三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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お待たせしました。またしても先で出会うことになるとある<マスター>の話です


閑話 グランバロアを選んだとあるPC

  ◇  アレク・サンドウェン

 

僕ことアレク・サンドウェンは今日も真っ白な病室で読書をしている。僕は生まれた時から骨に異常があって常人よりも骨が柔らかい。自分の体重を支えられないほどではないが、食べ過ぎて体重が増えると途端に歩くことすらままならなくなる。

 

そのため、僕は普通の学校には行けない。そう言う難病を抱えた子達を専門に教えている機関から勉強を教えてもらえる職員を派遣してもらっている。

 

食事も少しでも骨の強度を上げるため、日本と言う国の和食を主に食べている。運動などは体に負担にならない程度に看護師立会いの下行う。

 

でも・・・・ちょっとでもいいのでこの前テレビで見たイルカのドキュメンタリー番組みたいに水の中を泳いでみたいな・・・・

 

 

 

そんな僕の元に両親からとあるゲームを渡された。<Infinite Dendrogram>と言うフルダイブVRMMOだ。先に試した両親が言うにはこれは本物で、これなら僕も病気を気にせずに何でもできるようになると言われた。

 

さすがに本当かどうか両親の言うことでも疑ったが、もし本当ならと言う思いが僕にゲームをやるきっかけになった。

 

そして・・・僕は今チュートリアルをする空間である大草原で走り回っている。そんな僕を見ているのは管理AI三号であるクイーンと言う獣人みたいな人だ。

 

思う存分走り回り、クイーンさんの元に戻りチュートリアルを開始した。描写選択はリアルに。名前は好きな物語の主人公の名前であるアーサーにした。

 

アバターに関しては僕のリアルを成長させて、違和感が出ない程度に筋肉質にした。その後は髪を銀色にして目は碧にして完成。

 

次のアイテムボックスと最初の路銀を受け取り、初心者装備は旅人風の服一式と武器は短剣にした。そしてこのゲームの最大の目玉である<エンブリオ>の説明を聞いた僕の左手にも移植された。

 

僕の<エンブリオ>はどんなのになるのかな?

 

最後に所属国家を選べと言われて僕はグランバロアを選択。リアルでは水泳はおろかプールにすら行ったことがなかったので、海と言うものをこの目で見たかったから。

 

最後にクイーンさんからこのようなことを言われた。

 

「これから先君は自由だ。悪人になるのも善人を目指すのも何をやってもいい。我々は君の来訪を歓迎する」

 

その言葉の直後に僕は大空を急降下していた。

 

 

 

 

人生初の空中降下は意外にも楽しめた。グランバロアをうろちょろしていたら、とある人たちに声を掛けられ<マスター>であるならここに行った方がいいと渡された紙の場所に行ってみると、同じように左手に羽化前の<エンブリオ>を持つ人たちがいっぱいいた。

 

しばらくすると身体にいくつもの傷を付け眼光鋭い老人が現れた。この老人の名はバルタザール・グランドリアで僕たちが居るグランバロア船団の一つ海賊船団の長だそうだ。

 

彼が言うには今日この日多くの<マスター>がやってくるから、そのほとんどをしばらくは海賊船団が預かり、この世界の常識を教えるとのこと。その過程でやりたいことが見つかれば他の船団に移ってもいいと言われた。

 

理由としてはグランバロアは大海原を移動する特殊な国。好き勝手やられてはかなわないからこちらから積極的に動くことにしたそうだ。

 

僕や他の<マスター>たちもそれならばと納得してお世話になることを選んだ。

 

 

 

早速覚えたほうがいい常識の一つであるジョブについて学んだ。このゲームでは何をするにしてもジョブに就かなくては始まらない。

 

学んだあとは海賊船団の船に乗り、ジョブに就くためにクリスタルが複数ある無人島へと向かう。その道中に戦闘をまじかで目撃したが、何人かは興奮していたが少数の<マスター>はあまりのリアルさに口を隠し気持ち悪くなっていた。

 

僕はそこまでではなかったが、リアルでは荒事はおろか運動すら満足にやっていなかった僕にできるか不安になった。

 

やがて無人島に到着し、何人かの<マスター>は戦闘職に就いた。一方で戦闘に対して恐怖を抱いた者は生産職を選んでいた。

 

僕も後者である。選んだジョブは【生産者(クラフター)】 このジョブは何でも作ることが出来るジョブで多くの物を作れる代わりに特化した生産職には及ばない。しかしながら作る上で役に立つスキルを複数覚えるので、ティアンではメインよりもサブに就くことが多いジョブだ。

 

僕としてはどの生産職にしようか悩んだこともあり、このジョブで色々作って後々に特化したジョブに就こうと考えたのだ。

 

その後はグランバロアに帰還。その道中で何人かの<マスター>は<エンブリオ>が羽化して喜んでいた。僕のはまだ生まれておらず、今日この日はログアウト。

 

 

 

翌日にログインし、生産工房にていろいろな物の基本技術を学んでいると僕の<エンブリオ>が羽化した。左手には電車を模した紋章が浮かんでいる。

 

ステータスを確認したところ、僕の<エンブリオ>の名前は【冒険浪漫 オデュッセウス】 TYPE:チャリオッツ・キャッスルである。

 

ステータスを全部見る前に姿を確認したかった僕は、生産工房にある船を収めるドックに向かい、外海に出て紋章から出す。

 

そしたら海に電車が浮かんでいた。中に入ると乗り物図鑑で見た寝台列車のようであり、生活できるようになっていた。その後中から出て紋章に戻したあとステータスをすべて確認する。

 

僕へのステータス補正はMP、SP、DEXが高く他は最低値。スキルは三つあるようだ。確認しよう。

 

一つ目のスキルは《オーシャン・レーン》 波に左右されずに快適に海上を走るスキル。ただし、大荒れの海を移動する場合は僕のMPかSPを消費する。

 

二つ目のスキルは《ウェポンセット》レベルあり 僕自身が造った武装を任意の場所に設置し、敵に対して自動迎撃するスキル。ただし、設置できる数はレベル依存で僕が必ず乗っているのが前提。

 

三つ目は《ホームセキュリティ》レベルあり、【オデュッセウス】に乗れるのは僕自身と僕のパーティメンバー限定。【オデュッセウス】で寝泊まりすると僕を含めたパーティメンバーにバフが発生し、【オデュッセウス】へ攻撃した者にはデバフが発生する。

 

 

これらを確認した僕は面白いと思った。このゲームで僕は物語の主人公のように冒険をしてみたかった。しかし、昨日見た戦闘で及び腰になってしまった。

 

でも、この【オデュッセウス】となら冒険ができる。【生産者】のジョブのまま戦うことも。その後の僕は興奮を抑えることが出来ずに大声で叫んだ。

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