けものフレンズR あるトラのものがたり   作:ナガミヒナゲシ

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 おもにキャラクターの解説を中心に、どのようなことを考えて話を書いていったのかを取り留めもなく語らせていただきます。


あとがき

 2019年の4月だかその辺りに「けものフレンズR」と出会い、どハマりしました。

 それから深く考えもせず、社畜生活のかたわら「あるトラの物語」の執筆を始めました。

 小説なんてものはそれまで書いたこともなく、まあ半年やそこらで書けるやろ・・・・・・などと軽く考えてました。

 いやはや、半袖短パンで富士山を登ろうとするような無謀な思いつきでした。

 

 この作品のタイトルは最初は「けものフレンズRêve」というものでした。

 アムールトラはあくまで主役の一人に過ぎず、ほかの「開拓者カルテット」全員が主役の話を書くつもりでした。

 全員の過去を書ききり、さらにカルテットとしての冒険の旅も完遂するという構想でした・・・・・・

 ですがほどなくして、そんな大長編の物語は、自分の執筆スピードでは一生ものになってしまうことに気付きます。それならアムールトラだけの話に絞ろうと思い至り「あるトラのものがたり」にシフトしました。

 

「アムールトラが報われるような話を書きたい」

 この作品でやりたかったことはたったそれだけです。

 ただ、報われるってどういうことなんだろう? と色々考えを煮詰めていった時に、そのことが簡単ではないことに気が付きました。

 

 原作アニメにおいてアムールトラが不遇なのは「誰も寄り添ってくれなかった」「素性や内面が一切描写されなかった」の二点だと思います。

 このうち前者はRにて仲間を得ることで払拭されましたが、後者においてはほとんど手つかずの状態だったように思いました。

 

 なのでこの作品では、アムールトラの生い立ちや、どうしてビーストになってしまったのかなどを描き切った上で、その状態から立ち直るという過程を描くことに注力していくことにしました。

 ゼロから話を作る過程で「フレンズ同士の少年漫画みたいなバトルがやりたい」「ジャパリパークが出来るまでの歴史を書きたい」など、やりたいことを野放図に取り込んでしまった結果、完結までに130万文字もかかってしまう作品になりました。

 

 話の内容は進めば進むほどダークでシリアスなものになっていきました。

 けもフレにこんな重い内容求められてないだろ、と頭ではわかっていたんですが、アムールトラという原作で過酷な扱いを受けたキャラを真正面から描くと、僕としてはシリアスよりにせざるを得なかったんです。

 それでも彼女に鬱展開を背負わせてばっかりであることに申し訳なさを感じていました。

 これでエターナったりしたら、彼女を二次創作で虐待しただけになってしまうので、絶対にハッピーエンドで終わらせてみせると思い書き続けました。

 

 見返してみると、けもフレっぽいのんびりとした旅のエピソードは、最近書いた最終回付近の話だけでしたね。

 あんまりにも歪な構成だと思いますが、まあこういうライブ感がにじみ出ているのも素人二次創作の醍醐味かと思ってご容赦ください。

 

 私事で恐縮ですが、この作品を書くにあたって、誤字指摘や表現への突っこみを行っていただいた今日坂さんには改めてお礼を申し上げます。 

 

 キャラクター解説

(※すべての登場人物を紹介しているわけではありません)

 

アムールトラ

 正直、原作アニメではビーストであることと見た目しか決まっていないようなキャラだったので、ほぼオリジナルキャラを一から考えるような感じでした。

 戦いを好まない温厚な性格であることは早くから決定していました。

 トラのくせに気が優しい、というのがコンプレックスのキャラです。

 有名な作品で例えると「あしたのジョー」ではなく「がんばれ元気」もしくは「ロッキー」ではなく「クリード」といった感じです(古い)。

 優しいアムールトラが段々とビーストに近づいていくことへの悲壮感を出す・・・・・・というのが過去編を書く上での重要なテーマのひとつでした。

 

 物語を通して「白い花」というシンボルを背負っているキャラです。

 序盤においては、ビーストの中に残っている正気の部分の象徴として。

 そして終盤においては「花が枯れても種は残る」という言葉で繰り返し言及され、他者から想いを受け継いで生きる、という本作のテーマを体現する存在として、アムールトラの心の中にいつまでもあり続けます。

 

 トラという動物が持つイメージとしては、狂暴で勇ましいというのが一番かと思いますが「虎視眈々」という言葉もあり、冷静に獲物のスキをうかがう動物でもあります。

 後は、色々トラの動画とか画像とか漁っていると、腹ばいになってジッとしている時が多い気がします。そういう静かな佇まいに、密林の王者としての風格が感じられる気がします。

 うちのアムールトラは、そういった「静」のイメージを膨らませて作りました。

 

 トラというのはほぼアジアにしかいない動物なので、オリエンタルな要素をキャラ描写に取り入れていくことを心がけました。

 細かいことですが、技の名前を漢字に統一しています。他のフレンズは全員横文字です。

 戦闘スタイルは空手ですが、同時にマインドフルネス=禅の精神を戦闘に取り入れています。

 暴走状態であるビーストとは真逆の落ち着き払った状態で戦うキャラにしたらギャップが際立つし、暴走を克服することへの説得力が生まれるからです。

 

 また自然崇拝のような思想をうかがわせる発言を良くしています。

 日本古来の自然を崇める神道は、中国から渡ってきた仏教と融合し、神仏習合の思想体系を作り上げ、その過程で禅の精神も育まれてきました。

 このようにアムールトラは極めてアジア的な思想を持っています・・・・・・が、ぶっちゃけ北斗神拳とかジェダイとかニュータイプとかも入ってると思います。

 色々好きな要素を盛り込んだ結果、戦いのたびに精神世界に突入したりするスピリチュアルな方面に足を突っ込んだキャラになりました。

 

 難点としては、いい子に書き過ぎたことです。(いい子以外には書きようがないんですが)

 自分で何かやらかすようなタイプではないので、こういうキャラを輝かせるためには敵キャラだったりトラブルの存在が不可避だと思います。

 原作のような牧歌的な世界では、普通にのんびりと暮らしてそうですね。

 

 それとバトルシーンが少々盛り上がりにかけるのかなとも思っていました。

 能力的に強すぎるというのと、スピリチュアルな流れに持っていって解決しようとするきらいがあるので、戦いの駆け引きとかが限定されてしまっています。 

 最終的にはビーストの力を制御し、ビャッコの能力まで使いこなせるようになっているので、チートとしか言いようがないぐらい強くなっています。

 

 これからも旅は続くという形で幕引きになりましたが、実際に続きを書くとしたら、彼女の強さに見合う敵を用意するのは困難を極めるだろうな、と思います・・・・・・

 まあ、何はともあれお疲れ様。今までありがとう。

 

ともえ、イエイヌ、ロードランナー、ラモリ

 Rの本当の主役たるキャラ達ですが、本作品では路線変更のあおりを受け、序盤と終盤にしか出番を用意してあげられませんでした。

 

 ともえは過去編で存在のネタ晴らしがされてしまっていますが、彼女自身が作中でそれを知ることはありませんでした。

 もし彼女が自分の正体を知る時がきたら、また鬱展開になるんだろうな。もうこりごりだよ。

 最終話ではメンタルをやられてしまっていて、それをアムールトラが励ます流れになりましたが、アムールトラが誰かを励ませるぐらい立ち直ったことを示すために必要な描写でした。

 

 イエイヌはアムールトラと同じぐらい好きですが、4人組で話を書き続けていくとなったら少し扱いに困るキャラです。

 ともえとニコイチであり、ともえと一緒にいる時点で救われてしまっている感があります。性格も真面目一途なので目立たせにくいです。

 本作においては料理という一芸を持たせてヒーラーをやらせていますが、それで何とか間を持たせた感があります。

 

 逆にロードランナーは典型的なコメディリリーフなので、どんな時でも鉄板の扱いやすさを誇っていました。

 こういうキャラって読者よりも作者向けのキャラなんですね。おちゃらけさせれば書いてて癒されるし、一人いるだけで場面の回しやすさが半端じゃない。

 

 ラモリは「どこからともなく現れてともえ達を助ける」キャラとして最初は書いていました。

 ヘリで助けに来るシーンとかはお気に入りです。

 ・・・・・・が、終盤にメリノヒツジに破壊され、ともえのブレスレットと化してからは、そういうことが出来なくなってしまい、随分と影が薄くなってしまったなと思います。

 

 僕の作品はこれで終わりですが、これからもRという作品群のなかでの彼女達の活躍を応援しています。

 

メリノヒツジ

 もう一人の主人公、そしてラスボス。たまに解説役。

 一人で何役もこなした途轍もない働き者です。俺はこいつをどんだけ酷使するんだろう、と思いながら書いてました。

 ・・・・・・ていうか、トラが主人公の作品でラスボスがヒツジって、ちょっと面白くないっすか(自画自賛)?

 

 元ネタとしては、やなせたかし著「チリンの鈴」の主人公チリンをほぼそのまんま使っています(やはり古い)。

 チリンをフレンズ化したらどうなるだろう? と考えてみたら見事にハマりました。コンプレックスが明確なキャラなので扱いやすいです。

 もうひとつのキャラ付けとして、読書家であることが上げられます。

 ランボーとかニーチェとかカフカとかを好んでおり、その辺から色々な引用をしたりすることでアムールトラ視点の文章とは違う雰囲気にしています。

 技名はドイツ語です。

 総合して考えるととても中二っぽいキャラであると思います。

 

 弱いヒツジであることへのコンプレックスを払拭するために強く成りたいという意思を持つ一方、動物だった頃の自分を〇したオオカミに再び食べられたい、という屈折した被食願望を持ち合わせていました。

 終盤、スプリングボックとの戦いでコンプレックスが払拭されたことや、アムールトラとクズリの戦いを目にしたことで、被食願望がメインの欲求になっていきます。

 

 食物連鎖は、動物擬人化ものでは避けて通れないテーマになると思います。 

 けもフレではそこら辺の問題を上手いことSF要素で隠していますが、隠すことで不穏さが醸し出されているのが逆に魅力ですね。

 彼女が試みたことは、そんなSF要素で成り立っている世界観を破壊して、食物連鎖のある世界に変えてしまおう(戻してしまおう)というものでした。

 

 ラスボスではありますが、彼女自身は「ナンバー2志向」が極めて強いキャラです。

 最初はクズリ、次にカコ・クリュウと・・・・・・今まで出会った中で「これだ」と思った人物に全依存してしまい、崇拝していくのが彼女の生き方です。

 クズリもカコも消えてしまってからは、その代わりの役目をアムールトラに求めるようになりました。その結果ジャパリホテルを壊したり色々やらかしたわけです。

 

 アムールトラとは思想的にも対極にあり、キリスト教的な一神教の価値観を意識しています。

(キリストやイスラムなどの一神教は過酷な砂漠で生まれた宗教なので、どうしても自然を征服する発想になってしまう)

 ヒツジといえばキリスト教とは切っても切れない動物であるので、意図したわけではありませんが、特定の誰かを狂信するムーヴが似合っていていい感じです。

 自然崇拝と一神教のどちらが優れているとか、そんなヤバいテーマを語る気はありません。

 ただ、けものフレンズというコンテンツに限った話で考えると、やはり自然崇拝がベストマッチのように思えます。

 

 戦闘力的においては、アムールトラとは違って強すぎず弱すぎずでいいですね。

 敵を引き立たせることが出来ています。

 最終決戦においても、アムールトラに実力で勝つのではなく「自分を食わせる」ということを目的にしているので、強さで対抗できるようにする必要もありませんでした。

(強さでアムールトラに対抗するのはクズリ以外無理)

 

 何だか褒めてばかりですが、それだけメリノには頼り切っていました。

 彼女が死亡したシーンは、最終話を書き終えた時以上に「終わった感」に浸ったものです。

 

カコ・クリュウ(久留生 果子)、セルリアン・クイーン

 アムールトラとメリノヒツジがフレンズ側の主人公だったら、彼女はヒト側の主人公とでも言うべきポジションです。

 過去編は「アムールトラがビーストになるまでの物語」であり「カコがセルリアン・クイーンになるまでの物語」となります。

 正直、当初は味方サイドの大将ぐらいに考えていたんですが、後になればなるほど扱いが大きくなっていきました。

 

 久留生という姓は現実に存在しているものですが「永遠に生きる」みたいな字面で中二心をくすぐられます。

 果という漢字については「原因・因縁があって生ずるもの」という意味があるので、明らかに時間に関係した文字だと思います。

 けもフレに出てくる人間キャラは時間関係の名前をしてなきゃダメだろう、と思って、メイン級のキャラは全員そういう名前を付けています。

 既婚者であり、旧姓は遠坂ですが、その元ネタは言うまでもないでしょう。

 

 原作では善人だったカコ博士を、人類をジェノサイドするようなキャラに変えてしまったので、人によってはかなり不快感を覚えるかと思います。申し訳ありません。

 理由としては二つあって、ひとつは過去編を畳むためには、彼女に人間の時代を終わらせて、ジャパリパークを作ってもらわなければならなかったからです。

 

 もうひとつは、単純に原作のビジュアルが良かったからです。

 クイーンはカコと瓜二つの美貌なのに、博士をコピーしただけというのが寂しく思いました。

 それよりもカコがクイーンと一心同体になった方が、よりビジュアルに説得力が出るのではないだろうかと考えました。(小説なのにビジュアルも何もあったもんではないですが)

 

 2人の関係については少しぼかしています。

 クイーンはカコに力だけを渡して自我が消滅したのか? ふたつの人格が混ざり合って一体化してしまったのか?

 はたまたクイーンがカコの人格をコピーして彼女に成り代わっているのか?

 すべてのパターンが成立すると思います。

 

 外見は原作と変わりない(つもり)ですが、キャラクターのイメージとしてはエイリアンシリーズの主人公「エレン・リプリー」を意識しています。後にエイリアン・クイーンを身ごもる所なんかはかなり近いところがありますね。

 また、飛行機操縦の天才という要素は、フレンズのように戦えない彼女をアクションシーンで活躍させるために思いついたものです。

 

クズリ

 最初期に考えたキャラです。アムールトラのライバルを作りたい、と考えたら後は簡単にイメージが固まりました。

 狂暴、好戦的、あれこれ悩まない・・・・・・と、アムールトラと何もかも真逆な要素を選択すればいいだけなので、基本的にキャラ描写で悩むことはなかったです。

 作中ではクズリとアムールトラはそれぞれ「無敵の野生」「最強の養殖」と並び称されていますが、元ネタは「仮面ライダーアマゾンズ」です。

 野性的なライバルと大人しい主人公の対立っていう点も含めて真似てます。

 

 クズリというのは元ネタの動物が「森の悪魔」とか言われててキャラが立ってます。

 英名の「ウルヴァリン」も字面が超カッコいい。

 フレンズのデザインも元ネタのカッコよさを上手く表現できてると思います。僕は一番好きです。3にちょっと出ているぐらいで影は薄めですが。

 

 戦闘シーンでは組技(投げ、固め、絞め)を中心に戦うという設定ですが、これはアムールトラが空手家なので、例によって対照性を持たせたかったからです。

 またそれだけでなく、動画で見た動物のクズリの戦い方にインスピレーションを受けました。

 小柄な体格を利用して相手の懐に潜り込み、しつこく纏わりつくようなその戦い方は、まるで柔術家のようだと感じたからです。

 

 火山でのアムールトラとの決闘シーンは一番書きたかったシーンのひとつです。

 決闘を経て最後には共闘する、ありきたりながらも王道的で熱い話が書きたかったんです。

 が、それ以外では展開上アムールトラと離別している期間が長かったので、メリノヒツジとの関わりやスパイダーとの友情を掘り下げて間を持たせることにしました。

 ・・・・・・余談ですが、アムールトラもクズリも寒冷地の生き物なのに、作中ではブラジルとかアフリカとか暑い場所にばかり居させられ、挙句の果てに火山などという場所で戦うことになるのが可哀そうでした。

 

 彼女の強さに惚れたメリノヒツジから崇拝されるようになり、やがて2人はヤクザの兄弟分的なノリのコンビになります。

 メリノヒツジが「クズリさん」と名を読んだセリフは全て「兄貴」に言い換えても成立します。

 また「チリンの鈴」に出てくる、チリンの親の仇にして師匠的な存在であるオオカミ「ウォー」も意識しています。

 基本的にメリノヒツジからの矢印が大きく、クズリはアムールトラにばかりご執心でしたが、終盤においてはメリノヒツジの成長ぶりを認めるような発言も多いです。

 

 現代編まで生き残らせて、アムールトラとまた対峙させようか、なんて考えたりもしましたが、こういうキャラは太く短く生きてこそカッコいいんだと思い、過去編で死んでもらいました。

 

メガバット(オオコウモリ)

 クズリがアムールトラにとってのライバルならば、彼女はヒロイン的な存在として書きました。

 この作品は百合要素とかは一切ないんですが、アムールトラにほのぼのとした空気を味わわせてあげたかったからです。

 景色を2人で眺めながら「月がきれいですね」的な会話をよくやっていました。

 アムールトラが過去編においては初々しい後輩系のキャラだったので、優しくて頼れる憧れの先輩みたいな位置づけでした。

 親密になっておいて後で敵対してしまうというのも規定路線でした。

 

 コウモリらしく盲目&聴覚が鋭いという特徴がありますが、生物的にはオオコウモリなので普通に目が見えるはずが、グレン・ヴェスパーから非人道的な肉体改造を受けて特異体質になったという設定です。

 イラスト化するならミステリアスな糸目系のキャラになるんでしょうね。

 

 ・・・・・・正直、この話に出てくるキャラの中で、肉体的にも精神的にも一番つらい目に遭っているキャラだと思います。(彼女の過去とか書いてて精神的にきつかったです)

 最後の最後でようやく少し報われた感じになりましたが、それでもアムールトラとは別の道を行くことになり一緒にはなれません。これもヒロイン属性の以下略。

 

スパイダー(ジェフロイクモザル)

 クズリ、メガバット、スパイダーについての元ネタは、アメコミの著名なヒーロー達です(安直極まりない)。

 しかしスパイダーについては、名前こそスパイダーマンですが、存在の元ネタは「ケストレル」という、ウルヴァリンの相棒でテレポーテーションが使えるアメコミヒーローです。

 

 アムールトラと最初に出会った頃は、ロードランナーを彷彿とさせるお調子者キャラでしたが、再登場する頃にはキャラが急変して、異様な賢さとリーダーシップを持つようになっています。

 クズリとは「五分の兄弟分」であり、メリノヒツジにとっては「叔父貴」にあたる存在です。また戦闘力だけが強さではないとメリノヒツジに教えるキャラにもなります。

 メリノヒツジからはクズリと同様に尊敬されており「フレンズの王様にふさわしい」と言わしめています・・・・・・それにしてもこの作品は、フレンズが女の子の姿であることをたいがい無視していますね。

 

 悲惨な最期を迎えるキャラですが、アムールトラがビースト化する展開に重みを持たせるために「犠牲者」が必要だったので、〇すしかなかったんです。

 またクズリに対して「アムールトラを恨むな」と遺言を残したことで、2人が共闘する切っ掛けを作ることが出来ました。

 

パンサー(ヒョウ)、スプリングボック

 この2人については、物語の舞台を南アフリカにしようと思った時点で選出しました。

 ヒョウの見た目についてはアニメ版ではなく旧アプリ版をイメージしています。

 

 パンサーがカポエラ使いであるというアイデアについては、ナショナルジオグラフィックでとある動画を見たのがきっかけです。

 一匹のヒョウが仰向けに寝そべった状態で、後ろ足の蹴りだけで数匹のライオンを撃退するというものでした(背を向けて首を噛まれたら終わるので、相手に背中を晒さないための戦い方です)。これカポエラじゃん! って膝を打ちましたね。

 

 パンサーはメガバットに次ぐヒロインポジのつもりでしたが、彼女に比べるとあんまり良い出番を与えてあげられなかったと思います。

 ラスト2話においては、どのように扱おうか最後まで悩みました。

 メガバットが生存しているのは確定として、パンサーも一緒に健在な状態で出てきたら、ちょっと話が明るくなりすぎる。しかし死んでしまっていては救いがなさすぎる。

 ・・・・・・というわけで、折衷案的に寝たきり状態になってもらいました。

 

 スプリングボックについては、出番は短いながらもけっこう満足しています。

 パークとCフォースの戦争において、パークの正義を狂信しており、正義のために敵を徹底的に滅ぼすという、戦争ものに良く出てくるタカ派なキャラクターです。

 アムールトラには辛く当たりがちでしたが、アムールトラが本格的にCフォースを憎みだしてからは信頼しあうようになります。

 

 戦闘においては、ジャンプしてからの槍攻撃を繰り出すFFの竜騎士みたいなキャラにしました。

 元ネタの動物からして滅茶苦茶ジャンプしまくる特徴的な生態をしているので、すぐにイメージが固まりました。

 

 彼女とメリノヒツジのバトル(過去編終章25 「ツノにすべてをかけて」)は、自分的にはこの作品のバトルの中で一番よく書けたと思っています。

 駆け引きがあって、横やりが入ることなく決着もしっかりと付けられたつもりです。

 アムールトラは展開上こういう戦いが出来ませんでした。

 

ハツカネズミ

 オリキャラとしては第一話から登場し、ラストまで出番があるので、何気に重要なキャラになります。過去を失ったけれども仲間の助けを得て立ち直る、というアムールトラとほぼ同じムーブを決めています。

 

 彼女がメリノヒツジの元部下であるという設定は、最初の時点では考えていませんでした。過去編が終わって現代編を再開するあたりになってから、ふと、そういうことにすれば辻褄が合うんじゃないかと思ってそうしました。

 もし本編の続きを書くとしたら、この子は物知りすぎて何でも解説できてしまうので扱いに苦慮しそうですね。

 

 アーサー(ウィザード)に育てられたという設定ですが、2人が出会った頃はすでに過去編の締めに入っていたために、そのシーンを書く余裕はありませんでした。

 

オオコノハズク、ワシミミズク

 としょかんコンビの2人は、Rに限らずけもフレ二次創作において最頻度で登場しているキャラかと思います。

 空を飛べる、頭がよくて事情通、戦っても強い・・・・・・と、ここまで動かしやすい条件が揃っているキャラは他にいないんじゃないかと思います。

 

 最終的にワシミミズクはオオコノハズクと袂を分かつことになりましたが、これは仲のいいコンビと言えど、物事の受け止め方が同じわけではないということを書きたかったからです。

 ワシミミズクはオオコノハズクよりも年長者っぽく理性的なイメージがあるので、メリノヒツジの言葉にも影響を受けやすかったんだと思います。

 

ヒグラシ博士

 過去編においてはアムールトラと疑似的な父子関係を持っているキャラです。

 カコに次ぐ人間サイドの主要キャラですが、カコが超人的な存在であるのに比べると、彼はもっぱら人間らしい弱さと苦悩を背負っているキャラでした。

 

 アムールトラ、クズリ、メリノヒツジの3人の生みの親であり、意図はしていないものの強いフレンズを生み育てる天才のようになってしまっています。

 アムールトラとメリノヒツジはかなり彼のことを想っていました・・・・・・が、クズリは割かし関心が薄かったですね。

 

 フレンズに対して人間が行ってきたことの罪の意識にさいなまれ、一生を贖罪にささげました。

 とは言ってもカコのように「フレンズのために人類は滅ぶべき」という極端な結論にはならず、フレンズと人類の共存を最後まで考えていました。

 果たして彼の想いはいかにして受け継がれたのか。人間とフレンズはもう一度やり直せるのか。

 それは今後ともえ達が背負っていく命題となるでしょう。

 

ゲンシ師匠

 バトルものにおいて、ライバルと同じぐらい必須なのが師匠という存在でしょう。

 登場期間はかなり短いですが、アムールトラの技や思想はすべて彼から引き継いだものなので非常に重要なキャラです。

 漢字でフルネームを書くと「朔 原始」となり「朔」というのは一カ月の最初の一日目を意味する漢字です。もうともかく「始まり」を強調した名前です。

 

 モデルは達磨大使です。禅宗の開祖にして少林拳の創始者であるとされ、空手においてもルーツ的な存在として崇拝されています。

 ・・・・・・あと、例によってジェダイが入っていると思います。終盤に霊体となってアムールトラに語り掛けて来るシーンとかはそのまんまです。

 

 過去に大きな過ちを犯してしまい、それを償うために余生を使った人物ですが、ビーストになりスパイダーを〇めてしまったアムールトラは「師匠と同じように罪と向き合う」という目的を得ることで絶望から立ち直ることが出来ました。

 ぶっちゃけ、そういう展開が書きたかったので逆算して作ったキャラです。

 

アーサー(ウィザード)、ヒルズ将軍

 パーク陣営のおもだった仲間キャラです。

 名前に関しては「朝」「昼」というアホかと言いたくなるような単純さです。ヒグラシ博士も「夕」なので全ての時間帯が揃います。

 

 アーサーはハッカーでありアニメ漫画オタクでもあるという、典型的な「ギーク」です。

 その分かりやすさから、想定した以上でも以下でもない安定した使いやすさがありました。

 彼が登場したのは物語が一番血なまぐさくダークになっていた時期です。

 コメディリリーフ的な役回りが非常に強く、鬱展開の中でも一人でおちゃらけていたので、僕のメンタルの大きな支えになってくれました。

 

 ・・・・・・が、のちのちには人類を滅ぼすカコの腹心として働きます。

 なにげにラッキービーストや、それを統括する「マザー」の製作者という設定なので、ともえ達が生きる現代のジャパリパークに対して甚大な影響を残しています。

 

 ヒルズ将軍については、カコが最終決戦前にヴェスパーの手に落ちてしまうことが確定していたため、代わりの指導者が必要と思って登場させたキャラです。

 理想主義者のカコに対して彼は現実主義者であり、パークの戦略・政治・組織論をめぐって意見が対立する間柄でしたが、後々になってカコの人柄を認め「お前がナンバーワンだ」と全面的に従うようになりました。

 

 メインの役回りとしては「カコのレスバ相手」です。ドライで辛辣なことを言う偽悪的な性格も含めて、シリアスな戦記物っぽい空気を出すのに一役買っていました。

 カコに従うことを決めた後は普通に良い人になっていたと思います。

 また「このままでは人類が滅び、フレンズとセルリアンの時代がやってくる」と未来を予言していた人物でもあります。

 

 アーサーとヒルズはもっとコンビ的な感じで絡ませたかったんですが、想定通りにはいかず、最後までそれぞれ個別に活躍していました。

 

シガニー、アマーラ

 後々にヒグラシ博士の妻と娘になる2人です。

 誰が誰とも血縁がない疑似家族ですが「血がつながってなくても家族になれる」と、フレンズと人間が仲良く暮らせる可能性について暗に示しています。

 

 シガニーについてはカコの側近として活躍しており、古くから家族同然に信頼しあっていた間柄ですが、のちにケンカ別れになるという展開となりました。カコがクイーンへと変わっていく様子を第三者視点で描いた感じです。

 良くも悪くも良識と正義感が行動原理の人であったために、カコに付いていけなかったんだと思います。

 

 アマーラについては、当初の予定では重要ポジションでした。

 アムールトラと心を通わせるものの、ビースト化したアムールトラによって〇されてしまい、アムールトラは心に取り返しのつかないトラウマを負う・・・・・・という展開を考えていたものの、そもそもただの一般人女児でしかない彼女を戦場に連れまわすのは無理となり、敢え無く過去編の終盤でちょっと登場するだけになってしまいました。

 

グレン・ヴェスパー、イヴ・ヴェスパー

 過去編における黒幕の親娘です。ヴェスパー(Vesper)は英語で日没を意味します。

 グレン(Glenn Storm)の名前の元ネタはSF小説「幼年期の終わり」に出てくる「ストルムグレン」という人物が元ネタです。その人は悪人じゃないです。

 イヴ(Eve Brea)はプレステのゲームの「パラサイト・イヴ2」に出てくるキャラが由来です。彼女もまったく悪人ではなく、続編の主役になるようなキャラです。

 

 この2人には、おおよそ人間としてやってはいけないことを全てやらせた気がしますが、ここまで悪辣に書いた理由は、後にカコが人類を滅ぼすという結末が待っているからです。

 彼らには、カコが人類を見限る動機付けをやってもらわなければなりませんでした。「こんな奴らだったら滅びても同情の余地はないかも」とヘイトを稼ぐ役目です。

 

 とはいえ、書いていてストレスが溜まるキャラでした。

 コイツら早くブチ〇してーな・・・・・・と思いながら、その瞬間が来るのを待ちわびて書き進めていました。

 メリノヒツジのように己の信念を持った悪とは違って、辻褄合わせのために記号的に外道行為を繰り返していたからです。

 哲学を持たせられなかったのは僕の実力不足でしかないんですけれども。

 

 ただこの2人、研究者としては相当に優秀ですよね。

 もしコイツらが勝利した世界線があったなら、フレンズとセルリアンを使って地球を支配し、さらに外宇宙に戦争を仕掛けに行く・・・・・・なんて展開があり得たかもしれません。

 とにもかくにも、カコが勝利したことでフレンズの時代が訪れましたが、もしコイツらが勝利していたら、支配こそされど人類は健在だったでしょう。

 果たしてどちらが悪なんだろうか、と思ったりします。

 

ディンゴ

 メリノヒツジと関わりのあるフレンズです。

 典型的な「海外映画に出てきそうないじめっ子」をイメージしています。

 が、後にメリノヒツジのことを認め、いじめたことを後悔して「友達としてやり直したい」と奮起した結果、無茶をしてスプリングボックに〇されてしまいました。

 メリノヒツジは作中、自分よりも目上のキャラとの絡みがほぼすべてを占めるので、同年代? としては彼女は唯一無二の存在でした。

 

ハルカ・クリュウ(久留生 悠)

 カコの息子。漢字表記を見れば元ネタが分かるような人物です。

 悠と書いてハルカと読むのは仮面ライダーアマゾンズの主人公から取っています。良い感じに時間関係の名前ですね。

 

 イエイヌの最初の飼い主というか家族であり、明言はしていませんが後にともえの「お父さん」となる人物です。 

 ヒグラシ博士から「フレンズと人類の共存」の意志を受け継ぎ、人類を滅ぼそうとする母親に抗い、人類の生き残りを宇宙に逃がしました。

 彼の仲間にはミライさんやカレンダなど歴代シリーズのキャラがいます。

 

 過去編は彼が母親との戦いを決意する場面で終わり、その後の顛末はメリノヒツジの口から語られるのみでした。

 彼を主人公にして過去編の続きを書くことも可能でしたが、さすがにそれはアムールトラ主人公の話から軸がずれてしまうので止めました。

 イエイヌの出番はたっぷりと増やせますが。

 

四神

 作中においてはオーブという物体(本体ではなく、力の一部が具現化した存在)になってしまっており、ビャッコとセイリュウのみ登場。まともに出番があるのはビャッコのみでした。

 ビャッコは序盤におけるアムールトラのカウンセラーであり、彼女を目覚めさせるきっかけを作った重要キャラですね。

 

 原作においては石板となってサンドスター・ロウの噴出を防ぐための結界を火山に張っていたという設定ですが、本作ではセントラルエリアからセルリアンが溢れだすのを防ぐための結界を張っているというアレンジをしました。(なお、結界はメリノヒツジの手で破壊済み)

 なんでオーブという設定を作ったのかと言うと、ド〇クエみたいに旅の目的となるアイテムが欲しかったからです。

 

 原作と変わらず伝説の存在ではありますが、本作の設定的にはアムールトラやメリノヒツジよりも後に生まれているため、キャラクター性に反して若年世代になってしまっており、なんだかなぁと思います。

 

カモメ

 海に関係のある鳥類ということで、まあカモメだろうと安直にチョイスしました。

 元ネタは「カモメのジョナサン」という小説です。

 メリノヒツジもそうなんですが、元ネタがしっかりしているキャラは動かしやすいですね。

 ラスト2話で登場した彼女ですが、ともえ達に移動手段を提供してくれるキャラなので、話が続くんだったら準レギュラー的にいろいろ活躍してくれそうですね。

 

サーバル、かばん

 けものフレンズの顔となる2人ですが、サーバルについては非常に申し訳ない扱いになってしまいました。

 本作の設定では、歴史上はじめて発見されたフレンズであり、幼少期のカコと仲良くなるが、彼女をセルリアンから庇って命を落とす。その過程でビースト化を果たし、後世に記録が残る・・・・・・という役回りです。

 カコがフレンズ原理主義に傾倒していく切っ掛けのひとつです。

 

 サーバルは明るく楽しいけものフレンズの象徴みたいなキャラなので、本作ではどうしたってミスマッチになります。

 なので出番のあるキャラとして活躍させることは最初から考えていませんでした。しかしそれでも敬意は払いたかったので「フレンズの元祖」的な扱いとして登場させることにしました。

 

 かばんちゃんについては本作未登場で終わらせました。

 ともえ達の次なる旅の目的として言及されており、話を続けるなら確実に登場することになりますが、アムールトラの話には登場させる必要がなかったというのと、かばんちゃんのその後を書きたくなかったのが理由です。

 

 原作1期ラストで、ボート(ジャパリバス)を動かして海を渡っているあの後ろ姿が忘れられません。あの場面で終わっているからこそ感動的なんだと思います。

 本作のラストも船に乗って海を渡るシーンで終わっていますが、あのラストシーンをちょっと意識しています。

 ともえ達がかばんちゃんの後を追いかけているようなイメージです。




 ・・・・・・と、いうわけで長々と語らせていただきましたが、これで最後の投稿となります。
 初挑戦の小説になりましたが、次作は多分書かないですね(汗)。
 けものフレンズRという素晴らしい設定群に出会えたからこそ思い立ったことです。
 
 長いあいだ、お付き合いいただきありがとうございました。
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