「だから言ったのですわ、この佐藤院麗子に歯向かおうなんて太平洋でサメに挑もうと言うものですわ!」
「なんか分からんがくやしぃ〜!」
凄いイタい奴と筋肉さんが話してる。
ねぇ君達本当に関わるの?
「あ、あれまどかお兄ちゃんじゃん」
「どうしたんでしょう?」
「この佐藤院麗子にフライングサーカスで勝てるものなど久奈浜学院には存在しないのよ」
いやご令嬢キャラはいいよ。でもイタい。材木座とかと仲良く出来そう。いやイタいのベクトルが違うか。
「フライングサーカス?」
そこへ倉科さんからの質問が入る。そりゃそうか
「グラシュを使ったスポーツ」
「……」
みさき、それで説明終わりか?簡潔にも程があるぞ。俺ならもっとこう…ごめん分かんない。
「初耳なんですか!?」
「うん…」
この島以外だとあまり目にしないからな。俺は個人的に好きだからYouT○beで見てたけど。実際少しならやった事ある。(5歳くらいの時)
みさきにボコボコにされたけどな。
そしてあっちはまだ話が続いてる様だ。
「これで約束通り、久奈浜学院の院の字を貰いますわよ。これからは久奈浜学(くなはままなぶ)と名乗りなさい。」
「え!学校の名前変わっちゃうんですか」
んなわけあるか。
やっぱアホの子か?
「大変です!久奈浜学なんて嫌です!」
「だから……」
「カムバッーク……」
同じくカムバッーク
その勢いのまま倉科さんは防波堤の上に乗り
「すいませ〜ん!」
どうしようこの先の展開が綺麗に読めてるの、俺だけ?とみさきに目配りすると、同じく何かを訴えていた。だよね。
「私がそのフ…フライングサーカス?で勝てば院の字返して下さい」
「はぁ!?」
有坂、お前その反応この展開が読めなかったのか…
そして俺達は咄嗟に隠れてしまった。
防衛本能だからしょうがないよね。
「つまりわたくしに試合を挑むと?そんなにフライングサーカスに自信があるのかしら」
「いえ、今飛べるようになったばかりです!」
「倉科さ〜んそこ威張るとこじゃないぞ〜」
「ほえ?」
ほえ?って可愛いな。
それより相手もどうしていいか分からない様な雰囲気になってるぞ。
それからの流はこうだ。
実はあの人は高藤学院というフライングサーカス、FCの名門校の生徒だった。
そして本当に何も知らなかった倉科さんの為にFCのルールを說明した。
と言っても技とかではなく、300四方のフィールドの角にあるブイ、または相手の背中をタッチすると言う基礎だけ。
「どう?わかった?」
「ふむふむ…」
「本当に初めてなのか」
筋肉さんが今更な質問をする。これがハッタリだったら某ゲーマー『 』さんもびっくりだ。
「そして遂に来てしまった試合開始、今回はハンデ戦でルールはブイが2つ倉科さんが1回でも点を取れたら勝ちと言うルールのもと行わられる。
そしてファーストブイにスタンバイしている倉科さんはやはりふらふらと安定していない。流石にきついだろこの試合。セコンド俺だし…
「それでは行きます、位置について」
「セット!」
開始が宣言された。
相手は加速し開始数秒で得点を取られた。
でもこちらは1点取ればいい。たがら焦るな。そしてインカムの通信相手が女子だからって焦るな、キョドるな俺
「えっと…いいか」
『はい』!
インカムだからそんな大きな声じゃなくていいぞ…
「ラインの真ん中でサッカーのゴールキーパーみたいに構えてくれ」
その指示でふらつきながらも姿勢はとってくれる。
「後は頑張って背中をタッチして」
『はい!』
我ながら説明が下手臭い。
素直にはい!と言ってくれる彼女に罪悪感を覚える八幡。そこへ
「お前等何してる!」
救世主昌也が現れた。
「何って試合〜」
「はぁ?」
そのまま上空を見る昌也
「昌也セコンド変わってくれ」
「あ、ああ」
そう言い。セコンドを変わる。理由はこいつの方が詳しいからだ。数年前まではFCに出ていてそこそこ有名選手だったはずだ。
そして時間は30秒を切ろうとしてる。
「動くならここだな…」
そう思ったのは昌也も同じだったようで、折り返してきた佐藤さん?に対して上昇した。
「今だ!倉科さん!」
『はい!』
そのまま急降下。相手も油断しているはず。
「甘いですわ!」
と名門生徒が素人の直線技を躱せないなんてことは無く、簡単に躱してしまう。
時間は10秒を切った。
「これまでか…」
後10秒で戻ってきて背中を取るなんて無理だ。
誰もがそう思った。
「今〜解き放て♪」
その昌也のインカム越しに聞こえた、昔見ていたロボットアニメの曲。
そして彼女は佐藤さんの背中にタッチし赤い三角形が得点が入ったことを知らせる。
「エア…キックターン…」
ここに居る全員が驚きを隠せない。
反重力の壁メンブレンを踏みそのまま飛び出す、この技上級者が使うような技だ。それを今日飛び始めたような子が…ビギナーズラックと言う可能性もあるが、この競技においてビギナーズラックはあるのだろうか。それに競技用のグラシュじゃないのにな…
そして審判が判定を下す
「ポイント……」
「倉科明日香です!」
その笑顔は眩しかった。
「なんでことですの…この私が」
「凄いじゃん倉科さん!」
「えへへ〜です」
佐藤さんが膝を付き倉科さんがそれをちらちら見ながら喜んでいる。多少違えどここに来た時と逆の立ち位置になってる。
「あ〜!もう!そこの貴方!」
「は!ひゃい!」
急に話しかけるなよ。噛んじゃったじゃねぇか
何言われるのかな。不安しかない
「私とフライングサーカスで勝負なさい!」
「お断りします」
「それでは行きますわよ…って?断る?」
「はい、面倒くさいので」
実際俺も初心者…?なのかな。
勝てるわけ無いしな
「セコンドだって出来ていたじゃない!ルールは知っているのでしょう。なら断るは無しよ。私にボコボコにされなさい。」
ああこれただの腹いせだ。
「我が翼に蒼の祝福を!」
やっぱ中二病だろ。
「ハチ諦めて10分戦ってきな」
「うえ…」
これ以上時間を掛けるのも面倒くさいので
「はぁ…Fly」
俺も飛び上がりファーストブイにスタンバイする。
ルールは先程と少し違い2点俺が取れば勝ち。まぐれを回避しやがった。
「よーい、セット!」
そして試合が開始される。
因みにセコンドは居ない。てか要らない
「よっと、」
向かってくるライン上に構える。
「それはあの子で見ましたわよ!」
「知らねぇよ」
通り過ぎようとすると放電が発生し佐藤さんと俺は弾き飛ばされる。
「ドックファイトですの?」
「スピードだと勝てないので」
挑発と言わんばかりにこちらから近寄り佐藤さんを弾く。
「いいですわよ乗ってあげます」
そう言いまた放電が起きそうな距離で上空に上がっていく。
クソっ早い。流石にこのグラシュじゃ無理だろ。
ハンデがハンデの意味を成してねぇよ
内申悪態をつきながら佐藤さんとドックファイトをする。そしてなんか上手く背後を取れた。
でも俺はタッチしない。これは誘いで手を出そうなら背後に回りタッチされるだろう。
だから俺はタッチする気ではなくタッチする。
「見えてますのよ!」
かかった
背後に回ろうとしたお陰で俺は佐藤さんを超えることが出来る。つまり
「ありがとうございました」
そのままブイに向かえば良い。
このグラシュが出せる全速力をだしブイを狙う。
後ろをチラッと見るとものすごく速さで佐藤さんが迫っていた。
「やってみるか」
これしか無いと。俺はグラシュに手を掛ける。
因みにこの技はそこそこ難しく俺は成功したこと無い。てか小学生で出来たら称賛されるくらいの技。
「来い!ビギナーズラック!」
我ながらなんて情けない事を叫んでるのだろう。
そう思いその行動をする。
その瞬間スピードが跳ね上がる
「ソニックブースト!?」
「届け!」
そう言いもう1度ソニックブーストをする。
やり方の感覚は小さい頃一人で練習したのと、千葉に居た頃そこそこ真面目に読んだウィキペディアのコツだ。
後は神頼み。2連続成功は奇跡神様大好き!
そしてその手はブイに触れる
「ポイント比企谷」
その瞬間に手首がコキッ!と音を立て悲鳴を上げ、グラシュの操作がしっかりしていればあまり無い慣性の様なものを受ける。
「あ、」
足元を見ればグラシュの羽根なんて無い…どうやら俺の翼には折れた様だ。
「神様なんて嫌いだ…」
その後背中に強い衝撃を受けると意識は落ちていった。
ソニックブーストのやり方は知っていた。と言う事です。そして偶々神様が味方?しただけです。