異世界より   作:シロエ

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プロローグの続きです。

それではどうぞ。


プロローグ2

「えっ!?」

 

 

気がついたらスノアは二人になっていた。

唖然としている僕に、スノアは話しかけてくる。

 

 

 

「この術が使えるので、問題ありません。」

 

 

「それにお互いに記憶も共有できますので。」

 

 

「すっ、すごいね・・・。」

 

 

なんとかそう返し心の整理をつけ、スノア・・・・(スノア達?)に話かける。

 

 

 

「本当に何でもありなんだね・・・・・。」

 

 

 

「「いえいえ、これくらいできないと女神はできませんよ。」」

 

 

 

 

二人そろってそう返されてしまい、僕の常識が間違っているという錯覚に陥る。

 

いや、僕は間違ってないはずだ!

・・・というか、これがグロードルの世界の常識なのだろうか?

こんなので生きていられるのか不安を覚えつつも、女神を仲間(?)にするという選択をしたことがあたりだったということに安堵する。

・・・もう慣れるしかないのだろう。

半ば自棄をおこしつつ、もう驚かないという決心を固める。

 

 

「それじゃあ、仕事はお願いしますね。」

 

 

「はい。分かっています。」

 

 

そういって、片方のスノアは最初からいなかったかのようにこの空間の中から消えていった。

 

それを見守った残ったほうのスノアは、こっちをみてこう言った。

 

 

 

「それじゃあ、さっそくですが行きましょうか。

 

・・・・あっ、大事なことを忘れていました。」

 

 

 

 

「ん? どうしたの?」

 

 

 

 

「二つほどやらなければならないことがありました。

一つ目があなたに、グロードルの標準語・・・・ラフライア語を覚えてもらうことです。」

 

 

 

 

 

「えっ、急にそんなこと言われても覚えられないよ・・・・。」

 

 

 

 

事実、学校での英語の成績はいつも3で固定されていた。

それでなくてもひとつの言語を覚えることは大変であろうことは目に見えている。

そんな考えが分かっているのか、スノアは僕に微笑みながら言う。

 

 

 

「心配しなくても、大丈夫ですよ」

 

 

 

スノアはそういった後、僕の頭に片手を掲げる。

 

 

 

「ちょっと痛いですが、我慢してくださいね。」

 

 

 

「え? それってどういう・・・・っ!?」

 

 

僕の言葉は途中で中断されていた。

 

 

 

 

 

頭にくる、猛烈な痛みによって・・・・・。

 

 

 

 

 

 

「痛っ、いたたたたたたたた!?!!!?!」

 

 

 

 

何かが入ってくるような奇妙な感覚とともに、激しい痛みがする。

すごく気持ち悪くめまいがするが、歯をかみ締め、必死に痛みを我慢して耐える。

だが、その努力も意味はなく、痛みは増すばかりである。

 

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

こちらを心配そうに見つめながら、スノアは言った。

 

 

 

「ちょっ、ちょっとだめかも・・・・。」

 

 

頭を両手で抱えながら、なんとか答える。

 

 

 

「今回復しますね・・・・。

《回復の息吹をここに・・・・》『ヒーリング!』」

 

 

 

ほのかな輝きが僕を包んでいく。

 

 

「うわぁ・・・。」

 

 

あまりにも美しい輝きだったため、思わず驚嘆の声をあげる。

ふと我に返ると、痛みが引いていることに気がついた。

どうやら先ほどの魔法(?)のおかげで治ったみたいだ。

 

 

 

「ありがとう。 助かったよ」

 

 

 

「どういたしまして。 ・・・ちゃんと言えばよかったですね。 すみません・・・。」

 

 

 

「いや、いいよいいよ。 こうして治ったんだからさ。 気にしないで。」

 

 

 

「そうですか・・・。 やさしいですね。」

 

 

彼女は微笑みながらそういったのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「さて、つづいて二個目です。」

 

 

 

「次はいったいなんだい?」

 

 

 

また痛いものなのかと思い、身構える。

 

 

 

 

「いえ、今度はそんなことではないので大丈夫です。」

 

 

 

 

こちらの様子を見て、何を考えているのか分かったようで、苦笑しながらスノアは答える。

 

 

 

 

 

「――――あなたの名前を決めなければなりません。」

 

 

 

 

 

「僕の名前?」

 

 

 

 

「はい。」

 

 

 

 

「え? だって僕にはちゃんとした名前が・・・・・ あれ・・・?」

 

 

 

 

自分の名前を言おうとしたのに、まったくといっていいほど思い出せないことに今更ながら気がつく。

それだけでなく、友人の顔は覚えていても、やはり同じく名前が思い出せない。

両親の名前ですら出てこないことに気づく。

いったい僕はどうしてしまったんだ・・・・?

日本での生活は覚えているのにもかかわらず、名前がまったくでてこない・・・。

そんな僕に彼女はその理由を告げる。

 

 

 

「死んだ人は、皆平等に名前の記憶をわすれるんです・・・・。

新しい生を育む為に。」

 

 

 

つまり、死んだその瞬間人は皆名前を失うのか・・・・。

新しい日々を送るために、かな?

そう考え、スノアに言う。

 

 

 

「・・・・なるほど、だから名前を決めるんだね?

過去の自分と別れを告げるために。」

 

 

 

「・・・はい。 それが世界のルールなのです。」

 

 

 

「まっ、まあ、新しい名前を考えられるからうれしいよ!」

 

 

暗い雰囲気を払拭するべく、わざと明るい感じにいったのだが、声が裏返るし、話の展開がへたくそだしで、心にダメージを食らう・・・・。

だけど、まあ・・・・・。

 

 

 

 

「ふふっ、そうですね。」

 

 

 

 

スノアの顔色がよくなったので、よしとしよう。

・・・ってか、させてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けど、名前か~、・・・・・・・う~ん。」

 

 

 

「急に言われても悩みますよね・・・・。」

 

 

 

考えてみるものの、なかなかいい名前が考え付かない。

自分のセンスのなさに心の中で涙を流しつつも、あってもあんまり使わないんじゃね?という考えに到達して、心の涙を拭く。

・・・・決して涙もろくなんてない、と謎の弁解をはかる。

そんな時、ひとつの名案が浮かんだ。

 

 

 

「そうだ! スノアが決めてくれないかな?

女神が考えた名前ってすごそうじゃないか。」

 

 

 

「わっ、私が決めるんですか? う、う~ん・・・。」

 

 

ああでもない、こうでもないと頭を抱えながら考えるスノア。

しばらくたってから、顔を上げ、ひとつの名前を口にする。

 

 

 

「『ラグ』・・・・なんてどうですか?」

 

 

 

「ラグ?」

 

 

 

「はい! ラフライア語で、光輝く者という意味です。」

 

 

 

「ラグ・・・・、うん! いい名前だね! 僕は今からラグだ」

 

 

 

「気に入っていただけたようですね」

 

 

 

意味を聞いて、さらにこの名前が好きになりテンションが上がっている僕にいよいよ出発のときが来た

 

 

 

 

「それでは、さっそくグロードルに行きましょう。―――ラグ」

 

 

 

「! うん」

 

 

 

返事を返すと、スノアは白いきれいな手を差し出し、僕にこういった。

 

 

 

「しっかりと手を握っていてください。そうでないと、グロードルにいけたとしても、ばらばらになる可能性がありますから。」

 

 

 

「分かったよ。」

 

 

 

そういってスノアの手を握る。

新しい世界に夢をはせながら、気を引き締める。

 

 

 

 

 

―――――次の瞬間、僕たちはその空間から跡形もなく消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

さまざまな専門用語がでてしまい、申し訳ないです。

文中にでてきた魔法について説明をしておきます。


《ヒーリング》 回復魔法

怪我を治すことができる魔法。
精神を和らげることも可能。
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