キュルルが全てを知ったとき、全ての悪意が吹き上がる。
これは、あってはならない物語。
「あなたは、何を切り捨てますか?」
まぁ、まずは「けものフレンズ2 リバース」の完結から!
《知られなかった真実》
「何……コレ……」
手が震えてくる。歯がカチカチと音を鳴らす。お腹の底が氷漬けにされたような冷たさを感じ、自分が立っていられるのも不思議なくらいだった。
しかし、そんなことは出会ったばかりのこの子には伝わらない。
「ウフフ〜、この絵がここにあるってことは間違いありません! あなたはわたしの待ってたヒトなんですよ〜」
満面の笑みに、左右に大きく振られる尻尾。これ以上無いってくらいに全身で喜びを表現していた。それがとにかく気持ち悪い。キモチワルイ。
「違うんだ……」
そんな違和感を吐き出すように言葉を練り込んだ。自然と手に力がこもり、握られた紙片にシワが刻まれる。その紙片には、キュルルの写真といくつかの文字情報。
【××××、セルリアン女王からどうにか救出され、意識を取り戻す。その後の容態に異常無し。無事帰宅することができた模様】
「僕はこの子だけど、この子じゃ無いんだよ!」
混乱が心を食い潰す。視界がボヤけて歪んだ。キモチワルイ。張り上げてしまった叫びに、叩きつけてしまった感情に、目の前の子はようやく異変を察知する。
頭をよぎるのは、一つの言葉。
『あなたは、いったい誰なんですか?』
こみ上げた吐き気に、ついに膝が折れた。こんなもの、コンナモノ、間違ってる。ナニカの間違いだ。誰かそう言って!
そんな想いは誰にも伝わるはずがない。それでも側にいるこの子は、心配そうにこちらの顔を覗きこんでくれた。
「えっと、大丈夫ですか? 少し座りましょう。ちょっと待っててくださいね! ヒトは落ち着きたい時は、お湯に葉っぱを入れた奴をよく飲んでいたので!」
キモチワルイ。ついに感情が決壊する。
ビシャビシャッビシャッ
数度にわたってえずき、身体はくの字に折れ曲がった。キモチワルイ。朦朧とした思考が一つの答えを作り出す。
1番キモチワルイのは、君でしょ?
《動き出すモノ》
どうにも整理がつかなくて、拳を強く握りしめた。確かに求めていたもののはずなのに。自分たちが持っていた情報を穴埋めするかのような答えは、とても……とても残酷なものだった。
「かばん、どう思うですか?」
「……わかりません。でも、きっと、関係しているんじゃないかとは、思います」
奥歯を噛み締めていることを自覚する。その理由が、僕にはわからない……
そんな様子を射抜く、2つの目があった。
「……かばんさん〜、こう言うのは悪いんだけど、かばんさん、ただ認めたくないんじゃない〜?」
その言葉が心に刺さる。きっとその通りだ。僕は、本当は、どういうことなのかも、どうすればいいのかもわかってる。でも、それを受け止めることができない。壊れてしまいそうで。壊してしまいそうで。
それでも、時は止まらない。
「かばん、選ぶですよ」
やめて
「お前はすでにパークの核なのです。お前が揺らいでしまったら、パークをどうするというですか?」
嫌だ
思い出すのはかつての記憶。あの時は怖くても一歩を踏み出していた。それなのに、今はただただ震えている。怖くて、怖くて、仕方がなかった。
きっと、あの時と何も変わらない。必要なのは決意だけ。僕が、足を止めることは、許されていないから。
「……僕は……」
本当に?
《そして狂った歯車は動き出す》
「なら、アイツはセルリアンとどう違うって言うんや。セルリアンからは身を守らないといけない。ちゃうか?」
「わかんないよ! そんなのわかりたくない!」
「しかし、ドルカさん。無自覚だとしても、悪意は悪意です」
「わたしは……わたしは……!」
「落ち着いて眠ることもできなくなっちゃったな〜」
「……! すみません! わたし如きが……!」
「マーゲイ……」
「……なぁ、マーゲイ。君の意見を聞かせてくれないか?」
「マーゲイならロックな意見、持ってそうだしな!」
「マーゲイ、あなたもPPPの一員なのよ。自信を持ちなさい」
「へん! 元からそーゆう奴だったろ!?」
「落ち着け。でも、そんなことになっているとは……。おい、待てチーター! どこ行く気だ!」
「なんで? なんでよ、かばんちゃん!?」
「ごめんね、サーバルちゃん。でも、決めたんだ」
「わたしは……どうすればいいってのよ……!」
「ねぇ、君が僕を殺してくれるの?」
これをけものフレンズと言う勇気。これ見て気分を悪くした方、ごめんなさい。ちなみに作者はこれ書いてて吐き気を覚えました(アホ
驚くくらいに見に来てくれているので、本編を書くかアンケートを取ってみたいと思います。
-
本編が見たい!書いて!
-
つまらなそう、いらない