もし主人公が普通だったら。 作:駄目ですよ氷川さん無駄に力入れちゃ
人理継続保障機関フィニス・カルデアーーーーーー
ここは国連の承認機関であり人類の存続を保障する場所である。
・・・・・・・とかなんか言われたんだけどどうすれば良いの?
おっと自己紹介を忘れていた。俺の名前は藤丸立花。しがない大学生だ。そこそこ有名な私立大学で毎日悪友と遊んだりレポートに四苦八苦する。
そんなどこにでもいる大学生。
ところがひょんな事でこんな場違いなところに来てしまった。街中で献血を募集していたから興味本位で行ったらこのザマだよ・・・
話によると君はレイシフト能力が100%だとかなんとか。テキトーに頷いてたら眠らされて気がついたらここに。
まあ大学には話をしてくれておいたらしいのでいいとしよう。
単位も貰えるみたいだし。ちょっとした旅行だと思えばいい。
話は戻る。
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さて、とりあえずここはどこだ?なんか眠っていたみたいで頭が回らない・・・
しかも床の上で寝てるみたいだし・・・
ーーーーォウ!フォーウ!
・・・・なんか鳴き声が聞こえてるんだけど。
「あの・・・起きてください先輩。」
よくわからな犬?みたいなのに顔を舐められていると頭上から声がした。いや君は誰だ?
「ええっと、難しい質問ですね。名乗る者でもないーーーーとか?」
・・・ふざけた返しだな。どんな教育してるんだ?
「いえ名乗る名前はありますよ。でも、あまりする機会がなかったもので・・・。」
「印象的な自己紹介が出来ないというか・・・。」
なるほどそういった理由ならしょうがないか。悪気がないわけだし。
と思って寝ぼけた目を開けると。
ーーーーー世界が変わった。
目の前にいた少女は年下だろうか。髪は肩で切り揃えており、艶やかでとても綺麗だった。
それに知的な印象を与える眼鏡も似合っていて、簡単に言えば凄い美人だ。
所謂”一目惚れ”と言う奴だろう。
「・・・あの、先輩?どうかされましたか?」
・・・おっとトリップしていた。
”なんでもない”と少女に言う。
「そうでしたか。お休みのようでしたが、なぜ道路で寝ていたのでしょうか?
もしかして硬い床でないと寝れないのですか?」
それは一理ある。自分が下宿している寮は築何十年でボロボロの部屋だし、布団も安く買った奴だからペラッペラだ。
と言うかこんなとこで寝てたのか。
「はい。それはもうぐっすりと。」
「フォウ!フォキャーウ!」
「すみません。あなたの紹介を忘れていましたね。こちらのリスっぽい方はフォウさんといいます。私はフォウさんに導かれ先輩を発見しました。」
なるほど。ということは自分はこのフォウさんが見つけるまでずっとこのままだったのか。
お礼のかわりに撫でようとしたらどっか行ってしまった。
「どっか行ってしまいましたね。あのようにいつも散歩しているんですよ。」
そうかそれは残念だったな。獣好きとしてはいささか不満だ。
「ですが私以外には近づかないので先輩は気に入られたようです。これで二人目のお世話係の誕生ですね。」
そう談笑?をしてると後ろから声が聞こえた。誰だよいい雰囲気の時に・・・
「ああ、そこにいたのかマシュ。駄目だぞ断りもいれずにどこか行っては。おっと、先客がいたのか。これはすまない。君は・・・今日から専属された新人かな?」
そういってもじゃハットは俺を見た。いや誰だよこいつ。
「自己紹介がまだだったね。私は、レフ・ライノール。ここで働いている技師だ。君の名前は?」
握手をしてきたので返す。”初めまして、藤丸立花といいます。”
「ふむ、立花君か。48人の適正者、その最後の一人と言う訳か。ようこそカルデアへ。君を歓迎するよ。一般応募らしいが訓練期間はどのくらいかな?最後だからよっぽど凄い腕前なのだろうね。」
はい?訓練なんて一回もしてないが?研修期間なんてあるのここ?
「・・・と言うことは素人か。そう言えば数合わせに採用された一般人と言うことかな。すまない。配慮に欠けた質問だったね。」
なんか勝手に拉致された挙句一般人呼ばわりされたんだけど。ということは後の47人が頑張ってくれるだろう。
これでのんびりできるかな。
「そう悲観することはない。君は一般人の中でも才能がある方なのだから。すごいことだよ。ところで彼とは何を話していたんだマシュ?彼とは面識が?」
「いえ、先輩とは初対面です。道路でお休みになられていたのでお声をかけました。」
「なに?・・・ああ、入館時の霊子シュミレーションが原因か。あれは慣れていないと負担がかかるからね。万が一がある。医務室まで送っていきたいところだがもうそろそろ所長の説明会が行われる。君も急がなくては。」
説明会か、それは急がなくては。重要なことはちゃんと聞かないとね。
「それでは私が案内します。また寝られると心配なので・・・」
それはありがたい。この子について行くとしよう。・・・ところで、なんで先輩と呼ぶんだ君は?
「それは私も不思議になっていた。どうして彼が先輩なんだい?」
「ええっとですね。立花さんは今まで会ってきた人の中で一番人間らしいんです。ですので全く脅威を感じられず敵対する理由がないからです。」
・・・それって褒められてるのかけなされているのかどっちなんだ?まあそれでもいっか。後輩とは仲良く出来そうだし優しい上司もいる、なかなか悪くない仕事だな。これからが楽しみだ。
ーーーーーーーー最初はそう思っていた。
だが神様は残酷でいつだって思い通りには行かない。
これは信念とか正義とか大層な理由の物語ではない。
どこにでもいる凡人が生き抜く物語である。