救えなかった少年   作:ニック

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三上歌歩②

「……お前もう3000超えたのかよ。」

放課後、俺たちはボーダー専用通路前で集まると明久のペースに少し

「うん昨日超えたけど、最近格上の人がいないから少しペースは落ちているかな。」

「いや。十分だろ。てか早いくらいだ。」

実際かなり早くあれからまだ一週間くらいしか経っていない。

俺と出水、

「うん。十分早いだろ。」

「出水に言われてもなぁ。お前も防衛任務昨日いったばっかだろうが。」

やはりというべきだろうか。出水は楽々勝率9割を保持していたために俺が防衛任務に就いた2日後にB級に入り昨日は嵐山隊と防衛任務を組んでいた

「いやいや。沢村隊に何度も防衛任務に誘われているお前に言われたくないんだが。」

「沢村さん俺がいると迅さんのセクハラの被害が格段に減るらしくて俺がチームを組むまで、一緒に合同訓練をすることを忍田本部長のところに掛け合っているからな。」

「……あの人も大変だな。」

出水が呆れたようにしている

「そういや、待ち人は?」

「もうそろそろ来るんじゃね?一度帰宅してから来るって行っていたし。」

「しかし、まさか初の中学生隊長がお前なんてな。仮入隊初日にいきなり暴言を吐いた奴が。」

「巧何しているんのさ。」

「うっせ。あの時結構キツキツだったから金銭的にあんなに簡単に解決できるとは思ってなかったんだよ。」

「忍田さんも太っ腹だよな。」

と適当に雑談をしていると

「加藤君。お待たせ。」

すると少し走りながら三上が約束の場所に走ってくる

「おう。出水こちらがオペレーター勧誘してたの三上。」

「急がなくてもよかったのに。てかなんか飲むか?」

「えっ?」

「スポーツ飲料でいいな。」

俺は財布を取り出すと人数分の飲み物を買う

「ほれ。出水も」

「えっ?」

「お前お金あったのか?」

「普段節約しているからな。基本は5万円を毎月貯金していたんだよ。それに今日申請用紙だすって言ってあるし隊室も用意してあるらしい。簡単なセットだけならトリオンでできるらしいけどモニターや湯呑などは全部今日買い出しに行くから。金おろしてきた」

おかげで今の貯金額は70万を超えているし50万おろしたし妥協はしたくない

「えっでも。悪いよ。そんなこと。」

「必要経費だ。お前らは家族が生きているからあまりお金は使えないし俺から誘ったからな。明久も一人暮らしの頭金貯めないといけないだろうし。それに今月は無給に近いだろ?俺は大体15万くらいはでるし、奨学金の前金が減らされるとしてもそうとうな金額だしな」

さすがに学生にそこまでの金額を出せって言っても悪いだろう

「とりあえず俺の分と三上で最低限度は買いにいくからな。俺はスコーピオンが5000ぴった、ハウンドを4019まであげたから安定期入ったんだよ。余裕あるから当分は大丈夫だ」

「お前、何でそんなに上がっているんだよ。」

先週は4000ちょいくらいだったので急に5000点まで上がっていたら普通は驚くだろうが

「……お前らと違い防衛任務と宿題の時以外ランク戦しかすることないんだよ。」

ほぼランク戦ブースにこもっていたので仕方がないんだよ

「とりあえず行くぞ。」

「うん。ボクはランク戦ブース行こうかな。」

「そうしろ。さっさと4000点まで上げろよお前は。」

「それじゃあ三上さんと巧が買い出し?」

「まぁ、三上の入隊届け出したらな。」

「えっ?つまり。」

「ん?どうした?」

「ううん。何でもないよ。」

俺は首を傾げる。まぁいいや

そして話しながらボーダー本部に行く

「ボーダー本部ってこんな風になっているんだ。」

「大きいし色々複雑だからな。道覚えるまでは三上は綾辻と行動しろよ。」

「じゃあ俺はランク戦ブース行ってくるわ。」

「僕も行ってくる。」

「了解。んじゃ三上行くか。」

「うん。えっとまずどこに行くの?」

「一応本部長室。あの人上層部の中で一番話しやすいから。」

「そんな理由!?」

だって総司令官や鬼怒田さんとか結構口調が強いし怖いし

「それに元々人事は本部長のところなんだよ。それに真面目な人には優しいから。」

そしてしばらく歩き本部長室に着くと俺は二回ノックをする

「いいぞ。」

「失礼します。」

するとヒゲが生えた男子高校生が正座して忍田本部長に怒られていたと思われる姿がいた

「……えっと、お邪魔だったでしょうか。」

「いや。大丈夫だ。それで加藤君その子が。」

「はい。スカウトした同級生です。」

「三上歌歩です。」

「加藤。もしかして君が忍田さんが言っていたゴールデンルーキーか?」

すると正座している人が俺の方を見る

「あの、俺は上層部でどんな呼ばれ方をしているんですか?忍田さん。」

「すまない。ケイは強い者を見るとランク戦をしたがるんだよ。」

「ケイ?……もしかしてこの人が太刀川先輩ですか?」

少し絶句してしまう。忍田本部長の弟子でありバケモノみたいな強さを誇るらしく唯一S級隊員ではなく個人で防衛任務を行なっているという太刀川先輩か。

アタッカー、総合共に1位でログを見たんだが明らかに総合2位の二宮先輩とかなり差がある

……ぶっちゃけ勝てる気がしない

「えっととりあえずランク戦なら今度付き合いますよ。それと忍田さん正式に三上と部隊を作ります。一応三上にはサイドエフェクトの説明とかは俺の方でやっておきますけど。」

「あぁ、後は吉井君が入るつもりだったよな。それじゃあ三上さんはしばらくは絢辻さんがつくんだったよな?」

「本当に無茶言ってしまい本当にすいません。」

「大丈夫だ。オペレーターは人数が足りてなかったし元々オペレーター希望というのは少ないからな。」

「やっぱり広報部隊か何か作ってPRしていった方がいいんじゃないですか?今サイドエフェクトでは少なくも一年間が大侵攻みたいな大きな災害はおきないと思います。大きな災害ほど早く感知できるんで多分これから地域の評価は重要視されると思いますよ。最悪三門市から出る人もいると思いますし何かと評判をあげるようなことをしていった方がいいと思います。」

「うむ。広報か。」

少し悩んでいるように忍田さんは悩んでいる

「……それで本題に戻りますが。」

「あぁ部隊申請書は昨日提出しているからな。隊室の準備はできているんだが。それと隊服の件なんだが来週には準備できるようだ。」

「あっ助かります。ランク戦は来期から参加するので。」

「あぁ。分かった。ではこれよりB級20位加藤隊の結成を承認する。」

そうして判子を押されると軽く説明をされた後に俺たちは本部長席を出た

 

「うぉ。すげぇ。」

「わぁっ!!」

机と二人がけのソファーが4つ。それと簡単なキッチンにオペレーター室も完備

およそ30畳ほどの大きさあった。

「すげぇ。加古さんに隊室のデザインを考えてもらったんだけどここまでやってくれるとは思わなかったな。」

「加古さん?」

「A級部隊トップの東隊に所属しているシューターなんだけど何かよくしてくれているんだよ。俺のトリガー構成も殆ど加古さんと相談してきめているから。なんか最近じゃ戦略についても教えてくれるから完全に師弟みたいになっている。」

実際弟子入りしようか本格的に悩んでいるんだよなぁ。加古さん戦術面でも学ぶことは多いし

てかキッチンなんてある隊室なんて見たことないぞ。一度加古さんに炒飯作ってもらった時はカセットコンロを使ってたし。

なおその時はカレーチーズ炒飯だったのでとても美味しかった。

「まぁ、吉井がいるからあいつに有効利用させればいいか。」

「あれ?吉井君って料理できるんだ。」

「……あぁ、あいつ弁当は基本自分で作るからな。あいつの家女性陣料理壊滅だから。」

そして俺は足りない物を書き出していく

「食器や箸は百円ショップでコップひとつだけ専門店で買うか。調理器具は明久に任せてテレビもなるべくいい奴買いたいな。」

「うん。基本は百円ショップでいいと思うよ。そうしないとお財布に厳しいだろうし。」

「まぁ、そうするけど……う〜ん。」

なんというか、少し距離があるような気がするな

まぁいいや。買い物に行く時に少し距離を詰められるようにできればいいんだけど

「とりあえず買い出し行くか。三上。」

「うん。いいけど。どこに行くの?」

「三門アウトレットでよくないか?あそこなら近いし百円ショップも電気工具店もあっただろ?」

とりあえず買い出しからだな

そして3時間後

「ふぅ。これくらいでいいか。」

「あの、本当にいいの?」

俺たちは買い出しを終え隊室に戻ると既に日は落ちていてもう8時を少し回っている

今日買った物は冷蔵庫とモニター、ブルーレイで40万ほど、食器は百円ショップで買ったものを今俺が持っていた。

全額を俺が出したことで気が引けているのか少し戸惑ったようにしていた

「別にいいだろ。冷蔵庫はさすがに少し小さいけどそれでも十分くらいの大きさだしな。」

「いや。そういうことじゃないんだけど。」

うん。わかっている。

まぁ

俺は少しだけ考え正直に言うことにする

「三上お前やっぱり文化祭の時も思っていたけど人に甘えるってことに慣れてないんだろ?」

「えっ?」

「お前、面倒見はいい癖に自分は面倒を見られるのを少し拒む傾向あるからなぁ。何でも自分がやるし、それができるからなんだと思うんだけど、なんか距離があるように感じるっつーか。心配になるっつーか。」

多分だけど気になっていたんだろう

面倒見がいいから教えることを優先して自分のことを後回しにしすぎるし

「……もう少し甘えてもいいんじゃないのか?学校でもボーダーでも。」

俺は少し思っていたことを素直を言ってみる

「俺だって三上を頼ることだってあるし今回だって頼った。一応命がけの仕事だから妥協したくなかったし命を任せるなら三上がいいって思っていたしな。」

一応ボーダーは攫われる可能性があり緊急脱出システムがあるとはいえかなり危険な仕事だ

「まぁ、余計な御世話だけどさ、一応言っておくけど頼りたかったり甘えたかったら頼れ。俺でも吉井でもいい。今日からチームメイトなんだし。まぁ、金銭的なことは今日は俺が払うってことだ。流石に毎回毎回たかられたらもたないし。それに俺だってあんまり金銭的なことでチームメイトと貸し借りを作りたくない。もしそれでも気になるようなら働いてから給料で少しずつ返せ。家計を楽にしたいと言っておきながら家計が苦しくなったら本末転倒だろ?だから今は素直に甘えとけ。」

「……うん。」

少し納得はしてないらしいけどとりあえずは頷く三上に苦笑してしまう

そして三上を送っていくまで三上はどこか考えごとをしながら歩いていたらしくどこか上の空だった




この話は過去話へと繋がる話です。
時間があれば三上との文化祭の準備のシーンを書こうと思います
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