救えなかった少年   作:ニック

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同級生①

一ヶ月後俺たちは仮訓練期間を最後の訓練を終えると出水と一緒に食堂で飯を食べる

「……あ〜また負けた。」

「いや、お前シューターなのになんでここまで隠密訓練の成績高いんだよ。」

俺は呆れるように出水をみる

基本的に出水と俺がトップ争いの常連であり、後は天羽が追いかける形になっている

そういうこともあり俺と出水はスカウトの対象として多くの隊長と話しているのだが。俺は防衛任務を多く入れたいため当分はソロで行動することを決めている

「そういや、巧は決めたか?」

「俺はサイドエフェクトが正式に認定されたからチームは自分でつくる予定。」

サイドエフェクト。

俺と出水はほぼB級に近いことから説明されたものでどうやらトリオンと呼ばれるトリガー使いの才能みたいな物が多いとでるらしく俺はS級の未来予知というサイドエフェクトだと判定された

だがトリオン量が俺よりも多い出水は持っていないので本当に副産物的なものなんだろう。

「へぇ〜チーム作るのか。」

「そっちの方がいいだろ?とりあえず今期中に上がって来季は防衛任務重視かなって。一応アタッカー重視オールラウンダー目指す予定だし。」

「まじか?」

「どうやら今トリガーで追尾する弾丸を開発しているらしくてその実験台をやりたかったんだよ。それに俺シールド入れないつもりだし。」

「お前それノーガード戦法をとるってことか?」

「仕方ないだろ。グラスホッパーとその追尾する弾丸。バックアームにバイパー。スコーピオン入れたらギリギリなんだよ。これから開発するトリガーで」

「スパイダーってまた渋いトリガー使うなお前。」

バイパーは今は注目度が小さいけど案外便利なんだよなぁ。

「そういえば仮入隊の結果で有望株は上位からやらせてくれるんだろ?モールモッドも苦にしないし。」

「それお前もだろうが。」

ため息をついてしまう

「でも今まで最高で2000点代後半だからそれくらいだろ。そうそううまくはいかないだろ。」

「いやいや。即戦力って言われているお前が何を言っているんだよ。」

「ボーダーは出来たばかりの新しい組織だし、あんまり差別化するような真似はしないだろ。」

「そうか?でもここ実力主義が強くでているからな。」

まぁそれもそうなんだが

「てか、逆にうまくいきすぎなんだよなぁ。今の所。ただ、ぶっちゃけ今の所コンビ上手くあうのお前くらいだろ。」

機動力の俺とパワーの出水

「まぁ、チーム組んでもいいけどさすがに他の隊も見たいんだよなぁ。」

「だろうな。てか出水とは俺はチームを組むよりもライバルとしてA級で戦いたいけどな。」

最近じゃ学校が終わってすぐにこっちに来て出水とランク戦と呼ばれる1対1の対人戦ばっかりしているし。

「まぁ、確かにそっちの方が楽しそうだけどな。」

「だから俺はしばらくはソロかな。」

「まぁ俺も。一月目のソロ隊員は他の隊と合同防衛任務だろ?」

「らしいな。とりあえずは様子見で気になるところがあればって感じだけど。お前それだけでよく生きてられるな。」

「……最近自分でもそう思うようになってきた。」

豆腐、もやし、豆腐で一日乗り越えている俺は本当にまずいよな

「まぁ、さすがに学費じゃなくてボーダーの金は食費と生活費にあてて補助金を高校の資金にするか。」

「そうした方がいいと思うぞ。」

はぁとため息を吐く。

「固定給がそうすると欲しくなるしなぁ。そうしたら少しずつ貯金できるし。」

「まぁ、それは仕方がないとしかいいようがないな。まぁサイドエフェクト使って最悪ボーダー外から引っこ抜いてくること考えるか。」

「それありなのか?」

「う〜ん。わからないけどオペレーターにしたい奴と少し面白そうな奴なら一人いる。学校で責任感が強くてさらに女子から人気のある奴と、バカがいる。」

「バカ?お前のところって進学校だろ?」

「う〜ん。でもバカとしかいいようがない。食費を全部趣味に費やすような奴だし。毎回先生に怒られて鉄人と呼ばれる先生から逃げ回っていたり全教科赤点をとるような奴なんだけど。」

「……それは陽介以上にバカだな。」

「でも生身で3階から飛び降りたり、荷物点検とかで没収された荷物を取り戻したりしているから行動力は凄いんだよな。」

「それ、マジで?」

「あぁ、吉井くんのことでしょ?それ。」

するとラフな格好をした女子が俺の前に来る。

「あれ?副会長じゃん。ボーダーだったのか。」

「うん。私はオペレーターだけどね。確か出水くんと加藤くんだよね?」

「えっと。だれだ?」

「うちの学校で生徒会副会長の綾辻遥さん。生徒会のマドンナって呼ばれているほどで成績優秀人気が高いんだよなぁ。」

「加藤くんも今やボーダーじゃ知らない人はいないくらいだと思うんだけど。もしかして吉井くんをボーダーに誘うの?」

「あぁ、根は優しい奴だと思うし運動神経も悪くないからな。てか運動部に入ってないのに陸上部のエースに100m走で勝つような奴だし。後は三上って分かるか?」

「歌歩ちゃん?」

「うん。そいつ。あいつ面倒見がいいし、同じクラスなんだけど、前にクラスの行事実行委員会やらされた時でもきちんとまとめているからオペレーターとしては優れているんじゃないかって思ってな。一回頼んでみようかな。」

俺は考える。吉井の身体能力はどう見てもアタッカー向きだし単純なあいつのことだかっこいいとか言って多分アタッカー希望を出すだろう

「まぁ三上も話したことないから変な人だと思われないといいけど。」

「それ無理なパターンだろ。」

うん。俺もそう思う

「でも、加藤くんって学校じゃ目立たないよね?いつも勉強か本読んでいるイメージがあるんだけど。」

「……ん?珍しいな。学校の俺を知っているなんて。」

「歌歩ちゃんが言っていたんだよ。加藤くん基本誰とも話さないって。」

「……まぁ、大侵攻を予知したにも関わらず結局家族は誰も救えなかったからな俺。少し塞ぎこんでいたんだよ。」

先生にも友達にも家族にも誰にも信じてくれなかったからな

いや一人だけ予知できるっていうことを信じてくれたやつが二人いたか。

その当時友達だった奴らは生きているけど大分気まずくなってしまって話さないようになってしまったのもあるけど

「ご、ごめん。」

「いや、いい。普通誰も信じてくれないしな。予知なんか。」

俺はため息を吐く

「とりあえず。出水ランク戦いかね?」

「悪い。今日友達と約束してて。」

「あ〜ならしゃーない。んじゃ今度は入隊式で。」

「どうせ毎日ランク戦こもっているんならバトれるだろ。」

「まぁ、それもそうか。んじゃな」

「あぁ、またな。」

出水はそれで去っていくと

「あれ?そういや副会長。」

「名前でいいよ。」

「あっ悪い。それで綾辻ラーメン伸びてるけど……。」

「あっ。忘れてた!!」

するとショックを受けたようにする綾辻になんとなく笑ってしまう。

「もう。早く言ってよ。」

「俺が悪い訳じゃないんだけど。まぁ話相手になるから。」

膨れる綾辻をなだめながら俺はボーダーの最終日が過ぎていった

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