救えなかった少年   作:ニック

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加藤隊⑥

花火大会から一週間後

「……どうかしら?」

「「「「「とっても美味しいです。」」」」」

俺たちは加古さんの炒飯(当たり)に舌鼓を打ちながら今日の入隊式のことを振り返っていた

まぁ簡単にいうならば

「不作ですね。」

「前期が豊作だったから仕方ないわよ。」

と一ついうならば不作すぎるのだ

同じ訓練で最高記録が20秒と30秒

……あまりぱっとしない結果になった

「訓練が全てってわけではないですけど、あまりよくはないよね。特に仮訓練組は。」

「そうだな。今回は烏丸と影浦先輩くらいじゃないのか?即戦力は。それに多分影浦先輩は俺と同類のサイドエフェクト持ちは確定だろうな。明らかに攻撃が読んでいるみたいだったし。」

実際逃げ場のない被弾はほとんどなかったしな

「そういえば来期はどうするのかしら。」

「俺たちは修学旅行ありますからあまり参加はせずに来期の仮入隊担当ですね。」

「あぁ、どこ行くの?」

「関西です。2泊3日で。」

「へぇ〜でも吉井くんとは別のクラスなんでしょ?」

「一応ボーダーは他のクラスであっても同じ班になるらしいので。一応緊急帰還令だされる可能性はありますし。」

特にA級隊員が4人もいる俺たちの学校は非常時になるとさすがにボーダーに行かないといけないらしい。

「ちゃんと処理はされているのね。」

「処理って。まぁボーダー連携高の兼ね合いもありますし。一応学校行事が優先的ですね。俺たちの班は絢辻に明久。三上に俺とあと中央オペレーターの宇佐美って奴です。」

今年のオペレーターでは国近先輩と宇佐美はすでに中央オペレーターで働くほどの人らしい

「あら、女子が多いのね。」

「そうなんですけど、もう見知った仲ですし、綾辻ともあれからちょこちょこ飯食いにいってますし。」

「……あの、それデートですよね?」

「綾辻に自覚がなければデートではないだろ。というよりも俺がここにこもっているから定期的に連れ出さないとって言っていたけど。」

実際色々な場所に連れていかれた

「……うん。巧はもうちょっと外出た方がいいと思うよ。」

「それお前に言われたくない。というよりもいつのまにか三上以外はうちの隊ってほとんど全員隊室にいるのに。」

ついでに明久と神崎はゲーム、速水が読書するためによくうちの隊は全員集まっていることが多いし

「それに俺はお見舞いに週2で行きますし。」

「お見舞いって退院はしたんだよね?」

那須は一応二週間前には退院しておりそして、家には帰っているのだが

「普通に話しているんだよ。1日1時間くらいか。最近じゃ軽く公園で日向ぼっこするくらいには回復している。」

「二人で?」

「そうだけど。……ってなんか三上怒っているか?」

三上の言い方に棘があるように感じるんだけど

「そういえば、加藤君って隊の仲間と二人っきりで出かけたことはあるの?」

「……二人っきりはないですね。というよりも那須も絢辻もどちらかというとあっちから誘ってくるからな。」

「まぁ、巧が誘うってことは多分ないと思うなぁ。こっちではとことん積極的だけど元々人見知り激しかったし。」

「……そういえば、最初会った時も結構きつかったわね。」

「本当にあの時はすいませんでした。」

俺は頭を下げる

さすがにあの時は失礼すぎた

でも

「行きたいんならどこか行くか?」

「えっ?」

「元々本部長にもっと休めって言われているし。ランク戦も最終週だから別に今はぶっちゃけ暇だしな。」

それに夜に仕事回せばいいし勉強も予習も結構余裕あるし。

「……嫌ならいいけど。」

「ううん。そんなことないよ。」

勢いよく言われてつい仰け反ってしまう。その時に少し未来が見えた

「お、おう。んじゃどこ行く。行きたいところあるか?俺あまり女子が行きそうなところ知らないし。」

特にゲーセンとかカラオケくらいしかないしな

「う〜ん。ショッピングモールでいいんじゃないかな?」

「了解。んじゃ文化祭の時と同じ場所で待ち合わせな。」

「うん。いいけど。何で回りくどい言い方?」

「だって約束場所いうと、明久が綾辻や出水を連れてショッピングモールでからかってくる未来が見えたし。」

するとビクっと反応する明久。未来予知有能だな

「……それと神崎と速水も付いてくる可能性が高いし。」

「「……」」

「たく。」

てかお前らゲスすぎ。

それに俺がこいつらと出かけないのはある理由がある

「それならみんなで。」

「いいよ。せっかくだし二人で遊びにいってきて。」

「そうですよ。」

「ついでに明久。ついて来たら明久の姉貴に神崎と一緒に寝落ちした時の写真渡すから。」

するとさぁっと顔を青ざめている明久

「…貴様僕を殺す気か!!」

「お前やろうとしてたんだな。」

「何でそんな写真持っているのよ。」

呆れたようにしている。

「ん?こいつのファンクラブに売ったら結構高値で売れるからな。」

「……へ?ファンクラブ?」

「あっ。聞いたことある。今嵐山さんと吉井君は人気が高くてファンクラブが存在しているんだよね。」

「そうらしいな。俺も急に集団で押しかけてきて明久の写真が欲しいって言われた時ガチで怖かった。」

俺と速水、綾辻と3人でお茶を飲んでいた時に急に来たし。さすがに二人ともドン引きしていたのだが

「……そうなんですか?」

「神崎は知らなかったんだ。あれはちょっと。」

速水もさすがに言葉にならないようだった

「ついでに女子は全員ファンクラブがあるからな。ちょっと調べてみたけど男の方が多いから女子に飢えているぽいから結構多いんだよな。」

「「「えっ?」」」

「……えっと。つまり?」

「俺以外のメンバーはファンクラブがあって碌に二人っきりになろうとするといつ後ろから刺されてもおかしくない状況ってこと。」

普通に遊びたいけど碌に誘うと後からB級やC級の奴にまじで刺されかれない

実際結構B級下位の奴からはかなり愚痴を言われているし

「それに俺って加古先輩の弟子ってことまだ公表してないから加古先輩と付き合っていると思われているらしいし。」

「……そうなのよね。前に炒飯の買い物に付き合ってもらった時に偶然C級隊員に見られてしまって。」

それもスーパーで見られたことがきつかった

「否定すればいいのに。」

「加古先輩が面白いからほっときましょうっていうから。」

「えぇ。せっかく面白そうなことを放っておくわけないじゃない。」

「まぁ、ぶっちゃけ今は好きな人とかいないから別にいいんですけどね。」

すると少しの間が空く

「……巧ってかなり鈍感だよね。」

「……お前に言われたら結構きついんだけど。」

「何で!!」

そうやって軽口をいうと軽く叩かれる

今日も俺たちの隊は平和だった

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