この街が東京都渋谷区として存在していたのは100年ほど前、日本は第三次世界大戦で中国率いる連合軍に敗れ、荒廃していた。
活気のあった人々は中東から輸入された大量の大麻によってニートと化していた。
この街に住んでいる小平誠は今年に23歳になり、来週からとある薬品会社に就職することが決まっていた。その薬品会社は政府直属の会社であり、何を製造しているか不明だが安定して給料が貰えるというなんとも不思議な会社だった。誠はこの時代にしては仕事に対してやる気がある正義感の強い人間だった。
「よしっ、これで来週からの会社の準備は万端だな!どんな仕事なのか…まぁ月に40万も稼げるなんて最高だもんな。」
「誠〜、お前もこれ吸えよ〜、ウメエぞ?」
「翔、そんなに大麻ばっかり…1日5gって法令で決められてるだろ?」
山中翔は誠と小学生時代の同級生で、翔は中学時代の先輩の影響で大麻に溺れ、それ以来誠と距離を取っていたのだが昨年突然誠の家に居候を始めたのであった。
ー1週間後ー
「今日からここで働く小平君だ。」
係長である田中浩二はテカテカと光るその頭皮をハンカチで拭きながら言った。
「小平君に仕事を教えるのは…石原君にお願いしようかな。1番年齢も近いしね。」
「分かりました!さ、行きましょ?」
石原は身長がビックリするほど高かった。自分が165cmなので190あるのではないか。
「俺はな、今年で25になる。住んでる場所は元々目黒だったところって言った方がわかりやすいよね?まぁ、今の地名なんて結局第1区とか第2区とかだから使わないしね。確かさっき係長が小平って言ってたよね?」
「はい。小平誠です。」
「じゃあまこっちゃんって呼ばせてもらうわ。ところでまこっちゃんはどこに住んでんの?」
「僕は、元々渋谷だった場所に住んでます。」
「おお!今度遊びに行かせてよ!」
馴れ馴れしいが悪い人ではないなと誠は思った。
「あの、一つ気になってた事があるんですけど」
「どうした?」
「この会社はなんの薬を作っているのでしょうか。」
「うぅん、素面では言う気になれないな、よしっ、今夜2人で歓迎会をしようか。」
「分かりました…」
素面で言う気になれないという言葉が誠は引っかかっていた。あれほど大麻や覚醒剤を輸入した政府直属の会社である。誠は不安の闇に飲まれそうだった。
その後石原に連れていかれたのは壁は全て白く、学校の体育館位の大きさの部屋だった。しかし中心には謎のガラス製のキューブのようなものがある。
「じゃあ、仕事を説明するからしっかりと聞いといて」
「分かりました。」
「目に入ったと思うけどこのガラスのやつはね、薬を作る上で必要なものを作ってるんだ、だからこの中に入る時はちゃんと消毒してあそこのテーブルに置いてある白衣とマスクを付けてね」
「薬に使うものって…」
「まぁ、まこっちゃんは毎日2回、ガラスのキューブの中に入って下の土全体に水をかければいいから、この部屋の鍵だけ渡しとくね、はい。」
石原は誠の話を遮り、そのまま終わらせてしまった。
(1日2回水をあげるだけ…。一体なんの薬の原材料なんだろう)
誠は不安になりながらもその日の1回目の水をあげた。
その日は仕事が終わり、誠は石原と夜の街に入っていった
ーBe Continueー