「……ははは、これはお戯れを。冗談がお上手ですな?」
ギルモアは、形ばかりの作り笑いを浮かべながら、疑り深そうな目で瑠螺をじろじろとねめつけた。
まあ、それは無理もないことであろう。
「素人を装って、私めを油断させようという作戦ですか。その手にはのりませんよ、お強いのは先刻承知しておりますからな!」
さっきのマルグリットとかいう年端もいかぬ少女の大勝を見た後では、その代理人だという女がド素人だなどという話が信じられようはずもなかった。
何やら凛とした雰囲気があって、いかにも強そうであることだし。
大体、『サンク』は貴族から平民にまで幅広く親しまれている、ごくごくメジャーなゲームなのである。
遊んでいるような余裕のまったくない貧民を除けば、概ね誰でも大人になるまでの間に一度はやった経験があろう。
それを、裕福な貴族の傍仕えをしているような恵まれた身分の従者がまったく知らないだなどと。
おまけに、その知らないゲームで大金を賭けて勝負しようなどという申し出を異議も何もなくすんなりと受け容れただなどとは、戯言もいいところだ。
「そちらがどう思われようとも、別に構わぬが」
瑠螺は、そう言って肩をすくめる。
「ともかくじゃな。結局のところ、カードを『切る』というのはどうやればよいのかを、まずは教えていただけまいかのう?」
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「ほう、『ちっぷ』とやらを賭けるのは最初の一回だけではないのか。参加料に……『れいず』? ふうむ?」
「札は一度に何枚代えてもよいわけじゃな。で……、トマどの。どれを代えたらよいものかのう?」
「り、リューラさま。私に見せられましては……」
「しかしじゃな。『役』とやらがまだようわからぬ。助言をしておくれ」
「おお、何やら似たような数が揃ったようじゃが。この『役』は強いのかえ?」
「…………」
何度目かのゲームを始めた瑠螺の姿をじっと見守りながら、トーマスは顔をしかめて首を横に振った。
(どうやら、本当にまったくの未経験者のようだ……弱すぎる……)
言動だけでなく、これまでの数ゲームでのカードを切る手つき、視線の動き、その他の所作。
剣の達人が相手の構え方を見ただけで腕前のほどを見抜けるように、それらのさまざまな要素から彼にははっきりと感じ取れた。
この女性は、博奕については正真正銘、ずぶの素人なのだと。
……しかし。
(どうしてシャルロットお嬢さまは、単にお帰りになるのではなくこんな女性に代役を任せようなどと思ったのだろうか)
あるいは、勝ち負けはどうでもよいからとにかく勝負を続けるという約束を不義理にならない程度に果たして帰って来いという、ただそれだけの意図なのかもしれないが……。
こんな、ゲームのやり方も知らないようなド素人をよこすなどということをしては、かえって失礼になりそうなものである。
どうにも不自然な感じがして、釈然としなかった。
トーマスはそこで、ギルモアが自分にもの問いたげな視線をちらちらと送ってきていることに気が付いて、小さな頷きを返した。
間違いありません、確かにこの客は素人ですという意味だ。
「くくっ……!」
ギルモアはそれを確認すると、カードで口元を隠しながら含み笑いを漏らした。
内心ではその百倍ほどの大爆笑をしている。
(うはははは! 本気で素人だと!? 馬鹿だ、馬鹿すぎる。何とも笑わせてくれよる!)
どうやら、見せかけばかりで頭の残念な女だったか。
こんな木偶をよこす、主人も主人だが。
(ま……、こいつが有能だろうが無能だろうが。どうあれこっちの勝ちは、最初から決まっておるのだがなァ……)
とはいえ馬鹿が相手であれば、より容易くなったというものだろう。
うまく言いくるめて手持ち以上の負けを背負わせることも、簡単にできそうだ。
もしかしたら、あのマルグリットとかいう小娘に持っていかれた全額を回収することも、それ以上の利益を上げることさえも、夢ではないかもしれない。
ギルモアがそんな皮算用を立てて悦に入っているのをよそに、瑠螺はトーマスに対して両手を合わせながら軽く頭を下げた。
「いや、かたじけない。ようやっと、わかってきた。世話になりました」
「あ……い、いえ」
やや戸惑ったような顔をしながらもあわてて頭を下げるトーマスに対して、瑠螺はいつも手にしている飛葉扇の代わりにカードで口元を隠しながら、軽く顔を逸らすようにして言葉を続けた。
「ついては、あー。重ねて手数をかけて、申し訳ないのじゃが……。何ぞ、喉湿しを持ってきてはいただけぬかのう。スパークリング・ワインというやつ以外で」
「はい、ただいま」
トーマスは深々と一礼すると、部屋を出て行った。
ギルモアは、特に気にした様子もない。
こんな素人を相手にするのに、もはや彼の同席など必要ないと考えているのだ。
トーマス自身、相手を未経験者と見切ったことですっかり警戒感が緩んでしまっていて、特に何も不信感を抱いてはいなかった。
(うまくいったようじゃな)
彼が部屋を出て扉を閉めたのを確認すると、瑠螺の目がきらりと光った。
賭博については何も知らずとも、瑠螺とて長年に渡って修練を重ね、洞府の主となって恥じぬだけの功夫を積んだ達人。
なんであれ油断なく目配りの出来る技巧者と、心得のない不調法者の違いはわかる。
この場で手強いのはトーマスのみであり、ギルモアはおそらくは存在するであろう必勝の仕掛けとやらに頼り切っているだけの素人だと、既に見当をつけていた。
つまり、何かするならばトーマスがいない間ということだ。
瑠螺はさっそく、ギルモアに見られぬようにカードで隠しながら自分の袖にすっと指を差し込むと、一枚の符を探り当てた。
ここへ来る前に、『変化朋友』の術で仙人仲間の秀弦生の力を借りて作っておいたものだ。
使用する際に同席する相手から不信感を抱かれぬために、あらかじめ口訣なしで発動できるようにしてある。
瑠螺は袖の中に隠したまま、そっと指で挟んで符を発動させた。
(さて……)
瑠螺はしばし、瞑想するようにじっと目を閉じる。
召鬼術の『祈願 三尸憶探(祈り願う、三尸に記憶を探らせんことを)』の効果は、精神を集中している間だけしか続かないのだ。
「どうされました、リューラさま。交換するか降りるか、ご決断を。それとも、まだよくルールが呑み込めませんですかな?」
ギルモアが、カードを握ったまま動かない瑠螺に対して小馬鹿にしたような声をかける。
「――――」
ややあって、瑠螺はこれまでよりもいくぶん冷たい光をたたえた目を見開いた。
「……いや、失敬した。勝負を続ける前に、……あー、ちと。そう、厠へ行きたいのじゃが?」
「は? かわ……?」
瑠螺はきょとんとしたようなギルモアの顔を冷ややかな目でを睨みながら、軽く肩をすくめる。
「このあたりでは、なんと言ったらわかるのかのう。つまり……、手洗いじゃ」
「……あ、ああ! これは失礼いたしました。どうぞ、あちらの廊下の先にありますので」
少しあわてたようにそう言ったギルモアは、瑠螺が退出の前に手にしたカードをそっと袖に収めたのに不信の目を向けることはなかった。
勝負中なのだから、覗き見されないよう念のためカードを持っていくのは、別になにも不自然なことではない。
部屋を出た瑠螺が少し歩いたあたりで、二人のカジノ客が彼女に近づいてきた。
「リュウラお姉さま、何かわかったのね?」
「イカサマの仕掛けは?」
そう尋ねる声はシルフィードとタバサのものだったが、外見はフーケとキュルケのように見えた。
瑠螺がギルモアとの勝負に赴く少し前に、彼女らに『仮装容姿』の術をかけて外見を変えてやったのである。
彼女らがまだ帰らずにカジノに残っているのだと、店側に知られないためだ。
「うむ。まあ、いろいろとわかったのじゃがな……」
・
・
・
少ししてトーマスが、次いで瑠螺が部屋に戻ってきて、勝負は再開された。
ただ、その前に瑠螺が、「せっかくの大勝負なのだから観客がいた方がよかろう」と提案して、勝負の場を個室から観戦自由の大部屋に移すこととなった。
(要らん時間を取らせるな、こっちはさっさと勝負をつけて次の金を稼ぎたいのだ!)
ギルモアは表面的にはにこやかな笑みを浮かべて快く受け容れるという姿勢を見せながらも、内心ではそう毒づいていた。
しかし、彼の期待に反して、勝負は長引いた。
別に瑠螺が突然強くなったとか、そんなことはない。
彼女は相変わらず素人であった。
ただ、「素人が相手だから短時間で勝てるだろう」という考え方そのものが誤っていたのである。
(くそっ、このバカ女が! ラファル・アヴェニューが入った手で一回のレイズもなしだと!? どこまでド素人なんだ!)
このカジノが『サンク』の勝負で客から金を巻き上げるお決まりの手口は、相手にたびたびよい手札を送り込んでやりながら、こちらはもっと強い手札にしておくというものであった。
チャンス手に舞い上がった客は大きく張っては負けるのを繰り返し、最後にはこれまでの負けを取り返そうと限界までレイズしてくる。
その期待を打ち砕き、驚愕と失望の表情を味わいながら大金を巻き上げるのは実に愉快だった。
ところがこの女ときたら、勝負の常道はおろか手の強い弱いもよくわかっていないせいか、どんなに強い手役を送ってやっても一向に大きく張ってこない。
毎回必ずこちらが勝つというのでは不信感を持たれるから、ほどほどには……少なくとも3戦中1戦くらいは負けてみせなくてはならないので、それではろくに儲からないのだ。
もう何十戦もしているというのに、勝ち金の合計はせいぜい数十エキューほどで、相手のチップはまだ十分の一も減ってはいなかった。
積み上げられたチップの多さに惹かれて、大勝負を期待して集まった観客たちも、一向に盛り上がらない勝負に白け始めている。
(いっそ、別のギャンブルに変えて巻き上げるか? いや……)
こんな女が相手なら他の博奕でも十分に勝てるとは思うが、しかし、絶対とは言えない。
必勝の仕掛けがあるのは、この『サンク』だけなのだ。
他の博奕では意外に強くて、あるいは単純にビギナーズラックで、こちらが負けてしまうということもありえなくはない。
「いやはや! あなたさまは先ほどから、一向に大きく張って来られませんな! 勝ちたくないのですか? だとしてもあまりに小心では、仕えておいでの御家の名誉を損なうのではありませんかな!?」
ギルモアは苛立って、刺々しい声で相手を挑発し始めた。
トーマスはそんな彼の態度に顔をしかめるものの、何も言わずに主の後ろに控えている。
「ふうむ?」
瑠螺は別段、そのような物言いに腹を立てるでもなく、ゆるゆるとカードを切っていたが……。
そこでちらりと周囲の観客たちの間に視線を走らせてから、大きく頷いた。
「なるほど、それももっともなことじゃな。では、次はひとつ、大きく張ってみるとしようか」
それを聞いて、ギルモアの顔がぱっと輝いた。
「おお、さすがですな! そう来なくては!」
喜び勇んで、カードを手に取る。
だが瑠螺の方は、自分の前のカードを手にしようとしない。
「? どうされました、リューラさま。早くそのカードを見て、チェンジするか降りるか……」
「このままでよい」
「……は?」
ギルモアはトーマスと顔を見合わせ、次いで怪訝そうな顔をして瑠螺に尋ねた。
「えっと、あの。……なんとおっしゃいました? 聞き間違えですかな。『このままでいい』と言われたように聞こえましたが……」
「そうじゃ。このままでよい、この5枚の札で勝負する」
周囲の観客たちもざわめき始めた。
「……し、しかしですな。あなたはその札を、見てもいないではありませんか?」
瑠螺は、どうでもいいというようにひらひらと手を振る。
「よいよい、よいから。とにかく、賭けさせてもらうぞ」
そう言うと、今度は自分の前にあるチップの山を全部、ずいとテーブルの中央に押しやった。
「なっ!?」
「なんじゃ、何か問題でもあるのか? 見ての通り、全額を賭けるゆえ。早くカードを交換して、『こーる』か『どろっぷ』かを決めておくれ」
観客たちから、うおおお、と大きな歓声が上がった。
「……。は、ははは。これは、お見それしましたな。小心というのは取り消さねば。リューラさまはまったく、勝負師でいらっしゃる!」
ギルモアは内心の動揺を押し殺してそんなことを言いながら、トーマスの方にちらりと目をやった。
しかし、彼もわけがわからないというような顔をしている。
(何かあるのか? いや……)
どう見てもド素人なこの女が、手品師として鍛えられた目を持つトーマスでさえ気付けぬようなイカサマなどをできようはずもない。
大体、これまでずっと、勝つ気がないとしか思えないような賭け方しかしてこなかったのだ。
おそらく興味のない博奕の勝負に嫌気がさして、さっさと全額負けて帰ろうとでも思ったのだろう。
それに第一、仮に何かイカサマを企んでいるのだとしても、どうということはあるまい。
たとえ、カードをすり替えて最強の手であるロワイヤル・ラファル・アヴェニューを揃えるような真似をしたとしても、手をオープンするのは向こうが先。
こちらの手は、相手がオープンした後で自動的に同じロワイヤル・ラファル・アヴェニューに、しかも敵方の手に勝る相性のものに『変わってくれる』のだから、決して負けることはないはずである。
(結局、どこまでも扱いやすいバカ女だったということだな。手間が省けた!)
ギルモアはそう結論すると、すっかり平静を取り戻して余裕たっぷりにカードを交換し、勝負に応じた。
瑠螺が、まずはカードを開ける。
手役は……なんと、8のユヌ・ペール。
5枚中2枚のカードの数字が同じに揃っているというだけの、役としては最弱のものである。
観客たちから、一斉に失望したような溜息が漏れた。
「なんと、まあ! 見てもおられなかったとはいえ、そんな手役に全額を張るとは。つくづく強心臓ですなぁ!」
ギルモアは勝ち誇ったようにそう言って、自分の手札をオープンした。
が……。
「……え?」
全ての札がバラバラで、何の役も揃っていない。
彼の負けだった。
「ほほう? しかとその目で手札を確認したにもかかわらず、必敗の手で勝負を受けられるとはのう。なんともまた、豪気なことじゃな?」
瑠螺が目を細めて、おほほと高飛車な笑いを交えながらそう言った。
「ばっ……、馬鹿な!?」
ギルモアは目を剥き、トーマスは愕然として立ち尽くす。
観客たちは、この異常な勝負の流れに困惑して、ひそひそと話し合っていた。
そんな中、瑠螺はすっと立ち上がって袖から飛葉扇を取り出しながら、冷たい目でギルモアを見下ろした。
「茶番は終わりじゃ。おぬしらの仕掛けた不正の種は、既に割れておるぞ」
そう言って、飛葉扇で観客たちの居並ぶ一角を指し示す。
そこには、怒ったような顔をしたシルフィードと、その傍らに立つタバサ(見た目は険しい顔つきのフーケと、妙に無表情なキュルケ)の姿があった。
そして、シルフィードの手に持つ籠の中には、一匹の小さな、青い澄んだ光る目を持つイタチの姿が……。
「うう……!」
ギルモアの顔が青ざめ、引きつった。
「これは古代の幻獣、『エコー』! 子供のエコーを人質にして賤しい人間のお金稼ぎに精霊の力を使わせるなんて、『大いなる意思』への許しがたい侮辱なのね!」
シルフィードがそう宣言し、瑠螺がもういいぞというように、机の上に投げ出されたカードの上に飛葉扇をかざす。
途端に、カードがすべて一斉に同じイタチのような生き物……エコーに姿を変えて机から飛び出すと、瑠螺の周りを二、三度くるくると回り、次いで高い、澄んだ声で鳴きながら、シルフィードの元へと駆け寄っていった。
シルフィードも二言、三言、なにやら似たような言葉で返事をする。
エコーたちは籠から飛び出した子供と合流すると、しばらくシルフィードにまとわりついていたが、やがて何処へともなく走り去っていった。
さすがに化けることを得手とする幻獣だというだけあって外見や触感はもちろん匂いも完全にごまかしていたし、瑠螺といえども触れるだけで正体を突き止めることはできなかったが、イカサマを仕組んだ張本人の記憶を読むことで全体の構図がたちどころにわかった。
そうして不正の種を知った瑠螺は、一旦部屋の外に出てそれをタバサとシルフィードに伝え、彼女らにエコーの子供を救助してきてくれるように頼んだ。
同時に、袖に収めて室外へ持ち出した5枚のカード(すなわち、5体のエコー)にも先住の言葉で彼らと会話できるシルフィードを通じてそのことを伝え、彼らは部屋に戻った後、他のカードに化けている仲間たちにも人間には聞こえない鳴き声を用いた言語によってそのことを伝達していった。
後は、イカサマの種を衆目に晒すために場所を移して適当に時間を稼ぎながら、タバサらの救助が終わるのを待っていたというわけだ。
最後の大勝負は特に必要ないものではあるが、これまでの悪事に対する報いという意味で、子供の救助が済んだことを確認した上でエコーらに協力してもらって演出してみたのである。
エコーたちが会場を去るのとほぼ同時に、我に返って事態を悟った観客たちが、怒号を上げながらギルモアに飛び掛かっていった。
「この野郎、よくも騙してくれたな!」
「俺の金を返せ!」
「城壁に吊し上げてやるぞ!」
しかし、トーマスが袖からさっと剣を抜き放つと、そんな観客たちの前に立ち塞がった。
「ギルモアさまに手出しはさせんぞ!」
「ほう?」
こんな時ながら、瑠螺は感心して目をしばたたかせた。
袖口から到底そこに収まるとは思えぬような長さの剣を取り出す手際は、まるで自分たちのようではないか。
正式な修行を積めば、実際に仙人にもなれるかもしれない。
そうしているうちに、トーマスは袖から何かを取り出すと、口で先端を引きちぎった。
中には燐が仕込んであったらしく、激しい煙が巻き起こって客たちがパニックに陥っているうちに、トーマスとギルモアの姿は掻き消えていた。
そして、瑠螺とタバサ、シルフィードの姿もまた、その場から消え失せていたのである。
祈願 三尸憶探(祈り願う、三尸に記憶を探らせんことを):
やや高度な召鬼術の一種。三尸を送り込んで、対象とした者の記憶を探らせる。
対象の覚えているあらゆる記憶を探れるのみならず、本人が認識していないこと、たとえば眠っている間に見た夢や潜在意識なども知ることができる。
ただし、術の行使に失敗した場合には術者自身が三尸に襲われ、精神値にダメージを受ける上に、術をかけたことが対象に知られてしまう。
対象がこの術に関する知識を持っていた場合には、それによって大きな不快感や不信感を抱かれてしまう可能性が高い。
三尸(さんし):
人間の体内に巣食うとされる、霊的な存在。
頭には青古、胸には白姑、腹には血尸と呼ばれるものがいて、それらをまとめて三尸という。
人間の魂魄に寄生しているような存在で、その活動が活発になると心身の健康が損なわれるとされる。
召鬼の術者はこの三尸を送り込むことで、対象の思考や感情を読んだり、記憶を探ったり、記憶を封じたり、心をかき乱させたりすることができる。