異世界より   作:シロエ

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どうも、シロエです。
今回ちょっと短いですが、勘弁してください。 m(__)m
今回は戦闘ではなく、それぞれの思考について書いております。
戦闘は次回からです。
それではどうぞ!


心の衝動

SIDE スノア

 

 

「ラグ!」

 

 

私は、突然のことに驚きを隠せませんでした。

そう、ラグが私の目の前でゴブリンキングの打撃により飛ばされたのです。

私はすぐにラグの元へと駆け寄り、抱きかかえて名前を呼びながら回復魔法をかけました、が

 

 

 

「グオオォ!」

 

 

私としたことが気が動転してしまい、すっかりゴブリンキングの存在を忘れていました。

いくら私は女神とはいえ、ドジをすることもあれば間違えることもあります。 人間となんら変わりないのです。

そう。 どんなものだって失敗をするのです。

私の友人の神も、昔自分の世界を壊してしまったことがあります。

すごく愛情を込めてその世界を愛していた神ですら間違いを起こし、世界を壊してしまう可能性だってあるのです。

言い方は悪いかもしれませんが、この世に絶対はありはしません。

必ずしも、滅ぶべきものは滅ぶし、救うことはできない。

救ったとしても、延命をするだけであり、その事実は変わりはしないのです。

と、すごく余計なことを考えてしまいましたが、それも仕方ないのかもしれません。

実を言うと、私には攻撃する手段がまったくもってないのです。

私にできることは、何かを別の何かを使って守ることくらいなのです。

それに、女神とはいえ、分身の方に力の権限のほとんどを渡してしまっています。

つまり、今の私はそこらへんにいる人間のちょっとした補助の魔法が得意な女でしかないのです。

 

 

ああ、時が経つのが遅いですね。

まだ、私に対して引導を渡すべく攻撃をしているゴブリンキングの棍棒があたっておらず、動いているかどうかわからないようなスピードでゆったりと進んでいるように見えます。

だが、それを避けることはできはしないでしょう。

女神とはいえ、さきほど言ったとおり私は今はただの人間なのです。

しかし、幸いにもラグを治すことに成功しました。 それに、私が死んでももうひとりの私(分身)がすべきことはしてくれるでしょう。

 

 

・・・案外思い残すことはないのかもしれません。

ラグは悲しむでしょうが、それを乗り越える強さを持っているのも短いあいだの付き合いですが、わかります。

 

 

・・・・本当にいいの? 女神の私がこんなところで倒れて、グロードルを導かなくて本当にいいの?

 

言い訳がありません! そうです。 今私は気がつきました。 私には導かなければいけない世界が、人が、生き物たちがいるのです。

・・・ですが、今このピンチから生き残る手立てが見つかりません。

攻撃魔法があらず、補助魔法しかなく、完全防御魔法は持っていましたが女神としての力を捨てたため使えません。

 

もう万策尽きダメかと思ったそのとき、

 

 

「ブ、《ブラディータガー》!」

 

 

突然か弱い少女の声が聞こえ、その声に合わせ漆黒の闇の短剣が風を突き抜け、ゴブリンキングの腹部に突き刺さったのです。

 

 

・・・案外、私も悪運の強いみたいですね。

 

 

 

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SAID エリー

 

 

私は、私の放った《ブラッディータガー》がキングゴブリンに刺さったことに安堵する。

 

 

 

「グオオオォォォ!!??」

 

 

腹部を刺されたことにより、ゴブリンキングは奇声を放つ。

周りの木々や草はその振動を受け、吹き荒れるかのように舞う。

どこか非現実じみたその光景に呆然とするも気を持ち直し、自分の杖を落とさないようにしっかりと握り締める。 しかし、その手はプルプルと小刻みに、まるで狂った古時計のように震えていた。

当たり前だ。 怖いわけがない。 

ここで逃げてしまうのは簡単だ。 この人たちを置いて逃げるのは容易なことだろう。だがそれでいいわけがない。

私は、元はといえ貴族だ。 それも由緒正しく、清い大貴族の娘だ。

常日頃、貴族とは民を守るのが貴族の役目だというのを学んでいた。 それをこの私が破るわけにはいかない。

確かに私は内気で弱虫だ。 だが、それでも守るべきものがあるのを私は知っている。

あの偉大な両親が最後の最後まで貫き通し、私に送ってくれたメッセージを思い出せ。

あの優しいお兄さんがくれた小さいながらも、確かに放つ私の中にある心の光を呼び覚ませ。

 

 

「あ、あなたの相手は、わ、私が受けます!」

 

 

あいも変わらず弱気だが、それでも何かの一歩を踏み出せたような気がした。

 

 

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SIDE ラグ

 

 

 

「う・・・ん」

 

 

僕は、近くで聞こえる戦闘音で目を覚ました。

視界に広がるのは樹海だ。

ぼやける視界の中、先ほどのことをふと思い出し、すぐさま起き上がって戦闘音のほうへ目を向ける。

そこで繰り広げられていたのは、ゴブリンキングと果敢に立ち向かい、魔法を放っている少女と、それを援護するスノアだった。

どれくらい戦っていたかは知らないが、二人共息が荒く、汗だくで、顔が赤く辛そうだ。

それを見た僕は、激しく悔やんだ。 スノアの言ったことをしっかりと聞いていればと。

僕は知らないあいだになんでもできるような気分になっていたのかもしれない。

初の戦闘に勝利し、調子にのっていたのかもしれない。

だが、今は反省している場合ではない。 反省はあとでもできる。 すぐさま助けに行かなくては。

この戦闘が終わったらしっかりと謝ろう、そう心の中で決め、助けに向かう。

 

 

 

「はあ!」

 

 

注意を向けるためにも、そして復活を知らせるためにも軽い一発を放つ。

だが、思いのほか強い一撃がでて、ゴブリンキングが大きくのけぞったため、驚く。 魔銃を見てみると淡い青い光が点っていた。 どうやら何かしらの影響で威力が強くなっているらしい。だがその原因を探るのはあとでもいい。今は目の前の敵に集中だ。 

 

 

「・・・復活しましたか。 待ちくたびれましたよラグ。」

 

 

スノアがこっちを振り返らず、目だけ向けていう。

だけど、僕にはなんとなくスノアの今の顔がわかった。

多分穏やかな顔をしている。 辛い戦闘をしていただろうに。

それをどことなく察して、顔を引き締めていう。

 

 

「・・・ごめんスノア。 遅れたね。」

 

 

「・・・目つきが変わりましたね。」

 

 

どうやらスノアにはすべてお見通しのようだ。

 

 

 

「うん。 ・・・今度は油断しないよ。

・・・助けるっていって助けられないでごめんね。」

 

 

決心を新たにし、少女に向かって僕は謝る。 

・・・我ながら男として最低だなと思う。

だけど、それでも僕はどれだけ罵られようが構わない、という気持ちでしっかりと謝る。

 

 

「い、いいえ。 た、助かりました。 あ、ありがとうございました。」

 

 

なんて優しい少女なのだろう。こちらを責めないでなおかつお礼をいってくれるなんて。

だけど、その言葉に感謝の念をおしながらも訂正する。

 

 

「お礼を言われるようなことはしてないよ。 こっちこそありがとう。

だから、今から行動でしっかり示すね。

・・・それじゃあ、いくよ!」

 

 

不謹慎かもしれないが、今の僕は清々しい気持ちでいっぱいになっていた。

 

 

 

漆黒と純白の銃弾が媒体となる僕の両手にある魔銃から解き放たれた瞬間、ゴブリンキングとの戦闘が改めて再開され、あたりに再びゴブリンキングの叫びがこだまし、僕の「ココロ」と同じように草木が揺れ動いた。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
次回の戦闘が書けるかどうか不安でしょうがないw
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