三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

60 / 69
第五十九話 ゲイルVS【螺旋機竜 スパイドロン】1

  ◇  【大盾騎士(タワーシールド・ナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

突然現れた<UBM>に対して、俺はこちらへ向かってきた【螺旋機竜】の名を持つ奴と戦うために俺を狙うように前へと出たところだ。

 

(もう一体は武装からして遠距離攻撃を得意としているようだしな。遠距離攻撃が得意ではない俺じゃあ一方的にやられかねない)

 

無論、今相手をしようとしている【螺旋機竜】とて簡単な相手ではないだろう。それでもあの二体のうち外見で判断するならば最も戦いやすいと判断した。

 

『なんだ?』

 

などと考えながら少ないAGIで【螺旋機竜】に向かっていると、相手の様子が変わった。四肢の機械がスパークしさらには大きなドリル状の角が電撃を纏いながら回転しだしたのだ。

 

そして、一歩一歩進むたびにその回転は速くなってゆく。

 

『《ガード・オーラ》! 《シールドガード》!』

 

俺は嫌な予感がして、盾を構えてENDを強化するスキルと盾で防御した時に防御力を強化するスキルを使用。その瞬間に敵は速さが急に変わり、猛スピードで俺にぶつかった!

 

『ぐぉ!?』

 

その衝撃とドリルの回転による絶え間ない金属同士の削りあいに俺は盾を手放しそうになった。何とかそれは阻止したが足の踏ん張りがきかず、俺はそのまま【螺旋機竜】に押されてアキラと離されてしまった。

 

『この!?』

 

そのまま俺はかなりの距離を押し戻されてしまった。時折大岩などに背中を叩きつけられながらだ。その都度防御力を上げるアクティブスキルを使用して、ダメージは最小限にしているが。

 

『《シールド・アタック》!』

 

俺はこの状況を変えるために半ば無理やり、盾の攻撃スキルを使用。その攻撃がなんとか相手のドリルをそらすことに成功し、俺は奴の正面から離脱できた。

 

しかし、代償も大きく使用していた盾は相手のドリルを回転を受け続けたことで離脱した瞬間に耐久値がなくなり壊れてしまった。

 

俺は《瞬間装備》で別の大盾を装備。さらにアイテムボックスから回復アイテムと《ジョブクリスタル》を取り出しそれらを使用。

 

俺のジョブスキルをすべて使用できるようにメインジョブを【重厚騎士】に変えた。そんな中【螺旋機竜】はスピードはそのままで大きく旋回し、再度俺に突撃を仕掛けた。

 

『舐めんな!! 《ガード・オーラ》! 《ヘビィアンカー》! 《パンツァー・チャージ》!!』

 

それに対して俺はアクティブスキルを三つ使用して迎え撃つ。ENDを強化し、衝撃や吹き飛ばし耐性を付与。さらに自身の防御力が高いほど威力が上がる攻撃スキルを使用。

 

そのまま先ほど装備した大盾を前方に構えて突撃。相手とのガチンコ勝負になる。その結果は・・・

 

『ぐはぁ!?』

 

俺が弾き飛ばされる結果となる。幸い《ヘビィアンカー》の効果で吹き飛ばされることはなく、すぐに体勢を整えることはできたが・・・

 

『さっきより威力が上がってるのか!?』

 

一度目の接触よりも重い攻撃に俺は相手の能力を予想するのだった。

 

 

 

 

 

  ???  とある機械化モンスターのコンセプト

 

 

 

【工学王】ゾルデットは地竜種の一体である【大衝角竜】に注目し、このモンスターをさらに強くするためのコンセプトを考えていた。

 

 

【大衝角竜】は数ある地竜種の中で癖のないモンスターであり、高いステータスを持ち食料も金がかからず【従魔師】や【商人】の竜車として人気のモンスターだった。

 

 

それだけ人気であり数も多く、ゾルデットが購入しても特に怪しまれることはなかった。

 

 

高いステータスを持つが特に強力なスキルを覚えるわけではない【大衝角竜】 ゆえにゾルデットは高いステータスを生かすスキルや強力な武器を持たせてみてはどうかと考えた。

 

 

それらの考えで造られたのが機械化モンスター四号である。まず角を大胆にも回転式大型尖角へと変え、その武装を生かすために四肢を機械化し、とあるシステムを開発。

 

 

そのシステムとは《パワーチャージャー・ダッシュ》 機械化した四肢が動けば動いた分だけ回転式大型尖角が回転し、回転数がどんどん加速すると言う物だ。

 

 

この武装を手に入れたことで、機械化モンスター四号は動いている限り何物にも邪魔されない最強の矛を手に入れたのだ。

 

 

後は止まっている時に使える武装や、追加の機械化をどうするかを考えるだけであったが、それらの作業をする前に研究施設を破棄することになり、機械化モンスター四号は完成することなく、封印された。

 

 

だが、今この時に封印は解かれてしまった。さらには封印が解かれたことで世界のシステムに存在を知られ<UBM>となった。

 

 

<UBM>となったことで生物としての格が上がり、一個の生命として完成された。その為、高いステータスがさらに高まり、武装もより攻撃的になった。

 

 

それはスキルにも言えることで《パワーチャージャー・ダッシュ》は変質し、《スパークチャージ・バースト》へと昇華。

 

 

機械部品が動いている間は電撃がスパークし、その電撃エネルギーをドリルへと溜め込み回転数が上がるたびに触れた者や物体にダメージとは別に耐久値が存在するものに直接損傷を与え、破壊する。

 

 

シンプルな効果ゆえに対処が難しくなり、ゾルデットが考えたコンセプトが<UBM>となったことでより強力になった形だ。

 

 

もっとも・・・弱点がないわけではないのだが。

 

 

 

 

  ◇  【重厚騎士(ソリッド・ナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

相手の能力が完璧に把握したわけではないが、何となくあたりを付けた時に俺は新たに覚えたスキルを使用。それからも相手の攻撃を受け続けた。

 

このスキルを効果的に使うには相手からダメージを受け続ける必要があるのだ。長期戦用のスキルだな。

 

『《アサルト・ランパート》! 《カウンターソード》!』

 

無論、ただダメージを受けるわけでもなく反撃もしている。【大盾騎士】の習得条件がある秘技《アサルト・ランパート》は盾による防御が成功した場合、次に使うスキルの効果を倍にする。

 

それを防御が成功した後に使うと威力が底上げされる《カウンターソード》を使い【螺旋機竜】に確実にダメージを与える。

 

「BURU!」

 

そこへ<ジュエル>から出したリオンが相手から一定の距離を置いて追いかけて、光魔法を放ち追い打ちする。さすがに速さはリオンの方が勝っているので、【螺旋機竜】は俺を集中して狙っている。

 

リオンが使う光魔法はほぼ簡単な魔法だからダメージも俺の方が多いんだろうな。それ以上の威力のある光魔法はあるのだが、発動に時間がかかりすぎて使えない。

 

このままでは俺が負けてしまうだろうが、そろそろ【ポルックス】の新スキルが効果を発揮する。

 

『《ガード・ウォール》! 《シールド・アタック》!』

 

スキルのクールタイムの関係で強力なスキルは使用できず、下級職で覚えるスキルを使用する。本来なら嫌がらせにしかならないが、今は違う。

 

盾と相手のドリルが接触すると拮抗して相手の進路をそらすことに成功した。

 

この事実に相手は驚いたのか、再度突撃することはせずに俺の周囲を旋回している。もっともそんな様子見を待ってやるつもりはない。

 

「BU!」

『《サンダー・ショット》!』

 

相手の後ろからリオンが光魔法で攻撃し、俺も大型リボルバーをアイテムボックスから出して【銃騎士】のスキルで200の固定ダメージを与えるアクティブスキルを使用して撃つ。

 

相手は体のすべてが機械化されているわけではないので、俺の撃ったスキルは生身にリオンの魔法は足を重点的に狙っている。

 

さすがに魔法に対しての防御力は自信がないらしく、リオンの攻撃だけは回避しているが。俺の攻撃は生身に当たっているので多少はダメージを稼いでいると信じたい。

 

これらの攻撃にイラついたのか、俺に対して突撃をしてくる【螺旋機竜】 だが・・・・

 

『《プリズンウォール・バースト》!』

 

これに対して俺は大盾を構えて、【重厚騎士】の秘儀で対抗する。真正面からこちらへと向かってくる。【螺旋機竜】は大盾に接触し・・・

 

――――大盾を破壊できずに弾き飛ばされた。

 

『!?』

 

この結果に【螺旋機竜】の意思は理解不能に陥った。その隙を逃さずにゲイルは大型リボルバーを【瞬間装備】でサブマシンガンに変更。機械に覆われていない生身に弾丸を浴びせる。

 

この攻撃のダメージで【螺旋機竜】は思考を復活。ゲイルの周りから離脱。だが、弾き飛ばされたことで《スパークチャージ・バースト》の効果が止まってしまい、攻撃力を上げるためにある程度走る必要が生じた。

 

ゲイルはここが最大のチャンスと判断してリオンに乗馬して、追い打ちを仕掛ける。

 

ゲイルがこのチャンスをものにできたのは【ポルックス】が進化したことで手に入れた新たなスキルのおかげだ。その詳細は・・・・

 

 

 《ダメージアブゾーブ・フォートレス》 アクティブスキル

 

 スキル宣言後に受けたダメージの1/10を攻撃力か防御力に加算する。

 どちらかはスキル宣言時に攻撃か防御のどちらかを続けて宣言。

 このスキルを使用中は【ポルックス】はガーディアン形態使用不能。

 及び、他の【ポルックス】の固有スキル使用不能。

 

 

このスキルを使用中は他の【ポルックス】のスキルは使用できなくなるが、それでも破格のスキルだ。何せダメージを受ければ受けた分だけ、攻撃力か防御力が増していくのだから。

 

このスキルをゲイルは二度目の攻撃を受けた後に使用した。その際に選んだのは防御力。ゲイルのジョブには防御力が高いほど効果が上がるスキルが充実しているためである。

 

スキル特化ジョブほど強力ではないが、それでも有用な効果だ。

 

このスキルを宣言したことで今までのダメージが防御力に加算され、現在のゲイルの防御力は【螺旋機竜】の攻撃力との差をほぼ無くしたのだ。

 

このおかげで最大のチャンスを手に入れたゲイルだったが、【螺旋機竜】もこのままではまずいと判断して奥の手を使うことに。

 

バリリリン!!!

 

突如として【螺旋機竜】の体から電気がスパーク。体に雷を纏い始めた。

 

これこそ【螺旋機竜】が<UBM>になったことで手に入れた奥の手のスキル。《雷撃突貫(サンダーボルト)

 

これまでに《スパークチャージ・バースト》で生成した電気エネルギ―をドリルだけではなく体すべてに纏わせるものでこれにより【螺旋機竜】に触れた物は電撃のダメージをも喰らうことに。

 

それだけではなく電気を内部に溜め込むのではなく、外部に放出し纏ったことで行動の出始めが速くなり、身体も活性化しステータスも上がっている。

 

しかし、デメリットとして使用した直後のHPにSPを必ず半分消費する。ただでさえ、戦闘で傷ついた体をさらに傷つけるのだ。まさに奥の手。

 

この時よりゲイルと【螺旋機竜】の戦いは最終局面を迎える。




【重厚騎士】のスキル【プリズンウォール・バースト】を奥義としていましたが、この度変更しました。奥義ではなく秘儀に。
【聖騎士】に当てはめると【聖別の銀光】クラスですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。