深雪達を乗せたコミューターが、パーティー会場のリゾートホテルへと近づいていく。運転席には桜井が乗っているが、自動運転なのでハンドル等には一切手を触れていない。
カクテルドレスに着替え、髪留めとネックレスを身につけ、ハンドバッグを手にする深雪が、窓の外を流れる景色を眺めながら小さく溜息を吐いた。それは本人にとって完全に意識外の動作であり、やってから「しまった!」とばかりにハッとした表情になる。
そうして恐る恐る隣に目を向けると、同じくドレスで着飾った
「深雪さん、どうしました? パーティーに参加するのが嫌なのかしら?」
「い、いえ! そんなことはありません!」
「そう、なら良いです。――正直私は、あまり気が進みませんけど。せめて沖縄に来た今日くらいはゆっくりしたかったわね」
あまりにも正直な深夜の言葉に、運転席の桜井から苦笑いの雰囲気が漏れた。
「奥様も深雪さんも、そんなに不機嫌な顔をなさっては、せっかくのお召し物が台無しですよ?」
「……分かりますか?」
「私には、ですけどね。でも世の中には、私よりも鋭い“目”を持つ人はいくらでもいます。深雪さんは普通の中学生ではないのですから、隙に繋がるようなことは極力避けるべきでしょう」
桜井の的を射た言葉に、深雪は反論する気すら起こらなかった。
「それでは、どうすれば良いのでしょう?」
「気持ちというものは、どうしても目や表情に表れてしまいます。だからこそ大事なのは、自分の気持ちを上手に騙すことです」
「自分の気持ちを、騙す……?」
「はい。“建前”というのは、まず自分自身を納得させるためのものなんですよ」
「建前……」
桜井の言葉を深雪が反芻していると、コミューターがホテルの敷地内へと入った。少しして会場であるパーティーホールが見え、深雪からしたら無駄に派手なようにも見えるエントランスでコミューターが停止する。
助手席に座っていた達也がキビキビした動作でコミューターを降り、後部座席のドアを開けた。そうして深夜と深雪が外に出て、運転席から回り込んだ桜井と合流して4人はホールの中へと入っていく。
ロビーには強面の男性と凛々しい女性が、なるべく目立たないように立っている。とはいえ生まれたときからその手の人間と付き合ってきた深雪の目は誤魔化せず、彼女は心の中で修行不足を指摘しながら歩いていった。
そうしてパーティー会場へと繋がるドアが腕を伸ばせば届く距離にまで近づいた、そのとき、
「メンソォーレ!」
沖縄独特の挨拶と共に、そのドアが勢いよく開かれた。バァーン! という効果音でも流れそうな迫力で深雪達を出迎えたのは、今回のパーティーの招待主である黒羽貢だった。
「奥様も深雪ちゃんも、よくおいでくださいました!」
「こちらこそ、本日はお招きいただき、ありがとうございます」
コミューターの中で不満を零していたことなどおくびにも出さず、深夜は完璧な所作で腰を折って
「ささっ、こんな場所で立ち話も何ですし奥へどうぞ。亜夜子も文弥も、お2人に会うのをとても楽しみにしていたんですよ」
そのまま背中でも押しそうな勢いで迫る貢に勧められる形で、深夜と深雪は個人にしては広すぎる会場の中へと足を踏み入れた。
しかし奥へ進むのはその2人だけで、達也と桜井は入口に置き去りとなっている。こういった場所でボディーガードは壁際に控えるのが慣わしとはいえ、達也は深雪の兄であり、本来ならば同じようにもてなされる側の人間だ。それを抜きにしても兄をぞんざいに扱う彼が深雪はとにかく気に障り、だからこそパーティーに行くのが億劫だった。
「深夜様! 深雪姉様! お久し振りです!」
しかし桜井のアドバイスもあって深雪は感情を表に出すことなく、元気いっぱいの声と共に駆け寄ってくる少年と、彼に付き従うように歩く少女を出迎えた。
「久し振りね、
「お元気そうで何よりです、深夜様。――お姉様も、お変わりないようで」
亜夜子はそう言って、深雪に含みのある視線を向けた。学年は1つ下だが3月生まれの深雪とは歳が同じで、だからなのか深雪をライバル視している傾向がある。深雪としては後継者候補は文弥の方だから競争意識を持たれても、というのが正直なところだが。
と、貢がここぞとばかりに深夜へと詰め寄って2人の自慢話を始めた。亜夜子がピアノのコンクールで入賞しただの、文弥が乗馬の先生に褒められただの、横で聞く深雪にとっては非常にどうでもいいことを深夜は嫌な顔1つせずに相槌を打って聞いている。これが大人というものか、と深雪は素直に感心した。
そんなとき、文弥がソワソワとし始めた。
「あの、深雪姉様……。達也兄様はどちらに……?」
会場を見渡しながら尋ねる文弥の横では、亜夜子も平静を装いながらもチラチラとあちこちに視線を配っている。目の前の深雪よりも使用人である達也を気に掛けていることになるが、深雪が不機嫌になるはずもなく、何なら目に見えて機嫌を良くしていた。
深雪が達也のいる場所を指し示すと、文弥は「達也兄様!」と顔を綻ばせて小走りに駆けていった。そしてそんな弟に対し、亜夜子が「まったく仕方ないわね」といった態度で足早に文弥を追い掛けていく。そんな2人の分かりやすい態度に、深雪は表情筋を抑えるので精一杯だった。
――2人がお兄様に憧れるのも当然ね。確かにお兄様は魔法協会の定めた基準に照らすと才能に恵まれていないのかもしれないけど、実戦ならば誰にも負けないほどの実力をお持ちなのだから。しかも学校の成績は飛び抜けて優秀、スポーツも超がつくほどの一流で、しかも魔法師にとって天敵ともなり得る“切り札”もある。きっと男の子が憧れるヒーローというのは、お兄様を指すのでしょうね。
深雪が頭の中で兄を褒め称える言葉を
「達也兄様、こんばんは!」
「文弥に亜夜子か。久し振りだな」
「ご機嫌麗しゅう、達也さん。――桜井さんも、お久し振りです」
「こんにちは、亜夜子ちゃん」
達也とその隣に立つ桜井が、やって来た2人と挨拶を交わす。そうして集まった4人で会話を始めるが、大抵が最近自分が褒められたことを文弥が達也に話し、それを窘めるフリをしながら亜夜子がさりげなく自分の成果をアピールし、それに対して達也がそれぞれ賞賛の言葉を贈るというものだった。そしてその遣り取りに対し、桜井はもっぱら聞き役とリアクション役に徹している。
と、文弥と亜夜子の微笑ましい姿に、達也が唇の端を小さく吊り上げて、僅かに歯を見せて笑みを浮かべた。
そしてそんな兄の姿に、深雪の心がズキリと痛んだ。
――あの2人に対してなら、お兄様も自然と笑顔を見せられるのですね……。
四葉に関係のある者達の目がある場所では、達也と深雪は普通に会話することすら儘ならない。ましてや親しげに笑顔を浮かべるなどあってはならず、よって公の場で達也は深雪の前でほとんど表情を動かすことがない。
深雪にとって、それが何よりも心苦しかった。感情を表に出す自由すら無い兄の境遇に、そして他ならぬ自分が兄をそのような境遇に置かせてしまっていることに。
しかし今は、パーティーの真っ最中。けっして周りの人間にそんな感情を悟られないよう、深雪は掌に爪を食い込ませてでも愛想笑いを保ち続けた。
「こらこら、亜夜子、文弥。達也くんの仕事を邪魔してはいけないよ」
と、深夜と話をしていた貢が「やれやれ」といった感じで達也たちへと歩いてきた。深雪と違い、その笑顔は内心を悟らせない完璧なものだった。
「ご苦労様。しっかりと勤めを果たしているようだね」
「恐れ入ります」
貢に声を掛けられて向き直った達也は、先程の笑みを完全に消した無表情で頭を下げる。
「あら、お父様。少しくらいは宜しいのではないですか?」
2人の会話に横槍を入れる亜夜子の表情には、達也との会話を邪魔されたからか若干不機嫌の色が窺える。
「深雪お姉様は、私達が招いたお客様。ゲストの身辺に危害が及ばぬように手配するのは、達也さんではなく私達の役目ではありませんか?」
「姉様の仰る通りです! 黒羽のガードは、お客様1人守ることのできないような無能ではありません! そうでしょう、父さん!」
――あらっ? 文弥くん、
深雪がそんなどうでも良いことを気にしている中、貢は息子の言葉に少しだけ眉を寄せて困惑顔を見せた。
おそらく亜夜子も文弥も、父親の本音は分かっているのだろう。
文弥は、四葉の次期当主を狙う候補者。
一方達也は、同じく次期当主候補者である深雪の、単なる護衛役。ガーディアンなどと特別な呼び方をしたところで、所詮は使用人、いわば使い捨ての道具でしかない。道具と割り切ることができなければ、四葉の当主たり得ないのだろう。
しかし文弥と達也の関係だけで見れば
しかし、深雪は違う。
四葉の中での扱いがどのようなものであっても、深雪にとって達也は唯一無二の存在。本人はどう認識しているのか知らないが、それは家族愛や兄妹愛をとうに超えている。
そんな大切な存在を身内とはいえ他人に貶められ、深雪の心にマグマのように煮えたぎった怒りの感情が湧き上がった。それは直前に桜井から貰った建前のアドバイスを跳ね除けるほどで、深雪の表情にその怒りの感情が表れる――
「文弥、あまりお父上を困らせるものじゃないよ」
まさにその直前、他ならぬ達也の発言によって深雪はその怒りを鎮めた。
「黒羽さん、会場の中はお任せしても宜しいですか? 自分は少し外を見て回りますので」
「おお、そうかい? それは立派な心掛けだ。奥様と深雪ちゃんは私達に任せておきたまえ」
達也の申し出に、貢は殊更大袈裟なリアクションを見せた。向こうから厄介払いの口実を提示してくれたためか、スラスラとリップサービスが出てくる。
「そんな! 僕達、明日には静岡に帰るんですよ! ただでさえなかなか会えないのに、ゆっくり話もできないなんて……」
「文弥、少し落ち着きなさい。――達也さん、文弥が言った通りの事情ですので、早めにお戻りくださいね?」
「分かった、一通り見て回ったら戻ることにするよ。――桜井さん、ここはお願いします」
「……えぇ、分かったわ」
達也は桜井に軽く会釈してから、淀みない足取りで会場の外へと出ていきました。
まるで、この場から逃げるように。
まるで、自分の“役割”を忠実に果たすかのように。
――ならば私も、自分に与えられた“役割”を精一杯演じなければならない。
最愛の兄がそうすると決めたのだから、妹である自分もそうしなければいけない。
たとえそれが、如何に自分の本音と乖離していようとも。
兄の後ろ姿を、そして兄の出ていった入口をぼんやりと眺めながら、深雪はそんなことを考えていた。
「…………」
そうした一連の遣り取りを、深夜が貢の隣で一切の感情を見せない無表情で見つめていた。
* * *
達也は会場を出てロビーを通り抜け、そのままエントランスを経てホールの外へと出た。そのまま植木で仕切られた区画を超えると、その周辺をグルリと一周するルートを歩き始めた。
会場を警備するスタッフのほとんどは四葉とは無縁な外部の人間であり、おそらく彼らの目にはパーティーの参加者である子供が会場を抜けて散歩を始めたとしか思っていないだろう。現に会場で目を見張らせていた男の1人が、適度に距離を空けて自分の後をついて来ているのを達也は気づいていた。
それほど意識を向けずとも感じ取れるほどに漏れる彼の気配に、達也は“同業者”として心の中で修行不足を指摘する。
――いや、俺と彼らとでは“同業者”とは言えないか。
達也が深雪のガーディアンになったのは、今から7年ほど前の6歳のとき。そのときから、まったく同じ親から生まれた兄妹は“
ボディーガードとの違いを端的に表現するならば、ボディーガードは“仕事”で、ガーディアンは“役目”だ。
ボディーガードは護衛対象を命懸けで護衛し、その報酬として金銭を得る。警察のSPのように職務で行う場合もあるが、その職務によって報酬を得ているという点では同じだ。しかしガーディアンには、そのような報酬が無い。衣食住は確保され、必要なときには金銭が支給されるが、それはあくまでも護衛としての力を維持するためのコストでしかない。例えるならば、ボディーガードは食べるために護り、ガーディアンは護るために食べる、といったところか。
ガーディアンに私生活は存在せず、その全ては“マスター”あるいは“ミストレス”と呼ばれる護衛対象に捧げられる。深雪のガーディアンになったその日から、達也はこの命が尽きるか、あるいは深雪に解任されるまで、“四葉現当主の姉の息子”ではなく“次期四葉当主候補のガーディアン”として生きていくこととなった。
自らの境遇について、達也は何とも思っていない。強がりでも自暴自棄でもなく、本当に何とも思っていない。
しかしそれも、当然といえば当然なのかもしれない。
なぜなら達也は、深雪のガーディアンとなる直前である6歳のときに――
「――ん?」
達也が会場を離れて外を見回っているのは、あくまでその場を離れるための方便だ。とりあえず気晴らしも兼ねて実際に見回ってはいるが、そもそも四葉家の関係者がここにいるのを突き止めること自体が困難を極める以上、今日この会場を狙って何者かが襲撃を掛けるなどとは達也も考えていなかった。
しかし達也は自分が今いる遊歩道から少し離れた草原の、洒落たデザインをした照明の足元辺りに、1人の少年が俯せで転がっているのを見つけた。
上着で隠した腰のホルスターに自身のCADが収められているのを確認し、達也は慎重にその少年へと近づいていった。周辺には(後ろをついて来ている警護スタッフを除いて)人の気配は無く、達也の“眼”で解析しても少年の周辺に罠が設置されている可能性は無さそうだ。
「もしもし、大丈夫ですか?」
達也は呼び掛けながら、少年を注意深く観察する。呼吸や脈拍は正常に動いており、目立った怪我や病気をしている様子は無い。
もしや眠っているのか、と達也が眉を潜めたそのとき、
「おっ?」
「…………」
グリンと首を回したその少年と目が合い、達也はピタリと動きを止めた。
その少年は達也と同じくらいの年齢と身長で、短く切り揃えられた黒髪がスポーツ少年のように爽やかだった。太い眉毛がとても凛々しいものの、少年の浮かべる気の抜けた表情のせいか全体的な印象は柔らかい。
達也が動きを止めて見つめる中、その少年はゆっくりと立ち上がり、体に付いた草などを軽く叩いて落とした。
「えっと……、大丈夫か?」
「ヘーキヘーキ。ただの“死体ごっこ”だから」
「死体……何だって?」
「いやぁ、こんな豪華なリゾートホテルに泊まれてテンション上がっちゃって。ついついやらずにはいられなくって~」
「…………そうか」
少年が口を開く度に、達也の目つきは胡散臭いものを見るものへと変化していった。より直接的な言葉で表すなら、ヤバそうな奴に声を掛けてしまった、といったところか。
「オラ、野原しんのすけ。しんちゃんって呼んでね。んで、誰?」
「…………、司波達也だ」
「ほうほう、達也くんですな。高そうな服を着てるけど、あそこのホールでやってるパーティーに出てるの?」
「……まぁ、そうだな」
本当は参加者ではなく参加者の護衛役としてついて来ただけなのだが、つい先程顔を合わせたばかりの人間に話すことではないのでテキトーに話を合わせることにした。
「ということは、達也くんの家はお金持ちってことですな! いやぁ、羨ましいゾ。オラの母ちゃんはおケチだから、福引きで1等当てるくらいしないとこんな場所に泊まれないんだゾ」
「野原くんの母君も、色々とお考えなんだろう。何かあったときのために取っておく、とかな」
「でもさぁ、少しくらいは贅沢しても良いと思わない? 昔と違ってローンは払わなくていいんだし、ていうかむしろ貰ってるくらいなのに」
「……貰ってる?」
如何に早くこの場を立ち去るかだけ考えていた達也だったが、ここで初めて彼の発言に興味を持った。
ローンを払わなくていい、むしろ貰っている。普通ならば意味不明な発言でしかないが、達也の優秀な頭脳が様々な可能性を浮上させ、そして最も有り得る可能性をピックアップする。
「……もしかして野原くんは、春日部出身だったりするのか?」
「えっ!? なんで分かったの!?」
「まぁ、何となくな……」
春日部市を始めとしたごく一部の地域、あるいは一部の人々が、局所的・限定的な時間のループに囚われるという“サザエさん現象”が明るみになったのは、達也が5歳だったときのこと。当時は世界的なニュースにもなったし、様々なメディアで連日連夜放送されるほどの大混乱を巻き起こしたため、達也もよく憶えている。
その現象に囚われた人々は、時間の経過という概念自体は認識しているが一切歳を取ることが無く、何十年も同じ姿で生活を続ける。寿命を迎えることも無く、学生は学生のまま進級せず、社会人も階級や部署すら変わらずに働き続ける。
そしてそれは、なぜか“ローンの返済”に対しても適用されていた。35年ローンを組んでいた者が35年経った後もなぜか払い続け、“サザエさん現象”が解けてから過払い状態であることが発覚する事件が一部で社会問題になったほどだ。
もちろん過払い分は返済されることになったが、なにせ数十年分に渡る過払い分を一度に返済できるはずもなく、最終的には分割で支払われることとなった。達也は先程のしんのすけの発言から、彼がそれに該当する人物だと読んだのである。
「ということは、野原くんも歳を取らずにいた時期があると……」
「まぁね、結構長いゾ。大体100年くらいかな」
「100年……! それはまた、随分長いな……」
大戦前どころか現代魔法黎明期からの生き残りだと判明したことで、達也の中でしんのすけへの興味が俄然湧いてきた。
とはいえ、そろそろ会場に戻らなければいけない頃合いだ。それに達也のような立場の人間が、無闇に人間関係を構築するのも好ましくない。
「ところで達也くん、このホテルに泊まってるの?」
「……いや、俺は別の所に泊まってるが」
「そっかそっか。オラはここに泊まってるから、寂しくなったらいつでも遊びに来て良いゾ~」
「……考えておくよ」
しんのすけの提案に、達也は当たり障りの無い社交辞令の言葉で返した。
「んじゃ、オラはそろそろ行きますかぁ。達也くん、またね~」
「あぁ、機会があったらな」
それでもしんのすけにとっては満足のいく返事だったようで、楽しそうにスキップしながらその場を去っていった。達也は小さくなっていく彼の背中を眺めながら、疲労感を露わにした表情で小さく溜息を吐いた。
そして達也もクルリと踵を返し、パーティー会場へと戻っていった。
* * *
ホテルの入口を潜っていくしんのすけを、2人の男が茂みの陰から見つめていた。
「“彼”の話によると、どうやらあの少年で間違いないそうです」
「……そうか。よりにもよって、といったところだな」
* * *
パーティーが終了し、深夜達4人を乗せたコミューターを会場の入口で見送った貢が、胸を撫で下ろすようにホッと息を吐いた。
「パーティーの最中に何か事件でも起こるかと思ったが、今日のところは何も無さそうだな」
【作者メモ】
おかげさまで、拙著『嵐を呼ぶ魔法科高校生』も通算100話となりました。
記念すべき100話が主人公同士の邂逅を描く内容となったのはまったくの偶然ですが、これはこれで感慨深いような気分になりますね。