がちゃがちゃとした電子音があちこちから響き合うゲームセンター。初日に沙希といった場所だ。沙希は興奮した面持ちでずんずんと前に進んでいく。それを追いかける形で俺と戸塚、小町に由比ヶ浜、最後尾に場慣れしていない雪ノ下が付いて行く。
やはりというか、ダンレボの区画には人はひとりもおらず、今回も確実に独占できる状態になっている。ちなみに、ダンレボとはDance Dance Revolutionの略だ。知らない人はググってね?
いつの間にやらちゃっかり硬貨を投入していた沙希が、パネルの上に立って俺を催促してくる。
「ほら八幡!」
「すげえノリノリだな……俺これ下手なんだけど」
ぶつくさ言いながらも沙希の隣に立つ。ちらりと後ろに目をやると、小町と由比ヶ浜がぽかんとした様子で沙希を眺めていた。
まあ、そうなるよね普通。
他の面子に視線を移せば、戸塚は目をキラキラさせて俺を見ているし、雪ノ下は既に環境にやられたのか頭を押さえて眉間に皺を寄せている。誰もこちら側に上がってきそうにはない。
「じゃあ行くよ八幡」
沙希の声は弾んでいる。
「頼むからなにも殴るなよ……せめてステップ踏んで踊るだけにしてくれ」
「あんたはあたしをなんだと思ってるのさ……」
沙希にジト目で見られるも、ゲームが始まると途端に視線をディスプレイに戻す。
「一緒に踊るよ」
「そういうゲームじゃないんだよなあこれ……」
「いいから行くよ!」
二の足を踏んでいる内にゲームが始まる。矢印の数が初級レベルより遥かに多い。こいつ、中級レベルっぽいの選びやがったな……!
矢印に合わせてパネルを踏むも、数が多すぎて足がもつれる。隣では沙希が悠々と鼻歌を歌いながらステップを刻む。思わずムキになるも半分程度しか成功しない。
「ほら、手ぇ出して」
見かねた沙希が手を差し出してくる。仕方ねえなあとその手を取ると、自然と沙希と息が合ってリズムが合ってくる。なにやら背後でわちゃわちゃと会話している声が聞こえた気がするが、意識から勝手に排除排除される。
瞬間の間。互いの呼吸で手を離し、沙希がその場で一回転。ふわりとスカートがなびく。再び繋いで次の矢印へステップを踏む。
途中からはパーフェクトで一曲目が終わる。二曲目へ続くその間に、ようやく雑踏が聴覚に入ってくる。
「見ましたか由比ヶ浜さんや。あのお二人、仲良さそうに手を繋いで息もぴったりです。これはもう、あれですねえ、あれ! 愛いですねえ……!」
相変わらず小町の科白はおばさん臭い。将来井戸端会議するようなおばちゃんになっちゃうのかしら……。お兄ちゃん心配だなあ。
「むむむ……あ、あたしだってできるもん!」
子犬のような唸り声をあげた由比ヶ浜が、パネルに侵入してくる。
「沙希! 交代!」
「ん? いいよ」
一曲踊って満足したのか、沙希が由比ヶ浜に場所を譲る。ならば俺も逃げる。これ以上は無理だ。
「八幡!」と丁度よく戸塚も乱入。
「よし任せるわ」
「うん、任された!」
天使の頷きをした戸塚とバトンタッチ。ついでとばかりにすれ違いざまに手を叩き合う。これ戸塚とやってみたかったんだよなあ。夢かなったよ……。
「あ! ヒッキー逃げた! 彩ちゃん、みんなに目にもの見せてやるよ!」
「うん、がんばろー!」
二曲目が始まり、ふたりがゲームに興じる。その様を眺めていると、隣に雪ノ下が立っていた。
「相変わらず騒がしい場所ね」
「やっぱり慣れないか?」
「いいえ、そろそろ慣れてきたわ。それにしても、なかなか面白そうなゲームね。川崎さん、とても上手だったわ」
雪ノ下の視線の先には、上気した表情で沙希が小町と楽しそうに話していた。満足そうで何よりだ。
「次は私もやってみようかしら」
「いいんじゃねえの? 小町とやってみろよ」
「あら、一緒に遊んではくれないの?」
「苦手なんだよ俺は……」
「さっきは川崎さんと手まで繋いでやっていたのに?」
「ぐっ……あれは、なんだ……不可抗力だ」
答えに窮する俺に生暖かい視線を注ぎながら、雪ノ下がくすくすと笑う。
「そういうことにしておきましょう。では他のゲームを一緒にやってもらいましょうか」
「ゲームに興味あるのか?」
「いままでやってこなかったから、たまには興じるのも良いと思ったのよ。折角みんなで来たのだから楽しまないと損でしょう?」
「雪ノ下の科白とは思えんな」
「私も変わったのよ。あなたがそうであるようにね」
二曲目が終わる。振り返った戸塚が俺に手を振ってきたから、片手を上げて応える。
「見た見た? あたしたち完璧だったよ!」
興奮気味に由比ヶ浜が身を乗り出してくる。
「おーう、すごかったな」
「ええ、さすがね由比ヶ浜さん」
一歩雪ノ下が踏み出し戸塚へ声を掛ける。
「戸塚くん、交代よ」
「うん!」
そのまま自分が行くのかと思いきや、雪ノ下は俺の腕を掴んでパネル上まで引っ張り上げる。
「ちょ、雪ノ下おま、なに?」
パネルに俺を乗せた雪ノ下は、そのままの動きでパネルから離れて俺の隣に陣取る。
「言ったでしょう? 一緒に遊ぶと。でも由比ヶ浜さんはまだやり足りなそうだから、私は傍で見ていてあげるわ」
「ゆきのんナイス! 奉仕部パワーを見せるよー!」
うえ、三曲目が始まった。しかもさっきより矢印多いんだけど⁉ ふぇぇぇ、足が追い付かないよぉぉぉぉ……!
初っ端からテンパっていると、落ち着きなさい、と雪ノ下が囁く。
「由比ヶ浜さんと呼吸を合わせて。ほら、足元が留守になっているわよ。なにをやっているの。画面をよく見て。曲に乗って。右、左、上、下、右、左、上、下、ほら簡単でしょう?」
「お前は専門家か何かか……?」
思わず突っ込むも、「よそ見しない」と怒られる。うわあ、この人本気だ……!
雪ノ下のお陰かは分からないが、徐々に成功率が上がっていく。うん、怒られるのが怖くて必死こいてるだけなんだけどね!
「上、上、上、上、上、右、左右、左、右、左、右、上、下、上下」
リズムを取り指示を出しながら雪ノ下がぐるりと俺の後ろに回り、俺と由比ヶ浜の間に立つ。
「はい、ふたりとも手を出して」
怒られるのが怖くて右手を差し出す。ふと、温かい感触と触れ合う。ぎょっとして見ると、由比ヶ浜の手だった。由比ヶ浜も無意識だったのか、俺を見て目を見開いていた。
「ふたりともよそ見しない。画面見なさい。いくわよ」
はい、と手を叩いた雪ノ下が今度は清らかな声で歌い始める。
最初のぎこちなさが嘘のようにステップが合っていく。合っているのだが……。
「ちょ、ヒッキー……これ恥ずかしい……!」
「言うな! 本気になった雪ノ下には逆らえん!」
「静かに! 集中なさい!」雪ノ下が一喝。
「ゆきのん怖いよぉー!」由比ヶ浜が半泣き状態でステップを踏んでいく。
ふぇぇぇ、俺も怖いよおぉぉ……。
俺も由比ヶ浜も内心でガクブルしながらパネルを踏む。女の子と手を繋いでるのに怖いとかどういう状況だ。
「由比ヶ浜さん、半テンポ遅い!」「比企谷くん、次何が来るのか分かってるのだから流れを意識して身体を動かしなさい!」「由比ヶ浜さん焦りすぎよ!」「比企谷くん! 上下と左右は全然違うわ! 小学生からやり直させるわよ!」「由比ヶ浜さん左手に意識が向き過ぎよ!」
などなど、逐一雪ノ下に注意を受けながら地獄の時間が過ぎ、ようやく一曲を終えた。
おかしいな、ほんの数分なのに一時間以上経過した気がするよ……。
ゆきのん鬼軍曹だよ。ゲームに本気出し過ぎだから……!
「ヒッキー……あたし、このゲームトラウマになったかも……」
「言うな……俺もトラウマになりそうだ」
繋いだ手を解いて二人して肩で息をする。ちらりと雪ノ下を見れば、部下の成長を喜ぶ教官のように腰に手を当てて満足げに頷いていた。更に視線を奥に移すと、なにやら小町が頭に抑えてやれやれと首を振っていた。
「雪乃さん……これはひどい」と小町がぼやく。
「何かが決定的に間違っている気はするね」沙希も呆れ顔だ。
「なんか分からないけど、迫力がすごかったよ!」戸塚はいつだってフォローしてくれるが、どうにも声に張りがないのは気のせいだろうか。
ここにきてようやく己の失敗を悟ったか、困惑した表情になった雪ノ下が由比ヶ浜に近づく。
「ゆ、由比ヶ浜さん、いまのもしかして、おかしかったかしら……?」
「なにが合ってるのかあたしが聞きたいよ⁉」
くわっと目を剥いた由比ヶ浜に雪ノ下がおろおろする。
「あの、遊びでも全力を出そうと思って……」
「ゆきのん……全力の方向性が全然おかしいよ……」
がくん、と脱力した由比ヶ浜だったが、やっぱりいつも通り「ゆきのーん」と言ってゆるゆりし始める。うん、平常運転ですね。
そんなことよりだ。折角戸塚と一緒に遊んでいるんだ。戸塚と遊びたい!
「とつ……」
「戸塚さん、小町と一緒にやりましょー!」
小町がインターセプトしてきやがった。戸塚もすぐに反応して太陽の輝きで頷く。
「うん、やろっか小町ちゃん!」
小町ぇ……。
相変わらずゆるゆりしているふたり、小町と戸塚はダンレボに向かい、結局俺が取り残される。
「なに寂しそうな顔してるの?」
傍に寄ってきた沙希が、腰を折り曲げて下から俺の顔をのぞき込んでくる。いまの俺の気持ちはただひとつだ。
「戸塚と踊りたかった……」
くすりと沙希が笑む。
「まだ時間はあるから、チャンスはあるんじゃない?」
ぐぬぬ、と渾身の精神力でもって欲求を我慢する。まだ大丈夫。まだ時間はある。きっとできる。一緒に踊れる。よし、我慢……!
戸塚とゲームを楽しんでいる小町の姿が視界に入る。おのれ小町……。
「戸塚はやらん、やらんぞ小町ぃ……!」
ぽろっと本音が零れてしまった。
「普通逆でしょそれ……」
当然聞こえていた沙希に呆れられてしまった。いや、分かるんだけどね。ほら、戸塚って性別が戸塚だからね?
守りたい、戸塚の将来……!
戸塚が絡むと、どうも俺の頭はご機嫌になり過ぎておかしくなるようだ。自制しなければなるまい。
「ふたりが終わったら次なにやろっか?」
「もういいのか?」
「今日は色々やりたいかな」
「そうか。じゃあ適当に回るか」
沙希と言葉を投げ合いながら過ごしているうちに、戸塚と小町の番が終わる。ふたりとも満足した様子でパネルから降りてこちらにやってくる。ゆるゆり組も正気に戻ったようだ。
「あー、ホッケーあるよ! ホッケーやろー!」
由比ヶ浜が前を指差して声を上げる。おい、ダンレボといいエアホッケーといい、ここのゲーセンはなんでそんな古いものばっか置いてるんだ。
若干の疑問を抱きつつも、沙希も由比ヶ浜に同意したようなのでエアホッケー台へ向かう。
集まった一同であったがエアホッケーは二対二の四人用ゲームだ。必然的に二人あぶれるわけだが、
「では、第二回戦と行きましょうか雪乃さん」
なぜか無駄にやる気の小町が、沙希の腕を抱えつつ雪ノ下に喧嘩を売った。
「ええ、いいでしょう。もちろん負ける気は微塵もないわ」
対する雪ノ下も、なにも分かっていない顔の由比ヶ浜の肩に手を置いて、小町へ殺気にも似た鋭い視線を注ぐ。
「ゆ、ゆきのん? 二回戦ってなに? というかなんか勝負してたの?」
「小町? 急にどうしたの?」
由比ヶ浜も沙希も困惑した表情で互いのペアに疑問を投げていたが、その返答はひどいものだった。
「由比ヶ浜さん。負けたら勉強会の量を倍に増やすわ」雪ノ下の極寒の笑み。
「沙希さん、負けたら今日のご飯は抜きです」小町は瞳を滾らせていた。
「なんかとんだとばっちりだ⁉」由比ヶ浜は頭を抱え。
「そもそも今から戻っても夕飯遅くなるから外食になりそうなんだけど……」沙希は現実的な突っ込みを入れる。
女同士の争いは遠くから見守るのが一番だ。親父が言ってたからたぶん合ってるんじゃないかなあ。
俺と戸塚は数歩後ろに下がり戦いを見守る位置取りをする。
こうして、小町&沙希VS雪ノ下&由比ヶ浜のエアホッケー対決が始まった。
「九対十だな」
俺は冷や汗をかきながら言った。
円盤――パックが小町サイドへと放たれる。すかさず沙希がマレットでパックを壁面に叩きつける。直角軌道を描いたパックが相手ゴール目がけて猛烈な勢いで疾走する。
が、雪ノ下がそれをマレットで盤上を叩きつけて止める。唖然とした。驚異的な反射神経だ。
「由比ヶ浜さん!」
盤上とマレットの間に挟まれているパックを雪ノ下が由比ヶ浜に放る。
「行くよー!」
のんきな掛け声と共に、由比ヶ浜が上半身を使った動きでパックを突く。真正面からゴールへと向かうパック。それを遅いとばかりに小町が手首の振りだけで壁面に叩きつけた。反応の速さと最小限の行動が凄すぎてあり得ない。
二回三回と小町サイドでバウンドするパックに、沙希が再び直角コースでマレットを振る。残像すら見えんばかりの勢いでパックが放たれる。
雪ノ下のマレットが反射防御。
甘い位置に流れたパックを沙希が三度直角攻撃。
苦い表情で防ぐ雪ノ下。
沙希とは反対側に行くパックを小町が「うりゃあ!」と本気声で弾く。
パックは由比ヶ浜のマレットへ向かう。
反応できなかった由比ヶ浜のマレットの端にぶつかり、パックはゴールへ吸い込まれていった。
「十対十だな」
俺はもはや息も絶え絶え言った。隣に立つ戸塚は驚きと羨望で目が輝いている。
実に二十投目のゲームは、小町サイドのゴールによって決まった。この間、常に一進一退の攻防を両者は繰り広げていた。三点と差は付かず、ほとんどが交互に点数が入っていく。しかも内容は濃く、とても初心者がやっているとは思えない高度な内容だ。唯一由比ヶ浜だけが常人のプレイだろう。そう考えれば、雪ノ下の技量があり得ないほど高いのは想像に難くない。
ゲームは十一点先取。
最終場面。
最後の一投。
両者ともに息を呑む。
じりじりと身を焦がすような緊張感。
そして、パックが放たれた。
反応したのは小町。
防御担当だった小町が初めて本格的な攻勢に回る。沙希とは逆サイド側の壁をクッションにし、直角コースで由比ヶ浜を狙い撃ちにする。
ひゃあ、と悲鳴を上げる由比ヶ浜のマレットの前を何かがよぎる。パックが弾かれ小町サイドへ。
雪ノ下のマレットだ。あいつは由比ヶ浜が反応できないと見るや、自分のマレットを滑らせたのだ。
だが、それは致命的な隙だった。甘すぎる速度のパックへ、飴が滴るような笑みを湛えた沙希が直線コースで雪ノ下目がけてマレットを叩きつける。
徒手空拳状態の雪ノ下。
否。
右手にはマレット。
あり得ない……!
雪ノ下がマレットの底を持ち上げる。吸い込まれるように入ってきたパックを寸分の狂いもなく捕まえた。
小町サイド有利だった状況を覆す。
一体なにがどうして雪ノ下はマレットを持っていたんだ……?
視線を動かすと、由比ヶ浜が無造作に盤上に投げられていたマレットを捕まえているところが目に入った。そう、由比ヶ浜が雪ノ下にマレットを横流ししたのだ。なんという変則プレー。
最終局面かつ危機的状況でマレットを手放す雪ノ下。そして自身のマレットを渡した由比ヶ浜。どちらも常人のプレイではあり得ない。
「まだ足りない」
雪ノ下が笑った。いつもの笑みではない。唇の両端を吊り上げた、悪魔のような凄絶な笑みだ。
「もっと私を楽しませなさい」
本気の雪ノ下が動く。マレットを前に動かす。
小町と沙希が反応するが、パックが来ない。
パックは雪ノ下サイドを真横にバウンドしていた。雪ノ下は前に動かす動作と同時にマレットを傾けパックを横に弾いたのだ。神業か⁉
反射したパックに雪ノ下がマレットを振りかぶる。超スピードのパックが小町のマレットに直撃。
「うぇ」と情けない声を出した小町はマレットを動かすこともできず、パックをそのまま雪ノ下サイドへ反射させてしまう。
雪ノ下はパックを今度は壁際をクッションに直角攻撃。相手は小町だ。
今度はぎりぎりで反応できた小町も、防御するのが精いっぱいで甘い速度でパックが雪ノ下サイドへ再度流れる。
雪ノ下が神速で振る。
高速のパックが沙希の真横を通過、沙希も反応できずに小町サイドの最奥部でパックがバウンド。雪ノ下サイドにパックが三度返ってくる。
このとき、既に小町と沙希の表情に極大の動揺が浮かんでいた。
その感情の間隙を縫って、雪ノ下が全力でマレットを叩きつける。
完全にフリーとなった小町サイドのゴールへパックが一直線。
ふたりとも一瞬遅れて動くも、その僅かが勝敗を分けた。
「十対十一だ。雪ノ下と由比ヶ浜の勝ちだな」
なにもしていなかった由比ヶ浜はぽかんと口を開ける。雪ノ下がふぁさっと髪をかき上げ、悪魔の微笑みと共に言った。
「楽しかったわ。面白いくらいに翻弄できたわね」
ぐぬぬ、と小町が悔しそうに唇を噛みしめる。沙希は少し疲れたのか長く息を吐き出していた。
「今回は小町の負けです……」
「ああ、あたしは夕食抜きなんだね……」
小町の苦渋の発言と、沙希の苦笑いの言動がまったくマッチしていなかった。
「とりあえず……」
審判をしていた俺が重い口を開く。
「お前ら本気出し過ぎ。怖えぇよ」
「う、うん。す、すごい迫力……だったね」
戸塚もフォローできない様子だ。
やっぱりここで気づいた雪ノ下は、笑みを消してあわあわとうろたえ始める。
「ゆ、由比ヶ浜さん……もしかして、また私……?」
「超怖かったからね⁉ 最後の科白とかどこの悪役かと思ったよ⁉」
由比ヶ浜の突っ込みがゲームセンターに冴えわたった。