今回は戦闘メインで書いたつもりですが、いかんせん初めてなもんですから、読みにくかったらすみません。
「大丈夫ですか?!マスター?!」
必死に呼びかける。自分と違いマスターは現代を生きるただの人。しかも今は緊急事態で生身のままレイシフトしてしまった。失敗すれば体が粒子になるとかならないとか。それが頭にあったため、必要以上にマスターの身を案じてしまう。
――あれ...空が見える?――
こちらの心配なんて知らずに、いつもと同じようにのほほんとした感じで起き上がったマスター。
「大丈夫ですか?どこか体で痛むところはありますか?!」
意外と自分は心配性なのだろうか、つい強めで聞いてしまった。そんな私を見てマスターは苦笑いしながら大丈夫と答えてくれた。肩の力が少し抜ける。
――ここって、確か過去の冬木市だっけ?。――
少し落ち着いたところで周りを改めて見回す。壊れた建物の瓦礫や炎が至るところに燃え広がっており、現代のどこかの街というのがかろうじてわかる程度まで崩壊していた。こうしてみると、自分たちが暮らしていたころとは生活様式が変わっていて、時代の流れを実感する。
「マスター、ひとまず移動しましょう。ここにいるだけでは始まりません。もしかしたらマシュさんや立香さんたちに会えるかもですし。」
マスターも同じことを考えていたのか、何も言わずに頷くと静かに歩き出した。前から思ってたんですけど、マスターって他の人と比べて一言少ないのでは?
――どこ行っても壊れてた建物ばっかり。まるで世紀末みたいだ――
ほんの少しだけうれしそうに呟くマスター。一言少ないだけでなく緊張感が足りてないのでは?まあそこがマスターの魅力でもあるため、あまり強く注意することができないのですが。
「まったく、ここはもう戦場なんですよ?もう少し真剣になってくださいよ。」
ごめんごめん、と軽く謝罪された。やはり強く注意するべきでは?なんて考えながら足を進める。瓦礫、瓦礫、炎、瓦礫。行けども行けども形を成していたものの残骸ばかりが目に映る。人の気配はまったくしない。
―――――――――――――――!!!
突然遠くのほうから、雄たけびのような咆哮のようなものが聞こえた。かなり離れているはずなのに、まるで近くにいるかのように感じるほど大きな声だった。
「...どうします、マスター?」
――とりあえず行ってみよう。もしかすると二人が襲われているかもしれないし――
まるで助けに行くのが当たり前のようにさらっと言うマスター。自分の身が心配じゃないんですかね?まあここで変なことを言うようでしたら、たとえマスターでも斬ってたところですが。
ただ、嫌な予感しかしないからか足取りが少し重く感じる。
――――!――――――――――――!!
声がする方に行ってみると、そこには人の姿をした影の様な
「これは...サーヴァント?」
微かに感じられるのは、サーヴァントに似た気配。ただ、見た目や行動からはとてもサーヴァントとは思えない。
―とりあえず、襲われてはいないみたいだね。よかった―
ひとまず安堵するマスター。ただ、あの影を放置しておくと、後々面倒なことになりそうだ。どうするかの意をこめてマスターに顔を向ける。
―沖田さん、行けるかい?―
マスターが恐る恐る聞いてくる。行けるというのは相手を考えてのことか。それとも自分の体ことを思ってなのか。後者だったら個人的にうれしいのだが。まあどちらにせよ...
「多分いけると思いますよ。見た感じ、あいつの動きには単調なものが多いですし。」
実際、どこを目指して歩いているというわけでもなく、ただ目に映る何かを破壊しているだけのように見える。何となくだが、元になったサーヴァントは獣の様な咆哮や手に持ってる得物を使った破壊力からして、おそらくバーサーカーだろうと推測する。そうなると、真正面からやりあうと分が悪い。背後から狙えるなら、そちらの方が効率がいいだろう。
「それじゃ行ってきます。マスターはどこかに隠れていてください。巻き込まれると危ないですので。」
マスターに忠告しつつ、気配を消しながら影の所に向かう。ただ、影に近づくほどに、嫌な感じが強くなっている気がする。しかし、これは杞憂だと自分に言い聞かせ、影のほうに向かっていく。
少しばかり後をつけると、動きが止まり、背中ががら空きになった。こちらには気づいてないはず。この好機を逃すわけにはいかない。
「すぅ...はぁ...よし」
息を整える。争いから離れて少し時間が経ったものの、体はしっかりと覚えている。いつものように自分だけの世界を作り出す。
「(一歩音を超え....)」
今からするのは、生前自分にしか出来なかった剣術。他の誰にも真似することが出来なかった自分だけの奥義とも呼べるもの。
「(二歩無間....)」
静かに、大きく踏み込む。狙うべき箇所、その一点だけを見つめる。
「(三歩絶刀....!)」
あの土方さんがしっかりと、文句を言わずに賞賛してくれた他人とは何かが違う剣。その剣の技巧の全てをこの一撃に込めることで初めて成功する自分だけの剣。
――――――――――――?!
一閃。確かな手ごたえがあった。影は糸が切れた人形のように抵抗なく倒れる。起きる気配がないことから、しっかりと心の蔵は貫けているようだ。
「(まだまだ腕は鈍ってないようで安心しました)」
三段突き。それが病弱な沖田総司が誇れる、唯一無二のもの。成功したことに安堵しマスターの元に帰ろうとする。その瞬間、全身に悪寒が走り、影の方を向く。影はすでにそこにはおらず、自分の目の前で巨大な剣を振るおうとしていた。
「なっ?!」
咄嗟に剣を構えることで直撃は避けたものの、とてつもない力で横に飛ばされてしまった。腕が多少痺れているものの、致命傷はない。
――――――――――――――――――――――――――――――――!!!
影が雄たけびをあげる。どうやら、完全に回復しているようだった。確かに手ごたえはあった。倒れるのも確認したはずだ。
――――――――!!
影が突撃してくる。考えている時間はないようだ。すぐさま刀を構える。
一回、二回、三回。受け止めはしたものの、力の差がありすぎて吹き飛ばされる。やはり正面からはやりあえない。
「このっ...!」
影の猛攻を受け止めるのではなく、避けることに専念する。振り下ろされた剣を避け、その剣の上を走りすれ違いざまに斬る。
―――――――――――――?!
手ごたえはある。だが効いている感じはしない。
「なら、何度でも斬るのみ...!」
相手の動きに呼吸を合わせ死角に潜り込む歩法、縮地。自分が得意とするものの一つを駆使し、腕、足、脇腹と次々と斬っていく。しかし...
――――――――――――――――――――――――――――――!!
相手の動きは鈍らないどころか、こちらに少しづつ追いついてきている様に感じる。刀が所々弾かれ始める
「(こいつ...私の動きに...?」
最初は闇雲に暴れているばかりだったが、斬られる度に少しづつ動きに意識が感じられるようになり多少斬られても確実にこちらを捉えるような動きに代わっていった。
この流れはまずい。多分この影はサーヴァントとしては破格の才能を持っている英霊だ。言葉を発せられない程の狂化に侵されても僅かに理性が残っていることからも、かなりの手練れだとわかる。
このままでは確実に自分を捉えられる。バーサーカーとしての破壊力に狂化に侵されも僅かにでも残る異常なまでの理性。加えて自分の耐久力の無さも含めて、追いつかれるのは時間の問題だろう。
「これは、出し惜しみしてる場合じゃないですね...!」
マスターの負担が増えることに申し訳ないと思いつつ、集中する。
『誓いの羽織』
これは自身の宝具であり、戦闘服とも呼べる浅葱色の羽織を装備する対人宝具だ。体の負担を減らすため、そして真名を隠すために普段は使っていないもの。これを発動することにより、今まで抑えてた力を完全に使うことが出来る。当然体に掛かる負担も大きくなる。呪いともいえるスキル「病弱」の発動確立も高くなるため、普段は絶対に使わないが、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
「倒れる前に、斬る!」
体が軽くなる。先ほどよりも早く踏み込む。影は反応できていない。押し切られる前に、押し切る!
――――――――――――――――――――?!
影が驚いたような声を挙げる。やっと今の速度に慣れてきた矢先さらに早くなるのだから無理もない。
「速く、鋭く!」
体の節々が少し痛む。元々疲労していることもあり、限界を迎えるのが今までより早いだろうと考え、さらに速度を上げる。より早く切る。それだけを考える。
――――――――――....!
腕、太もも、脇腹、腕、腕、脇腹、太もも。何度も何度も斬る。ひたすら斬る。
流石のバーサーカーの肉体と言えども、何度も斬られれば当然動けなくなる。何回斬ったかわからないぐらい斬り続け、やっと膝をつかせることが出来た。ここで決める。
「一歩音を超え、二歩無間、三歩絶刀!」
もはや叫びに近い声でいつもの言葉を声に出して紡ぐ。これで終わってくれと強く願う。
一閃。鋭く、深く突き刺す。当然体制が崩れた状態では影は身動きが取れず、心の蔵を貫かれる。一言も発さずに倒れる。
「...........」
静寂が周りを支配する。今度こそ終わった様だ。気が抜けて腰が抜けてしまう。久しぶりの戦闘といこともあってか、余計に疲れた。
「何とか倒れる前にやれましたか....」
マスターがこちらに駆け寄ってくる。珍しく焦りを顔に出していて、新鮮だった。
―大丈夫か沖田さん?!―
「ええ、そりゃ見ればわかりますよね?沖田さん大勝利ですよ。」
元気はでないものの、いつもと同じ感じでマスターに報告する。すると安心したのか、いつものおちゃらけた感じにもどった。やはり私のマスターはこうでなくては。
―それじゃ、二人を探そうか。ゆっくり休みながらね―
気の抜けた空気を纏いながらマスターが歩いていく。戦場に要らないものだが、どこか心地よくて、つい気を緩めてしまう。だからだろう、影が立ち上がっているのに気づくのが遅れてしまった。
「マスター!逃げてください!!」
マスターに向けて叫ぶものの、既に手遅れだった。マスターも気づいたみたいだったが、避けきれず影の攻撃でかなり吹き飛ばされてしまった。攻撃される瞬間魔術で体を守っているのは見えたが、バーサーカーの力の前ではあまり意味ないだろう。
「まだ立ち上がるか...!」
マスターが心配だが、今はこの影をどうにかしなくてはならない。刀を握る。先ほどの様にはいかないものの、素早く踏み込み斬っていく。
だが、やはり連戦の為か、斬り合い始めて程なくして
「かは?!けほっ...こふっ...」
遂に体が限界を迎えてしまった。体が急に重くなり上手く動かせなくなる。スキル「病弱」が発動してしまった。病弱とは言うものの、効果としては耐久と敏捷が最大までマイナスになってしまうもので、戦闘中に発動してしまうと、格好の得物になってしまう。
――――――――――――――――――――――――――――――
ゆっくりとこちらに歩いてくる。もう自分が抵抗できないことを悟ったのだろう。一歩ずつ、ゆっくりと向かってくる。その足取りは何回斬られたはずなのに、とてもしっかりとしている。
ここで終わってしまうのだろうか?また、自分は最後まで戦い抜くことが出来ないのだろうか?無力自分を深く呪う。せめてもう少しだけ自分の体が強ければ、こんなことにはならなかっただろうと考える。
『私が力を貸してやろうか?』
突然、頭の中に声が響いてきた。それも自分よく似た声だ。まさか幻聴が聞こえるぐらい参ってしまったのだろうか。でも、この際幻聴でも何でもいい。あいつを倒し、マスターを助けれるなら。
「(ええ、力を貸してください。あいつを倒し、マスターの所に行きたいんです。)」
『わかった。なら、体を借りるぞ、私』
体を借りるってどういう、と質問する前に、意識が朦朧とし、すぐに意識を失った。覚えているのは、自分じゃない
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....誰かが話している。
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....どこか懐かしい感じがする。
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....―――――――――――――。――――――――――――――――!
....あぁ、これは幼い頃の記憶だ。
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....そういうことだったんですね。貴女は――――――
気が付くと、私はマスターに支えられながら歩いていた。何か夢を見ていたはずだが、はっきりと思い出せない。ただ、とても懐かしい感じがする。そして、何か大事なものを思い出した気がする。はっきりと言えないが、とても大事なもの。約束の様なものをしていたはずだ。
―沖田さん?大丈夫?―
どこか気が抜けるようで、それでいて何故か安心できる声で自分の名が呼ばれた。まだ、その大事なものを思い出せはしないが、そのうち思い出せるだろうという謎の自信があった。
ひとまず、今は頼りなさそうなマスターに体を預けることにした。
この前自分が投稿した前話を見てみると盛大に誤字ってましたね。今はしっかり修正したので大丈夫です(多分...)
そういえばぐだぐだ新イベ発表されましたね。凄く楽しみです。