三兄弟の系統樹   作:出来立て饅頭

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第六十四話  機械式甲冑の事情

  ◇  【大盾騎士(タワーシールド・ナイト)】ゲイル・アクアバレー

 

 

現在俺は<叡智の三角>の一部愛好家の人から聞いた情報を頼りにとあるお店に向かっている。そのお店は<マスター>が経営している小規模クランで機械式甲冑を生産し販売しているところだ。

 

俺は機械式甲冑を買うために初めは<叡智の三角>の愛好家たちから買い取ろうとしたのだが・・・

 

「ああー・・・俺たちが造ったのは買わない方がいいぞ?」

「趣味全開で造っちまうから、癖がありすぎたりデメリットがひどかったりするしな・・・」

「数少ない高性能品は買い手がいるし・・・」

「手に入れたいのなら知り合いたちが商売してるとこがあるからそこで買った方がいい」

 

と言われて現在向っていると言うわけだ。ちなみに彼らが造った物を見せてもらったが、確かに趣味全開だったな。某機動戦士に酷似した物やマンガなので見たことがあるデザインなどなど・・・リアルでやると著作権問題が発生する物ばかりだった。

 

なのでその知り合いたちの店に向かって入るのだが・・・なかなか込み入った場所に店があるんだな? 大通りからはかなり外れているんだが?

 

そんな複雑な道を進みようやくお目当ての商会兼クラン<機構商会>へたどり着いた。早速扉を開け中に入ると・・・・

 

「おお~」

 

そこに並べられていたのは武骨ながら丁寧に作られているのが一目でわかる機械甲冑に、それ専用の武器だと思う機械式の武器が壁に飾られていた。

 

「これはなかなかに男心をくすぐるな?」

「そうだろうそうだろう」

 

俺のつぶやきにカウンターで店番をしている男性が頷きながら声を掛けてきた。

 

「ようこそ。 <機構商会>へ。 見たところ武器と言うよりは機械式甲冑をお求めかな?」

「ああ、そうなんだ。」

「誰かの紹介状とかはあるか? あれば多少はサービスしてやれるぜ」

「これを」

 

俺は<叡智の三角>の愛好家たちからもらった封筒を渡す。

 

「ほう? あいつらからの紹介状か。まぁ、あいつらはほとんどが趣味人で造りたい物を造るって連中だからな」

「ははは・・・」

 

店の人の的確過ぎるコメントに俺は苦笑いするしかなかった。

 

「ぬ? お前さん<エンブリオ>が機械式甲冑なのか?」

「ええそう」

「「「なんだって!!」」」

「です?」

 

店の人の質問に答えるとカウンターの奥から声が重なって聞こえた。その後に店の<マスター>が三人ほど勢いよくやって来て・・・・

 

「ど、どんな<エンブリオ>なんだ!?」

「ここで見せてくれないか!」

「頼む!」

「な、なんだ!?」

 

さすがにこんな事態を予想していなかったので、困惑しどうすればいいかわからなくなる。

 

「やめんか!!」

パパパパーン!!!

「「「あたー!!」」」

 

そんな事態をさきほどまで対応していた人がいつの間にか装備したピコピコハンマーに酷似した機械式金づちを三人に喰らわす・・・なぜ、ピコピコハンマー?

 

「興味があるのはわかったが、客に迷惑をかけるなたわけども!」

「「「オーナー!!」」」

「ん? 手加減してもわからんらしいな?」

「「「すいませんでした!!」」」

「謝る相手が違う」

 

そんな一幕があり三人は俺に正式に謝罪。俺もこれを受け入れる。

 

「全く。すまんな客人? うちのメンバーが迷惑をかけた」

「いえ、ちゃんと謝ってもらいましたし」

「それでも迷惑をかけたのは事実だ。今回の買い物にもサービスする。それとだな・・・すまんがお前さんの<エンブリオ>を見せてもらえんだろうか? こいつらが興味持っちまったしな」

「いいですよ」

 

オーナーと呼ばれた人の案内で店の裏手にある庭で俺は【ポルックス】を見せることに。

 

「ほうほう? これはなかなか」

「シンプルな外見だが、なるほど関節部の可動域はこれくらいでも・・・」

「ふむ。上半身のバランスはこれでもいいのか。下半身のバランスはどんな感じだ?」

 

三人が結構じろじろと【ポルックス】を観察している。<エンブリオ>だけど生産職から見たら別の視点があるのかねぇ?

 

「<エンブリオ>で機械式甲冑っていうのはドライフでも珍しいからな。多いのは機械式のチャリオッツやガードナーだからな」

「へぇ~」

「数少ない機械式甲冑の<エンブリオ>持ちはもうお得意様がいるから、俺たちが見る機会なんぞほぼない。とある事情でティアンが造った機械式甲冑も見れないからな」

「そうなんですか?」

「ん? あいつらから聞いていないか?」

 

そう言うと<機構商会>のオーナーは話し始めた。なんでもこれまでドライフは戦車型のマシンギアであるガイストと機械式甲冑型のマーシャルの二枚看板を戦力としていた。

 

ところが<叡智の三角>がロボット型の《マーシャルⅡ》を創って機械式甲冑型の活躍の場を奪ってしまった。

 

単体としての戦力は亜竜クラスである《マーシャルⅡ》が上であり、【操縦士】のジョブスキルでさらに戦闘力も上がる。

 

一方の機械式甲冑型は戦闘力が個人の力に左右され、ドライフにおいてもそれを強化できる【機械兵士】や【機構兵士】のジョブへの適正は【操縦士】より少ない。

 

そのせいで現在の国として戦力はロボット型である《マーシャルⅡ》に移行している。戦車型の方はまだまだ現役だが、機械式甲冑の方は生産が大幅に減らされているのだ。

 

だが、そんな状況を黙っていられない人もいる。これまで国で機械式甲冑を造ってきた生産職及び機械式甲冑で前線で戦っていた人々。要はティアンの人たちだ。

 

そう言う人たちからしたら<マスター>と言うだけで、自分たちの仕事や活躍の場を奪った者たちの同類と言うことになるのだ。

 

「そんなわけで俺たちも機械式甲冑を造ってはいてもティアンの人たちからしたら恨みの対象なわけだ」

「だからこんな目立たない場所に店を?」

「別の奴らが大通りに店を構えたら、露骨な営業妨害をされたからな」

 

そこまでかと思った。

 

「まぁ、こんな話は置いておいてそろそろ商談を進めるとしよう」

 

そう言うと彼は【ポルックス】を見ていたメンバーを急かして、ここから商談をすることになった。

 

 

彼らが造った機械式甲冑を中庭に並べられ、俺はその中から二つを選んで購入。お値段は二つで120万リルだ。性能はこちら。

 

 

 

 

  【騎士式機械甲冑 ホワイトアウト】

  とある<マスター>が造った機械式甲冑。

  防御能力を底上げする。

 

  装備補正

 

  防御力+860

  斬撃耐性

  刺突耐性

  打撃耐性

 

  装備スキル

 

  《属性耐性Lv3》

  《物理ダメージ軽減Lv3》

 

  ※装備制限  合計Lv450以上

 

 

 

  【騎士式機械甲冑 ブラックジャック】

  とある<マスター>が造った機械式甲冑

  攻撃能力を底上げする

 

  装備補正

 

  防御力+820

  STR+10%

  AGI+5%

 

  装備スキル

 

  《機械武器能力向上Lv2》

  《剛力Lv2》

  《疾風Lv2》

 

  ※装備制限  合計Lv440以上

 

 

見た目は白騎士に黒騎士と言った西洋風の機械式甲冑だ。なんでもこれを造ったメンバーは今はログインしていないそうだが、一昔前のゲームにこんな感じのロボットが出てきたので参考にし自分なりのオリジナリティ―を追加したそうだ。

 

《剛力》と《疾風》は最終的な攻撃力と速さを底上げするスキルだ。数値的には微々たるものだそうだがあるとないとでは違うだろうしな? なかなかいい買い物ができたし、オーナーさんや他のメンバーも商品が売れたのを喜んでいた。

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