私は小さい頃…いじめられっ子だった。同じクラスの子から何を言われても、言い返しきらない弱い子だった。
兄はそんな私をいつも庇ってくれていた
彩花を虐めるなと男子に殴り掛かっていた事もあった
だけれど、現実はそう上手くは行かなかった
いじめっ子の親は歳上の兄が殴るのはおかしいだとか こちらは怪我させてないから悪くないだとか言ってきたり、先生は先生で、私を守るために体を張った兄の事を責めていた。
私はどうしてもそれが許せなかった
私を守る為に必死になってくれた兄を貶されたから、この世界が理不尽だから…
それから私は変わってしまった
今までいじめをしてきたヤツらに報復をし、兄を責めた先生の言うことも聞かなくなった
そんなやつの授業なんて受けたくなかったから
私は私なりに…自分を守るために強くなった
だけど方法を間違えてしまった……親に見限られ、私の事を見てくれるのは兄だけになってしまった。だけど、私は兄さえ居ればいい…そう思うようになった
でも、その兄も変わってしまった
優しかった兄は健在だけど、昔みたいに遊んでくれなくなった…私の事を1番に考えてくれる兄は居なくなってしまった
「はぁ…久しぶりに嫌な夢見たな」
朝目を覚まし、さっきまで見ていた夢の内容を思い出していた
過去は振り返らない…そう決めたのに
度々こうして夢として 過去の内容が出てくる
まるで私に逃げるなというように
コンコン
「朝ごはん作ってるから、後でチンして食べろよー」
部屋の外から兄の声が聞こえ、朝飯食べろと言われた
今日は学校は休みだし…わざわさ私の分まで作らなくてもいいのに……
両親共働きのうちにとって、家事などの仕事は基本兄が行っている。私も出来ないことはないけど、兄には及ばない
「分かった」
短く返事をすると 足音がまたし始め、部屋から遠ざかって行った
最後に兄が自分の部屋に入ったのは何年前だろうか…
ふとそんな事を思ってしまった
昔は仲がよかったのに…もう私には構ってくれない。その事実が私には酷く辛く感じた
リビングに行くと野菜に味噌汁、ベーコンに目玉焼き、鯖が並べられていた
朝から豪勢な料理をまた…
おかず自体は温め直すほど冷めてなかったので、ご飯を茶碗によそい、ご飯を食べ始めた
健康に気をつけているのか、味は少し薄味でくどくないように作られていた
「美味しい……」
パクパクと口の中に食べ物を放り、黙々と食べ続けた
「ご馳走さま」
夢中になって食べているといつの間にか食べ終わってしまった
いくらグレてしまった私でも
人に感謝すること位ある
それを直接伝えるのは恥ずかしいから
こうしてかならず手を合わせ 感謝を込めて
いただきますをする
「お兄ちゃんいつもありがと…」
そう私は呟いた