三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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第六十二話 完成! 唯一のマジンギア!

  ◇  【大盾騎士(タワーシールド・ナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

予想外の事態に遭遇して、時間を奪われたが本来の俺たちは素材集めをしていたのだ。アークさんの特典武具マジンギアを造るためにまだまだ素材が必要らしい。

 

そんなわけで素材集めを再開した俺たち。俺とアキラは特典武具を新たに手に入れたおかげで戦闘力が増したので、護衛しやすくなった。

 

他の皆も順調に素材を集めている。マジンギア制作の方は相変わらず己の趣味とポリシーをぶつけあっているが、それでも進んではいるようだ。

 

コンセプトがしっかし決まっていることと、外部の人間のご厚意によって任せてもらえていると言うことを理解しているのが大きいんだろうな。

 

そんな日々がとうとう終わりを迎えたのだ。

 

「完成だ!!」

「これが特典武具を使用したマジンギアだ!!」

「コンセプトの関係で重装甲だが、満足だ!」

「「「おお~」」」

「これが・・・」

 

俺たちの目の前には完成したばかりのおそらくはこの世界で唯一の<マジンギア>が立っている。

 

腕や足はかなり太いが、鈍重な雰囲気はなく馬力がありそうで力強い。両肩は左右非対称で左の肩に縦長の大盾が繋がっている。そのつながりはサブアームと呼んでいいくらいの可動性がある。

 

顔は上から見ると縦長で、アイカメラの部分はバイザーで保護されている。使われている装甲の一部はスケイルメイルのようにうろこ状になっていて特典武具の生前を感じさせる。

 

「姿形のイメージというか土台は、某機動戦士の量産機を参考にしている」

「完成品には面影はほとんど残ってないがな!!」

 

ああ、動く棺桶の方ではなくそちらの趣味が勝ったのか。眺めているとアークが質問をしていた。

 

「中身的にはどんな感じですか?」

「動力は変わらずだな。ただ、特典武具を使ったおかげなのか効率は上がっている」

「動力を伝えるものは【ハイエルダー・トレント】の木材を手に入れたからタイムラグやエネルギーロスは抑えられた」

 

専門知識が要る会話は俺たちにはちんぷんかんぷんだな・・・・

 

「武装については?」

「大盾以外はデフォルトのナイフとグレランだな」

「その大盾も結構頑丈にできたぜ」

「肩につながったままでも使えるし、手に持っても使える。手に持っている場合はサブアームとしても使えるな」

「オプションパーツも思ったよりは付けられるぞ? 今後の活動次第だな」

「ありがとう。スキルはどうかな?」

 

機体性能の次にスキルの説明を行うようだ。

 

「スキルは三つ確認した。一つは【部隊編成】 こいつに搭乗した奴のキャパシティーとパーティー数を増やすスキルだな」

「二つ目は【装甲状態】 戦力が多いほど自身とキャパシティー内とパーティーメンバーの防御力が上がるんだと」

「三つ目なんだが、?表示で詳しくわからん。オーナー曰く条件をクリアしたら解放されるらしいんだが、その条件を解明する手段がないそうだ」

 

一つ目と二つ目は生前の<UBM>の能力の下位互換に近いのかね? 三つ目がよくわからんが。支配系の能力か?

 

「ちなみにこいつの名前なんだが、造ったら勝手に表示されてな?」

「そうなの?」

「ああ。アークの所有物だからわかると思うぞ?」

 

そう言われアークはステータス画面を開いて確認する。

 

「【鱗機兵 リガゾルド】?」

「特典武具で造ったからなのか前半部分が完成したらこうなった」

「個人的には機神の文字がよかったがな~」

「「「まったくだ」」」

 

まぁ、そこは仕方ないことなのだろう。

 

「じゃあ、早速だけど【ツクモガミ】を使わせてもらうね?」

「おう! いい経験をさせてもらったぜ!」

「いくつかの情報を整理しなきゃな・・・」

「まだまだ忙しいなこりゃ・・・」

 

そう言って、彼らはまだ作業があるらしく方々へと散った。俺たちもこの後の予定はアークに聞いているので実験場へと向かう。

 

 

 

 

  ◇  【紅蓮術師(バイロマンサー)】クロス・アクアバレー

 

 

訓練場の広い場所に来た目的は今から【リガゾルド】をモンスター化させるためにアークの<エンブリオ>である【ツクモガミ】を展開するためだ。結構大きいらしく広い場所が必要らしい。TYPE:キャッスルでは小さい方らしいが。

 

「じゃあ、今から出しますが僕の前には絶対に出ないでくださいね?」

「「「了解」」」

 

とは言え、建物だからそれなりに大きな物。出す場所に人がいればぺちゃんこになるらしい。

 

「では・・・【ツクモガミ】」

 

アークが<エンブリオ>の名をつぶやくと、アークの紋章である列をなす様々な物体が輝いて眼前に建物が出現。

 

それを見た俺たちの目に飛び込んできたのはまずは、大きな鳥居。その奥に重要文化財指定されてもおかしくない立派な木造建築の神社が建っていた。

 

「立派な神社だな~」

「なんか・・・背筋が伸びるね? 条件反射で」

「言えてるな」

 

不思議と見ていると自然に襟を正し、ウッドの言う通り背筋が伸びる気がする。

 

「最初は小さなお寺だったのが、だんだん立派になったんですよ」

 

小さなお寺から始まったのか。ちょっとそれも見てみたかったかも。

 

そんなことを考えている間にアークは準備を進めている。【リガゾルド】を鳥居の前に出して、賽銭箱の中に100リルを投げ入れた。

 

「お賽銭には何か意味があるの?」

「それが分からないんですよ。今のところは発動条件で入れているだけで。お金の単位は指定されてませんし100リルで統一してますが」

「お金を多くいれたら性能が変わるわけでもないのか?」

「ええ、そこは検証しました。同じ性能の機械甲冑で試しましたが、性能に明確な変化はありません」

 

ウッドの質問にそう答えて、続く俺の質問にもアークは答えてくれた。お賽銭の意味が不明な点は気になる話だ。進化すればわかるのかね?

 

などと考えていると神社の扉が開き、鳥居がオーラを揺らめかせた。そしたら【リガゾルド】が光に包まれ小さくなり神社に吸い込めれた。

 

「これで後は鳥居のオーラが無くなれば、モンスター化した【リガゾルド】が出てきます」

「時間はどのくらいかかるんだ?」

「性能が高いと今までは10分くらいかかりましたね。今回のは過去最高性能だと思いますからそれ以上はかかるかと」

 

ふむ。ならば気長に待つしかないわけか・・・

 

そう聞いたのでテーブルを出して雑談しながら待つこと20分。ようやく鳥居のオーラが無くなり、神社の扉が開き光の玉が飛び出して、【リガゾルド】が鳥居の前に姿を現した。

 

アークがその前に移動すると【リガゾルド】は片膝を地面に付いた状態から立ち上がり、アークに対してお辞儀をした。

 

「よろしくね【リガゾルド】。これから僕を助けてほしい」

 

アークの言葉にガッツポーズで答える【リガゾルド】。こいつの戦闘力はいかほどなのかね?

 

 

 

 

 

 

そんなアークたちの姿を映像で確認している者が居た。管理AI4号であるジャバウォックだ。彼は【リガゾルド】を興味深そうに眺めている。そんな彼の後ろから声を掛ける者が現れる。

 

「珍しいねー君が討伐者のその後を気にするなんてー」

 

その者は管理AI13号であるチェシャだ。チェシャの言葉はジャバウォックが<UBM>の討伐者に興味を持つことはあっても討伐した後にその行動を追うことはかなり珍しい行動だった。

 

「今回<UBM>にしたのは珍しいモンスターだったからな。さらに言えばあのマスターの<エンブリオ>はなかなかに興味深い能力をしていたので気になった」

「・・・ああー要するに君の趣味の範疇かー」

 

ジャバウォックの言葉にチェシャは呆れた顔で納得した。4号の仕事はモンスターの<UBM>関連全般で、これらのことは半分以上が趣味なのだ。そのせいでトラブルになることもしばしば。

 

「そういえばさージャバウォックー」

「なんだ?」

「あの二人が討伐した【機竜】ってさあ・・・あと何体くらいいるの?」

 

実を言えば<UBM>である程度似ているモンスターは要るのだ。代表格で言えば【竜王】だろう。モンスター種族ドラゴンの中からごく一握りの強者が至れる<UBM>。

 

ほとんどの【竜王】は<竜王気>と言う攻防一体のオーラを纏うスキルを持ち、さらに強力なスキルを最低一つは持っている。そのスキルか外見にちなんだ名称になることが殆どだ。【角竜王】や【爪竜王】などだ。

 

「現在確認されている【機竜】は5体だ。もっとも・・・現時点で稼働しているのが5体いるだけであり、あの2体のように封印処理されているのは封印解除された瞬間に<UBM>になるが・・・・」

「ああーやっぱりーまだいたよー・・・ちなみに興味本位で聞くんだけどーその5体のランクはー?」

「5体のうち2体は伝説級だが・・・残りの2体は古代伝説級最上位。そして最後の一体は神話級だ」

「うわー・・・」

 

予想以上に厄介なモンスターと化していることにチェシャは<マスター>たちのこれからが心配になった。

 

「そのー古代伝説級とー神話級は暴れたりしないのー?」

「能力の関係で今はまだ暴れないだろうな。そもそも古代伝説級の一体は海の深海付近の隠されたプラントに居る。神話級に限っては能力をフルに発揮するために情報収集している最中だ」

「まぁーそれならしばらくは大丈夫かなー。ほんとにしばらくはだけどー」

「こちらからも質問する」

「何かなぁー?」

「お前が彼らに注目するのはなぜだ?」

 

ジャバウォックから見てチェシャが特定の誰かを見守るのは珍しくはないことだが、彼らにチェシャが気に掛ける何かがあるとは思えなかった。

 

「んー単純に興味があるだけだよー個人で規格外や常識外れの能力を持っている<マスター>が少ないけど要る中でー彼らのように複数人で能力以上の実力を発揮するのは珍しいからー」

「ふむ・・・それは理解できる」

「それとーそろそろあの三人のうちの一人が超級職の条件を満たしそうだからー」

「ああ・・・そう言えばこちらが把握している超級職の条件をクリアしそうな者が一人いたな」

「そういうことーどうなるかは先のことだけどー」

 

そう言って彼ら二人は映像を見る。その映像に映っている三人兄弟の一人を。

 




【リガゾルド】の戦闘力に関しては次回に。三兄弟で超級職になるのは誰なのか? こうご期待!
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