嵐のように襲い来る小型セルリアンの一斉攻撃に対して、私たちは防戦一方に陥っていた。
一体を躱す間に、違う方向から別の十体が襲い来るほどの勢いだ。
これらは一見無数の小型セルリアンに見えるがそうじゃない。いわば一体一体が女王を構成する細胞であり、完璧に統率が取れた動きで襲い掛かってくる。
そして恐ろしいのは圧倒的な物量だけじゃない。敵はいまや完全に私とクズリの動きに付いてきているのだ。
女王の能力は、敵の力を学習し模倣することだと聞く。
こちらが強ければ強いほど、女王もまた強大に成長し立ちはだかってくる・・・・・・まさしくセルリアンの頂点に立つ者にふさわしい、悪夢のごとき強敵だ。
グレン・ヴェスパーはそんな女王の能力を利用して、私たちをまんまと罠に嵌めてきた。
女王の心臓がそびえ立つこの部屋で私たちを迎え撃つために、大量のセルリアンを私たちに差し向けることで、女王の学習行為を促進させていたんだ。
「くそったれ!」
「ガァウウ」
飛び回って躱し続けていた私とクズリも次第に追い詰められていき、ついには直撃を食らって地面に落とされた。
「死ねええええええっっっ!」
絶叫とともに追撃が飛んでくる。
グレンが狂喜乱舞しながら手を下ろすと、セルリアンの群れが私たちを仕留めんと地面に振り注いできたのだ。
__________ガガガガガッッ!
が、すんでのところでメリノヒツジが助けに入ってくれた。
金色の盾を携えながら、動けないでいる私たちに覆いかぶさるように割って入ったのだ。
「や、やらせないぞ・・・・・・」
彼女は女王が放った稲妻に全身を焼かれたはずだった。
あの時はてっきり致命傷を負ってしまったものだと思ったが、辛うじて命を繋いだようだ。
だが息も絶え絶えで、動いているのがやっとという感じだ。
そんな体でまたも私たちのことを庇ってくれたのだ。
「へっ、大したしぶとさじゃねえか」
「はぁ、はぁ、・・・・・・あ、あの光に焼かれた時、僕の体は無意識のうちに鎧のような物を身に纏っていました。どうやらそれが僕を守ってくれたようです」
「てめえにも”二つ目の能力”が現れたってことか?」
「・・・・・・わ、わかりません。そうだとしても、まだ物にはなっていない・・・・・・あの男に一泡吹かせることはとても・・・・・・」
悔しそうに顔をゆがめるメリノヒツジの焼けただれた全身からは、ススのような金色の煙が立ち上っていた。
フレンズの肉が燃えてもあんな色の煙は出ない。
あれはきっとメリノヒツジの能力の残滓だ。彼女が言う通り、無意識のうちに鎧を身にまとって身を守ることが出来たのかもしれない。
・・・・・・が、しかしそれ以上のことは出来ない。
女王に守られているグレン・ヴェスパーが余裕の表情を浮かべているというのに、奴に攻撃を届かせることも、その隙を見つけることさえも出来ないでいる。
メリノヒツジの限界も近い。
小型セルリアンの体当たりを受け止め続けて、彼女の盾には早くも亀裂が入り始めている。
もう間もなく破られてしまうだろう。きっと再び盾を展開する余力も残っていないはず。
いま逆転の一手を打たなければ私たちの敗北が決まる。
「メリノ、もう少し持たせろよ。オレたちで決めてくるからよォ」
__________メキメキメキッッ
変わらぬ闘志を滾らせるクズリが、鉤爪の無い左手を顔の前で握りしめた。
それを見て驚いた・・・・・・私の経験上、彼女があのポーズを取った時には何らかの勝ち筋をすでに見つけてしまっているからだ。
「く、クズリさん。言いにくいことなんですが・・・・・・」
「なんだァ?」
「無茶はしないでください。あなたは自分が思っているより体力を消耗しているはずです」
誰よりもクズリの強さを信頼しているメリノヒツジから、まさかの弱気な発言が飛び出した。
しかしずっと傍で見てきた彼女の言葉なら何よりも信頼におけるはずだろう。
進化促進薬によって蘇生したクズリは、その後も激闘続きだった。
私よりも肉体や言語能力への影響が少なかったこともあってか、暴走を恐れずに進化態の力を乱発した。
またハイブリッドのあの子によって重傷を負わされた時も、尋常ならざる回復力で傷を治してみせたものの、肉体には相応の負荷がかかっているはずだと。
メリノヒツジはそういった懸念をつらつらと並べた。
「ふーん・・・・・・そうか、だからてめえは何度も命がけでオレのことを庇ってくれてたってわけか。そんなボロボロの体でよ」
「・・・・・・は、はい」
「だが心配すんな。オレだけじゃねえ、オレとアムールトラで勝負を決めるんだよォ」
メリノヒツジの進言を自信たっぷりに撥ねつけたクズリは、言うなり私のほうを向いてニヤリと笑みを浮かべた。
「まずはてめえの出番だぜ」
なんとなくクズリが何をする気なのか分かりかけてきた。
そしてどうやらきつい役目を私に任せようとしていることも。
・・・・・・だが私は信じることにした。握りしめた彼女の左手から発せられる必殺への決意は、いま何よりも信頼できるものだと思った。
__________タンッ
今にも砕け散りそうな盾に身を隠しながら、地面に手のひらを押し付けた。
何を狙うかは決まっている。
グレン・ヴェスパーが身に付けているネックレス。あれに取り付けられたガラス玉の中にある女王の胚。
・・・・・・あれさえ破壊することが出来れば、奴は女王をコントロールすることが出来なくなるはずなんだ。
≪バカめっ! その技は女王にはもう通じぬわ!≫
意識を潜らせる直前に、グレンの勝ち誇る声が遠くから聞こえたような気がした。
かまわずにさらに深く深くに潜り、ゆらめくシルエットと化した奴の立ち姿めがけて、閃光とかした体を一直線に打ち放った。
__________ギュンギュンギュンッ!
首元にぶら下がる光玉まであとわずか。
そう思っていた矢先、暗闇の世界を駆け抜ける私に向かってくる無数の閃光を垣間見た。
思っていた通りのことが起こってしまった。
信じがたいことだが、女王は持ち前の模倣能力ですでに勁脈打ちを学習してしまっている。
学習が成されたのはきっと、女王のコアがあるこの部屋に入り込むために、私が勁脈打ちを使って大穴を開けたあの時だろう。
・・・・・・ゲンシ師匠から継承した大事な技を、セルリアンなんかにいとも容易く真似されてしまうなんて、驚き以上にプライドが傷つけられる気持ちになった。
だから私は朔流を受け継ぐ者の誇りにかけて、絶望的な勝負に一歩も引かず挑むことにした。
__________ガカァァァッッ!
流星群のごとく向かってくるセルリアンたちの”意”に向かって、一筋の彗星のような体を真正面から衝突させた。
無数にいる内の何体を蹴散らすことは出来たが、あっという間に纏わりつかれ、圧倒的な馬力の差によって押し返された。
こんな感覚は初めてだ。痛いとか苦しいとかじゃない。存在が押し潰されて消えてしまいそうになる圧迫感だけが伝わってくる。
現実世界での力比べではなく”意”と”意”をぶつけ合うというのは、こういう感覚をもたらすものなのか。
(・・・・・・ま、負けてたまるかァ!)
暗闇の中で己を奮起させ、消えそうになっていた光を増大させる。
しかしそんな私をあざ笑うように、夥しい量のセルリアンの”意”が、なおさら激しく纏わりついてくる。
単純なぶつかり合いならば絶対量が多い方が勝つのは当たり前だ。百人と相撲を取って押し勝てる一人などこの世に存在しない。
(し、師匠、私に力を・・・・・・)
押し潰そうとしてくる光に向かってのせめてもの抵抗を続けていると、もはや辺りの暗闇がかき消えて、真っ白い光の中にいるような気さえした。
閃光に飲まれて、私という意識はあえなく燃え尽きた。
≪・・・・・・あ、アムールトラ! 大丈夫か!≫
現実世界へと帰還を果たすと、今にも砕け散りそうな盾を構えているメリノヒツジが心配そうに声をかけてくる。
相変わらずボロボロの姿だ。
まあ、現実世界では恐らく一瞬の時間しか経過していないだろうから、回復なんてしてないのが当たり前だが。
・・・・・・勝てるはずのない勝負でも私が引かなかったのは、すでに何度も死線を超えて戦っているメリノヒツジがいたからだ。
これで少しは彼女の頑張りに答えることが出来たかな、と内心でそんなことを思った。
__________ゴパァァッ
メリノヒツジと目を合わせていた私の視界が、無意識のうちにグルっと90度横に回転した。
口から、鼻から、耳の穴から、そして目蓋から・・・・・・すべての穴から鮮血を噴出させながら力なく突っ伏してしまった。
血だまりが留まることなく地面に広がっていく。
「ゼ、ゼェ・・・ヒュウ・・・」
女王にしてやられた。圧倒的な手数の勁脈打ちによって体内に致命的な傷を負わされた。
体じゅう何十か所もの骨が砕かれ、内臓が破裂させられている。
自分の技ながら、その威力の凄まじさには改めて驚かされる気分になった。
それでも即死していないのは、私もまたギリギリまで勁脈打ちで対抗したからだ。
本当ならばセルリアン達が狙っていたのは私の心臓だったはず。しかし決死の抵抗によって、急所への直撃は避けることができた。
私の仕事はここまでで良いはずだ。
精一杯奴らの注意を引いた。現実に戻りさえすれば私は決して一人じゃない。
切り札を持つ者は他にいる。
無敵の称号を持つ私のライバル・・・・・・突っ伏しながら視線だけ上げると、頼もしいその姿が前に飛び出していくのが見えた。
「オラァッ!」
クズリが音速の身のこなしで瞬時にグレン・ヴェスパーへと間合いを詰め、凝縮された殺気を乗せた左手を繰り出した。
飛び回っていたセルリアンたちの反応は、私を迎撃することに気を回したことで、わずかな間ではあるが中断され、その隙を使ってクズリが近づくことが出来たのだ。
・・・・・・が、女王による鉄壁の防御は健在だ。
セルリアンがクズリの左手を受け止めた後で、ようやっと遅れて反応したグレンが、余裕の表情でクズリに視線だけを流す。
「クククッ、まだ悪あがきがしたいのかね」
「・・・・・・いいや、てめえの顔はもう見飽きたぜ」
__________バチャッ! バチャバチャッッ!
クズリが触れているセルリアンが一匹、また一匹と破裂しはじめた。
肉の壁を押しのけながら一歩ずつ着実にグレン・ヴェスパーに近づいていっている。
「行けええッッ!! やってくれェ!!」
メリノヒツジがあたかも自分が攻撃しているかのように怒号を上げる。言わずもがなクズリの攻撃をとことん信頼しているのだ。
彼女のふたつめの能力・・・・・・手のひらに触れたあらゆるものを握り潰す力。
地面すらもくり抜いて手のひらサイズに圧縮してしまうその力を以てグレン・ヴェスパーにトドメを指そうというのだ。
女王はまだあの攻撃を食らったことがない。
だから直ちに模倣することは出来ないはずだ。
どれぐらいの時間で女王に技が学習されてしまうのかはわからないし、それまでに防御を突破しきれる保証はないが、あの攻撃に私たちのすべてを懸けることにした。
「それがどうしたと・・・・・・くっ!? な、何!?」
グレン・ヴェスパーが身をよじる。
クズリの攻撃についに身の危険を感じたのか、今まで一歩も動かずに女王を操って悦に入っていた男が後退しようとしているのだ。
だが動いたのは奴の上半身だけで、足元は地面に張り付いたように一歩も動かない。
クズリの”握り潰す力”が、セルリアンの体細胞ごしに、グレンの足元近くにまで伝わり始めている証拠だ。
「”虫”ども! 我が前に全て集まれ! 奴を通すな!」
表情に焦りの色を隠せなくなったグレンが諸手を上げると、広い空間全体が鳴動し、大量の小型セルリアンが命令通りに奴の前へ集まっていった。
クズリに握りつぶされる傍から絶え間なく凝縮し、肉の壁として立ちはだかってきた。
「・・・・・・ろすぞあぁぁっっ!」
「うおおおっ、ち、近づくな獣め!」
こうなればクズリと女王の根競べだ。
彼女の体からは、野生開放を示す金色の光と、進化態の力を示す黒い炎が織り交ざって放射されている。己の持てる力を全て出しつくさんとしているのが伝わってくる。
・・・・・・すでに満身創痍となっている私は、クズリの背中に思いを託すように視線を注ぎ続けた。
__________シュウウンッ
だがしかし、場の空気が突然に一変する。
クズリの手のひらがグレンの体に触れるやいなや、彼女の全身から発せられていた光の奔流がぱたりと途絶えてしまったのだ・・・・・・。
「ち、ちきしょうが!」
依然として闘志が衰えていないクズリが悔しそうに呟く。
メリノヒツジが懸念した通り、クズリは技をまともに放てないほどに消耗してしまっていた。
間に合わなかった・・・・・・ここまで来て、こうまで不運なタイミングで、それが顕在化してしまったんだ。
__________ドッシャアアアッ!
押されていた小型セルリアンたちが瞬時に勢いを盛り返す。
炸裂する黒い津波によって、クズリの体はいとも容易く跳ね飛ばされてしまった。
「フ、フハハハッッ! お前ごときが私に触れられるはずなかろうが!」
九死に一生を得たことを悟ったグレン・ヴェスパーが、全身を震わせながらひとしきり哄笑すると、おもむろに右腕を垂直に上げた。
・・・・・・すると、小型セルリアンたちがその腕の周りを竜巻のように旋回しはじめ、先端が鋭く尖った円錐を形作った。
その様はまるで巨大なドリルのようだ。
「クククッ、汚らわしい獣の分際で神に逆らった罰を与えてやるぞ」
__________ズギュイイインッ!
ケタケタと笑ったままのグレンがうずくまっているクズリに近づくと、振りかざしたドリルを腹部に突き刺した。
クズリが声にならない悲鳴を上げながら体をびくびくと震わせた。
「や、やめろぉぉッ!」
血相を変えたメリノヒツジが槍を携えて止めに入る。
だがグレン・ヴェスパーを見向きさせることも出来ないまま、地面から生えだした触手に薙ぎ払われた。
いまのグレンはひたすらにクズリだけに執着しているようだ。
「ガウ、ウウッ・・・・・・」
もちろん私もメリノヒツジに続こうとした。
・・・・・・だが今の私にはもう立ち上がることすら叶わないようだった。
女王の勁脈打ちによって背骨か何かを砕かれたのだろうか、腰から下の感覚すら無くなってしまっていたのだ。
もはや打つ手がなくなった絶望的な状況に胸の奥がざわつく。
「・・・・・・何でだァ!! 何でお前なんかがクズリさんにっ!」
槍を支えに何とか立ちあがったメリノヒツジが絶叫する。
彼女が目標とする本物の強者クズリが、自分で戦う力もない、他の何かを操って悦に入っているだけのグレン・ヴェスパーなどに敗北した。
その悔しさは察するに余りあるだろう。
「思いあがるなぁッッ! お前たちと私では持って生まれた格が違うのだッ!」
狂喜するグレン・ヴェスパーがクズリの腹からドリルを引き抜くと、また新たに別の場所を刺し貫く。
クズリの体は再び血まみれのボロ雑巾へと戻っていった・・・・・・それはまるで暴走した私に蹂躙された時のように。
「さあウルヴァリン、私に屈服しろ。惨めに這いつくばって命乞いをするのだ」
「・・・・・・なん、だと、コラァ」
ひとしきり鬱憤を発散したグレン・ヴェスパーが口調に落ち着きを取り戻し、クズリに向けてそんなことを口走った。
「お前はこの私のことを愚弄したな? それだけじゃない。お前だけは一度たりとも私を恐れなかった。いままで誰もが私を恐れ媚びへつらってきたというのに。
・・・・・・ウルヴァリンよ。お前を見ていると、あの男を思い出して虫唾が走るのだ」
防護服のバイザーごしにグレン・ヴェスパーが遠い目をしながら、誰に聞かせるでもなく自らの過去を回想しはじめた。
裕福な家柄、美麗な容姿、優れた知能。
生まれながらにして全てを持ち合わせていたグレン・ヴェスパーの人生は敗北とは無縁だった。約束された成功に対して邁進した半生だった。
50にもなる頃には、いくつもの会社を経営するかたわら、生物学者としてもいくつもの賞を受賞し、政界にもパイプを持つ名士だった。
「しかしそんな時、あの男が我が前に現れた。
ジューゾー・トオサカ・・・・・・我が人生唯一の汚点」
グレン・ヴェスパーの口から飛び出したのは他でもない、カコさんの父の名前だった。
そこから先の話は、これまでに何度も聞かされたエピソードだ。
始まりの地プレトリアにて発見された未知の生物セルリアン、そしてフレンズ。
それを研究するために集まった遠坂重三さんやグレン・ヴェスパー、ヒグラシ所長などの学者たち・・・・・・幼い遠坂さんの娘カコさんもその一人だった。
最初こそ一丸となって研究に取り組んでいた研究チームだったが、フレンズの扱いを巡って意見が真っ二つに割れてしまった。
フレンズ保護を唱えた遠坂さんと、軍事利用を唱えたグレン・ヴェスパー。
2人の論争は最終的に、当時アメリカ大統領夫人だったイーラ女史の介入で遠坂さんの勝利に終わった。
「小癪な男め! 政界の女狸に上手いこと取り入って、バカげた理想を押し通しよった! ・・・・・・あのとき我が敗北が全世界に喧伝された! ゆるしがたああいっ!!」
グレン・ヴェスパーが天を仰ぎ吠える。
もう死んでしまった遠坂さんに対して、20年も前のことを、つい今この瞬間に起きたことのように怒り狂っているのだ。
・・・・・・なんとなくわかってきた。20年前のたった一度の手痛い敗北がこの男の怪物性を形作ったんだ。
そしてそれだけがすべての原因。
私たちフレンズも、カコさんも、ヒグラシ所長も、この男のちっぽけな私怨に振り回されて・・・・・・ついには核さえも落とされた。
「何度ジューゾーに刺客を差し向けたことか。しかしあの男は運よく逃れ地下に潜り・・・・・・あげく私の関係のないところで死におった!」
「そ、そんな話、クズリさんに何の関係もないじゃないか!?」
「あの男のように、私を見て恐れない者の存在が許せない・・・・・・屈服させてやらなくては気が済まない!」
メリノヒツジはグレンの言動に、怒りを通り越して困惑さえ覚えている様子だった。
そして何かに気づいたように表情を青ざめさせ「まさかお前は」と息を飲んだ。
「だから僕たちから逃げなかったのか? 切り札である女王の胚を使ってまで、クズリさんを屈服させるために・・・・・・? たかがそんなことのために・・・・・・?」
沈黙が答えだった。
奴にとってクズリを屈服させることはきっと、自分の中にある亡き遠坂さんの幻影を屈服させることに等しいんだ。
__________ガクンッ
刹那、槍を支えに何とか立っていたメリノヒツジが、精も根も尽き果てたように膝を付きうなだれた。
メリノヒツジはきっと悟ったんだ。
グレン・ヴェスパーの残虐さも傲慢さも、奴の中ではむしろ人間らしい部分であることを。
私怨に基づいた虚栄心・・・・・・その核にある幼稚とも言えるほどの空虚さこそが、このヒトの形をした怪物の本質であることを。
その理解不能な歪さを前にして、幾たびも仲間のために命を懸けてきた勇敢な彼女をして、ついに心が折れてしまったようだ。
(くそっ・・・・・・何とかしなくちゃ!)
メリノヒツジも戦闘不能になり、ついに動けるのは私だけだ。
両手を使って這いずり、何とかクズリのところへ行こうと足掻くも、視界が薄暗くなり、体が冷たくなっていくのがわかる。
あまりにも血を失い過ぎた結果だ。だんだんと近づいてくる死の予感に焦りが隠せない。
もはや最後の手段に出るしかないと思った。
・・・・・・それは、もう一度暴走することだ。
この状況を打破することができなくても、グレン・ヴェスパーに一泡吹かせることぐらいは出来るかもしれない。
__________グゴゴゴゴッ
己の内側にあるどす黒い怒りを爆発させるイメージを思い描く。
すると這いつくばった両腕から見る間に黒い炎が立ち上ってきた。こんな死にかけの体でも、私の中にいる”アイツ”はまだまだ健在であるようだ。もう少しであの恐ろしい獣が目覚める・・・・・・
__________スッ
しかし怪物に意識を投げ渡さんとしている私を引き留めるように、何者かが私のそばに立ち、燃え盛る黒い鉤爪の上に手を置いてきた。
(き、君は・・・・・・!)
ここにはいない。いや、もうどこにもいるはずのない者の姿を私は見た。
スパイダー・・・・・・暴走した私に捕食されてしまったはずの彼女が、全身が金色に輝く幻影と化して私の前に現れたのだ。
__________あきらめんなっス
優し気に微笑むスパイダーの口元が動く。
声は聞こえないけれど、きっとそんなことを言ってくれているような気がした。命を奪った張本人である私を励ましてくれているのだ。
幻なんかじゃない。彼女は今も私の中にいる。
他者のために生き、他者のために死んでいった彼女の善意が、冷たくなった私の体を温めているのがわかる。
みるみるうちに全身の負傷が癒えていくのを感じた。
(ごめんね・・・・・・本当に。君の分まで、君みたいに生きてみせるよ)
かき消えていくスパイダーの幻影に告げると、これから自分がやるべきことに思いをはせた。
私のあらゆる攻撃は女王には通じない。だがひとつだけやっていないことがある。
大極へと至る。他者の精神に入り込むあの技を使えば、ひょっとしたらこの難局を脱することが出来るかもしれない。
(・・・・・・カコさんに呼びかけるんだ)
__________ズンッ
地面に這いつくばっていた全身を溶かすように意識を暗闇に潜らせる。
すると”意”の世界にて、無数のセルリアンの”意”がふたたび私に襲い掛かってきた。
私が性懲りもなくぶつかり合いの勝負を挑んできたとでも思っているのだろう・・・・・・だがもうそんなつもりはない。
追跡してくる無数の閃光にわき目も振らずに、世界の奥底へと、深い深い深淵の先へと潜っていった。
この先に何があるのかは既に知っている。
有と無の境界だ。ここを通り抜ける技を持つのは私だけ・・・・・・これでセルリアンたちを振り切ることが出来る。
__________トプンッ
大極に至ると、星空のような無数の光が渦を巻いている異空間へと躍り出た。
あの光のひとつひとつが、おそらくは小型セルリアンたちの魂なのだろう。あれほどしつこく追いかけてきた奴らも、いまや私のことを知覚さえできていない。
この光の中にはきっとグレン・ヴェスパーの魂もある。探し出すことさえできれば、こっちから一方的に攻撃することだってできるだろう。
・・・・・・だがそもそもの目的はカコさんを救い出すことだ。
女王の生体コアとして深い眠りに付いている彼女は、時間が経てば経つほどに女王との同化が進み、やがて取り返しがつかないことになる。
逆に彼女を呼び起こし目覚めさせることが出来れば、女王を無力化することが出来る。
グレン・ヴェスパーのコントロールも受け付けなくなり、クズリだって助けることが出来る。
(カコさんっっ! どこにいるんですか!?)
それはまるで砂の海の中から一粒のダイアモンドを探し出すような所業だった。
魂と化してしまえばヒトもセルリアンも見た目からは大した違いがなくなってしまう。
ひとつひとつに入り込んで心の中を覗くわけにもいかず、目を凝らして細かな違いを観察するしかなかった。
「・・・・・・」
(カコさん?)
具体的な感想が言えるわけではないが、無数に蠢く光の中で、何故だか無性に心を惹かれる美しい形の魂を見つけた。
意識を向ければ向けるほどに、魂の詳細な形が私の目に映るように思えた。
・・・・・・それは膝を抱いて丸まっている髪の長い女性の姿だった。
この世の全てを拒絶するように頭を伏せ、表情をすっかり隠してしまっている。
(カコさん! 起きてください!)
喜び勇んでカコさんの魂へと近寄り肩を叩く・・・・・・が、反応はない。
やはり深い眠りに落ちているのだろうか、と思って伏せられた顔を覗き込むと、意外な光景が飛び込んできた。
「・・・・・・」
彼女は眠ってなどいない。しっかりと目を見開いている。
我を忘れているわけでもなさそうだ。思索にふけるような、鋭い意思と精気の宿った目で遠い虚空のかなたを見つめている。
ならどうして返事をしてくれないのだろう。こんなに近くで呼びかけている私に気付かないはずはないし・・・・・・
(行きましょう! みんな、みんなあなたの帰りを待ってるんだ!)
カコさんの手を強引に取り、現実世界へと引っ張り上げることにした。
彼女は意識を保ちながらも相変わらず反応がなく、私にされるがまま星空の海をゆらゆらと渡っていった。
やがてまばゆい光が辺り一面を覆い隠し、私たち二人の姿はその中に飲まれて消えた。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
這いつくばったまま意識を取り戻した私は、いそいで周囲の様子を観察した。
例によって時間はまったくと言って良いほど経っていない。
私のすぐそばには心が折れて動けなくなったメリノヒツジがうずくまっている。
すぐ向こうではグレンが相変わらず勝利を確信して大笑いしており、その下では血まみれのクズリが横たわっている。
__________ドッ、ドッ、ドッ・・・・・・
そして最後に、カコさんが囚われている巨大な女王のコアを見上げた。
・・・・・・一見して何の変化もない。あいも変わらず静かに脈動し、強い圧迫感を放ち続けているだけだ。
確かに彼女を呼び覚ましたはずなのに、しくじったとでも言うのだろうか。
「さあウルヴァリン! 私を恐れろ! ひれ伏せ!」
グレン・ヴェスパーが右腕に纏わせたドリル状のセルリアンを振りかざしながら、先ほどと同じ内容の恫喝を行っている。
今しがた私が動いていたことさえ気付いていないだろう。
クズリを屈服させるためだけにここにいるあの男が、他のことに気を向けることはない。
「ガァウアアアッッ!」
スパイダーによって傷が癒やされた私は再び立ち上がり、グレン・ヴェスパーめがけて手のひらから何発もの稲妻を打ち放つ。
__________バシュウウウッッ
・・・・・・だがすでに女王に学習された攻撃を放ったところで無駄なあがきだった。
グレンの周りを旋回する無数の小型セルリアンが、避雷針のごとく稲妻をすべて吸収し霧散させてしまっていた。
「フン、おぞましい共食い獣めが、知能低下のあまり殺される順番を待つことすらできなくなったか?」
「・・・・・・やめてくれ、クズリさんを殺さないでくれ、殺さないでください!」
余裕そのものの態度のグレンが私を鋭く睨みつける。
絶望と恐怖に支配されたメリノヒツジは項垂れたまま懇願するように呟いている。
__________プッ
もはや万策尽きたかのような予感に茫然としていると、私を睨みつけていたグレン・ヴェスパーの防護服のヘルメットに、赤黒い液体が付着するのが見えた。
血まみれで横たわるクズリが唾を吐きかけたのだ。
「ころ・・・せよ・・・オラァ」
どんな時でもクズリはクズリらしかった。
私よりもメリノヒツジよりも絶対絶命の、指一本動かせなくなったはずの彼女だけが絶望していなかったのだ。
「もうよいわ!」
__________ギュイイイイイインッ
怒り心頭に発したグレン・ヴェスパーがドリルを振り上げる。
奴の激情に応えるようにセルリアンたちがひときわ激しく回転し刃先を肥大化させていった。
「この世から消え失せろ!」
怨嗟の言葉と共に振り下ろされる右腕。
さしもの私もそれがもたらす光景からは目を逸らした・・・・・・が、しかし耳をふさぐことはしなかったために、場の明らかな違和感にすぐに気が付いた。
何も聞こえてこないんだ。本当なら肉を穿つ生々しい音が聞こえてくるはずなのに。
「な、何だこれは!」
それもそのはずだ。グレン・ヴェスパーが腕に纏っていたはずのドリルが、跡形もなく消えてなくなっていたのだ。
奴はただ丸腰の腕をクズリに押し当てただけだった。
そのことに当人でさえ呆気に取られている・・・・・・どうやら意図していない何かが起こったようだった。
__________ミチミチミチミチィッッ!
変わりに聴こえてきたのは耳障りな粘膜音だ。
女王のコアが座するこの空間の一体に響き渡っている。
・・・・・・そして想像を絶するおぞましい光景を目にした。
その虚無を映すひとつ目は、今まで幾度となく対峙してきた者たちのそれに相違なかった。
だが問題はその数だ。床にも天井にも余すところなく、計り知れない程の数のセルリアンの瞳が一斉に見開かれ、ギョロギョロとせわしなく視線を動かしているのだ。
・・・・・・こいつらは間違いなく女王の眷属だ。
グレン・ヴェスパーにコントロールされるまま、たった今まで私たちと戦っていたはずなのに、何か別の物に気を取られて色めき立っているんだ。
≪お、お父様! 異常事態です!≫
耳をつんざくようなイヴ・ヴェスパーの通信音声が聴こえてきた。
ここにはいないあの女は、父の命令でどこかで女王のコントロールに関与しているのだろう。
≪女王の神経伝達システムが連鎖的に誤作動を起こしています! こちらの制御を受け付けません!≫
「どういうことだ!?」
≪ご、ご存じの通り、女王の制御デバイスは常識を逸脱しています。既存のどのような技術を用いても、外部からウイルスを侵入させたりハッキングを行うことは不可能のはずです!
エラーは内部から・・・・・・おそらくはそのフロアから・・・・・・≫
その文言を聞いて、グレン・ヴェスパー含めてその場にいる全員が、そびえ立つ女王の心臓へと視線を注ぐ。
私はてっきりカコさんの救出をしくじったと思っていたが、やはり彼女は意識を取り戻したのだろうか?
だとしたら目覚めた彼女はいま何をしようとしているのだろうか。
≪女王と生体コアとの融合係数が無制限に上がり続けています! 8の15乗・・・・・・10の31乗・・・・・・も、もう修正できません!≫
「この愚娘め! お前は今まで何をしていたのだ!」
≪お、お言葉ですが、そもそもエビデンスの少ない状況での融合実験など強行すべきではなかったのです!≫
__________ドチャリッ
混乱し言い争う親娘をよそに、水っぽい響きを混ぜた落下音が響く。
カコさんが埋め込まれていたはずの女王の心臓を突き破って落ちてきたのは、ヒトらしき姿形の何かだった。
一見すると、裸のカコさんそのものと勘違いしてしまいそうな、美しい女のヒトのようだった。
・・・・・・でもその色白だった手足は余すところなく炭のように真っ黒で、おおよそ人種的な特徴が持ち得る範疇を超えている。
その一方で艶やかだったはずの黒髪は真っ白く色が抜けていて、体全体を覆い尽くすほどの長さにまで伸びている。
何よりも目立つのは、頭部からは生えだした左右3対の、様々な色を反射して輝く触手だ。
放射状に広まるそれらはまるで、頭に極彩色の翼を生やしているようだった。
ヒトでもない、フレンズでもない、セルリアンでもない。
私が今までに見たことがない異質な、それでいて神々しい雰囲気を醸し出していた。
「に、虹色の天使・・・・・・?」
すぐ横で茫然としているメリノヒツジが、今の心象を的確に言い当ててくれたような気がした。
__________スクッ
天使が動いた。
漆黒の四肢をゆっくりと起こして立ち上がると、狼狽える私たちやグレン・ヴェスパーを、何らの感情も宿さない瑠璃色の瞳でじっと見つめてきた。
心を奪われるほどの美しさと、底なしの無機質さとを兼ね備えた顔貌だ。
いくらかの間そうして制止していると、天使はやがて無言のまま手のひらを前に突き出した。
__________ゴゴゴゴ・・・・・・!
その動きが号令となったかのように、この広い空間が一斉に鳴動を始めた。
びっしりと生えていた目玉たちが我先にと天使たちの元へ集い、黒い竜巻のように彼女の周囲を旋回し始めた。
この空間の支配権はもはやグレン・ヴェスパーではなく、目の前の天使にあるように思えた。
「な、何なんだこの化け物はァァッ!」
__________ドウッドウッドウッ!
怒り心頭のグレン・ヴェスパーが拳銃を抜き放ち、天使へと銃撃を浴びせる。だが弾けた銃火は天使の周りを渦巻くセルリアンたちに阻まれて掠りもしない。
__________チャリンッ
あっという間に弾切れとなった拳銃を憎々し気に投げ捨てるグレン。
見ていると、とつじょ奴の胸元にあるネックレスが意思を持ったように飛び出した。
まるでガラス玉に入った女王の”胚”が、奴から離れて天使の所へ行こうとしているかのような動きだ。
「行かせるものかッ!」
血相を変えたグレンが自らの切り札を失わんとガラス玉を握りしめるも、胚はその小ささに見合わない万力のような力で奴の拳をこじ開け、ネックレスを引き千切り、やがて空中に飛び出した。
ゆっくりと天使の手のひらに吸い寄せられていき、やがて胚と手のひらが触れあった瞬間、胚は溶けるように消滅した。
__________ギチギチギチ・・・・・・ドッシャアアアアアッ!
直後、異変が起こる。
虹色の天使の体中から、何千、何万・・・・・・とても数えきれない程の触手が飛び出し、辺り一面を覆いつくしてしまったからだ。
まるでバトーイェ火山で目撃した一番最初の女王に戻ったような様相だ。
暴走的な勢いで成長し、この広い空間を突き抜けていく様子がわかる。
__________ザシュッ!
私たちよりも天使のずっと傍にいたグレン・ヴェスパーが、急成長する女王の触手に肩口を切り裂かれた。
「う、うわああああああ!」
たまらず背を向けたグレンが脱兎のごとく女王から逃れようとした瞬間、悲鳴を上げる奴の首根っこを掴んで引き留める者がいた。
クズリだ。
全身に穴を開けられて血だらけの彼女は、もはや意識があるのかどうかさえ定かではない。
だが、女王が引き起こした異常事態に臆することなく威風堂々と立っているのは確かだった。
「こ、この死にぞこないめ!」
「・・・・・・」
「図に乗るな! お前ごときがこの偉大なる私を殺せると思うな! 人類も! フレンズも! セルリアンも! 全てが私の下僕なんだァァァッ!!」
クズリに鷲掴みにされたグレン・ヴェスパーは、女王のコントロールを失い、他の武器もなく、もはや完全に丸腰だった。
それでもバタバタと手を動かして足掻いた。
クズリの体を殴り、蹴り、あげくには髪の毛をひっぱり、相手をビクともさせられない抵抗を続けた。老齢であるためにあっという間に疲労困憊になり、その動きも止まった。
「ハア、ハア・・・・・・私は! 私はァ!!」
「・・・・・・」
「あ、ああああっ、ひっ」
__________パンッ
とつじょ、赤い飛沫がそこら中に弾け飛んだ。
気が付くとグレン・ヴェスパーの体は影も形も無くなってしまっていた。
クズリだけがその場に取り残されてぼうっと立ち尽くしている。
__________カランッ・・・・・・
彼女が握りしめていた左手を開くと、爪の先ほどの赤黒い小石がこぼれ落ちた。
どうやらそれがグレン・ヴェスパーの成れの果ての姿であるようだった。
己のことを絶対的支配者と称した男は、クズリの能力によって肉と骨とを限界まで圧縮され、呆気なくこの世から消え去った。
決着を付けたクズリをよそに、女王は凄まじい勢いで成長を続け、辺りを揺るがし続けていた。
to be continued・・・
_______________Cast________________
哺乳綱・ネコ目・ネコ科・ヒョウ属トラ亜種
「アムールトラ」
哺乳綱・鯨偶蹄目・ウシ科・ヤギ亜科・ヒツジ属
「メリノヒツジ」
哺乳綱・ネコ目・イタチ科・クズリ属
「クズリ」
_______________Human cast ________________
「久留生 果子(くりゅうかこ)」
年齢:26歳 性別:女 職業:国際的非政府組織「PARK」構成員 南アフリカ事業所代表
「グレン・S・ヴェスパー(Glenn Storm Vesper)」
享年74歳 性別:男 職業:Cフォースアメリカ本部総督ならびにアトランタ研究所所長
「イヴ・B・ヴェスパー(Eve Brea Vesper)」
年齢:25歳 性別:女 職業:Cフォースアフリカ支部研究所(別名スターオブシャヘル)所長
_______________Enemies date________________
「セルリアン・クイーン」
身長:数センチ~∞
体重:数十グラム~∞
概要①
:あらゆるセルリアンの遺伝子と核爆発のエネルギーを元に生み出された支配種。
個ではなく群れとして生きるセルリアンの昆虫的性質を極限まで高めており、直径数センチの胚さえあれば、周囲の物質から幼体セルリアンを無制限に生み出し、己の血肉として自由自在に操ることが出来る。
また受けた刺激を模倣する能力があり、立ちはだかる敵が強ければ強いほど、合わせ鏡のようにパワーとスピードを上昇させることが可能。
能力には上限が存在せず、一部の強力なフレンズが持つ”先にある力”も含めた、ありとあらゆる非現実的な事象をも再現する。
概要②
:ヴェスパー親娘はこの強力極まりない存在を制御するために、ヒトの大脳皮質に胚を埋め込み、大脳を経由して電気刺激を与えることで服従させる手段を取った。
しかし強制的に昏睡させていた被験者「久留生 果子」が予期せぬトラブルによって覚醒したために、胚と被験者の大脳とが融合を開始する。
結果としてヒトともセルリアンとも付かない新種の生命体が誕生することになった。
_______________Story inspired by________________
“けものフレンズ” “けものフレンズ2”
byけものフレンズプロジェクト
“けものフレンズR”
by呪詛兄貴