【ナザリック玉座の間】
守護者達の忠誠の儀が終わりぷにっと萌えが話を始めた。
ぷにっと萌え「セバス、探索の報告をしてくれ」
セバス「はい、ナザリックの周囲に人工建築物及び人形の生物はなく第六階層と同じ夜空が広がっており場所も沼地から草原に変わっておりました」
セバスからの報告に彼らは皆驚いた。多くの者が今のこの状況をユグドラシルの延長程度に考えていた為、セバスからの報告で彼らは今のこの状況の異常性を改めて認識した。
ぷにっと萌え「皆さん、これからセバスの報告を踏まえた上で今の状況とモモンガさんの生存に関する私の考えを聞いてください」
ぷにっと萌え「まず最初に私達のこの状況ですが・・・恐らく我々がいるのは異世界です。それも私達の意思で此処に来てしまった可能性があります」
ぶくぶく茶釜「私達の意思?」
ぷにっと萌え「皆さん此処に来る前、運営から届いた物を憶えてますか?」
たっち「モモンガさんの動画ですね」
ぷにっと萌え「運営の動画を見て私達はモモンガさんに会いたいと願いその後の記憶はナザリックの自室から始まっています。そしてモモンガさんの〈流れ星の指輪〉が全て消費されています。可能性としてはモモンガさんの願いで我々の彼に会いたいという願いが叶ったのかもしれません」
ぷにっと萌えの説明に頷くものもいるが同時に疑問を持つ者もいた。何故なら、あの指輪が叶える願いはランダムで個人の願いを叶える力はない、それはユグドラシルプレイヤーなら誰でも知っている事だからだ。
死獣天朱雀「ですが、仮にモモンガさんが指輪に願ったとしてもそれはユグドラシル内の話で現実にいた我々に影響を与えるとは思えませんが」
ぷにっと萌え「確かにその通りです。普通ならあり得ない話です
・・・でも、実際に今私達に起きているでしょう。あり得ない現象が」
弐式炎雷「もしかして、あの時に言ってた三つ目の根拠ってまさか」
ぷにっと萌え「その通りです。どうやらこの世界ではユグドラシルの魔法やアイテム、スキルが使える。なら、本来はランダムの願いもこの世界でなら現実になる可能性がある。モモンガさんが何を願ったのかは特定できませんが指輪の効果が働いて私達とは別の形でこの世界に転移をしている可能性が高いです」
ぷにっと萌えの言葉に今まで顔を暗くしていたギルドメンバーの表情が一斉に変わった。モモンガが生きているかも知れない、一つの可能性の話だと分かっていても彼らはその一つの希望を頼りに一つの決意をした。
ウルベルト「これでぷにっと萌えさんがモモンガは生きていると言った意味が全部理解できました」
ペロロンチーノ「どういうこと?」
ウルベルト「・・・理解出来てなかったんですか。簡単に説明するとモモンガさんはギルド武器を所持したまま此処に居たはず、そして此処で指輪に何かを願った。そしてモモンガさんのアバターは此処にあるのにギルド武器だけが無いそれなのにナザリックの何処にも異常がない。モモンガさんが指輪の力で我々と別に転移をしているならギルド武器はモモンガさんの所にある可能性が高い。ナザリックに異常がないということはギルド武器は無事つまりギルド武器を所持しているはずのモモンガさんも無事である可能性が高いということです」
ペロロンチーノ「成る程、理解しました」
自信満々に言うペロロンチーノだったが正直不安だ。それにしてもぷにっと萌えには本当に頭が上がらない。あの状況でここまで考える事ができるなんて本当に凄い。アインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明と呼ばれるだけはある。
ウルベルト「ぷにっと萌えさん。モモンガさんが生きているのなら早く探しに行きましょう」
ぷにっと萌え「いや、まだ駄目です、今のままでは情報が少な過ぎます。それにこの世界にどんな存在がいるか不明ですし我々の他にプレイヤーが居ないと決まった訳じゃない。今の段階では情報収集とナザリックの守りを固めるべきです」
ウルベルト「ですが、もしモモンガさんがいるなら」
たっち「ウルベルトさん気持ちは分かりますが今は」
ウルベルト「何ですかたっちさん貴方はモモンガが心配じゃないんですか?」
たっち「心配に決まっているでしょう。でも、だからと言って無闇に行動するべきじゃないと言っているんです」
また始まった。ウルベルトとたっちが犬猿の仲であることは皆知っている。いつも口喧嘩するがこうなると彼らは止まらない、止める事が出来るのはモモンガ1人だけ。やばい、このままだとあの時と同じ事が起こると全員が感じた。その時
タブラ「いい加減にしてくれませんか」
その声に喧嘩をしていた2人も一斉に声のする方を向いた。今までに聞いたことの無いほど冷たい声でタブラは喧嘩をしていた2人を止めた。
タブラ「あれから少しでも変わったと期待したのに・・貴方達はいつまでそうしているつもりなんですか?。まさか、忘れたと言いませんよねあの日の事を」
タブラの言葉が2人の胸を貫いた。ユグドラシル時代、その日はたまたまモモンガさんだけが仕事の都合でいなかった。あの日も彼らは喧嘩していた。売り言葉に買い言葉で言い合いは激しくなり誰も2人をとやかく止める事が出来ず結局その日を境に2人がユグドラシルに来ることが少なくなった。モモンガが2人を仲直りさせようとしたが2人はあの日の事が余程気不味いのかそのままユグドラシルを引退してしまった。2人に続くように一人また一人とユグドラシルを引退してしまった。彼らにとって忘れたくても忘れられない事件の一つであり、モモンガを1人にしてしまった原因の一つでもある。
タブラ「もし、モモンガさんが戻って来ても貴方達が何も変わっていないのならまた同じ事が起きる、その時どうするんですか?。また、モモンガさんに頼りますか」
たっち、ウルベルト「・・・」
タブラ「でも、別に貴方達だけの責任じゃない。結局、最後に辞めるか続けるか判断したのは自分達です。でも、同時に自覚した下さい。
貴方達が原因の一つである事を」
タブラの言葉を最後に沈黙が続いた。モモンガが生きているかも知れないという事実で忘れていたがそもそも彼をこの場所に繋ぎ止める原因は自分達だということを。
ぷにっと萌え「取り敢えず、今日はここまでしましょう。これ以上は何も出来そうにありませんしね」
ぷにっと萌え「守護者の皆は自分の階層に戻って念のために自分の階層に変化が無いか調べながら待機しておいて、セバス達プレアデスは九階層の警備に、アルベドはここでモモンガさんの側にいてあげて。・・何かあったら直ぐにメッセージしてくれ」
アルベド「畏まりました」
アルベドに続き他の守護者達も彼の命令通りに自分の持ち場に戻り、ギルドメンバー達も静かに自分達の部屋に戻って行った。しかし、彼らは気が付かなかった。1人の女が死の王の近づき邪悪な笑みを浮かべた事に。