けものフレンズR あるトラのものがたり   作:ナガミヒナゲシ

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 あるトラのものがたり第9話です。
 
 アムールトラと巨大蜘蛛型セルリアンの熾烈な勝負の行方は。
 ともえ達は崩壊するジャパリホテルをどうやって脱出するのか。
 状況は極限をきわめていく。
   
 私事ですが、転職して新生活を始めていたりしたのでまた期間が空いてしまいました。
 これから更新ペースを早めていきたいと思うので良ければお付き合いください。



現代編 9 「えいゆうのふっかつ」(後編)

 

 アムールトラと8本足のセルリアンは、先ほどから変わらずに、至近距離で向かい合ったまま動かずにいた

 両者から放たれる膨大なプレッシャーが、空気を媒介にして対面する相手に向かって伝播している・・・そして互いの気迫が重なり合い、周囲の空間をぐにゃりと歪ませている

 

「・・・なんなんだよ、これ・・・」ロードランナーが誰に言うでもなくつぶやいた。当事者がほとんど動いていないのにも関わらず、見ているだけで、これほどまでに圧倒されるような戦いがあるのか、とロードランナーは思った

 

_______ブワァァッッ!!

 

 先に動いたのはセルリアンだった。足だけではなく、山のような巨体がその全身ごと前に倒れ込み、アムールトラ目掛けて圧し掛かってきた。動かないままのアムールトラの頭上に、セルリアンが落とした影がみるみる広がっていく

 

「・・・あ、あれはまずいのですっっ!」と、オオコノハズクが雷に打たれたように叫んだ

 

 セルリアンは、大穴を開けられても再生できる体を活かした、確実かつ最も強力な攻撃を繰り出してきたのだと、ともえ達は悟った

 あの攻撃ならば、たとえアムールトラに反撃されても、その反撃ごと押しつぶし、己の体の中に取り込むことが出来るだろう・・・そうなってはもう、アムールトラの助かる術はない

 

「逃げてっ!!」と、ともえが金切り声をあげた

 雪崩のごとく押し寄せる巨体に今にも飲みこまれんとするその時、アムールトラはようやく動いた。まったく臆することなく真正面へと踏み込み、こぶしをセルリアンに打ち込んだ

 だが、その動きには何の意味もなかったかのように、こぶしがずるりと漆黒の体表にめり込み、アムールトラの五体すべてがセルリアンの胴体に覆い隠され、あっという間に見えなくなった

 

_______ドッシャアアアアアッッ!!

 

 地面に激突した巨体が引き起こした震動が、ともえ達の足元にも伝わってきた。アムールトラが立っていた場所には、おどろおどろしい漆黒の巨躯が鎮座している

 潰されたのか、飲み込まれたのか、アムールトラの存在を示す痕跡は一切なくなった

 

「あ、ああ・・・・・・」ともえ達は絶句した

 ともえの目の前にいる2人のフクロウは、すでにセルリアンに向かって身構え、臨戦態勢を取っていた。ロードランナーは地面に膝をつき、ぽかんとうなだれている。その隣でイエイヌが声にならない嗚咽を漏らしている。ともえは沈黙のまま、ただ目の前のセルリアンを見据えた

 

_______ボコッ・・・ボコボコッ

 

「・・・?」ともえは異変に気付いた。地面に伏したセルリアンの体表が泡立ち、火に焼かれているかのような灰色の硝煙を巻き上げている

 やがて、煮え湯のように泡立つ体表の一点がひと際大きく弾けると、光を通さない暗い影のような体表の中から、眩い光が覗いているのにともえは気付いた

 

「あの光は・・・見た事がある・・・」

 

 ともえは気付いた。漆黒の体表から覗く光は、サンドスターが輝く時のような、色とりどりの虹色をしていることを

 そして思い出した。今まで見てきたセルリアンが倒される時も、例外なく虹色の光を放ちながら消滅していたことを

 一か所、また一か所と、小さな虹色の光点が、セルリアンの黒い胴体のあちこちに現れている。セルリアンの体は、あたかも焚火の中の炭のようになっていた。留まることなく広がり続ける虹色の光が、セルリアンの漆黒の体表を節々から食い破っている

 

_______プロロロッッ!! 

 

 セルリアンが苦痛に悶えるように甲高い声をあげ、長大な8本の足を激しくバタつかせていた。その間にも、虹色の光が留まることなく溢れ出ている。セルリアンの体は、漏れ出た光の周辺から溶けるようにグズグズと白熱化していっている

 

「な、な、何だよっ! 今度は何が起きてるってんだよーっ!」

「わふっ! ともえさんっ、あれってまさか・・・!?」

「うん・・・アムールトラさんが・・・セルリアンの体の中で・・・なにかやってる!」

 

 煮えたぎる溶岩のように泡立つセルリアンの全身から、黒い肉片が絶え間なくポタポタと零れ落ちる。その雫は地面に落ちた後もボコボコと泡立ち、やがて煙になって空中に霧散していっている

 

「・・・あれは・・・炎? なのかな? アムールトラさんは、セルリアンの体の中で炎を、いや高熱を起こしているのかな・・・? それでセルリアンの体が燃え出しているの?」

「・・・でもともえさん、アムールトラさんはどうやってそんなことをしているんでしょう?」

 

「我々、本で読んだことがあるのですが・・・その昔、ヒトのいた時代には、海を二つに裂いたり、大地を砕いたり・・・そんな信じられないようなことが出来るフレンズ達がいたみたいなのです・・・もしかしたら、ビーストもそんなフレンズの中の一人だったのかもしれないのです」

「そーだな、ついさっきも、軽く触っただけでセルリアンの体に大穴を開けてたし・・・アムールトラのやつ、どう考えても並のフレンズじゃねーよ」

 

「・・・ともかく今のビーストには、セルリアンを倒す秘策があるに違いないのです。セルリアンが再生能力を持っていると知った後でも、なお己の勝利を確信していたのです・・・だから、飲み込まれる直前まであんなに落ち着いていたと思うです」

 

「そ、そしたら・・・アムールトラさんは、わざと自分から飲み込まれていったっていうの・・・? セルリアンの体を高熱で溶かすために・・・」

「そ、そーか・・・さすがの不死身野郎も、溶けて消えちまったんなら、生き返りようがねーもんな! よっしゃー、アムールトラ! そのままそのセルリアンの体を全部溶かしちまえ!」

「くぅん・・・頑張って、負けないで、アムールトラさん・・・」

 

_______プルルルルルォォォォ・・・・・・!

 

 セルリアンは、体内から発せられる虹色の灼熱に悶え苦しみながらも、8本の足を踏ん張らせて何とか胴体を持ち上げようとした。しかし、力を込めようとするたびに体表を弾けさせながら体勢を崩しており、もはや再び立ち上がることは叶わないように見えた

 8本の足のうち、まともに動くのはすでに2~3本になっていたが、それらの足を動かして、胴体を引きずりながら地面を這いずっていた。立ち上がることは叶わなくとも、セルリアンはしぶとく健在であった

 セルリアンが向かう先は、ホテルの屋上の隅、遥か下方にある海面の波の音すらほとんど聞き取れないほどの断崖だった。セルリアンは少しずつ、しかし確実に屋上の隅へと這いずっていっていた

 

「まさか・・・」と、ともえがはっとしてつぶやく「セルリアンは、このまま下に飛び下りる気なんじゃ・・・熱いのを、海水で冷まそうとしているの?」

「ま、待てよーっ! そしたらセルリアンの腹ン中にいるアムールトラはどうなるんだよー!」

「わふっ! この高さから飛び降りたら・・・とても無事には・・・」

「ま、まずいよ! セルリアンを止めないと!」

「あ、ともえさん! 待って!」

 

 ともえは我を忘れてセルリアンの近くへひた走った

 やがて、一番手近にある、胴体に引きずられるままのセルリアンの足のひとつに近寄ると、グズグズと泡と煙を立てるそれを両手でがしっと掴んだ

 

「・・・・うわあああっっ!! あつ、熱い!」しかしともえは、手の平に伝わってきた高熱にたまらず手を放し、後ろに飛び退いた。己の手のひらを見つめてみると、手の薄皮が何か所も焼けただれ、赤くなっているのが見える  

 

「ともえさんっ!」イエイヌは、呆然と立ち尽くすともえの肩を後ろから掴んだ

ともえの火傷を気遣うよりも先に、己自身すらもセルリアンの体から放たれる異様な熱気に晒されていることに気付いた。そして肉が絶え間なく焼けただれる鼻をつくような臭いを感じ取った

イエイヌは、今目の前で起こっている出来事がいかに凄惨で、常軌を逸しているかを思い知った

 

「止めなきゃ・・・このままじゃ、アムールトラさんが・・・」と、ともえがうわ言のように呟きながら、再び熱気を放つセルリアンの肉体に近づいていく

 しかしイエイヌはすぐさま、ともえの体を後ろから羽交い絞めにして押さえつけた

 

「ダメです! ともえさん!」

「イエイヌちゃん離して!」

「ともえさんっ! ・・・きっと・・・わたし達には・・・何も出来ません・・・」

「・・・・・・」

 

 ともえも、イエイヌと同じ無力感をすでに感じ取っていたようであり、後ろから押さえつけようとするイエイヌに対して抵抗することなく、動きを止めた

 セルリアンは、呆然とする2人には目もくれず、その体を引きずって少しずつ断崖への前進を続けている

 

 やがてセルリアンの足が屋上の淵へと引っ掛かり、その漆黒の巨体を眼下の虚空へと引き込んだ。体表の節々から硝煙を立ち昇らせながるセルリアンの体ががくんと傾き、重力に引かれるまま、ホテルの水平な屋上から姿を消した

 

______・・・ズガガガッッ! ・・・ズシャアッッ・・・ゴゥンッ・・・

 

 轟音が何度もともえ達の耳に聞こえた。セルリアンの巨躯がホテルの壁面を擦りながら落下していく音だ。音は、聞こえる度に小さくなり、あっという間に聞こえなくなった

 

 ともえとイエイヌは、今しがたセルリアンが消えていった場所へと走り寄り、断崖から身を乗り出した。眼下には立ち込める霧がただ広がるばかりであり、セルリアンの姿は見えなかった。そして霧の隙間から覗くはるか向こう側には、日光を受けて輝く水平線がわずかに垣間見えている・・・

 もう危機は去った。はるか下方の海面へと落ちていったのだ。ともえは、何かを考えようとするたび、それがとてつもない無力感によってかき消えていくのを感じた

 

「・・・ともえ、お前の気持ちはわかるです・・・ですが、もういい加減に逃げないと我々の身も危ないですよ。おそらく、このホテルは近いうちに倒壊するです」

「我々に掴まって、陸の上まで飛んでいくです」

 

 後ろから近づいてきたオオコノハズク達が、厳しい口調ながらも、せいいっぱい気遣うようにともえに避難を促してくる

 

「いやだ・・・こんなのが終わりなんていやだ・・・アムールトラさんを見殺しにするなんて・・・命がけで、あたし達を守ってくれたあの人を・・・」

「わかるですよ。ビーストは・・・いいえ“アムールトラ”は我々全員の恩人なのです。ですが、この状況で我々に何ができるというです? もう、アムールトラが生きているかどうかさえ・・・」

 

 ともえは、自分の無力と、それを認めたくない気持ちの板挟みにあって歯噛みした。自分の言っていることがただの我儘に思えた。しかし、ここであきらめたらすべてが終わってしまうようにも思えた

 

「わふっ、あの、ともえさん・・・バッグが、バッグが光ってます・・・」

「えっ・・・?」

 

 ぽつりと発せられたイエイヌの言葉を聞いたともえは、慌ててショルダーバッグに手をかけ、マジックテープをバリバリと引きはがすと、その中身をまさぐった

 雑多な感触の中にひとつだけある、なだらかな丸い物体を手に取ると、それを取り出して眼前に掲げた。それは、ロードランナーが海底から探し出した“青いオーブ”だった

 

「オーブが光ってる・・・」

 

 そしてともえは気付いた。オーブはそれ自体が光るだけでなく、そこからさらに、眼下に立ち込める霧を一直線に貫くようにして、青い光の筋を発していることを

 ともえはまるで、その光が絶望の中に残ったたったひとつの希望のように思えた

 

「イエイヌちゃん、ロードランナーちゃん・・・」

「わふっ、この光は、牢獄で見たのと同じですね!」

「あー、オレ様も覚えてるぜ。アムールトラのやつもこのオーブに反応するように光ってたよな。つーことは・・・」

「この光の先に、アムールトラさんはいる・・・まだ、無事でいる・・・」

 

 ともえ達3人が何かに合点がいったように頷き合っているのを、オオコノハズクとワシミミズクは怪訝な表情で見つめる。その視線に気が付いたともえが、2人のフクロウを見返した。状況が理解できなくても、3人の意志がひとつの方向に固まっていることを雰囲気で理解した

 

「お前達、まさか・・・」

「うん・・・あたし達は、アムールトラさんを助けに、下に降りるよ・・・」

「バカな・・・どうやって?」

「オレ様、ともえとイエイヌの二人を抱えて飛ぶことは出来ないけど、ゆっくりと降りることぐらいなら出来るぜ!」

「わふっ、アムールトラさんの居場所も、この光が教えてくれるから迷うことはありません」

 

「お前達は、どこまで命知らずなのですか・・・」と、2人のフクロウはともえ達の愚かな返答に対し、嘆くやら呆れるやら、頭を抱えて悲嘆にくれているようだった

 

「・・・我々が何度手を差し伸べても、まったく言うことを聞こうとしない・・・だいたい、お前達に何が出来るですか? あの恐ろしい8本足相手に、アムールトラを救い出す手立てはあるですか?」

「アムールトラはきっと、こうなることを覚悟していたですよ。自分の命を犠牲に、お前達を救おうとしたです・・・アムールトラの気持ちを無駄にしないためにも、お前達は早くここから逃げるべきなのです・・・!」

 

 2人のフクロウが正論でもって、ともえ達を責め立てる。言い返すことも出来ないともえ達は顔を俯けながら耐えるように、フクロウ達の正論を黙って受け止めていた

 

「・・・本当に、本当に、ごめんなさい・・・勝手なことばかり言って・・・」と、ともえは目に涙を浮かべながら、絞り出すように思いを告げる

「でも、このままお別れなんていやなの・・・アムールトラさんはもうあたし達の仲間だから、仲間が自分のために命を懸けてくれたなら、自分も同じようにしたい・・・」 

 

 今度は2人のフクロウが、その言葉を聞いて黙り込む。大きな2対の目でともえ達を見つめ続ける2人は、やがて考え込むようにともえ達から視線を逸らした

 

「・・・きっと我々も、お前達と同じようにすべきなのですね」

「・・・え? それってどういう・・・」

 

「難しいことを考えたりせず、ただ素直にやりたいことをやる・・・それが本来のフレンズらしい在り方なのです」

「でも、我々は何をするにも頭で色々考えてばかりで、普通の在り方とは随分離れてしまっていたのです」

「たまには考えることをやめて、やりたいようにやるのも必要かもしれないです」

「我々も、アムールトラを助けたいのです。我々も一度アムールトラに命を救われています。受けた恩はきっちり返さないと、オサの名がすたるです」

 

「・・・じゃあ、オオコノハズクさんとワシミミズクさんも、あたし達と一緒に来てくれるの?」

「だからそう言っているですよ」

「わふっ! ありがとーっ!」

 

 ともえ達はオオコノハズクから指示を受け、飛び立つための準備にかかった

 体重の軽いともえがイエイヌにおぶさると、オオコノハズクとワシミミズクは、イエイヌの両腋下から頭を入れて抱え上げるように持ち上げ、そのまま翼をはためかせて飛び上がった

 そして最後に、後から追いついたロードランナーがイエイヌに接近すると、宙ぶらりんになったイエイヌの足を、自身の首の付け根にまたがらせて両肩で担ぎ上げた

 

「よっしゃ! これでかなりラクに飛べるぜ! 二人抱えても余裕だな! 下でアムールトラのやつを助けた後でも、だいぶ余裕がありそーだ!」

 

「当然です。我々フクロウは猛禽類なのです。最も速く、もっとも力強く飛べるフレンズなのですよ」と、ワシミミズクが鼻で笑いながら答える

「飛ぶことが走ることのおまけになっているあなたとは、違うのです」

 

「なんだとてめー!」

「2人ともやめるです! 飛行が乱れるでしょう!」

「わふっ、な、なるべく安全運転でお願いします・・・」

 

 3人の鳥のフレンズと、2人の飛べないフレンズは、ひと塊になってバランスを保ったまま、ホテルの屋上から離れた

 ともえの手のひらに握られた、青いオーブが放つ一筋の光を唯一の手掛かりに、霧に包まれた眼下の空間へとゆっくりと下降していった

 

(そういえば・・・)と、ともえはイエイヌの背に身を預けながら、上方に遠ざかっていく断崖の淵を振り返って思索した

(ラモリさんはどうなったんだろう? 屋上まであたし達を迎えに行くって言ってたけど・・・結局何をするつもりだったの?)ともえには、ラモリの考えは到底読めなかった。ただ信じられるのは、ラモリの言動はいつも確信に満ちていて、嘘や適当なことを言ったりすることは決してないということだった

(ごめんねラモリさん、屋上で待っていることは出来なかった。でも、きっとあたし達のことを見つけて・・・)

 

______ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

 空気を震わせながら巨大なホテルの壁面が轟音を上げる。そして真上からともえ達の下へ、崩れたホテルの瓦礫がまばらに降り注いできた

 

「やべぇー! よけなきゃ!」

「落ち着くです! 3時の方向に避けるです!」

「あー? 何言ってんだ!?」

「右ですよ! 右!」

「わふっ! 危ない! 危ない!」

 

 3人の鳥類のピッチは今ひとつ合わず、ともえとイエイヌの体はグラグラと不安定に揺さぶられ続けた

 それでも何とか一つの方向に向かい始めたともえ達の眼前を、いくつもの瓦礫が通り抜け、そのまま吸い込まれるように眼下に消えていった。しかし瓦礫が着水する姿も、落下音すらも感じ取ることが出来なかった。ともえ達は肝を冷やしてしばし放心する

 

 我に返り、再び青い光の導くまま舞い降りていくともえ達が見たのは、ホテルの壁面がどてっ腹をえぐられるように削り取られている、見るも無残な破壊の痕跡だった

 引き裂かれた柱や床に仕切られた細かな空洞が露わになり、建造物の骨組みを寒々しく外気に晒している

 

______ギギギギ・・・ギギギギ・・・

 

 ひしゃげた鉄骨が少しずつ重力に押しつぶされ、軋んでいく音が絶え間なく鳴り響く。音がするたび、細かな瓦礫が海に向かって零れ落ちていっている

 

「わふっ、どうしてこんなことになっているんでしょうか?」

「・・・あの8本足が落っこちた跡なのですね。あの大きな体が、ホテルの壁面と思いっきりぶつかってこすれ合ったに違いないです。これでホテルの崩壊はますます早まったのです」

「もちろん、8本足も無事ではすまなかったと思うです。全身がバラバラになっていてもおかしくないのです」

「そしたらよぉー、アムールトラのやつは、セルリアンの腹ん中から抜け出してっかなー?」

「ええ、運が良ければ・・・です。しかし抜け出したところで、この高さから落ちたことには変わりないです」

(アムールトラさん・・・)

 

 一行は不安を胸に、再びホテルの壁面に沿って下っていく。やがて打ち寄せる波の音が間近にまで聞こえ、ざわめく水面をたたえる海上にたどり着いた

 視線を上げればすぐ眼前には、細かな瓦礫を吹きこぼし続ける半壊した巨大なホテルの壁面が、霧の向こうまでそびえ立っている。翼があれば多少の時間で降りられる高さだが、やはり天を衝くような大きさであることには変わりない

 再び視線を海面に戻すと、オーブが放つ青い一筋の光はホテルの壁面のすぐ近くの海面に伸びており、ともえ達からは視認できない暗き海中にまで達していた

 

「・・・海に落ちたとは思っていたけどよー・・・」と、ロードランナーが息を吞みながらつぶやく「アムールトラのやつ、沈んだホテルの中に入ってんじゃねーのか」

 

「気を付けるですよ・・・もともと海に沈んでいた部分は、海上に出ていた部分よりもさらにボロボロになっていると思うです。浸水して、たくさんの水が入ることによって、今も壊され続けていると思うです。アムールトラがホテルの中に入っているなら、簡単には助けられないと思うです」

「あたりまえですが、ホテルの下が崩れたら、そこから上もすべて倒壊してここに降ってくるですよ。もし、アムールトラを助けだすよりも先にそうなったら、私達は一貫の終わりなのです」

「それよりも先に、一緒に落ちた8本足が襲ってくる可能性も高いのです・・・」

「・・・おいおい、ネガティブなことばっかり言うなよー!」

「コホン・・・ともかく、素早くアムールトラを救助して、素早く立ち去ることです。そういう方法を考えるですよ」

「あ、あの! だったらこういうのはどうかな?」

 

 フクロウ達の話を黙って聞いていたともえが、緊張した面持ちで上ずった声をあげる。ひと塊になった不自由な姿勢のまま、一行はともえの声に注意を向けるのがわかった

 ともえは、緊迫した雰囲気の中、早口で自分の考えを周囲に伝えた

 

「・・・なるほど・・・ロープを使うですね」

「うん・・・どう?」

「現状では最善だと思うです」

 

 ともえが話した考えはこうだ。空を飛べないともえとイエイヌが、ロープを持って海の中に潜っていき、そしてロープの片一方をロードランナーとフクロウ達が持って待機する

 ともえ達がアムールトラを見つけ次第、ロードランナー達に合図し、ロープを引っ張って海面へ引っ張りあげてもらう・・・と、そういう算段だった

 

「では、早速とり掛かるですよ」

 オオコノハズク達が、ともえとイエイヌを波立つ海の上に降ろした

 ともえはバッグの中から束ねられたオレンジ色のロープを取り出し、勢いよくほどくと、その片側一端を高く掲げた

 

 ロードランナーが下降してともえのそばに近寄り、ともえの手からロープの端を受け取ると、再び元の高さまで飛び上がり、後ろに控えていたオオコノハズクやワシミミズクに満遍なく行き渡らせるために適当な位置を掴ませた。3人は、しっかりとロープを握りしめながら、首から上だけを海面から覗かせたともえとイエイヌを心配そうに見下ろしている

 

「じゃあ、もう一回確認するよ」と、ともえが3人の鳥のフレンズ達に声をかける

「アムールトラさんを見つけたら、ロープを“2回”引っ張って合図するから、そうしたらあたし達を引っ張り上げて欲しいの」

 

「わかったぜ。けどよぉー、もしアイツを見つけられなくても、危なくなったら無理せず合図しろよな。息が出来なくなったら、マジでやべぇーからな・・・」と、ロードランナーが心配そうに声をかける

 

「わふっ、はい。気を付けます・・・」

「じゃあ、行ってくるね」

 

 ともえとイエイヌは念を押すように頷くと、高い所で滞空している鳥のフレンズ達もそれに返すように首を縦に振るのだった

 準備が整ったともえとイエイヌは、海の中に潜るために、なるべく肺の中に空気を取り込もうと深呼吸をはじめた

 

「・・・ハーーッ スーーーーッ ハーーッっ」 

「わっぷっ!」

 

______バシャン! ブクブクブク・・・

 

 ともえとイエイヌの視界が一瞬で暗闇に包まれた。2人は、霧に包まれた薄暗い海面から、さらにいっそう暗い水の中へともぐっていった

 こうなっては、青いオーブから放たれる一本の光の筋だけが唯一の手掛かりだった。二人は光の筋の示す先へと、一心不乱に水を掻き進んだ

 

 やがて、海面がフレンズの体10人分ほども遠ざかった時、手掛かりである青い光は突然に途切れた。いや、光が途切れたのではない。青いオーブからは先ほどから変わらず、唯一の道しるべである一筋の光が放たれている

 そう、途切れたのは空間だった。一筋の光はホテルの壁に突き当たり、それきり見えなくなっていた。おそらくは、壁の向こう側には変わらず青い光が伸びている、そして光の先にはアムールトラが・・・

 

(どうしよう・・・なんとかしてこの先に行かないと・・・どこか、抜け穴は・・・)

 

 ともえとイエイヌは、暗闇の中で青い光に照らされるお互いの顔を見合わせ、同時に同じ考えに至った。二人は静かにうなずき合い、壁伝いに再び水を掻いて進みはじめた

 壁伝いに動くともえ達に合わせて、オーブから出る一筋の光も角度を変え、相も変わらず壁に突き当たっている。光が示す情報は常に直線的だ。アムールトラの位置は教えてくれても、周囲の地形まで教えてくれるわけではないのだ。自由に動けない海中で、先に進む術は自分達が見つけ出すほかはない

 しかし、闇雲に壁を伝っても、抜け道のようなものはどこにも見当たらず、ともえ達はただただ右往左往して時間を消費していた

 

______ゴボッッ!!

 

 突如、ともえの口から大きな泡が飛び出し、海面へ上がっていった。ともえの肺の中の空気がすでに尽き始めているのだ。ともえの胸の中から全身へと、耐えがたい痛みとだるさが広がっていく。そして眠りに落ちるように、その手足は少しずつ動きを止めていった

 

(ともえさんっ!)と、イエイヌが心配そうに近寄る。その間にもともえの口からは泡が漏れ続け、手足は力なく弛緩し続けていた

 ともえは平気な風を装ってイエイヌを見返したが、ほどなくしてその目から力が失われ、視線があらぬ方向へと逸れる。ともえの意識は酸欠によってゆっくりと失われようとしていた

 

 ともえだけでも海面に戻すしかない、と判断したイエイヌは、片腕でともえを抱き寄せると、もう片方の手に握っていた、海面へと伸びているロープを勢いよく引っ張ろうとした

 だらりと力なく垂れ下がったともえの手から、青く光るオーブが零れ落ちた。オーブはそのまま重力に引かれて深く暗い海面に落ちて行く

 イエイヌは悔しい気持ちを覚えながらも、遠ざかっていく青い光を見下ろした。青いオーブをなくしてしまっては、もはやアムールトラへの手がかりは何もなくなってしまう・・・

 

______カァッッッ!!

 

(わふっ!? これはっ!?)

 

 イエイヌの眼前で、一瞬何も見えなくなるほどの眩い光がほとばしる。驚いて目を背けたイエイヌが、やっと薄眼を開いて光の元を見やると、青いオーブがついさっきまでとは比べ物にならないほどの眩しい光を放出していることに気付いた

 そしてイエイヌはもうひとつの違和感に気付く。ともえの手から零れ落ちていったはずのオーブが、重力に逆らうように、空間の一点で静止しているのだ

 

(・・・いったい、何が起こってるの?)

 

 あまりの異様に、イエイヌは思わず彼我の状況も忘れてぽかんと動きを止める。オーブが放つ閃光の意味は理解できなかったが“何らかの意味がある”ということを本能で悟った

 考えるよりも先に、意識を失ったともえを抱きかかえながら、オーブに近寄るために水を掻いて下降した。そして探るように動くイエイヌの手が、先刻から張り付いたように海中に静止しているオーブに触れた

 

(・・・わふっ・・・温かい、なんて優しい光なんだろう・・・)

 

 イエイヌは、まばゆい光に包まれながら安堵する気持ちを覚えた。オーブを掴んだ手の平の先から、体の芯にまでぬくもりが伝わってくる。それと同時に、呼吸が出来ない海中において、避けることの出来ない息苦しささえも和らいでいくように感じた

 

(う・・・はあっ・・・はあっ・・・)

(と、ともえさん! 大丈夫ですか!)

 

 突如、ともえの四肢が弾かれたように震え、動きを取り戻した。イエイヌがあっけにとられたようにその様子を見つめていると、ともえもぽかんとした表情でイエイヌを見返した

 そう、息苦しさが和らいだように感じたわけではなく、実際に和らいでいたのだ。今この瞬間、海中において、イエイヌもともえも、息苦しさを感じることなく呼吸することが出来ているのだった

 もしかして、青いオーブが自分達に力を貸してくれているのではないか、とイエイヌはぼんやりと考えた。しかしその思考は、あまりにも現実離れしているように思えて半信半疑のままであった

(ともえさん・・・! 行きましょう・・・)と、イエイヌは頷いてともえを元気づける

(・・・うん!)

 

 イエイヌと、意識を取り戻したともえは、再び壁伝いに泳ぎ始めた

 

≪・・・そうよ・・・あきらめないで・・・≫

(え・・・?)

 

 イエイヌは、ともえとは違う声が聞こえたような気がして、不意に辺りを見回した。しかし当然のことながらイエイヌの傍には、再び活気を取り戻して暗闇を泳ぎ続けるともえ以外には誰もいない

 

≪助力するわ。あなた達に勇気と優しさがある限り・・・≫

(あのっ・・・! 教えてください・・・あなたは・・・)

 

(イエイヌちゃん! こっち!)と言わんばかりに、ともえがイエイヌを手招きしている。近寄ったイエイヌの目線の先には、ホテルの窓枠が水圧によってひん曲がり、フレンズ一人がやっと通り抜けられるほどの穴が空いていた

 

 片方の手にオーブを掲げ、もう片方の手にロープを握りしめながら二人は穴を通り抜け、水没したホテルの中へと入っていった。障害物を乗り越えた青い光の筋は、再び真っ直ぐに目標へ向かって伸びていっている

 

 オーブの庇護により、水中でも息苦しさを感じることなく活動できる・・・そのことを知っってか知らずか、ともえとイエイヌは幾分か気持ちに余裕を持ちながら周囲を見回した

 オーブの光によって周囲の暗闇が少しずつ露わになっていく。そこは、散乱する瓦礫や、複雑な形に砕かれた隔壁など、様々な障害物が姿を現していた

 水没した建造物の中に入っただけあって、茫漠たる海水が広がっていた今までとはうって変わって、狭苦しく乱雑な場所に足を踏み入れた

 そして・・・

 

(・・・いた! アムールトラさんっ!)

 

 ともえ達は、ひしゃげた隔壁の傍に、力なく四肢を投げ出して漂っているアムールトラの姿を見た。オーブから放たれる光の筋が、アムールトラの胸元に刺さって収束し、そこで止まっている

 アムールトラの体は、ゆらゆらと漂いながらも、拘束されているようにその場から動かずにいた

 怪訝に思いながら近づいたともえ達には、すぐにその理由を理解することが出来た。アムールトラの右腕に巻かれている腕輪から出ている鎖が、崩れ落ちた隔壁の内側からはみ出た鉄骨に巻き付き、完全に絡まってしまっていたのだ

 

(わふっ・・・こ、こんな鎖なんて、わたしがっ!!)と、イエイヌが勢いよく飛び出し、アムールトラの右腕から出る鎖に噛みついた

 イエイヌは、光沢を放つ金属の輪の連なりを己の牙で挟み込むと、顎に渾身の力を込めて鎖を引きちぎろうとした。しかし、イエイヌがいくら力いっぱいに頭をよじっても、鎖も鉄骨もその場からびくともしなかった

 イエイヌは、硬く瞳の閉じられた生気のないアムールトラの姿を間近で見た。つい先ほどまで死闘を繰り広げていた勇壮な姿からは程遠い青白い顔貌を見て、血の気の引く思いになった

 

(イエイヌちゃん! 落ち着いて・・・)と、ともえが後ろからイエイヌの肩を叩いた。ともえの冷静な様子に安心感を覚えたイエイヌは、いったん後ろに引き、己がいた位置をともえに譲った

 

 ともえは、今までずっと握りしめていたロープの先端を手繰り寄せると、その先端を注意深く己の眼前に掲げた。ロープの先端は、アムールトラの腕輪と同じような光沢を放つ金属の輪であった。ともえがその輪の一か所を親指で押すと、その部位が抵抗なく折れ曲がり、間隙が生まれたのだった

 ともえは、その間隙をアムールトラの右腕に巻かれている腕輪に通し、親指で押さえていたところを放した。折れ曲がった金属が元の位置に戻り、再び輪の形を成した。するとロープは、鎖のようにアムールトラの腕輪に繋がれたのであった

 

(さあ、上の皆にも合図して、全員でロープを引っ張ろう!)と、ともえはイエイヌに目線で促した。一人の力ではどうにもならない拘束ならば、全員の力で何とかするまでだ

 イエイヌもともえのいわんとすることを理解し、たわんだロープを手繰り寄せて、海面の上で待っているロードランナーたちに知らせようと、海面へ向かって伸びたロープを2回、くいくいっと引っ張った

 

______シュルルル・・・ビィィィィン!

 

 たわんでいたロープが海面に向かって急激に張り詰めた。ともえ達は、ここからでは見えない海の上で、翼を羽ばたかせた仲間たちがすぐさま合図に答えてくれたことに一抹の安堵を覚えた

 張り詰めたロープの震動が伝わり、脱力したアムールトラの全身が一度だけビクリと震えるが、意識が戻る気配はまったくみられず、再び力なく海中に四肢を投げ出した

 

 ともえとイエイヌは、アムールトラの腕輪が絡まっている抉れた壁面に近づき、それを足場にしてつんのめるようにロープを引っ張った

 5人分の引っ張る力が腕輪に集中し、鎖と鉄骨がそれに引かれてキシキシと音を立てはじめたが、ある程度動くと、それきりびくともしなくなった

 次第にともえ達の間に不安と恐怖がよぎってくる

 

(わふっ、こんなに強く引っ張っているのに・・・)

(このままじゃ、あたし達も、上の皆もあぶない・・・)

 

______ゴゴゴゴゴ・・・ズシャャャッッ

 

 突如、ともえ達の近くの壁の一部が音を立てて崩れ、瓦礫が真横から飛び出てきた。瓦礫はあっという間に推力を失って底に沈んで見えなくなった。その瓦礫自体は大した危険もなかった、しかし・・・

 

(・・・まずい!)と、ともえは腕輪を引っ張ることもやめて崩れた壁の近くを必死に観察した。壁面は重力で崩れ落ちたわけではない。外部から突き破られたのだ。ともえは新たな危機を察知した。今、このような状況を説明できる要因はたったひとつしかない

 

______ゴシャッッ!! ガキャッッ!!  ゴウンッッ!!

 

 何者かが、崩れた壁の周辺を、さらに穴を広げるように何度も殴打している。そしてフレンズが3~4人通れる程度の穴が空いた時、長大な黒い触手が穴の外から侵入し、建物の内壁にめり込むようにひっかかった

 触手に引き寄せられるようにして、どろどろと不定形な塊が穴から内部へと入り込んできた

 

(・・・やっぱり、あのセルリアンは生きてた!)

 

 姿形は一変していたが、そのくすんだ黒い巨体は紛れもなく、アムールトラと共に落下した巨大セルリアンだった

 落下しながらホテルの壁面に肉体が削り取られて、その体表の半分以上と自慢の8本足も何本も失い、さらに細かい瓦礫の破片が至る所に突き刺さっていた。もはや”船”でも”蜘蛛”でもない、いびつな肉塊に足が生えているだけのアメーバのような姿になり果てていた。再生能力を持っているとはいえ、削り飛ばされて分断された肉片を元に戻すことは出来ていない様子であった

 

 そのような無残な姿とはいえ、依然として恐ろしい脅威であることには変わりなかった。いびつに伸ばした足のひとつを前方に伸ばすと、手近な鉄骨に巻き付けて、肉塊をともえ達の近くにまで引き寄せてきた

 

 ロープは依然として、海面に向かって力いっぱいに張り詰めているが、アムールトラの右腕の拘束を破るには至っていない。ともえとイエイヌは、眼前に脅威が迫っているこんな状況でも、ロープを引っ張ることをやめるわけにはいかなかった

 不定形な肉塊から生える一本の触手が、目的であるアムールトラを、近くにいるともえ達ごと屠らんと言わんばかりに、大降りにしならせた横薙ぎの一撃を繰り出してきた

 

(きゃああああっ!)

 

 衝撃音と共に、海中に震動が伝わってくる。セルリアンが放った一撃はともえ達の位置から幾分か逸れ、近くの壁面に叩きつけられただけだった。しかし

 

______ゴゴゴゴゴ・・・

 

 巨体から打ち出された一撃の破壊力は命中した部分のみならず、その周辺に甚大な衝撃を与えた。その結果、ともえ達の周囲四方から瓦礫が音を立てて崩れ落ちはじめた。ともえとイエイヌは、気を失ったアムールトラに身を寄せ、息を殺して目の前の状況に耐えた。轟音が鳴りやむことはなく、このままこの場所が崩壊してもおかしくないと思わせるほどだった

 

(ともえさん! 見てください! ロープが・・・)と、イエイヌがともえに合図する。ともえ達が見た物は、力を失って垂れ下がりはじめたロープの姿だった

 

 この場所のみならず海の上も崩壊が始まっているものと思われた。上にいるロードランナーたちも、もはやロープを引っ張っていられる状況ではないのだろう

 かろうじてロープの先端は海面に向かっており、ロードランナーたちがロープを手放していないことだけは推測できたが、海の上ですら危険な状況では、彼女達がロープを手放さざるを得ない状況がいつ来るかもわからなかった

 

 そしてセルリアンはというと、アムールトラの姿を見失ったかのように明後日の方向に漂っていた。落ちてくる瓦礫を避けることもせず、無軌道に漂って周囲を探っている

 しかし、大きめの瓦礫が本体にぶつかりそうになった刹那、瓦礫の接近を鋭敏に察知し、触手の一本を突き出して瓦礫を打ち砕いた。だが、それ以後は変わらずアムールトラの姿を見つけられていない様子だった

 ヘリポートにいた頃、黒い体表のそこかしこから現れていたギロギロと動く目は今はすべて閉じられており、まるで目で物を見ることを忘れてしまったように見えた

 

(どうして・・・? セルリアンにはあたし達のことが見えていないの? でも、こうして見つけてきたわけだし・・・)

 

 息を押し殺して瓦礫を耐え忍ぶともえは、セルリアンの動きの意味がわからずに思考を張り巡らせた。そして、ある仮説にたどり着くと、すべての辻褄が合ってしまうことから、それが真実であると確信する

 

(そうだ・・・音だ。きっとあのセルリアンは、海の中では目が見えないんだ。だから、その代わりに耳で辺りを探っているんだ。だから、動かない、音を立てない物のことは見つけられないんだ・・・)

(海に落ちた後、アムールトラさんは気を失ってしまったから・・・だから、あたし達のほうが先にアムールトラさんを見つけることが出来たんだ。でも、あたし達が色々と動き回ったおかげで、後を付けられて見つかってしまった・・・)と、思考しながらも、自分達の行動が不幸を招いたことに落胆するように頭を抱えた

 

(でも今は、周りが崩れてそこら中から音がしているから、あたし達のことがまたわからなくなった・・・だったら・・・)ともえは何かを決意したように再び顔をあげた

 

(あの、ともえさん・・・?)と、イエイヌが心配そうにともえを見やる。ともえは、イエイヌのことを確信に満ちた強い瞳で見返した。言葉の聞こえない海中でも、ともえがこれから何か危険な事をやろうとしているということを、イエイヌは直感で理解した

 

(こうなったら、あたしがセルリアンを引きつけるから・・・アムールトラさんのことをお願いね・・・!)

(そんな! 無理です! 何をする気ですか!)

 

 ともえは制止しようとしたイエイヌをかわして、壁面を蹴って飛び出すと、零れ落ちる瓦礫の一つを掴み取り、それを近くにある壁に向かって打ち付けた。コツンコツンと、硬い物質が打ち合う音が断続的に鳴り始める。それは騒然とした海中の中でも、ひと際異質な音だった。ともえは音を鳴らしながらも、壁伝いに泳いでアムールトラ達の位置から離れていった

 

 それまで無軌道に漂っていたセルリアンが、一旦弾かれたように動きを止めると、ゆっくりと向きなおって、異質な音の主へと狙いを定め、己の足すべてを投げ出すように伸ばしてきた

 水の中を突き進む触手が、一瞬でともえの所まで到達した。ともえは違う方向へと壁を蹴って飛び出し、いくつかの触手をかわすが、最後の一本に掴まり胴体に巻き付かれてしまった

 手ごたえを得たと思ったセルリアンは、すぐさま残りの触手も一か所に引き寄せ、ともえの体を包み込むように取り囲んだ

 

(やめてええっっ!!)と、イエイヌが悲鳴をあげるも、もはやセルリアンは眼前のともえに専念しておりイエイヌに注意を向けることはない

 

(どうしよう! このままじゃ! このままじゃ! )

 

 イエイヌは泣き叫びながらしばらく混乱していた。このままではここにいる全員が命を落としてしまうことを確信し、それを受け入れられない絶望で頭がいっぱいになっていた

 

(・・・わたしが行ったって、あのセルリアン相手に何も出来っこない・・・だいたい、わたしまでここから離れたら・・・アムールトラさんが・・・)と、そこまで考えてから、イエイヌははっとした

(・・・そうだ、アムールトラさんに起きてもらったら・・・いや、もう何とかして起きてもらうしかありません!)

 

 そこまで考えたイエイヌは、近くで変わらず意識を失っているアムールトラの肩をつかんで揺さぶりながら呼びかけた

 

(アムールトラさん! 起きてください! お願いだから! このままじゃあなたも! ともえさんも! みんな助からない! だから・・・だから起きて!)

 

 肩から上を揺さぶられて、アムールトラの顔ががくがくと震えるが、相も変わらず瞳は固く閉じられ、力なく垂れ下がった四肢を海面に投げ出している

 それでも必死に声をかけ続けるイエイヌの口から、肺を伝って出てきた泡がブクブクと立ち昇っていた。イエイヌはここではっと違和感に気付く

 もう幾ばくかの時間を海に潜っているが、不思議なことに、あたかも自分が海生哺乳類のフレンズであるかのごとく息をすることが出来ていた。今こうして声を出すことで息を消費しても、無尽蔵に空気が体内から湧き出てきているのだ

 イエイヌは冷静に状況を整理しながら、凍り付いたように力なく動かないアムールトラの様子を再び観察した

 

(・・・アムールトラさんは、さっきからまったく息が出来てません・・・だから気を失っています。けど陸で暮らすフレンズなら、それが当たり前です。・・・でもわたしは、青いオーブのおかげで息が出来ています。そう・・・わたしの中にはたくさん空気がある・・・!)

(だから・・・これが、今わたしに出来ることです!)

 

 イエイヌが思いついたのは、意識を失ってうなだれたアムールトラへと“自分の空気を与える”ことだった

 海水の中でも構わず、思い切り息を吸い込むと、新鮮な空気で肺が満たされるのを感じた。イエイヌはアムールトラの閉じられた口に指を入れ、ガバっとこじ開けると、噛みつくように己の唇を重ねた

 そしてイエイヌはアムールトラの口腔内の奥へと空気を吹き入れていく。己の肺の中の空気が尽きると、再び唇を放し、上半身をのけぞらせて限界まで息を吸い込んでから、覆いかぶさってアムールトラに己の息を与え続けた

 

(ガハッ! ガハッ! ガハッ!)

 

 そんなことを何順か繰り返した矢先、アムールトラの全身が電気ショックを受けたかのごとく震えだした

 アムールトラは頭を抱えてうずくまりながらむせこみ、口から大量の空気を吐き出していた。そんなふうにしてしばらくむせこみを繰り返した後、やがて四肢に力が戻り、俯いていた頭をゆっくりと持ち上げた

 

(アムールトラさんっ!)

(・・・お前はイエイヌ・・・? ・・・ここは一体・・・)

 

 アムールトラは、安堵の表情を向けるイエイヌの顔の先に、ついさっきまで自分が戦っていた強敵と、それに飲み込まれんとしているともえの姿を見た。卓越した戦士の本能により、覚醒した直後から、すぐさま彼我の状況を察知し、再びみなぎる闘志がその相貌にみなぎっていく

 

(・・・私はここだあっっ!! かかってこいっっ!)

 

 アムールトラは海水ごしに、勇壮な雄叫びを上げる。その声自体は水にほとんどかき消されていたものの、刺すような闘気が辺りに広がっていく

 探し求めていた標的の気配を察知すると同時に、セルリアンの足から力が抜け、己の腹の中にしまいこもうとしていたともえの体をいとも簡単に手放した。ばたつく三本の足に引かれながら、セルリアンの黒い不定形な体がアムールトラの気配へと向かって、探るように進み始めた

 

(行け、イエイヌ! ともえの所へ!)と、闘争的な表情を保ったままのアムールトラがあごでイエイヌに合図した

 

(はいっ!)と、イエイヌはアムールトラの腕輪から伸びるロープを持ったまま、セルリアンに投げ出され沈んでいくともえの傍に泳いで近寄って抱きとめた

 

 イエイヌがともえの安全を確保した様子を一瞥すると、アムールトラはいよいよ眼前の標的へと向き直る

 セルリアンがすぐ近くにまで接近して来るのを待ってから、アムールトラは鉄骨に絡まった右手を支点として利用し、近くの壁面を駆け上った。己の右肩が外れないギリギリの高さまで上がると、そこから飛び降りるようにセルリアンに蹴りを浴びせた

 

______ドガァァッッ!!

 

 強烈な飛び蹴りでセルリアンを後方に弾き飛ばすと同時に、アムールトラの体が無防備に海中に投げ出される。アムールトラは体勢を立て直すために、壁に繋がれたままの右腕の近くまで己の体を引き寄せた

 しかし、アムールトラが体勢を整え終わる頃には、セルリアンも衝撃から立ち直り、再び何事もなかったように前に進み始める

 ともえとイエイヌは、少し離れた場所から見守りながら、状況が変わらず絶望的であることを理解した。自由の利かない水中にて、右手を拘束されたまま戦うなど、いかにアムールトラといえど万にひとつの勝ち目もない

 しかし突如、異変が起こった

 

______グイィィィィンッッ!!

 

 アムールトラの右手の鎖につながったまま垂れ下がっていたロープが、弾かれたように海面に向けて一直線に張り詰めた。先ほどまでとは比べ物にならないぐらい強い力がロープを牽引しているのだ

 

(わあああっ!!)

 

 まずはともえとイエイヌの体が急激に引き寄せられた。二人はロープに体ごとしがみつき、反動でロープから弾き飛ばされそうになるのを必死に耐えた

 次にロープの後端にあるアムールトラの腕輪が猛烈に引っ張られ、鎖に巻き付いていた鉄骨がねじ切れた。それと同時にアムールトラの体が、抵抗なく勢いに任せるまま引きずられていった

 

______ゴオオオオオッッ・・・!! ザッパーーン!!

 

 ともえは周囲のことが何もわからなくなり、ただ己の体がすごい速さで動いていることだけを肌で感じ取った。濁流が立てる轟音だけが耳を打っていた。しかしひと際大きな炸裂音が鳴り響いた後、濁流の音はぴたりと止んだ

 

「みんな大丈夫かよーっ!! 返事しろよー!」

 

 呼びかける声に応じて、ともえが恐る恐る目を開けると、血相を変えた表情のロードランナーがともえの顔を覗き込んでいるのが見える

 

「・・・無事で良かったぜー! よっしゃー!」と、ロードランナーが腕をわなわなさせながらガッツポーズを取った

 

 ともえのすぐ下には、イエイヌが震えながらロープにしがみついているのが見える。そしてロープの後端には、吊り下げられているアムールトラの姿も確認できた

 尋常ならざる力によって真っ直ぐに海面に引き上げられた3人の体は、そのまま海上に引き上げられ、宙に浮いているのだ

 

「まったく、もうダメかと思ったのです」

「こんな危ないことは二度と御免なのです」と、オオコノハズクとワシミミズクもともえの傍に近寄ってきた。2人とも手に何も持っていなかった

 

「え・・・ちょっと待って・・・じゃあ、このロープは誰が引っ張っているの?」と、当然の疑問が思い浮かんだともえは、ロードランナーたちが握っていたはずのロープの先を見上げる

「こ、これは・・・! まさか・・・」

 

______バララララララララ・・・

 

 視線の先には、奇怪な音を立てて飛ぶ巨大な鉄の鳥がいた。その鳥はずんぐりと角ばった濃紺の胴体を持ち、その天辺から生えている翼を目にもとまらぬ速さで回転させていた。一直線に伸びる長い尾の先には小さな回転する翼を生やしている

 左右には楕円形の腕のような物体を備え付けており、その腕を支える太い鉄管に、ともえ達のロープが巻きつけられていた

 

「ともえー! 忘れたのかよー」と、ロードランナーが得意げに答える

「つい昨日、オレ様と一緒に見たばかりじゃあねーか。ハブさんに案内してもらった、あのてんじしつで・・・そうさ、コイツはてんじしつにあった“へりこぷたー”だぜ!」 

 

「・・・! ま、まさか、あれがここまで飛んできたっていうの? ・・・でも・・・いったい誰が動かしているの?」

 

【トモエ ブジ カ・・・】

 

 ともえの耳に平坦で無機質な、それでいて安心感を与える電子音声が聞こえた。その声の主は、先ほどホテルの中で別れた、大事な仲間のものだった

 

「ラモリさん! それじゃあ、この“へりこぷたー”はラモリさんが運転しているんだね!」

「オレ様もマジでびっくりしたぜー! ラモリさんのやつ、いきなりこんな物に乗り付けて来るんだもんな!」

【マモナク ホテル ガ トウカイ スル。イッコク モ ハヤク ダッシュツ スルノダ。イソゲ 】 

「さあ、3人とも我々に掴まるのです」

 

 ロードランナー達は、ロープに揺られる三人の体を、ヘリコプターの腹部にぽっかりと空いた空間に運び入れた。最後にアムールトラを収容すると、ラモリが操るヘリコプターは姿勢をほとんど変えないまま、高度だけを上げて海面から離脱しようとした

 

______プルルルルルルォォォォォォ・・・!!

 

 しかし、突如海面から黒い物体が顔を出すと、薄気味の悪い雄叫びと共に触手を空に向かって伸ばし、今にも上昇せんとしていたヘリコプターの鉄で出来た短い足に巻き付けた

 触手に捉えられたヘリコプターの胴体がガクリと揺れ、中にいるともえ達も衝撃で転倒した。しかし、飛行にはさしたる問題もなく、何事もなかったかのように姿勢を整えた

 ヒトに作られた機械の翼が生み出すすさまじい揚力は、その腹に収めた総勢6人のフレンズもろとも、セルリアンの巨体をじりじりと引きずり上げていった

 ついにセルリアンの巨体が海面から離れる。ボタボタと海水が垂れ落ちる黒く不定形な体表から、再び無数の瞳が見開かれ、ヘリコプターの腹部にいるフレンズ達を片時も視線から外さないように凝視している

 

「絶対にあたし達を逃がさないつもりなんだ・・・」と、一人ごちるともえは、無機質な瞳から感じ取れる徹底的な執念に、身の毛がよだつ感情を覚えた

 

「今こそ奴をたたくチャンスなのです。助手」

「ええ、博士。足一本でやっとぶら下がっているあの状態なら・・・」と、2人のフクロウがヘリコプターの腹部から飛び立った

 

「野生解放!!」

 

______シュバッ! シュバババババッッ!! 

 

 二頭の猛禽類が虹色の粒子を放ちながら、ヘリコプターにしがみつくセルリアンの触手に爪の連撃を浴びせ始めた。圧倒的なスピードで動く2人を視認することは出来ず、攻撃の残像だけが煌めいている

 太い木の幹のような触手は、同じ箇所にのみ執拗に何度も攻撃を受け続けたことで少しずつ削り取られ、さらにセルリアン自身の体重にも引っ張られることでミチミチと千切れていく

 

「オレ様だって・・・やってやらぁー!」

 

 2人のフクロウが何十回も攻撃を加えた後で、やっと追いついたロードランナーが、千切れてか細い筋のようになった足にダメ押しの一撃を加えた

 

______ブチンッ! ・・・・・・ザブーーーーン!!

 

 掴む場所を失った巨体は、そのまま海面へと墜落した。ヘリコプターは重石が外れたことによって瞬く間に急上昇し、その場から離脱することができた

 

______ズゴゴゴゴゴゴゴ・・・

   ガシャアアアアアン・・・!!

 

 そびえ立つホテルの全体から、今までにないほどの震動と轟音が巻き起こり、霧に包まれて見えない上方から、建造物の横幅よりも大きな鉄塊が、壁面を削り取りながら落ちてきた

 それは、先ほどまでその上で死闘が繰り広げられていた、青い海生哺乳類の姿を模したヘリポートだった。海面へとヘリポートが叩きつけられると、海面が山のように盛り上がり、やがて視界を覆い尽くすほどの水しぶきを巻き上げた

 それからワンテンポ遅れて、上から下へと折り畳まれるように、建造物が粉々に砕け散り、一斉に海面へと飲み込まれていく

 

______プルルォォォ・・・!!

 

 雨あられと降り注ぐ巨大な瓦礫が、絶え間なくセルリアンへ覆いかぶさっている。長い断末魔さえも、ホテルの崩壊が引き起こす轟音に一瞬でかき消された

 

「・・・や、やべぇーな。もし逃げ遅れてたらと思うと、ゾッとするぜ・・・」

「長居は無用なのです」

 

 崩れ落ちるホテルを後目に、3人の鳥は素早く翼をひるがえし、ヘリコプターの中に戻ろうとした。その途中、セルリアンの残骸である触手がまだヘリコプターに巻き付いているのを見つけると、3人がかりで苛立たし気にそれを引っ剥がし、海へと放り捨てた

 

「わふっ、ロードランナーさん、博士さん、助手さん! 大丈夫ですか!?」

「ぜ、全然大したことなかったぜ!」

「これで奴を退治できたと思うですか? 博士?」

「わかりません、ですがひとまず、我々は助かったと考えていいと思うです・・・」

 

 ヘリコプターの急上昇により、あっという間に高度が上がり、霧に包まれていた一体の空域を抜けることに成功していた。一望する水平線の彼方はすでに茜色の夕暮れに染まっている

 ヘリコプターの腹の中、鉄色の直線的な狭い空間の中で、ともえ達は放心状態のまま雄大で静かな景色を眺めた。眼下には、ホテルの崩壊で発生した水しぶきが、今も雨のように宙を舞っている

 

「・・・あたし達、助かったんだよね・・・全員助かったんだよね・・・!?」と、いち早く我に返ったともえが感慨無量な声をあげる。そのまま背後に向き直ると、すぐ後ろに佇む橙色のフレンズの所在なさげな手を取った

「アムールトラさん! あなたのおかげだよ!!」

「・・・」

 

 アムールトラは答えなかった。ともえはここで違和感に気付いた。彼女の手のひらが信じられないほど冷たかったのだ。ともえはおそるおそるアムールトラの顔を覗き込んだ

 だが、アムールトラが目線を合わせてくることはなかった。夕陽に当てられて深い影を落とす眼窩の奥には、もはや何の光も宿っていない

 

______ドタッ

 

 アムールトラは声も上げずに、鉄の床の上に崩れ落ちた

 

 to be continued・・・

 




_______________Cast________________
 

哺乳綱・ネコ目・ネコ科・ヒョウ属トラ亜種 
「アムールトラ」
哺乳綱・ネコ目・イヌ科・イヌ属 
「イエイヌ(雑種)」
鳥綱・カッコウ目・カッコウ科・ミチバシリ属 
「英名G・ロードランナー 和名オオミチバシリ」
鳥綱・フクロウ目・フクロウ科・コノハズク属 
「アフリカオオコノハズク」
鳥綱・フクロウ目・フクロウ科・ワシミミズク属 
「ワシミミズク」

自立行動型ジャパリパークガイドロボット
「ラッキービーストR-TYPEーゼロワン 通称ラモリ」
 
????????????????????? 
「通称ともえ」

_______________Enemies date________________


「船型巨大セルリアン、8本足(仮称)」
特殊能力:2つの姿に変身する(「船型」「蜘蛛型」)
    :霧を吸い込んでダメージを修復する
    :バラバラにされた破片がそれぞれ自立行動を行う

_______________Materials________________

「UH-60J 救難ヘリコプター」
開発時期:西暦1972年
概要:アメリカ合衆国のシコルスキー・エアクラフトが開発したUH-60 ブラックホークを日本が救難目的に独自改良したヘリコプター。1988年度予算から調達を開始し、2020年現在も航空自衛隊と海上自衛隊に制式配備されている

_______________Story inspired by________________

“けものフレンズ”  “けものフレンズ2”
      byけものフレンズプロジェクト

     “けものフレンズR”
      by呪詛兄貴
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