私はあの日、人であることを捨てた。   作:水戸 遥

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百夜茜と……

私は、サングィネムの地形を把握する為に、いろんなとこを歩いていた。

今歩いてるとこは最下層の家畜共がいる所だ。

「あの……私の血を吸って貰えませんか?」

ふと、後ろから声をかけられる。

「どちら様かな?」

「あ、私百夜茜って言います……あの、ダメでしょうか?」

「なんでそんな事を聞くのかな?多分薄々気づいてるだろうけど、この中だと、直接血を吸うのは禁止なんだよ?」

「実は……」

その言葉のあとはまさかの物だった。

フェリド・バートリーが百夜ミカエラという子供の血を飲んでいること。

それのお返しとして、食べ物などを貰っていたりすること。

そして、それを偶然この目の前の少女『茜』が知ったこと。

そして、見かけない私にだからこそそれを話、同じことを望んでいること。

「ん〜……。別に私としてはしてもいいんだけどさ、なんでそこまでするの?」

「家族…だからです」

最初は自信なさげに出たが、その後の言葉は、ハッキリと強い意志のある言葉だった。

「いいよ。けど私は見返りに出すものは()()かもね」

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#

 

 

「ふっ…あ……」

茜は苦痛からか、快楽からかは分からないが、喘ぎを漏らしている。

私が首筋から口を離すと

「あっ……」と、

少し名残惜しそうな声を零した。

「さて、見返りとして情報を渡そうかしら」

「情報…ですか?」

「えぇ、今日ミカエラはここから逃げ出そうって言うはずよ。けど、それはフェリドの策略と言うか遊び?で失敗するわ。そしてあなたはそこで死ぬ」

「えっ……」

「一つだけ提案があるわ。あなた、私の部下にならない?」

「部下に、ですか?」

「そうよ。だけど、それにはやってもらう事がある。それは、私の血を飲むことよ」

「……」

「もちろん、あなたは拒んで死ぬことも出来る。どうする?」

「わ、私は…。死ぬのは嫌です。だから、私にあなたの血を、飲ませてください」

「分かったわ」

私は横に置いていた空のグラスに牙で自らの腕に穴を穿ち、そこから溢れ出た血をそのグラスに注ぐ。ある程度注ぎ終わると、血は自然と止まり、穴も塞がれる。

「はい。これを飲むことであなたは今日死ぬということは無くなるわ」

茜はおずおずとそれを手に取り

「いただきます」と、それを一気に飲み干した。

「あ、あ、アアァァァァア!」

その絶叫を口から吐き出すと、糸が切れたかの様に茜は倒れる。

「この様子だと、すぐに目を覚ますわね」

私は茜を抱き、自分の家へと帰って行った。

 

───

 

「あれ、ここは……?」

「あら、起きたみたいね。気分はどうかしら?」

「あ、ルミア様。私は…」

「気づいたみたいね。あなたは吸血鬼となったの。けど、不完全な状態よ。そのままで居ると肉体の成長はあるけど、ある程度の苦痛は味わう。けれど…」

そこで私はとあるものを差し出す。

「これを飲めば、苦痛は無くなるわ。まぁ、成長も止まるけどね」

「……」

茜は軽く俯く

「ちなみにこれはあなたが人間だった時に採取された血よ。しかも今朝取った分だから新鮮だわ」

「……それ、ください。」

「なら、私に服従するわね?」

「はい、私、百夜茜はルミア・ツェペシ様に絶対服従を隷属することを誓います」

「あら、自然に零れたのかしら。まぁいいわ。はい」

私が差し出したそれを手に取ると茜はゆっくりと、味わうようにそれを飲む。

(これ)って、こんなに美味しかったんですね」

「そうねぇ……あ、そろそろ帰った方がいいんじゃないかしら?」

私は時計を見てそう茜に問う。

「そうですね。それではルミア様一度、失礼致します」

「うん。あ、これ今日しか使わないでしょうけどあなたの瞳に合わせたカラーコンタクトよ」

「ありがとうございます。それでは」

「えぇ、またね」

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