら値千金の価値があるとのこと。
ただ、逆に言えばそれくらいの戦力がないと《厳冬山脈》には怖くて行けないと言うわけだからどれほどの危険地帯かわかると言うものだ。たまに山に住めなくなった地竜や怪鳥などが降りてきて、中には<UBM>もいると言うのだから。
なんて話を僕はAR・I・CAさんから聞いている最中だ。辺りを警戒しながらだけど。
「それって大丈夫なんですか? <マスター>とかが取り合いになって逃げられたりとか・・・」
「大丈夫大丈夫。<マスター>は信頼が高くないとまず受けられない系の仕事だし、それに今はそこを守っているのは国の軍で一人何体もの<UBM>を倒した猛者が居るって話だし」
言われてみれば国としてはそんな危険地帯を何の策もなく放置しているわけないか。
「私としては一度決闘でもしてみたいんだけどね~その人も【操縦士】らしいし、超級職って噂だからどっちが上なのか興味がある」
「難しいのでは?」
「そうなんだよね~いつ厄介な<UBM>が現れるかわかんないから、ほとんど皇都には来ないらしいし・・・」
AR・I・CAさんはそう言って残念そうにテンションが下がった。護衛をしていて思ったけどこの人は結構戦闘好きなようだ。戦闘狂って呼ぶほどではないみたいだが、戦いそのものは好きだと思う。
「しかし、同じ地域の国ですが、アルター王国とは毛色が違いすぎますね?」
これ以上落ち込まれるとまた添い寝に誘われそうなので、気になっていたことを聞いてみることに。
「ああ、アルター王国は西洋ファンタジーな国なんだっけ? ドライフはSFってかんじだからね~」
「どうしてこんな差ができたんでしょう?」
「ん~細かい理由は知らないけど、一番の理由は遺跡じゃないかな?」
「遺跡ですか?」
彼女のセリフに僕の頭の中ではマチュピチュやらエジプトの遺跡が浮かぶが、SFとは言えないのでは?
「うん。ドライフって先々期文明の遺跡が結構な数発見されてるんだよね。その中には現在の機械技術では再現不可能な物も数は少ないけどあるの」
「先々期文明ですか?」
「これまた細かいことは省くけど、先々期文明って結構な機械技術を持ってたらしくてさ? そんな機械の遺跡があちこちにあるんだからそれを利用しないって選択肢はなかったんじゃない?」
「まぁ、元からあるのならそれを利用した方がはるかにコストカットにはなりますね」
「そう言うこと。ドライフっていう土地そのものに機械との縁が深く合ったってこと。だから、こんな国になったんだよ」
「なるほど」
恐ろしくざっくばらんな説明だが、わかりやすく伝わりやすいので納得はした。細かいことが気になるのなら調べればいいけど、国に所属してない僕じゃあ調べるのにも限度があるかな?
「ん? もしかしてですが、今でも見つかってない遺跡とかあるんですか?」
「それはあるよ? 見つけて国に報告したらお金もらえるし、探し回ってる<マスター>は多いよ」
「へ~」
「ただ・・・」
感心している僕の耳には聞こえなかったが、神妙な顔をして彼女は続ける。
「遺跡の中にあるものが必ずしもいい物とは限らないけどね・・・」
そう言って彼女は一番新しく発見された遺跡があるバルバロス領に目を向けた。そこはゲイル兄貴とアキラが素材探しをしているすぐ近くだ。
??? 先々期文明の規格外のティアンについての考察
このデンドロの世界では現在進行形で規格外と呼ぶべきものが存在しまたは生まれる。それはティアンや<マスター>のみならずモンスターでもだ。
現在のデンドロ内時間軸で言えば600年前の先々代【龍帝】や【覇王】が有名であろう。それらと並んで【猫神】も上げられるが、
なぜならその本人からしても先に挙げた二人は「バクキャラ」とコメントするほどの規格外であったからだ。
本来は術や魔法の類が使えないはずなのに独自の方法で類似した【術】を使いこなし、果ては新たな術の開発などをしてしまった先々代【龍帝】
戦闘系超級職の奥義に匹敵する威力の攻撃を
だが・・・・これらが最も有名であるだけで、それ以前から規格外と言うべき存在はいたのだ。
先々期文明時代で最も有名な規格外と言えばフラグマンの名が上がるだろう。なぜなら、その文明の技術革新をたった一人で成し遂げた者だからだ。
起動に騎乗者のMPを消費せずにみずからがMPを生成する動力源。これによりいくつかのジョブは戦闘力が増す結果となった。
専門の超級職以上の能力を保持する機械人形。新機能をこれでもかと詰め込んだ戦艦。機械式ゴーレムの武装及び人工知能。
かの人の功績を上げればきりがない。先々期文明において彼以上に有名な規格外はいないとさえ言える。
しかし・・・それはあくまで功績が認められ有名になったのがフラグマンしかいなかっただけである。
中には有名になることなくひっそりとこの世を去った者や、先々期文明ではその所業が認められずに闇に葬られた者が少なからずいたのだ。
そのうちの所業が認められなかった者の一人について語ろう。
その者の名はゾルデット・オルゲン。彼は研究者系統超級職【
もっとも彼は当初は【工学王】のみで活動していた。とある目的のために研究者系統が必要だったから就いて活動をしていた時期に【大教授】の条件を満たしてこれ幸いと就いただけであった。
そんな彼のとある目的とは・・・・生物と機械の融合。すなわちサイボーグを生み出すこと。
当時、フラグマン性の機械技術が世の中を占めていたので、機械アイテム生産専門の超級職である【工学王】に就いたゾルデットはフラグマンの広めた機械アイテムの生産に追われていた。
そんな日々の中、突如として疑問が浮かんだ。自分はこのままでいいのかと。
【工学王】と言う最高峰の生産職に就きながら、やっていることは別の誰かが創った機械の量産。それだけであれば大勢いる【高位技師】にも自分よりは時間がかかるができること。
誰もできなかったことを成し遂げたい。それ自体は才能を持つ者が考えるごく普通の事だった。しかし、何をどう考えたのか彼はここから道を踏み外す。
生物と機械の融合。どういう結論でそれを目的としたのかは謎だが、彼はそれを目指し始めた。人間が機械武装を装備するのではなく、身体自体に機械を組み込む。それを模索しだしたのだ。
当初はティアンでこれを試そうと思った。奴隷を使えば戦闘力のない自分でも手軽だと考えたが、すぐにその案は却下せざる終えなかった。
先々期文明時代は小さな国での小競り合いは多かったが、大きな戦争もなく奴隷自体があまり多くなかった。国が管理する戦争奴隷や犯罪奴隷はいたが、それを購入するにはいくつもの書類と規則があり、前例のないゾルデットの目的ではすぐに自分が犯罪奴隷にされるだけだった。
自分が【奴隷商】にでもなるかとも考えたが、現在の【奴隷商】は国に厳重に管理され信頼と実績がある【商人】でないと就くことが出来ない。ましてや【工学王】として有名な自分では注目されてしまう。
そんないくつもの障害がありティアンによる目的は断念し、モンスターに注目したのだ。
モンスターに注目したゾルデットはそれが可能かどうかを確かめるためにも、モンスター研究のために【研究者】に就いた。
表向きはモンスターにも装備できる機械アイテムの開発のためと偽り、彼は目的達成のために奔走した。
その日々の中で【研究者】としての才能があったゾルデットはものすごくあっけなく超級職の【大教授】に就くことが出来た。
そして、彼の目的は二つの超級職に就いたことで加速してゆく。モンスター研究の最高峰である【大教授】と機械アイテム制作の最高峰である【工学王】
この二つが組み合わさったことで彼の目的である生物と機械の融合は、現実味を帯び始める。
いくつかのテイムモンスターに己が造り出した機械アイテムをそのモンスターに適合するように創ることが可能になったのだ。
いくつかの失敗と成功を重ねることで彼の生み出したモンスターは強力になってゆく。だが、そんな日々は唐突に終わりを迎える。
国が彼の研究を怪しんで調査に乗り出したのだ。その結果、ゾルデットの研究は国上層部の者たちに知られることになり、危険と判断された。
危険視された理由としては、この研究が進めば研究者であるゾルデットかまたは彼の研究に注目した者がモンスターではなくティアンで試すことが容易に想像できたからだ。事実として当初の研究ではティアンで進めるつもりであったことが、調査で判明している。
その為、ゾルデットは指名手配となり逃亡生活を余儀なくされた。しかし、彼は逃亡生活の中でも研究を続けた。その結果、彼の研究成果を残した研究所が今日まで残ることになる。
機械と融合したサイボーグモンスターが。
これから先にも過去の偉人(ブラック)の作者オリジナルはた迷惑な規格外は出てくる予定です。